《これまでのあらすじ》
(とある熱帯夜、寝付けずに駄々るフランドールを
 なだめるべくメイド長が湖上の氷精を捕獲してきた。
 「これを抱いてお休みください」「あたしは抱き枕かーー!」
 はたしてチルノに朝は来るのか夜に散るのか)

「あわっ!?」
いきなり、ベッドに押し倒された。
小柄な肢体に似合わぬ、金剛力。
そのまま、のしかかってくるフランドール。
「あ……っ!」
氷の精であるチルノにとっては、人肌さえ十分な熱さであり、
それに触れることは火傷にすらつながるのだ。
(……あれ?)
思いのほか――熱くない。
温かい、というほどではないが、人間のそれよりはずっと冷たい肌だった。
「ん~~」
チルノの上で、満足した様子のフランドール。「つめたい」
人間がチルノに触れれば凍傷はまぬがれないが、彼女は(文字通り)涼しい顔。
悪魔の妹は、なるほど人間とは異質であるらしい。
「抱き枕って良いものだわ」
「だから、あたしは――」
「溶けたいかい?」
「う……」
ひるみ顔のチルノに、ほお擦りするフランドール。
「あ、ううう……っ」
「ひんやりしてて、気持ちが良い」
「ひ、ひとを氷嚢みたいに……っ」
「ちゅ……ぴっちゃ……」
「あひっ!?」
舌。舐めてられていた。首筋。
肌より格段に熱い舌でなぶられ、チルノは身震いした。
「や……う……ううう~~っ!」
「ン……冷たくて、美味し……じゅる……っ。
 でも、もうちょっと甘いほうが良いんだけど」
かぷ……
「はううう!?」
甘噛みされていた。右の鎖骨。
そのまま噛み千切られるのでは――という恐れに背筋が凍る。
「んむ……んー……アイスキャンディよりは、舐め甲斐があって良い」
鎖骨を左右に舐めあげる。
「ひくっ、あ、あ……っ」
「じゅる……じゅじゅ、ずっ……」
溶けてきた表面をすすりあげていくフランドール。
「クス……ずっと舐めてたら、朝にはもう残ってないかもね」
真っ赤な舌で唇を舐めながら、無邪気な笑み。
「~~~~っ……」
一思いに食べられる、というのもゴメンだが、
一晩かけて舐め溶かされる、というのは想像するだに過酷だった。
逃れようとしても、怪力で押し倒されているうえ、
万一たとえそれから脱しても、生きてこの地下室を出ることはかなうまい。
「う……うぅ~~……っ」
進退窮まり、思わずチルノは涙ぐんでいた。
「フフ……ッ」
チロリと伸ばした舌で、浮かんだ涙を舐めとる妹君。
「氷の精は涙も冷たいのね。もっと泣かせちゃおうかな」
「……ッ!!」
――このまま、なすすべもなく、溶かされるのか。
あきらめの気持ちに陥りかけたとき、ふと、耳朶によみがえる声。
『――面白い話を、してあげましょうか』
それは懐かしい声。
忘れがたい、声。

 “なに? また来たの?”
 彼女は――面倒くさそうにそう言った
 “この間は油断したけどっ! 今度は負けないんだから!”
 ずっと前の、ある冬のこと。
 チルノは冬の妖怪にしてやられ、その仕返しに行ったのだった。
 “仕方ないわねぇ”
 やれやれと肩をすくめる冬妖。
 “やる気になったわねっ”
 “それより――”
 “え?”
 “面白い話を、してあげましょうか”
 “はぁ?”
  …………。
  ………………。
 “ううっ……あぅぅ……”
 “まだ、聞きたい?”
 “や、いやぁ……もうっ、近寄らないでぇぇっ”
 “フフ……憶えておくのね”
 彼女は指でチルノの口元をつついて、言った――
 “冷気を操る妖たるもの、口一つで相手を震えさせることができないとね”

(――そう、そうだった)
(あの手が……!)
「ね、ねぇ……」
「え?」
「涼しくなる話、してあげようか?」
「……?」
 …………。
 ………………。
「ぅ……っ、ぅぅぅ……」
「それで、その人が帰ろうと思ったら、
 夜道に無数の蝦蟇蛙がいて……」
「やめーーっ! もうやめ~~っ!」
部屋の隅に座り込み、耳を押さえるフランドール。
目に涙すらうかべ、ガタガタ震えている。
(……あんたから授かった『怪談』……役に立ったよ!)
「さあ、もっともっと聞かせてあげようか?」
「嫌……っ、もう、もういい……もういいっ」
半泣きでうずくまる少女の姿に、チルノは
(ちょっと、苛めすぎたかな?)
という気もしていた。
(そういえば――あのときも)
怪談をさんざん聞かされ、怯え震えていたチルノを、彼女は――
「一緒に……」
「……ぇ?」
「一緒に……寝てあげようか?」

二人はベッドの中で寄り添っていた。
荒々しいそれではなく、穏やかな抱擁。
「……気持ちいい」
チルノの腕に抱かれて、安らいだ声を漏らす。
そこには、破壊神にすら比されるその狂暴性のかけらもうかがえない。
しがみついてくる様子は、外見どおりの子供そのものだった。
確かめるように、手で華奢な身体をなぞっていく。
「ん……ふ……ぅ」
ひそやかな吐息。熱く、火照った息。
それをふさぐように、唇を、舐めていた。
「……ぁっ」
ちゅ、ちゅ……と紅い唇を濡らしていく。
「う……、ふ……あ……っ」
冷たい舌で撫でられているにもかかわらず、逆にいっそう朱に
染まっていく頬。
「……!」
チルノの手が腰に伸び、ピクンと身体をこわばらせるフランドール。
「冷たい?」
「……少し……でも……」
あえぎながら、告げる。
「もっと……撫でて?」
言われるまま、細い腰を撫で上げていく。
「ん……ふ……う……っ、う……」
息を荒げ、しがみつく力を増す。
手を伸ばしていく。その小ぶりな臀部へ。
「ふ、あ……っ、あ……っ、あーっ……」
きゅっと目を閉じ、眉をひそめている。
形のよい、締まったお尻を、さすりあげる。
驚くほど細い腿へ、手のひらを這わせていく。
「あ、くぅ……っ!」
むき出しの肌を走る涼感に、思わずあえぐ妹君。
「だいぶ、涼しくなってきた……?」
「はぁ、はぁ……っ、あ、ぁ……っ」
ふるふる、と頭を振る。
「あつ……い、の、……熱く……熱くなって、きて……」
「どこが?」
「…………」
無言でチルノの手をとると、彼女はみずから導いた。
己の最も熱い部分へと。
「……っ」
思わず、チルノも手を離した。それほどの、熱気。
「すごく、……熱く、て……」
小刻みに上下する、細い肩。
われ知らず、息を呑むチルノ。
「……冷やして、ほしい?」
「…………」
うなずいていた。

身体を起こさせ、脚を開かせる。
「……っ」
下穿きには、隠すすべがないほどの滲みが生じていた。
両端をつまんで、脱がしていく。
薄明かりにあらわとなる、少女の秘所。
柔肌に刻まれた可憐な溝は、分泌された滴によって潤っていた。
顔を、近づけていく。
(う……)
鼻先に感じる、烈しい熱気。
そして赤ん坊のような、甘ったるい匂い。
「ふ……」
軽く、息を吹きかけた。
「ひゃ……うっ!」
跳ねる。肢体。
むらっと立ち昇る、甘酸っぱい湯気の香り。
(こりゃ、直には触れられっこないわ)
羽根の一部で、氷柱をこしらえる。
せいぜい指三本ぶんくらいの太さに長さ。
しかし、これで直接触れるのは流石に冷たすぎるだろう。
(これでいいや)
脱がした下穿きで、覆った。
その先端で。
亀裂を、なぞった。
「やふっ! あ、くぅぅぅ~~~~っ!!」
鋭敏な器官を急激に冷やされ、あえぐフランドール。
「冷たい……?」
「ンンッ! つ、冷たい……けどっ、いい……の」
「じゃあ……」
下穿きごしに、氷柱をこすり付けつづける。
「ひっ……ふっ、うっ、うぅぅ~~……」
往復するたび、悲鳴じみた声を張り上げる。
少し速くしたり、遅くしてみたり、強弱をつけてみる。
「あううっ!」
打ち震える、少女の未成熟な肢体。
しかしその火照りはいっこう収まらぬと見えて、氷柱は
たちまち半分ほどにまで溶けてしまった。
すでにシーツはお漏らししたかのようにびっしょりと濡れている。
(ううーん)
こうなったら――とチルノは思った。
(内側から……冷やすしかないか)
再度こしらえた氷柱を、悪魔の妹の裂け目へ押し当てる。
「う……んっ?」
「これを押し込んで、中から冷やすの」
「……っ、中から?」
「怖い?」
「う……」
指を噛み、逡巡する。
だが……やがて、小さくうなずいた。
「それじゃ……」
ゆっくりと、力をこめていく。氷柱の張り形へ。
「う! う……ぅ……うっ……」
じわじわと呑み込まれていく。少女の裂け肉へ。
「あっ、うぁ……あああ……っ、あ・あ・あ……」
体内へ侵入される異物感に、痙攣する細身。
「い……たっ、……つめ……たっ……くううううう……」
いまだ熟していない柔肉への異物挿入、くわえて凍てついた
氷棒の感覚は、少女を悶絶させるには十分すぎる。
「んく、くう、ううーーっ、あ、ああっ、うぁ、あっ!」
噛んだ指から、氷柱を咥えこんだ蜜源から、紅い涙を伝わせつつも、
やめてくれとは言わない。
「うぁ、あぁ、くう、うう~~っ、う、う、うん……」
それは全身を襲う喜悦のゆえか。
「はぁ、はぁ……っ」
チルノもいまはただ熱中して、少女の粘膜を責めるばかり。
「ひっ、ひぐ、う、うううーーっ……あ、ああっ、ああああ……」
足の指先がぐぐっと曲がり、全身から珠のような汗が噴き出す。
すでに、達しようとしているのだ――極点へ。
「……っ!」
注ぎ込んだ。氷柱へ、冷気を。
震えおののく、氷根。
そして。
フランドールの肉奥へ撒き散らされる、凍えきった精気。
「ひぐぅっ! あぐっ、ぐぅぅぅぅ~~~~~っ!!」
氷柱が根元から砕け散り、一瞬にして蒸発していた。……

ぐったりと力つきた様子の少女の髪に、チルノは指を通していた。
「う……うぅん……」
甘えるような声を漏らす。
「もう……眠れるでしょ?」
「う、ん……」
目を閉じ、深い眠りへと落ちていくフランドール。
穏やかな表情で寝息を立て始めるまぎわ、ふと彼女が
「ママ……」
とつぶやいたようだったと、チルノは寝ぼけながら思った。

――こうして命からがらフランドールの魔手から逃れたチルノだったが、
時には呼ばれてもいないのに地下室へ出向くようになったとかそうでもないとか。



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*備考
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*チルノ(東方紅魔郷2面ボス、東方妖々夢1面中ボス)×
 フランドール・スカーレット(東方紅魔郷エキストラボス)のネタ。
 このカップリングはエロスレ7の844~あたりの流れから拝借。
 発案者の諸氏に感謝とネチョを。

書き手:STR


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2301d)