◆ハニーディップ


……雨が降っている。
秋に入ってから久方ぶりの長雨だった。
そういえば、今年の夏はあまり雨が降らなかったんだなと、そんなことを思い出した。

「……だからって、何も風邪引かせるほど降らせることはないじゃない」
窓の外を、大き目のベッドの中で眺めながら、アリスは疲れたように呟いた。
その頭には氷嚢を帽子のように乗せて、ベッドサイドの机には体温計と薬箱。表情はど
こか気だるそうに赤く、時折咳き込んだりもしている。
風邪を引いてしまったのだ。
事の発端は森の中、魔法薬の材料を探していたところ。
運良く貴重な鉱石も手に入れて、さあ帰ろうとした矢先に、突然の大雨の奇襲。
運悪く、家からは遠い所にいたので、当然ながらずぶ濡れになってしまい、こうして風
邪を引いてしまった。しかもなかなかに重い。
先ほど体温計を使ったところ、記憶の中から抹消したくなるほど愉快な数値にまで上が
っていた。……厄日だ。
「えーと、何日目かしらね……今日で」
風邪を引いてからの日付がなかなか思い出せない。二日以上は経っていると思うが、ず
っと寝込んでいるのと、その景色の代わり映えの無さに、時間感覚が飽きてどこか遠い所
に旅行してしまった。
……体の節々が痛い。魔界人の風邪は随分とたちが悪いようだ。いや、ずっと寝ている
から痛いのか。
「………………」
寝返りを打つ。少しでも動いていないと、嫌な不安が心をよぎるのだ。
身の回りの世話は人形たちが頑張ってくれている。しかし、どうしようもないのだ。

――どうしても、孤独を意識してしまう。

そういえば、こうして寂しさなどを感じるのはいつからだったか。
遠い記憶に思いを馳せても、とんと見当がつかない。
あの頃は、人形を作り魔法薬を作り新たな魔法を作ることに夢中で、気付かなかったの
だろう。

――いや、気付けなかったのか。

生まれたとき、すでに独りでいた。それが正しい在り方であるかのように。
最初から独り、今までも独り、これからも独り。
なら、寂しいとか、孤独とか言う感情など、思いも寄らなかった。
そもそも、その言葉自体を知らずにいたし、理解も出来なかった。
そこで思い至るのが、それが一番の孤独だったのでは、という考えだ。それが浮かぶた
びに、言い知れない怖さと辛さが胸に去来する。

――記憶が現在へと近づいていく。

ある日、弾幕り合うことになった三人の人間。一人は紅白、一人は黒白で、最後はメイ
ドだった。
不思議な手合いだった。といっても、数えるほどしか人間にあったことはないが。
普段から全力を出すことを厭う自分が、珍しく少し熱くなって、負けてしまった。
それでも、悔しさより先に、何か他の感情が出てきたのを憶えている。
それがなんなのかは分からないが、なんとなく、それから寂しさを感じるようになった
のか、と思う。

――そう、気付いてしまったのだ。自分が、途方も無く独りだということに。

彼女たち――魔理沙や霊夢のところをちょくちょく訪れるようになったのも、そうした
気持ちを和らげたいということが強かったからだ。
そして、実験やこうした体調不良で少し自宅にこもっていると、そういった灰色の感情
が少しずつ心を犯していくのだ。
それは、どこか死に似ている。普段は姿を全く見せないくせに、ふとしたことでその恐
ろしいカタチを顕わして、逃れようが無いことを暗示し、必ず訪れることを予言する。
そうして、孤独を意識するたび、心が凍りそうに――

「~~~~~~~~~~~っ」
肩を抱いて、縮めるように身震いをする。
余計なことを考えてはいけない。今は、ただ、何も考えてはいけない。風邪を治すこと
だけを。でも、治らなかったら。このまま誰にも知られず緩慢に。考えちゃ駄目。人形で
あれば。役割を果たす人形であれば。黙りなさい。知らないほうが幸せだった。自分は出
会うべきでは――
「………………くぅっ」
更に強く体を掻き抱く。知らず、涙がこぼれそうになる。
――こんなとき、誰か居てくれれば。
ふと、熱で茹だっている頭の中を、それがよぎった。
しかし、即座に否定する。
私が風邪で寝込んでいることなんて、誰も知らないはずだ。
だったら、誰も来るはずも――
「あ、やば」
そこで、くらっとめまいが強くなった。思ったより体力の消耗が激しいらしい。
――とりあえず、眠ろう。起きた時には、何もかも忘れているはずだから。
そうして、アリスは眠りに近い気絶に入った。


雨足がひときわ強くなった。それはまるで壁のよう。
薄暗い空の彼方の雲。一瞬の切れ目が現れて、そこから一条の黒い流星が見えた。
雨水の壁を打ち破って、森の丘を縫うようにすり抜けて、流星が走る。
途中に絶壁が見える。速度を落とさずに方向転換。鮮やかに横滑りし、加速。
見事にかわした所で、少し開けた場所が見えた。
魔法の森の中で、一軒だけ佇む秘密の家。
流星は、そこに向かって進んでいった。


――夢だと、なんとなく悟った。
小さい頃の自分が見える。
いや、それは自分自身でもあった。
自分で自分を、主観視と客観視で、同時に見ているのだ。
自分が誰かを見上げている風景と、自分と誰かが並んでいる風景を重ねて見せられる。
誰かの人影が、アリスの髪を優しく撫でて、唇にキスをした。
そして、何事かを呟く。何と言ったかは無声映画だったのでわからなかったが、酷く暖
かな気分になった。
声の変わりに、頭の中で誰かの思いが響いた。
独りでいることは寂しいこと。それは正しい。
でも、それは逆にいえば、誰かといると、何倍も何倍も幸せになれるということの、意
地悪な裏返しなのだ、と。
だから、あなたも大切な人を見つけなさい。
突然、声が耳に届いた。
――お母さん?


「…………ん?」
そこで、目が覚めた。ぼんやりとした風景。
「…………」
昔の夢、だったのだろうか。物心ついたとき、すでに一人だったので、母親のことを覚
えていないはず、なのだが。
とりあえず、起き上がろう。眠ったせいか、随分と体が軽い。上半身を起こして、窓辺
の方を見ると。
「よ」
魔理沙が、こっちの方をじっと見つめていた。
硬直。

「…………わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

絶叫。

「おいおい病人が大声出すなよ。体悪くするぜ? といってもすでに悪いけどな」
耳を押さえて魔理沙が顔をしかめる。
「だ、だって、あんたなんでここに」
「いや、な。ついさっきお前んとこの人形に会ってな。ご主人は元気かって聞いたら風邪
引いてるとか何とか。それで冷やかしついでに見舞いをだな」
「ていうか、玄関には結界張ってあったと思うけど」
「ああ、箒で窓に突っ込んで破った」
「普通に言うな!! ああもう、後で弁償して貰うからね」
「細かいことは気にするなよ。人生を楽しき生きる秘訣だぜ」
「でも人に迷惑かけていいことにはならないわよ」
「かもな。……うん、ばっちり効いてるな。これならすぐに治るだろ」
「え?」
そこで、自分の体に意識を向ける。まだ熱っぽいが、節の痛みも重さも何もかも全部消
えている。
「いや、偶然うまくいった魔法酒があってな。せっかくだから飲ませてやろうと思って」
いいながら、魔理沙はベッドサイドに置いてある瓶を指差した。
とろりとした輝きのそれは、どう見ても蜂蜜酒。しかし、その輝きは強い黄金で――
「って、これもしかして」
「おう。一度飲めば、寄せるエーテルの波に乗って三千世界の果てにも行けるって妙薬。
いわゆる身体能力強化の薬酒だから、免疫力にも効くだろうと思ってな」
「……いいの? こんな貴重なの飲んじゃって」
「飲まなきゃ意味無いだろ。それにお前にならいいやと思ったし」
「……どうして?」
かすかに目を伏せて、アリスは聞いた。夢を見る前と見た後の感情が無い混ぜになって
いる。
「そりゃあ……お前がいないと、退屈だし、一緒にいて、なかなか楽しいからな。喧嘩し
てても何してても」
「……寂しかった、の?」
「……ん、まあ……って、ああもうこんなこと言わせるな恥ずかしい」
魔理沙がそっぽを向いて早口で告げた。かすかに見える顔がやや赤い。
それを見て、我慢していた何かが溢れ出した。
「うわっ!?」
突然アリスに抱きつかれ、魔理沙は驚きの声を上げた。
「な、何だよいきなり」
「魔理沙」
「だから、何だって」
「……魔理沙ぁ」
「えー、あー、だから」
「……魔理沙ぁっ!!」
「ああもう、わかったから泣くな」
子供のように泣きじゃくる、アリスの髪を優しく撫でる。
それは、まるで子供をあやす母親のようにも見えた。


「まったく、寂しかったらそう言えばいいんだよ」
「だって……」
ひとしきり泣いて落ち着いた後。外の雨足が緩み始めた頃。
アリスは再びベッドへ横になり、魔理沙はその傍らに腰掛けている。
「少なくとも霊夢は邪険にしないと思うぜ?」
「じゃあ、あんたは?」
「からかって遊ぶ」
「いうと思った」
苦笑して、体を伸ばす。ずっと寝ていたからか、ばきばきと関節が愉快な音を立てた。
「あ、そういやおまえ、風呂は入ってたのか?」
「何よ唐突に。……ずっと寝込んでたから無理よ」
「そーかそーか。いやな、おまえが相当汗かいてるのが気になってな」
「え……ひょっとして匂う?」
思わず鼻に腕を近づける。その様子に魔理沙は苦笑した。
「悪い匂いじゃないけどな。……そうだ」
いいながら、魔理沙が部屋を出て、三十秒ほどで戻ってきた。その手にはお湯を張った
洗面器とタオルが抱えられている。
「……何する気よ?」
「いや、拭いてやろうかと思ってな」
「…………」
……いま、こいつは何と言ったのか。
「汗まみれじゃ気分良くないだろ。ほれ、腕上げろ。服脱がすから」
「……って、ちょっと待って待ってまだ心の準備とかていうか脱がさないでよー!!」
ようやくどう言う状況か把握できたアリスは、寝間着のボタンを外し始めた魔理沙を跳
ね除けようと暴れ出した。
「こら病人が暴れるな……痛てててて蹴るな叩くな引っ掻くな」
「きゃー、犯されるー!!」
「人聞きの悪いことを。ほら、もう諦めろって」
「やだ、駄目、駄目だってばぁ!!」
更に抵抗を深める。しかし、すでに上着はボタンを全て外されて下着も取られているし、
ズボンのほうもすでに足先まで下ろされている。恐るべき早業。
「ほーれ、これで最後だぜ」
「あんた絶対楽しんでるでしょっ……!!」
そしてショーツにも手をかけられて、膝の辺りまで下ろされると同時。
暴れるアリスの手が、蜂蜜酒の瓶に当たった。
「あ」
「え」
当然、重心を掬われた瓶はぶっ倒れて、
その中身をアリスにぶちまけた。


「うー、べとべとする」
「自業自得だぜ」
「あんたが無理矢理脱がそうとするから……」
「お前が抵抗するから」
「うー……」
とろりとした感触が体を伝って、アリスはうめいた。
幸い服やシーツにはあまり飛び散らなかったが、蜂蜜酒の中身の半分以上は、アリスの
裸身へと盛大にこぼれてしまっていた。
「ま、とりあえずこぼれたのを……」
と、そこでアリスの姿を見て……ちょっとだけ硬直する。
先ほどまでは気付かなかったが、
透き通るような細身の裸身。
かすかに浮いている汗の珠。
それを土台に、こぼれた蜂蜜酒が彩っている。
上半身を淫靡に滴り落ち、下半身の、何かを守るようにきつく閉じられたデルタ地帯へ
と流れ込んで、それは――。

……なにか、いけないものが疼いた。

「……魔理沙?」
アリスは、どことなく不安そうに呟いた。
「……とりあえず、綺麗にしてやるから動くなよ」
いいながら、魔理沙はアリスに覆い被さった。
「ちょっ、ちょっと」
「こぼした奴も勿体無いだろ、だから」
「え、魔理沙、ちょっとまさか……うひゃっ!?」
突然、鎖骨の辺りに舌を這わされた。思わず振り払おうとするが、腕も足もしっかりと
捕えられてしまっていて、全く動かせない。
「ん……アリスの汗、甘いな」
「ちょっ、馬鹿、いきなり何を……んぁんっ」
「なに、熱を下げるには汗をかくのが一番だしな。ついでにそれの手伝いってことで」
「絶対違うわよそれぇっ……くぅんっ」
鎖骨から胸骨、そして乳房を円を描くようにして舌を擦りつける。触れられるたびに、
熱く甘く紅く痺れた感覚がアリスの中を襲う。
「なんだ、結構感じてるじゃないか」
「だ、だって。なんか変っ……んくぅ、あっ」
胸の先端の蕾を咥える。舌で転がすようにねぶって、軽く歯先で咥えた。
「や、だめ……すごく敏感になってる……ひぁ」
「……ふむ。さっきの酒で感覚も増幅されてるのか。ま、ちょうどいいぜ……ちゅ」
「んんっ!?」
蕾を強く吸われる。更にそれを舌先でねぶられた。
「……これで何か出てきたら面白かったんだけどな」
「で、出るわけ無いでしょ、馬鹿……あっ」
胸を一通り愛撫し終わった魔理沙は、そこから更に下へ下へと愛撫を進めていく。
「んんっ……あっ、おへそ駄目ぇっ……」
「ふーん、面白いところ感じるんだな、アリス」
いいながら、舌を押し込んで、洗うように愛撫する。蜂蜜酒の甘味と、かすかな塩味が
心地好い。
「うう、あとで憶えてなさいよ……きゃんっ!?」
「ああ。憶えてたらな……ん、最後はここか」
最後の一角に視線を向ける。そこには金色に輝く湖。時折、アリスの動きにあわせて湖
面が震えるのが艶かしい。
胸を高鳴らせながら口を付ける。
「は、ふぁ……」
ゆっくりと飲み干しながら、アリスの秘所へと近づいていき、
「ん…………はぁっ」
湖底に届いた。そこで、魔理沙は両手を離すと、アリスの足を開かせる。
「あ、や、そこは……」
「いいからじっとしてろって。痛くなんかしないから」
「そういう問題じゃなくてっ……あっ!!」
蟻の戸渡りから恥丘の半ばまでを一気に舐め上げられて、アリスは体を震わせた。
「だ、駄目だってば……おかしくなっちゃうからぁ……」
だが無視。内股やお尻に至るまでを徹底的に愛撫する。舌を這わされた部分が銀色の筋
を残し、金色の筋を駆逐した。
「はぁ……あっ……くぅんっ……くぅ」
「ほら、痛くなんか無いだろ……もう少し、力抜いてくれ」
言いながら、魔理沙は最後の秘境へと侵攻する。
ゆっくりと、割れ目に合わせて、舌先でねっとりとなぞっていく。かすかに下を割り込
ませると、暖かな液体がこぼれてくる。
「ふふ、なんだよ……こんなに濡れてるぜ」
「あ、見ないで……よっ……ばかぁ……きゃうんっ……」
こぼれてくる雫を、啜りとっては、舌を押し込んでいく。
「んんっ、くぅ……魔理沙ぁっ……」
「ん、なんだ?」
「……その……ふあっ!?」
「ほら、はっきり言ってくれないと聞こえないって」
意地悪そうに言いながら、舌の愛撫を続けつつ、指先で敏感な部分を撫でる。
それで、アリスの体は面白いように小さく跳ねる。
「何か、来て……頭の中が真っ白にっ……」
「ああ、いきそうなのか。でもまだちょっと我慢してもらうぜ」
それを聞いて、魔理沙は舌を引き抜いて、指を離した。透明な糸が魔理沙の唇とアリス
の秘所を繋いだ。
「え……」
そこで、アリスが切なそうに見上げてくる。
「う……そんな目で見るなよ。ちょっと待ってろって」
その破壊的な可愛さと妖艶さから理性が吹っ飛ぶのを堪えると、再びアリスへと覆い被
さる。
「え、何――」
「いいからいいから。せっかくだしもう一回」
魔理沙は、アリスと唇を重ねた。アリスに、夢の記憶が浮かんだ。
「ん……」
それで、安心したかのように体の力を抜いて、魔理沙のされるがままにした。
舌が絡められ、抱きしめられるように愛撫される。艶めいた水音が心に響く。
何分そうしていたか……ようやく、魔理沙がアリスの唇を解放した。銀の糸がこぼれ落
ちる。
「ねぇ……魔理沙。さっきもう一回って言ったけど……最初はどうしたの?」
「ああ、いや。おまえ、うなされて寝てたからさ。こりゃ早めに飲まそうと思って」
「……どうしたのよ」
「……口移し」
「…………」
そこで、アリスは愛撫されていた時よりも顔を赤くした。
魔理沙も困ったように笑っている。
「……嫌だったか?」
アリスはゆっくり首を振った。
「それより……その、するなら早くしてよ……」
「お、どうしてだ?」
「だって、さっきからずっと疼いてて……」
「ああ、わかった。力抜けよ」
微笑んで頷くと、魔理沙は今度は指を這わせた。羽根で撫でるように優しく、胸から秘
部までを丁寧に擦っていく。
そして、入り口に指先を割り込ませる。
「一本目……力入れてると痛いぜ」
「うん……は、くぅっ!!」
つぷりと、粘ついた音を立てて、指が第一関節まで呑まれる。
「うわ……相当熱いな。痛くないか?」
「うん……でも、あんまり動かさないで、ひゃうっ」
指をかすかに震わせると、まるで共鳴するようにアリスも身を震わせた。……そうとう
敏感になっているようだ。
「こりゃ激しくすると痛そうだな……」
ぼそりと呟きながら、ゆっくりと抜き差しする。
「う、んっ、はぁ、あっ……くぅん、はうっ、あっ、あっ……」
少しずつ差し込む角度を変えていき、膣壁を擦る。ほとんど力は入れていないが、それ
でもアリスはいっぱいいっぱいらしく、目じりに涙を浮かべて息を荒げていた。
「これくらいなら大丈夫か……ちょっと強くするぜ。痛かったら言えよ?」
「う、うん……ふあぁっ!?」
ひときわ強く突くと、アリスがびくんと体を浮かせる。慌てて動かすのを止めた。
「へ、平気か?」
「だ、大丈夫……ちょっとさっきのところが……」
「……ここ、か?」
「うひゃうっ!? う、ん……多分、そこぉ……」
どうやらちょうど、一番感じる部分を突いてしまったらしい。
だが、ここならあまり激しくしなくても……。
そう思って、その部分、膣内の上側を集中的に刺激する。
「う、あ、やぁっ、だめっ……あふぅっ!!」
アリスの反応が強くなった。ふるふると体を震わせて、声にならない嬌声を漏らしてい
る。
「はぁぁっ、あっ……きゅぅっ……んっ……あ、あっ、あっ……!!」
指をきゅうきゅうと締め付けられる。絶頂が近いのか。
溢れる愛液を掻き分けて、少しずつ刺激を強くしていく。
「うあっ、あっ、だめ、きちゃう、きちゃうっ……!!」
「ああ、もっと気持ちよくしてやるよ……!!」
そこで、お互いに向き合うように抱き上げて、二本目の指を押し込む。同時に、背中か
ら空いている手を回して、抱きしめるように菊座へ指を侵入させた。愛液が染みていたの
か、あっさりと飲み込まれてしまった。
「ひゃうっ、あああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
突然の大攻勢に、あっけなく理性が決壊する。二つの秘部に押し込まれた指が強く締め
付けられ、痙攣するかのように震えていた。
「あ、あああ、ああっ……は、ぁ……」
暖かく、甘い快感の余韻。それに抱かれて、アリスは失神した。


目が覚めると、魔理沙の腕に抱かれていた。
「あ……」
「おはよう、ねぼすけさん」
悪戯めいた魔理沙の言葉に、アリスは自分がどうなったかを思い出した。
「あ、わたし……」
「まさか失神するほど感じるなんてな……まったく、びっくりしたぜ」
「……ばかぁ」
顔を赤らめて、それだけを呟く。
「さて、熱はどうだ?」
「うん……もう無いみたい」
体温計を使って見ると、すでに平熱にまで戻っていた。何だかんだといって、それなり
に効果はあったらしい。
「うん、ならもう大丈夫だな。来た甲斐があったもんだぜ」
「……ね、魔理沙」
「ん?」
「……ありがと」
「……ん、まあ、な」
アリスが微笑んで告げると、魔理沙はそっぽを向いて顔を赤らめた。こうも直球で言わ
れるのは苦手らしい。
「さて、次は私かな」
「え?」
ふと、魔理沙がそんなことを言い出した。
「次って……何?」
「だって、私はまだイってないぜ」
いいながら、服を脱いで蜂蜜酒の瓶を取る。それを自分の体に注いで――
「さて、次はお前の番だぜ、アリス。召し上がれ、ってな」
そういって、少し照れるように微笑んだ。
「……もう。じゃあ、遠慮なく頂こうかしらね」
アリスは困ったように笑って、すぐに艶めいた微笑に変わった。




雨も上がり、まばらの雲から月の光が降り注ぐ。
本来は冷たい光は、今宵だけ、暖かさを宿している。

――もう少しだけ、その晩は嬌声が続いた。













にっちもさっちもいかない後書き


     ハチミツネチョネチョ
   (( ゚∀゚))                  DaDaDa?!
    (ヽ□=□))                (゚∀゚)ノ
     > >                  ノ( ヘヘ


……黄金の蜂蜜酒って感覚の鋭敏化の薬効もあるらしいですよ?

はい、再び登場595です。もう面倒なのでこのまんまのハンドルで行きます。勝手にあだ
名でもつけてやってください(何

えー、今回は純愛分が足りないとのことで書いてみたり。処女作よりはこなれてきたなー
と、自分では感じました。……でも、もうちょっと濃く書く練習しよう。

そういえば、ネチョSSではでてこなかった蜂蜜ペロペロプレイ。
なんでないんだろーな、と思っていたところ、
「書くなら今しかない!! ユーアーエロティックダイナマイトライター!!」
「イエスサー!!」
と、再びエロジーザスの神託を受けたので速攻書きました。いや、一日で書けるだなんて
びっくり( ゚Д゚)ヒョエー

ネチョ抜いてもう少し練りこめば創想話にも投稿出来たかなコレ。魔理沙が思いっきりラ
フメイカーの立場。

さて、こんなところ読む親切且つ奇特な方も少ないでしょうのでこの辺で切り上げさせて
いただきます。

では、全てのシューターとネチョスレ住人、絵師とSS職人、そして神主様に天下無敵の幸運を。

執筆:595


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2301d)