《これまでのあらすじ》~
(レミリアお嬢のたっての頼みで、妹様に読み書き算盤を教えることに~
 なったパチュリー。臨戦態勢で地下室に赴くが、意外や素直に教えを受ける~
 フランドール。しかしパチュリーは緊張を絶やさない。~
 『こちらを油断させる腹?』~
 ともかくも個人授業を続ける彼女だったが……)~
~
「――今日はここまで」~
教師はパタン、とテキストを閉じた。~
「もう終わり?」~
すこし口をとがらせる教え子。~
「ものを教えるのは、体力が要るのよ」~
「ふぅん」~
「じゃあね」~
「今度は、何時来てくれるの?」~
「さぁ?」~
「明日が良いわ」~
「それは無理」~
「と、いうと?」~
「ものを教えるのは、体力が要るのよ」~
「ふぅん」~
「じゃあね」~
「今度は、何時来てくれるの?」~
「…………」~
ジト目。~
「なぁに?」~
「そんなに、文字を憶えたいの」~
「そう。書けなくてもいいから、読めるようになりたい」~
「何故?」~
「ご本をね。読みたいの」~
「本」~
「黒い人が、貸してくれたんだけど」~
「ああ」~
自分の書斎に入り浸っている、普通の魔法使いの面影がうかぶ。~
「字ばっかりで、読めない」~
「どんな本?」~
「これ」~
と手渡されたのは、黒表紙の古びた本。~
だがどこか――~
(見覚えがあるような?)~
「……? …………っ!」~
パラパラと中身を確かめ、絶句するパチュリー。~
「どうかした?」~
「いや、……なんでも」~
「そうだ。パチェ――先生は読めるんでしょう」~
「それは」~
「だったら、読んで聞かせてくれない?」~
「――っ」~
「厭なの……?」~
「…………」~
妹君の瞳に危険な色を察し、やむなく魔女は朗読をはじめた。……~
~
~
 某月某日 晴れ~
~
 最近、手癖が悪い。~
 気がつくと、何故か手が伸びている――あの箇所に。~
 下着を汚してしまうと、メイド長にすれ違いざまに~
 『お盛んですこと』などとニヤニヤされて腹立たしいので~
 なるべく控えたいのだけれど、どうしようもない。~
 そこで考えた。~
 手をつねに使っていれば、あのようなことはしないだろうと。~
 さっそく毛糸を用意して、手でぐるぐると巻いてはほどき、~
 ほどいては巻いて、を繰り返す。~
 通りすがった部下が妙な顔で頭の羽をかしげたが、気にしない。~
 こうして両手がふさがっていれば、さすがに、あの場所を~
 触ることはできない。我ながら良いアイデアだ。~
 ……だが。~
 私は思った以上に、お盛んであるらしい。~
 気がつくと、机の角に、あの部分をこすりつけていた。~
 とても、気持ちが良かった。~
 硬い角がその部分に触れると、身体じゅうに痺れるような心地よさが走る。~
 漏れる声を抑えようとするが、ままならない。~
 下着がじっとりと湿ってくるのがわかる。~
 ああ。またあのメイドに。ニヤニヤと。~
 でもそんなことより何より、私はひたすら、机にあの箇所をなすりつけた。~
 私は、泣いていたかもしれない。むせび泣き。~
 ひときわ鋭い快感に貫かれて、私はぐったりと机に倒れ伏していた。~
 ……気がつくと、肩に上っ張りが掛けられていた。~
 しばらく失神していたらしい。~
 すっかり乾いた下着が、股に張り付いている。~
 上っ張りはきっと部下の気遣いだろう。~
 彼女はどんな気持ちで私を見たのか。~
 私はやりきれない気分で、下着の替えを取りにむかった。……~
~
~
「……今日はここまでっ」~
教師はバタン!と書物を閉じた。~
「…………」~
うつむいて、無言の教え子。~
「ふぅ、ふぅぅ……っ」~
背中に気まずい汗がうかんでいた。~
(あの、黒いの――)~
今度顔を出したら唯じゃおかない、と決意する。~
「ね、……パチェ、先生?」~
「?」~
「あの箇所、とか、あの部分――って、何処?」~
「それは」~
「ひょっとして、……此処?」~
「……っ」~
目に飛び込んできたのは、白い布地。~
捲り上げられたスカートから覗く、少女の下着。~
「此処を……こすりつけると、気持ちが良いの?」~
「そ……ぅ、そう……らしいわね」~
「…………」~
裾を手にしたまま立ち上がると、悪魔の妹は机の角へ、~
かの箇所を押しつけた。~
「! っ……ぅ……」~
ガタガタと揺れる机。~
「んっ……う、つっ……ぅ」~
力の加減がわからぬらしく、顔をしかめつつ、~
むやみやたらとこすりつけている。~
「……そんなに、強くしても、駄目よ」~
「そう……なの?」~
魔女は妹君の向かいへ立つと、みずからも机の角へと、~
おのれのその部分を――押しつけた。~
「……ぅ……っ」~
ここしばらく、控えていたせいで、思いのほか堪える。~
少しずつ、うごめかせていく。腰。~
「……ほら、これくらい、で……」~
両手を突っ張り、押しつけた箇所を上下にこするようにする。~
「ん……っ、こう……っ?」~
彼女を真似て、フランドールも動き出す。~
「そ……う、そう……よ、ゆっく、り……っ」~
「んんっ! あ、い、いい……っ、きもち、いい……よ、これ……」~
頬を紅潮させ、かすれた吐息を漏らす少女を見ながら、~
パチュリーもまた、ここしばらく冷めていた肉情のうねりを感じていた。~
「あっ! パチェ……、パチェ……っ」~
「ん……うっ、ふ……ぅ……」~
地下室にこだまする机の軋み、そして濡れた喘ぎ。~
「ちゅ……」~
いつしか、魔女は妹君の唇を吸っていた。~
「んじゅっ、じゅ、じゅう……んむぅっ」~
絡め合う。火照り猛った舌同士。~
「あ、あっ、あっ……ああ、んーー……っ」~
快楽の炎に焼かれつつ、パチュリーの口唇愛撫をひたすら~
受け容れるフランドール。~
「んちゅっ、ちゅ、じゅっ、んぐ……っ」~
「んっ、んーっ、んむぅ……ああ……んっ」~
次第に振動が重なり、リズムが整っていく。~
共に頂きへと――悦楽の極地へと――~
「あふっ! う、うっ、う、う……」~
「んんんんっ! あ、パチェ……パチェ……ッ!!」~
――達した。~
「……んむっ! ふぅぅぅぅ…………っ!!」~
「あああああっ! せん……せ……ぇ……っ!!」~
口内に満ちる少女の口液を啜りながら――パチュリーは、~
かつて味わったことの無い、愉悦に溺れていた。……~
~
「ご苦労様でした」~
書斎に戻ると、部下の小悪魔が出迎えに来た。~
「――ええ」~
「如何でしたか? 家庭教師は」~
「そうね――たまには、いいかもしれないわ」~
「なるほど……どちらへ?」~
「ちょっとね」~
やや乾いてきたとはいえ……濡れた下着はたいそう気持ちが悪かった。~
(暫くぶりに、メイド長にニヤニヤされる羽目になりそうだわ)~
しかし何故か……~
さほど、厭ではなかった。~
~
~
――こののち、パチュリーはしばしばフランドールの家庭教師を~
買って出るようになった。~
そのつどニヤニヤしていたメイド長も、そのうちニヤニヤしなくなったという。~
ニヤニヤするのに疲れたのだろう、とは門番妖怪の証言であるが、~
これはあまり信頼するに足りない。~
~
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―――――――――――――――――――――――――――――――~
*備考~
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*パチュリー・ノーレッジ(東方紅魔郷4面ボス)×~
 フランドール・スカーレット(東方紅魔郷エキストラボス)のネタ。~
~
*べつだんパチュリー支援とは関係ありませんって関係ないわな。~
~
書き手:STR

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