• 色神・橙-


    ここはマヨヒガ。猫と狐とその御主人様が住まう場所。
    先日、おかしな人間にけちょんけちょんにされてしまったが、今はその傷も癒えいつもと変わらぬ日々を過ごしていた。

    「えーと、ここはこうで、そこはここをああして……」

    一匹の猫―――――橙が、古ぼけた本を前に悪戦苦闘している。一匹の狐―――――藍に読み書きを教わったが、
    まだ完全には身に付いていないらしく、解読も遅々として進まない。
    しかし、外で遊びまわるのが好きな橙が途中で投げ出さないのは、ひとえに御主人様・藍の為であった。

    「あーもう、分かんないよ…………でも、藍様の為だから……」

    もうかれこれ一時間は経っている。藍はといえば、炊事洗濯家事掃除に大忙しだ。
    御主人様の御主人様―――――八雲 紫は、相変わらず眠ったままで藍に任せっきり。
    藍も本当は橙に手伝わせたかったのだが、何やら真剣な顔で本を読み耽っていたので、声を掛けるのはやめにした。

    「……ここはそうだから、最後はこれで…………うんっ、分かった!」

    ようやく解読が終了したのか、嬉しそうに跳ね起きる。そして、辺りをキョロキョロと、何かを探すような素振りを見せる。

    「んー……自分に試してみるしかないかなぁ。でも、一人でやったら藍様に叱られる……」

    藍は怒ると恐い。叱られた時の事を想像し、猫耳がペタンと倒れる。

    「でも、ちゃんと出来たら、きっと誉めてくれる…………よしっ!」

    覚悟を決め、ゆっくりと目を閉じる。全身の力を抜き、両手で胸の前に三角を作り、全身の妖力を一点に集中させる。
    流動する妖力を両掌に集め、天井にかざすと一気に振り下ろした。

    「せーのっ、え~~~~~~~~~~~~~~~いっ!!!!!」

    ボオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォン――――――――――――――――――――――――







    藍は今日も忙しかった。何せまともな働き手が自分しかいないものだから、何から何までこなさなければならない。
    紫は寝たまま、橙に手伝わせるのもやや不安がある……そんな訳で、体休まる時が無かった。

    「ふ~…………御主人様のグータラっぷりは、何とかならないものか……?
     橙も珍しく勉強しているようだし、今日も私一人か……」

    深く溜息を吐く。毎日の仕事とは言え、しんどいものはしんどい。
    肩をコキコキ鳴らしていると、ますます肩をこらせてくれそうな騒音が家中に響き渡った。

    ボオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォン――――――――――――――――――――――――

    「なっ、何だ!?」

    もくもくと流れてくる煙。どうやら橙のいた部屋が発生源らしい。

    「まさか、火事か!? 急がないとっ……!」

    手にしていた箒を投げ捨てて、橙の元へと走る。走るとは言ってもさほど広くないので、あっという間に目的地に到着する。
    立ち込める煙を手で仰ぎながら、懸命に橙を探す。

    「火事ではなさそうだが……おい、橙! これは一体………………ををうっ!?」

    そこで藍が見たもの。それは、火事などよりよほどとんでもないモノだった。自分の目を疑い、何度も擦ってみる。
    ……が、幻ではなかった。

    「ら……藍さまぁっ…………」

    うつ伏せに倒れる橙。顔は上気し、汗をかいている。いや、そんな事より………………何だ、これは。

    「ちぇっ、橙……これは、どうした事だ……?」
    「術の……練習して、自分に試したら……こう……なっちゃった…………ふぅんっ」

    息も絶え絶えに、言葉を搾り出す。全身がグタァッとなっていたが、一箇所不釣合いに元気なモノがあった。
    ウネウネと蠢く二本の尻尾……いや、これは尻尾ではない。むしろ、そう……怪しくうねるソレは、まるで雄の、そのものだった。

    「これは一体…………ん?」

    おそらく、この本に書いてある事を実践したのだろう。橙の側に落ちてあった本を拾い上げ、目を通す。

    「精力回復の術……これか。
     橙、きつく言ってあっただろう!? お前は未熟なんだから、決して私のいない所で術の練習はするなと!!」

    藍に怒鳴られ、耳をペタンを伏せる。藍は怒ると恐い。何とか息を継ぎ、橙の口が開く。

    「藍様……いつも、一生懸命働いてて……いつも溜息吐いてたから……
     だから、元気になって欲しくて……元気になる術を覚えようと…………ごめんなさいぃっ………………」
    「橙、お前……」

    そんなに溜息を吐いて、疲れた素振りを見せていたのか。自分の式神に余計な心配を掛けていた己を恥じた。
    橙の横に屈み、そっと頭を撫でる。

    「すまなかったな……心配させてしまったか。私は、御主人様失格だな」
    「そんな事っ……藍様は、橙の立派な御主人様だよ……!」

    そう言って笑顔を見せる。苦しいだろうに、藍の前ではそんな素振りを見せない。
    改めて、橙がとても愛おしい存在に感じられた。

    「でも……さっきから、尻尾が……熱いよぉっ…………」

    両手を懸命に尻尾の方に伸ばす。しかし、蠢くソレは橙の手をするりとかわす。
    バタバタともがくが、どうしてもソレを掴めない。そうしている間にも、橙の顔がますます赤く、辛そうになっていく。
    そして、そんな橙の様子を見ていられなくなった藍は、一つの決心を下した。頭を撫でながら、優しく語り掛ける。

    「橙……頑張らなくてもいいんだよ。辛ければ、いつでも私に頼りなさい。……私はお前の主人なのだからな」
    「ら……藍、さまぁ……」
    「……さぁ、私はどうすればいいのか……遠慮せずに、言いなさい」
    「らんさまっ……藍様、た……たすけ、てぇっ……!」

    目を潤ませ、半開き状態の口から唾液を垂らし、藍を見上げて懇願する。そんな橙の様子に、藍はこれまでに無い欲情を覚えていた。

    「橙……今、お前の中には過剰な妖力が流れ込んでいる。だから、色々と自分自身を制御出来なくなっているのだ。
     まぁ、何がどうなって尻尾がこうなってるのかは分からないが……ともかく、余分な妖力を外に出さなければならない」
    「どうしたら……どうすれば、いいの…………?」
    「私に任せろ」

    頭をポンと叩くと、膝立ちで橙の足の間に移動する。目の前には、先程からのたうち回る、グロテスクに変形した二本の尻尾。
    恐る恐る、二本のソレを手で掴む。

    「ふみゃあああぁぁっ!?」

    橙の体が跳ねる。

    「藍様ぁ……今、何か体がピリピリって……」
    「……心配するな。体の力を抜くんだ」
    「は、はぁい…………くぅんっ」

    ヒクヒクと脈打つ橙のモノを、そっと口に咥える。そして、もう片方のソレを、ゆっくりとシゴきはじめた。

    「あひっ、や、ああぁぁっ!?」

    じゅる、ちゅく、にちゃ、ちゅうぅぅぅ…………片手で一本のモノを押さえ、頭をスライドさせてシゴく。
    そして、もう片方の手でもう一本を掴み、先端を指でこねつつ上下にスライドさせる。

    「んむっ……ぐちゅ、ちゅぱ……」
    「んんんっ、藍、さまぁ……な……何、これっ……?」
    「ぷはっ…………どうだ……気持ち、良いか……?」
    「よく、分かんないけど……変な、感じっ……みあぁっ!」

    先端から透明の液が滲み出し、モノがピクピクと痙攣し始める。限界が近い事を伝えていた。
    舌先を器用に使い、刺激を加え続ける。

    「んむっ、れろ……あむ……」
    「あ、ひあっ、藍……さまぁ……何か……あ、来ちゃうよぉ……んんんっ!」
    「ん……我慢しなくていい。身を委ねるんだ」

    じゅぷ、ちゅぷ、ぐちゅううぅ…………改めてモノを咥えなおし、口、手とストロークを速める。

    「らっ、藍様っ、出ちゃう、何か出ちゃうよおぉぉっ!!!」
    「ん……いいから、出しなさい……じゅぷ、ちゅぱ、じゅるうっ……」
    「あ、あっ、出る、出ちゃうよっ…………あああひあぁああぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁっ!!!!!」

    びゅるっ、びゅるるううぅうっ!!
    放出された白濁色の液体が藍の体を汚し、咥内のモノから大量に吐き出される白濁液。喉に絡ませつつも、それを全て嚥下した。

    「んっ、んんんむうううんっ!!!
     んくっ、ごくっ…………はぁぁ……随分たくさん出したな……」
    「あぁぁぁあぁぁ…………ら……藍様ぁ……ごめんな……さ、いぃ……」

    虚ろな目で締まりの無くなった口から唾液が畳に零れる。そんな状態でも、藍への気遣いは忘れなかった。

    「ふぅ……少しは、すっきりしたか……?」
    「あ……ん……さっきよりは…………。でも……ま、まだ……苦しいよぉ……」

    大量の白濁液を吐き出したにも関わらず、二本のソレは未だ衰えを見せない。
    自らの汁に濡れて妖しく滑るソレが、橙の意思を無視して蠢き続ける。

    「ふむ……まだ足りない、か。橙、お前一体いつの間にこれだけの力を身につけたんだ?」
    「よく……分からないけど……藍様の事を考えると、いつもより沢山頑張れるような気がするの……んっ」

    橙は、藍を心から慕っている。その藍の役に立ちたい……という気持ちが、普段よりも大きな力を出させる。
    それが、今回の暴走に繋がってしまった訳なのだが。

    「んふっ……私も、橙の妖力に当てられてしまったか……?」

    藍がしきりにもぞもぞし始める。秘部が濡れてきているのを感じた。そして、目の前にはいきり立つ雄のモノ。

    「橙、まだ苦しいか?」
    「むずむずして、凄く変な気持ち……こんなの、始めてっ……!」

    未だ喘ぎ続ける橙。それを見て、藍は着衣を脱ぎ始めた。

    「藍様……何で、服、脱いでるの……?」

    その問いには答えず、やがて全裸になる。そして、橙のスカートも脱がし、お尻を跨ぐようにして立った。

    「藍様……?」
    「私も、その……色々と当てられない状態になってしまったようだ。
     だから……橙、一緒に……気持ちよく、なろうな?」

    そう言うと、モノを一つ両手に掴んで自らの秘部にあてがい、ゆっくりと腰を沈める。
    じゅぷっ、めりいいぃいぃぃぃっ……!

    「あっ、つっ……さすがに、キツい、か……!?」
    「うあああぁぁっ、藍様っ、な、何、これぇ……?」

    静かに、確実に深く挿入していく。……やがて、モノが藍の膣内に埋まっていった。
    もう一本を後ろ手に握り、体のストロークに合わせてシゴく。

    「お、奥まで、届いてっ……くはぁぁっ!」
    「ぬるぬるして、凄い……気持ちいいっ……んみゃあぁっ……!」

    ずぷ、じゅぽ、ぐちゅう……藍の主導で、手と膣を使いモノをシゴいていく。

    「あっ、んくっ、ふあぁっ……」
    「藍……さまぁ……痛く、無いの……?」
    「ん……痛いものか……むしろ、気持ちいっ……んあ゛あああぁあ゛っ!!」

    徐々に、脈打ちつつモノが自ら動き始める。橙の意思なのかは分からないが、段々抜き差しが早まっていく。

    「く……あ……ひっ、ひあああぁっ!」
    「ひゃううんんんっ、きゅうって、締め付けられて……あぁんんんあぁっ!!」

    快感に意識が途切れがちになり、握っていたもう一本から手を離す。
    すると、束縛から開放されたソレがくねり、行き場を求めてのたうち回る。
    やがて、もう一つの入り口を見つけると、執拗に侵入を図り始めた。

    「やっ、そこは……ちがっ……!」
    「ごめんなさいっ……尻尾が、勝手にぃ……!」

    秘部から伝った愛液とモノを伝う白濁液で菊座をほぐし、そのまま強引に挿入していく。
    めり、ぎちぃいぃっ……!!

    「か……はっ……あっ……きっ、キツい……!」
    「や、ああぁあ゛ああ゛ぁっ……擦れて、また……出ちゃうよぉっ……!!!」

    どぷっ、どくんっ、びゅるぅっ……!!
    やがてお尻に深く突き刺さったモノから、二度目の精が放たれた。
    しかし、全く衰えを見せないソレは、白濁液を潤滑油として再び活動を開始する。

    「あがあぁあ゛ぁああ゛っ……! 前と後ろ、中で、ゴリゴリって……擦れるっ……!」
    「らんっ、ひゃみゃあっ……ひ、気持ち、いいよぉ……んあっ、ふああぁっ!」
    「橙、私も、気持ちいいっ……くうぅんんんあぁあああっ!!!」

    ずぽっ、じゅぷっ、ぐちゅっ、じゅぷうぅっ!!!
    さらに激しくなるピストン運動、愛液と精が混じりあい、さらに激しくなる淫靡な音。
    下から突き上げられ、藍の体が宙に浮く。モノを引き、重力により落ちてまた深く突き刺さり、そしてまた突き上げられる。
    初めに感じた痛みも失せ、ただひたすらに快感を貪っていた。

    「あっあっんはぁあ゛っ! もっ、駄目だっ……イクッ……!!」
    「また出るっ、出ちゃううっ! 変なお汁、またいっぱい出ちゃうよおぉおおぉぉっ……!!!」

    じゅぷっ、じゅぶっ、ぐちゅっ、ぐちゅうううぅうぅうぅっ!!!!

    「ちぇん……イクッ、アソコとお尻で、イクッ…………!!!」
    「らんしゃまぁっ、も、りゃめぇっ……! ね、出していい? また、いっぱい出していいっ……!?」
    「いいからっ、私の中に、いっぱい出してっ……ひああああぁぁああぁっ!!!」

    二本のモノが再び痙攣を始める。絶頂が近付いていた。
    両手でモノを掴み、かろうじてバランスを取る。

    「ぅああ゛あ゛あはあ゛ぁぁあっ、イクッ、イッちゃうぅっ……!!!!」
    「ふみいいぃいぃぃい゛ぃっ! また来ちゃうっ、出るっ、出ちゃうっ……!!!」


    ドクンッ――――――――――――――――――――――――――


    「「ああああ゛ああ゛ぁあぁぁぁ゛あ゛ああぁ゛ぁああああぁあぁぁ゛ぁああぁ゛っ!!!!!!!!!!!!」」

    どぶ、どぴゅうっ、びゅくっ、びゅるるるるうぅっ!!!!!!!
    これまでよりもさらに大量の白濁液が、藍の体内に吐き出される。
    にゅぷっ……ごぷっ―――――脱力し、橙の横に倒れこむ藍。その拍子にモノが抜け、膣内と肛門から白濁液が音を立てて畳に零れる。
    妖力を出し切ったのか、あれだけ暴れまわったモノも何時の間にかただの尻尾に戻っていた。

    「あ゛……ぁあ゛あ……ら……ん、さ……まぁ……」
    「ちぇ……ん…………」

    力を振り絞って、橙の手をそっと握る。安心したのか、そのまま気を失ってしまった。
    その様子を見て、藍もゆっくりとまどろみに飲み込まれていった――――――――――――――――――――




    「んっ、む……」

    意識を取り戻した藍が、ゆっくりと身を起こす。ちょっと、いやかなり体がだるい。

    「それもそうか……ふぅ」

    また溜息を吐き、慌てて首を振る。橙はまだすやすやと眠っていた。

    「いけないいけない…………ほら、橙、起きなさい」
    「ん……うーん………………」

    体を揺すられて、橙も目を覚ました。寝ぼけ眼で藍を見上げる。

    「あ、藍様……おはよう……」
    「やれやれ、のんきな奴だ……。どうだ、体の火照りは収まったか?」
    「え? あ……ホントだ。えへへっ、さすが藍様だねっ!」
    「…………この」

    先程まで行われていた行為と、白濁液で汚れた己の裸体を思い返し、込み上げる恥ずかしさを隠すように橙の頭を叩いた。

    「さて……体も服も畳も、随分と汚してしまったな。ここは私が片付けるから、橙はお風呂の用意をしなさい」
    「えっ……お風呂……?」

    橙の顔に戸惑いの色が浮かぶ。橙はお風呂が嫌いだ。……が。

    「……うんっ、分かった!」
    「何だ、やけに素直だな。いつもは嫌がるくせに」
    「藍様も、お風呂、入るんだよね……?」
    「……そうだな、体を洗わないと」
    「だったら、橙と一緒にお風呂入ろっ! 橙が、藍様の体、洗ってあげる!」

    どこまでも無邪気な笑顔。そそっかしくておっちょこちょいで、我侭で御主人思いで――――――――――
    橙は、どこまでいっても橙だった。

    「……さ、早く用意をしなさい。遅くなると、どんどん洗うのが大変になるぞ」
    「……は~いっ! すぐにお風呂、沸かしてくるね!」

    そう言ってひょこっと立ち上がり、転がるようにして部屋を飛び出していった。

    「もう少し落ち着きがあれば……と思っていたが、あいつはあれでいいのかもしれないな。
     無理に背伸びする事もあるまい。……私も、あまり一人で抱え込まないようにするか」

    脱ぎ捨てられた洋服をたたみ、隅に避ける。
    部屋の中から空を見上げると、夕暮れの月が優しく輝いていた。








繰人形・Phantasmの感想も、聞いてみたかったり。

書いたの→marvs [アーヴ ◆arvsHiKSeA]


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2330d)