私は、殆どの時間を独りで過ごす。
もっとも、それは私が好きでしていることだ。

今日も今日とて、日課の読書をゆっくりと嗜むとs「パチュリー、遊びに来たぜー」

…はぁ、今日も来たか。











「first step」








「で、今日は何の用で来たのかしら?」
「ん?何か用事が無いと来たらいけないのか?」
「そういう訳じゃないけどね…」
まあ、魔理沙は友人なのだから、来ること自体に問題は無いと思う。しかし…
「それじゃ、今日はこれだけ持って行くぜ」
「持ってかないでー」
…これだ。いつも何冊か本を勝手に持ち帰る。なかなか返さないし…

「ま、いつも持って帰るというのもアレだからな、今日はいいもん持って来たぜ」
「何よ。また魔法薬でも調合してきたの?」
「違うぜ。これだ!」
どん!と音を立てて目の前に置かれた瓶を凝視する。
「これは…、幻の大吟醸、『水道水』じゃないの」
「ちょっとしたツテでね、久々に手に入った訳だ。で、持ってきたんだが」
『水道水』。それは、百年を生きる私でさえも数える程しか飲んだ事のない銘酒。
この幻想郷において最高級の酒の一つであr「って、何勝手に飲んでるのよ」
「あー?いいじゃないか、もともと私が持ってきた物だぜ」
私に持ってきた物ではなかったか。まったく図々しい。
「どうした?パチュリー、酒飲めないんだったか?」
「飲めないんじゃなくて、飲まないだけよ」
「どっちでも構わん。ほれ」
手にしたグラスを押し付けてくる。渡したグラスになみなみと酒を注ぎ…って。
「ちょっと、こんなにいらないわよ」
「折角だ。付き合ってくれてもいいじゃないか」
「仕方ないわね。少しだけよ」
そう言って受け取ったグラスの中身を一息にあおる。
あ。珍しく魔理沙が驚いてる。
「お前…実は酒豪か?」
「失礼ね。まあ、割と平気とは思うけど」
グラスを返しながら答える。
「まさか一気に飲むとは思わなかったぜ」
「あら、この位なんて事ないわよ………っ!?」
まて。今使ったグラスは。魔理沙の使っていた物ではなかったか。
「ん?パチュリー、どうした?」
と言う事は。私、魔理沙と間接キスしたって事!?
「顔赤いぜ。熱でも出したか?」
コツンと魔理沙が額を合わせてくる。
それは私にとどめを刺すのに十分な破壊力を持っていた。
「お、おい、パチュリー!大丈夫か?」
魔理沙の心配する声を聞きながら私の意識は薄れていった。
(ああ、きっと顔真っ赤なんだろうな…)
などと考えつつ。




続く?






後書き(戯言)

変なところで区切って続きます。
書き始めた当初はもう少しネチョ分があったはずなのにコンマ以下というかほぼ0。
ああぁ、石を投げないで(つдT)
そのうち続編でネチョ成分含むようにしますから~


ところで。

A:魔理沙は間接キスとわかっててグラスを渡した。
B:素でグラスを渡した。

どっちがいいだろうか……

書いた人:NIN


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2302d)