注意 お子様は読んではいけません。
   あとオリキャラ(男)が出てくるので駄目な方は要注意。














 …
 ……
 ………
 …………迷った。


 山登りに来て、珍しい花を見つけて、道を外れて、何時の間にか遭難…
 笑ってしまうような古臭いパターンに、まさか自分がはまるとは思わなかった。
 本当に、ほんのちょっと道を外れただけなのに、振り向いたら道が無かった。
 まるで、狐か狸に化かされた気分だ。

 ともかく、元来たと思しき方へ向かって歩いたのだが、一向に道は見えてこない。
 野垂れ死に、森の奥深くで白骨となった自分を想像してしまい、背筋が寒くなる。

「にゃーん」

 ん?

「にゃーん」

 猫の声だ。
 声のする方向を見ると…いた。
 樹の陰からひょっこりと現れたのは、全身真っ黒な猫だった。

 少し向こうへ走って、こっちを振り向いた。

「にゃーん」

「…こっちへ来い…ってか」

 どうせ当てがある訳でもない。
 ひょっとしたらあれはどこかの飼い猫で、ついて行けば人家があるかもしれない。
 そんな淡い期待を持って、黒猫を追いかけた。






『神隠し』 †





 突然、視界が開けた。
 森の中にぽっかりと空き地があり、そして…

「にゃー」

 かなりの年代物ではあるが、紛れも無い人家が、あった。
 思わず表情が緩む。
 とりあえず、野宿という最悪の事態は避けられそうだった。

「にゃ?」

 黒猫が、来ないのか、と言った感じでこちらを振り返る。
 私はまた、黒猫について歩き出す。
 と、そこで気が付いた。

 あの猫、尻尾が二本ある…?

 新種? それとも奇形か?
 まあいいか、今はそんな事は重要じゃない。
 猫はとっとこ歩いていき、玄関には入らず、家の角を回っていく。
 私もそれに続いた。

「おや」

 そこには、妙齢…と言うには幼さの残る女性が、縁側に座っていた。
 件の黒猫は、その膝の上に丸まっている。

「来客とは、珍しい」

 口調にどことなく浮世離れしたものを感じさせるその女性は、格好もまた、浮世離れしていた。
 特に、耳のような二つのとんがりを持つ帽子が面白い。
 普通、こんな服を着ていたら、間違いなく痛い奴だと思われるだろう。
 だけど、この人に限っては、不思議なくらい違和感が無かった。

「どうなさいました?」
「あ…あの、道に迷って」
「そうですか、それは大変でしたね」

 女性は猫を膝から下ろすと、立ち上がった。
 変わったクッションだと思っていた黄色い物が一緒に動いたので、びっくりした。

「もうじき日が暮れる。今日は泊まっていくのがいい。部屋を用意しましょう」
「あ…ありがとうございます」

 結局、それについては聞くタイミングを失ってしまった。



_________________________________________




「本当に、ありがとうございます。食事まで頂いて」
「いえ、礼には及びません」

 私達は、ある部屋の前で止まった。

「この部屋を使ってください。押入れに布団が入っています」
「ありがとうございます」
「では、おやすみなさい」

 
 部屋は、家の外観に違わず、かなりの年代物だった。
 電気すら通っていないらしく、障子越しの月光が唯一の明かりだ。
 押入れから布団を出す。
 畳の上に布団を敷いて寝るなんて何年ぶりだろう。
 田舎の実家を思い出した。

「ん…?」

 ふと、押入れの壁から、明かりが漏れているのに気が付いた。
 隣の部屋かとも思ったが、電気もない家の明かりにしては、不自然な光だ。
 押入れに上って、その隙間を覗いてみる。









「魔理沙…」
「れ、霊夢…」



 これは…!

 私は息を飲んだ。
 二人の、これまた浮世離れした衣服の良く似合った少女達が、うっとりと見つめあっている。
 やがて、どちらからともなく手を取り合うと、その唇と唇が重なった。


「んっ…」


 最初は軽く触れるだけだったキスが、次第に濃厚なものへと変化していく。
 やがて紅白の服を着た少女が、白黒の服の少女の体を触りだした。


「あっ…」









「…あれ?」

 突然、目の前が真っ暗になってしまった。
 顔を離すと、そこには板の割れ目があるだけ。光も出てはいない。

「…何だったんだ」

 そう言いつつも、私の心臓はかつてないほど高鳴っていた。
 私はレズはあまり好きではないし、断じてロリコンでもない。
 にも関わらず、先ほどの少女達が、私の心を惹きつけて離さない。


「お金を…入れてください」


 どこからか、そんな声がした。
 お金を入れろ? どこに?
 考えられそうな所は、目の前の裂け目しかない。
 財布を持ってくると、騙された気分で百円玉を放り込んでみた。

 途端、不思議な事に、その割れ目が広がった!
 両目で見れるぐらいの幅になり、その向こうには、あの少女達が、居た。










「んっ、あっ、くんっ…」
「ふふふ、魔理沙ってば、本当に感じやすいんだから…」


 現実味のない光景と、本当にそこに居るかのような存在感。


「ここはどんな具合かしら?」
「やっ…そこは…」

 紅白の少女が、白黒の少女のスカート中に手を突っ込む。

「はああっ!!」
「あらぁ、もうこんなになってる…」
「あっ、れっ、霊夢ぅ!」








「あ……」

 隙間がするすると縮み、元通りの板壁に戻ってしまう。
 財布を開け、小銭入れに残っていた十円玉二枚を突っ込む。
 今度は、節穴程度にしか広がらなかった。








「ほら、これがいいんでしょ?」
「あっ、ああっ! そんなっ! やぁっ!」

 紅白の少女の手が、白黒の少女のスカートの中でごそごそと動いている。
 幼さを残す顔に、悦楽を浮かべる白黒の少女。その表情だけでも、息子がいきり勃つ。








「あ……!」

 またもや、隙間は閉じてしまった。二十円では少なかったらしい。
 何故こんな物が見えるのか、彼女達は誰なのか、お金はどこに消えているのか、
 そんな事はこの際どうでも良かった。
 このままでは興奮が収まらない。続きが見たい。
 千円札を取り出すと、隙間に押し込んだ。

 壁一面に、隙間が広がった。
 まるで、彼女達の部屋の襖を開けて、そこに座っているかのようだ。










「ふふっ、魔理沙ったら、もうイっちゃったの?」
「うっ、うん…」

 顔を真っ赤に染める白黒の少女。
 何てことだ。肝心な場面を見逃してしまったらしい。

「ねぇ、今度は私にも…して?」
「あぁ…」


 今度は白黒の少女が、巫女のような色合いの服の上から、もう一人の少女を愛撫し始める。


「んっ、くすぐったい…」

 紅白の少女が体をくねらせる。
 やがて白黒の少女にそっと押し倒され、その指に身を委ねる。

「あぁぁぁぁぁ……っ、はっ、ぁぁぁぁぁぁ………」

 その吐息が、次第に悩ましげな声へと変わっていく。



_________________________________________





 また、隙間が閉じようとする。私は財布に手をかける。
 頭のどこかで、おかしい、止めろ、危険だと、自分で自分に警告が発せられる。
 だが、私は止めない。止められない。
 悪い薬でも打っているかのように、ひたすら少女達を求め、金を投げ込む。
 そのうちに、もともと少なかった持ち合わせは、全て使い切ってしまった。


 そして、隙間が閉じ始める。

 くそっ!
 手を伸ばせば、届きそうなのに!
 手を伸ばせ……ば?



 考えるより先に、体が動いていた。
 今にも閉じんとするその隙間へと飛び込む。

 何の障害も無かった。

 少女達の部屋へと到達する。
 服が乱れ、今にも脱げそうな二人の少女が、こちらを見る。


 やった!


「残念ね」
「私たちは、それほど安くは無いぜ」




「え…?」



 そう言った瞬間、体が後ろに引っ張られた。
 見ると、紫色の、これまたひらひらの服を纏った少女が、私の腕を掴んでいる。
 そのまま、元来た隙間の方へ投げ飛ばされた。少女とは思えない力だ。


 どたん!
 私は尻餅をついた。
「いたた…」

「あら?」

 声の方を見ると、メイド服を着た、銀髪の少女が、私を見下ろしていた。

「ふーん…」

 彼女はしげしげと私を眺める。
 私が居るのは、あの古臭い和室ではなかった。
 食器や調理器具があるところからして、台所のようだ。造りは洋風にしか見えない。

「旬はちょっと過ぎてるけど…いい食材ね」

 食材?
 少女の手には何時の間にかナイフが握られている。

「苦しませはしないわ。せめてもの慈悲よ」

 慈悲? 食材?
 混乱した頭が、なんとなく事態を理解し始める。

「時よ止ま―――――

 どこかで聞いたような台詞が、私の耳に届い―――――







 おしまい

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 あとがき

 ここまで読んだくれた人、森の中で迷ったら、一休みしていきませんか?
 本文読まずにあとがきだけ読んでる人、その所在地は、もちろんアウ(検閲)…マヨヒガです。

 今回のは、ふと頭に浮かんだ事。
『ホテルのペイチャンネル考えた奴って神だよなぁ…』
 に始まります。ってかそれが全てです。
 後はアウ○ーゾーンのような笑うせ○るすまんのような感じの宿マヨヒガが
 脳内構築されるまで10秒(笑)という突発ネタです。
 
 スレには幻想郷に行きたい(もしくは行ってる)人が多いようですが、
 紅魔館の食材にならぬようご用心、ご用心…






 ところで…
 今まで裏最萌とかFF5とか書いてきた訳ですが。
 何気なくSSを書き始めたのが、正直これほど続くとは思ってませんでした。
 ちょいと書いてすぐ飽きるだろと思ってたので、HNが無かったんです。

 …が、現状では止めるつもりは有りません。いや楽しくて…(苦笑)
 んじゃ一丁HNを付けて名乗ろうかと思ったんですが
 思いついたHNが、丸弾とか0006とか只のザコとか焼院とか茄子桃とか………駄目だこりゃ。

 そんな訳で…誰かHNを考えてくれませんか?
 ナイスなHNを考えてくれた人には私で良ければリクエストにお応えさしてもらいます。


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2302d)