薄めで軽めの魔理パチュ書いてみました。
お口に合う方がいらっしゃいましたら、しばしお付き合い頂ければ幸いです。


故意と過失の密室



オレンジ色の光が地上を這って真紅の館をも染め上げる頃。
「またきたぜ~」
と威勢良くヴアル魔道図書館司書室という名のパチュリー・ノーレッジ自室のドアをばーん、と開くは霧雨魔理沙。
季節は秋のはじまり。


ところが今日はいつもの不機嫌かつアンニュイな「またきたの?」という定型句が返ってこない。
その台詞が特に好ましいというわけではないが、当たり前のモノがそこにないのは少々寂しい。

部屋をくるりと見渡して、天蓋つきのベッドのカーテンの陰に薄桃色のカタマリを確認する。
――寝てるのかしら…。
心の中では女の子口調な紅魔郷バージョンで元気いっぱいに一歩二歩と近づいた。

ふわっとベッドのカーテンを退ける。ちょいと膝をベッドのすみに乗せてのぞきこむ。
薄桃色のカタマリは大魔女パチュリー・ノーレッジで大正解。
100年の魔女は安らかに微かな寝息を立てていた。

どうやら仮眠をとるつもりだったのが常日頃の不摂生がたたってマヌケにも今頃まで眠りこけている、といったところ。
その傍らには本が3冊。
手元にはひらっきぱなしの1冊。
いかにも節度がなくってだらしのないビブリオ・マニアらしい寝姿だった。

たいした用もなく遊びにきた魔理沙は手持ち無沙汰気味になる。
書籍をそのままかっぱらっていこうと思ったが、「もってかないでー」と抗うヤツがいないとイマイチ張り合いがない。
そして、運悪くかたわらに眠る大魔女の寝顔は、一見あまりにも無垢でいたいけだった。

ふとイタズラ心がムラムラと湧きあがる。
思いたったが吉日とばかりに魔理沙は靴を脱いでベッドにあがりこんで、顔や首元や耳に果敢なキスの絨毯爆撃をスタート。
ときどき首元などを強く吸って跡を残すという手のこんだセクシャル・ハラスメントっぷり。

サラリとした感触の皮膚を唇で感じるのが、とても気持ちよくってついつい調子に乗ってしまう。
「…んっ、ん…、…っふあぁ…っ、あっ、あっ…」
唇が触れるたびに、パチュリーはくすぐったそうな声をあげ身体をよじる。
「…やぁ…っ」
つむった瞳にうっすらと涙がうかび、頬は上気しはじめた。

ところがこれだけ果敢な攻撃を受けてるのに起きる気配は、いまだない。
一方、イヤガラセ行為に没頭するうちに、魔理沙の心のイケナイ部分のスイッチがオン。

いきなり起きて抵抗される場合も考えて、被害を最小限しようと魔力増強のリボンをほどく。
はらり、と細くて艶やかな髪がベッドに広がる。
魔理沙は幾度か触れるだけのキスをしてから、思い切って唇をあわせ強引に舌を割りこませる。

「…ん…」
舌と舌が触れあう。
滑らかな粘膜の感触が魔理沙を煽る。
溶け合いそうな接触。

ぞくり、と肌があわだつような感覚。
「…んんっ!…っ!」
もっと深く舌をいれる。

絡めて捕らえる。
甘えて吸いあげる。
「熱くて柔らかい…」
舌をぬいて唇をあわせたまま魔理沙がささやくとパチュリーはびくっと震えた。

うっすらと目が開く。切れ長な目の端に涙がにじんでいる。
寝起きのとろんと膜のかかったような雰囲気もありなかなか艶っぽい。
「…!」
困惑の表情が魔理沙の顔を確認するとホッと落ち着いた表情にかわる。

「おはよう、だぜ」
ニッコリわらって魔理沙がのん気にホンワカと挨拶をする。
先ほどまでの憑かれたような熱はどこへやらといった風情だ。

パチュリーの頬がかあっと紅く染まる。
「――」
上気してしまった顔を横に背けつつ無言状態。
しばし沈黙の時間が過ぎる。

「あー、ちゃーんと起きてるか?」
沈黙を破ったのはもちろん魔理沙。
「まだ寝てるなら、また同じコトしてやろーか?」
トロけるように優しい笑顔でセクハラじみた脅迫行為。

ぴくっと震えてパチュリーは答える。
「…悪趣味…だよ、寝てる人に悪戯なんて」
わずかに唇や舌に残る感触から、ナニをされたかは推測できたようだ。

「ぐーたらな魔女を起こしてやったんだぜ?それこそ王子様がお姫様を起こすみたいに」
――王子様がお姫様にいきなり舌を突っ込むか、普通?!というかそれはすでに王子様じゃないでしょ?
パチュリーは心の中で大人向けの生々しいツッコミをいれつつ、90歳近く年下のオコサマ向けに無難な悪態をつく。

「お姫様役なんて退屈でうんざり。愉快で痛快な悪い魔女役を希望するよ」
「へえ…、さっきのあんたは眠り姫ってかんじだったのに」
「妹様のほうがずうっとお姫様らしいわよ」

見た目だけなら魔理沙だってオヒメサマ並じゃないか、と思いつつ口には出さない。
冥いこの館のわずかな灯火で、魔理沙の金色の髪は輝いていた。
綺羅星のような儚げな優しげな光で。

「ああ、そうだな。なんてったってフランドールは悪い魔女に閉じ込められてるお姫様だしな」
「会いにいってあげたらオウジサマ?」
「王子様?むしろ私も悪い魔女だぜ?」
”暖簾に腕押し”とか”ぬかに釘”といった文字がパチュリーの頭のなかでくるくる踊る。
――ああダメ。こいつにはナニをどー言ってもダメ。

ムキになったら魔理沙の思う壺。
魔理沙とは真正面から張り合ってはいけない。
そしてパチュリーは素直に挑発にのってケンカするような可愛らしい性分でもない。
クレバーにとにかくスルー。紳士のように話題をスルー。
なにはともあれ早めに切りあげてしまうのが最良の戦略だった。

「で、何の用なのかしら?」
精密な動作で的確に魔理沙との距離を置く。
「まあベッドの上で長話もなんだからソファにでも行きましょうか…」
パチュリーがごく自然な動作に見せかけて用心深く起きあがりかけた瞬間、ぐるっと視界が大回転した。

「…なっ…!」
あっさりベッドに引っ張り倒されている。
軽く脇にパチュリーの両手を押さえ込んで、ふんわりと圧し掛かる魔理沙。
静かな怒りを込めてパチュリーは魔理沙をキツく睨む。
「悪ふざけもいい加減にしなさい、魔理沙」

ところが、こんな強引な行為のわりに魔理沙は
「…あんたがいけないんだぜ?あんな声出すなんて、さ…」
と、モジモジしながらぽそぽそと呟く。

弱気。
魔理沙に珍しく、やたら弱気。
否、弱気というよりむしろ可憐。
よくよくみると魔理沙の頬がうっすらと赤く染まっている。
――ていうか恥らってる?

今ひとつ状況をつかみきってない知識人は、ボンクラにも問う。
「…私が?…どんな声…??」
「…どんな声って…」
ぴく、と魔理沙の片方の眉が不機嫌そうに動いた。
それくらい推し量れよ、このムダ知識人、と心の中で悪態をつく。

魔理沙の恥らうような表情が一瞬だけ、獲物を狙う猫科のケダモノの表情になった。
まあ、どちらにしてもぶっちぎりの戦闘態勢ということには変わりがない。
ゆっくりと哀れな獲物との距離をちぢめる。

「…そうだな…」
魔理沙はパチュリーの薄い肩を抱きよせてから、右耳に吐息を吹きかけてそっと唇を這わす。
「…ふぁあっ…!…んんっ…」
パチュリーから先程と同等の糖度の声があがる。

「…んむ、さっきもそんな声…」
耳をかぷりと齧りながら、いたずらっ子っぽく呟く。
「……っ!」
呟かれた方は小さく身体を震わせて、声を出さないように耐える。
「ほら…、無防備すぎるのも誘惑と一緒じゃないか?」
私が来るかもしれないのに無防備すぎたあんたがイケナイ、と言いたいらしい。

――またそういう無茶苦茶な理屈を…!
なのに、パチュリーは、はっきりと拒否ができなかった。
魔理沙の甘い声、柔らかい唇、華奢な肢体。
こんな状況でそんなものばかりに意識が集中してしまい、パチュリーの声は胸で詰まる。

呪縛。
そんな言葉が脳裏を掠める。

悪びれない様子で魔理沙は正面やや下方から上目遣いで覗き込む。
たとえるならば妖々夢体験版ノンディレクショナル・レーザー発動時の表情で。
それはもう切なく恋する乙女のツラガマエ。
少女の恥じらいとオンナの武器がフル動員。
そのツラはその凶悪なスペルカード発動する顔じゃねえだろ!と突っ込みをくらうアノ表情。

ダレが逆らえるだろうか、いや逆らえない。
ていうかパチュリー・ノーレッジはこんな状態の霧雨魔理沙に逆らえるハズがない。

哀れな魔女は心の中で吐血モノ。
眉毛は思いっきり八の字状態。
パチュリーは苦しそうに苦虫を噛み潰したような色気のない表情でこくっと頷いた。

ただでさえ近距離にいる魔理沙が、さらに間を詰めよる。
今にも唇と唇が触れ合ってしまいそうな、そんな恐ろしい距離へ。
「…やっ、やっ、やっ、やっぱりっ…、ちょっと待って…っ」
「ん、なに?」
「……カーテンくらい閉めたい…よ」
ぽんっと手を打つ魔理沙。

「なるほど。…そっか。そうだよな…。だってこれから恥ずかしいコト…、するんだもんな…」
などと、唇に指をあてつつ恥ずかしそうに答える。
自分で言った言葉に自分で弱っているような風情は、とても少女らしくて可愛らしい。

「――…ぅう。分かってるなら手伝いなさいってばー…」
一方、“恥ずかしいコト”と言い切られてしまいパチュリーは狼狽を隠しきれない。
助けて!と心の中で叫びそうになる。

いったん離れた二人は、それぞれ天蓋付きベッドの厚手のカーテンを閉める。
ベッドは小さな密室になった。

「よっと」
薄暗いベッドの上で魔理沙はちょっとだけ魔法を使う。
星屑のような淡い光源を空間に召還する綺羅星魔法使い。
暗いところを明るくするのは魔理沙におまかせ。

キラキラとした明かりは、なんだかとっても乙女チックでファンタジック。
淡く優しく仄かに冥く、そして絶妙にヤらしく二人を照らす。
パチュリーは、恐ろしくスイートな雰囲気に一瞬気が遠くなりかけたが、かろうじて堪えきった。

準備を整えると、双方ちょこんと向き合って座る。
なぜか正座。

照れ隠しなのかパチュリーは視線を合わせずに、魔理沙の細くてふわふわした蜜色の金髪をいじっている。
魔理沙がゆっくりと顔を近づけて額に口付ける。
ちらり、とパチュリーは魔理沙を盗み見る。
魔理沙が右頬に口付けると、くすぐったさに肩をすくめる。

視線があうと、魔理沙のはにかむような笑顔が返された。
パチュリーは困ったような、それでいて幸せそうな微笑みでそれを受ける。

二人の間で同意の確認が、なんとか取られた瞬間だ。
クレバーなハズの二人は何故だかこういうところがどうしようも無く不器用で仕方ない。

パチュリーはゆっくりゆっくりと視線をあげ両手を魔理沙の肩にかるくかけて目をつむる。
そして軽く唇をあわせるだけのキスを仕掛けた。
魔理沙はパチュリーの両頬を両手で包みこんで受けいれる。
幾度も幾度も羽根のように軽いキスを繰りかえす。
薄い衣類ごしで伝わる体温が、気恥ずかしくてもどかしくて二人の鼓動は自然と高まっていく。

ほどよい頃合をみて魔理沙はパチュリーのわずかに開かれた唇から舌を差しいれる。
おずおずと甘く触れあう舌。
「…ん…んんっ…」
最初は舌先でかるく。徐々に深く深く絡みあう。

甘くて、熱くて、滑らかな接触。
「ふぁ…、んっ、んっ…」
いくら堪えても重なり合った唇から、くぐもった声が漏れてしまう。
長い長い口付けで疼くような感覚が腰にまで伝わったころ、すっと唇が離れた。

ゆっくりと目が開かれ、二人の視線が絡まる。濡れて潤みきった瞳。欲情している瞳だ。
ならば、もうお互いに貪るしかない。

魔理沙はそのまま首筋へと唇を落とした。
「今日はすっごく優しくするから…、ちゃんと力抜いてて…」
魔理沙の言葉に、とくん、とパチュリーの心臓の音が跳ね上がる。

服の上からパチュリーの胸のわずかな突起を人差し指と中指で挟み込むようにさすり上げる。
時折、触れるか触れないかの加減で先端を中指の腹で弄ぶ。
「…っ!」
パチュリーは魔理沙のその指に、いちいち敏感に反応してしまう。
懸命に声を抑えるのは羞恥か意地か。

上着のボタンをいくつか外すと、生白い肌が外気に晒された。
そのまま、なんども胸に唇を落とす。
薄い皮膚を幾度か強く吸って口を離すと跡がついた。
病的なまでに白い肌に散らばる薄紅色はひどく淫らで。

身体をたどる指が下腹部に到着するとパチュリーの体が強張る。
安心させるように唇や頬に軽いキスを繰り返す。
「…んん…んっ…んっ」

度重なる刺激で勃起してしまった乳首を口に含みながら、
下腹部にのばした指はドロワーズの上からコリコリと軽くひっかいて刺激を与える。
「…ひっ…」
布の上から敏感な芽の部分を摘んでみる。
そして一旦上体を起こし、パチュリーのドロワーズを引き摺りおろし右足だけぬく。

続いて両足を開かせようとするとパチュリーは抵抗した。
「だっ…、ダメッ…、だってこんな…っ!」
魔理沙は返事はせずに口に含んだ胸の突起をきゅっと強く吸い上げた。
びくびくっと震えてパチュリーは耐えるが、その隙に膝を割られてしまう。

寝衣を捲りあげると、魔理沙の目前に、華奢すぎる肢体が広がる。

「嫌ぁっ…、やだあっ…!」
「そんなえっちな声で否定してもぜんぜん説得力ないぜっ…!」
魔理沙はパチュリーの割れ目に指を滑らせて、くにゅくにゅと弄ぶ。
「…それに、あんたがほんとに嫌なら、今すぐ逃げだせるだろ…?」
割れ目部分の突起をぴんっと弾く。
「あああ…っっっ!」

「んんっ…、そんなに大きい声…」
とろんとした目つきで魔理沙はパチュリーに言い聞かせるように囁く。
「紅魔館のメイドたちに恥ずかしい声が聞かれちゃう…ぜ?」
そして体をずらし、顔を下腹部へ移動しパチュリーの大事な場所をぐっと開く。
「……っ」
ゆるやかに未発達な陰唇がわずかながらにひらき内部の粘膜が露出する。
しとどに濡れきった鮮やかな花弁だ。

「う…わ…、もうぐちょぐちょだぁ…」
見たままの感想を素直に述べる魔理沙。
パチュリーは内心、羞恥で今にも泣きそうだった。
魔理沙に抱きしめられてキスを与えられて少々弄ばれただけで、
こんなにも濡れてしまう恥知らずな身体が、疎ましくて、憎らしくて、恥ずかしい。
耐え切れずに顔を両手で隠してしまう。

一方、魔理沙はそんなことはお構いなしにパチュリーの内腿の柔らかくて滑らかな感触を存分に味わい始めた。
両側の内腿の感触を頬で堪能しつつ、口付けを繰り返す。
皮膚の弱いパチュリーはこんなところに跡をつけられたら、なかなか消えない。
それを承知の上で占領地を広げるように所有の刻印を刻んでいく。
「…っ!…っ!…っ!」

ついにはパチュリーの足の根元の中心部へ。
ゆっくりと目的の地へとたどり着く。
ちょん、と魔理沙の唇が触れると、パチュリーは思わず腰を浮かせた。
魔理沙は、そっと腰を押さえつけて唇でクレヴァスをなぞり舌先で弄ぶ。
そろそろと舌先で敏感な突起部分の包皮をかるく剥いて、口に含みじっくり丁寧に味わう。
「…っ…っ…っ…っっ!!」

部屋には、くちゅくちゅという粘膜が粘膜を嬲る音と、
声を必死で押さえようとするパチュリーの辛そうな息遣いしか、もう聞こえない。

「…あ…!」
ヌルっといった感触とともに魔理沙の長い舌がパチュリーの膣内に進入する。
さらに舌を挿入したまま優しく吸い上げる。
「…っっっ!!」
いきなりの刺激にビクビクビクっと内部が激しく痙攣した。

魔理沙はちゅぷん、とパチュリーの膣から舌を抜いて、
「…私の口だけでイっちゃったんだ…?パチュリー…」
荒い息でまだ放心状態のパチュリーの顔を覗きつつ呟いた。

「――っ!」
潤んだ瞳がこちらを睨む。
そんなパチュリーの強情さが魔理沙をさらに煽ってしまう。
――そういう態度をするからもっと堕したくなるんだぜ?

だってそうして欲しいって誘っているんだから。
掠れた甘い声も、うっすらと薄紅色にそまる上気した肌も、リボンを解いて乱れた髪も、
溺れきらないどこかしら冷めた蒼い瞳が――。

そのまま肩で息をするパチュリーに上から覆いかぶさる。
そして魔理沙は準備の整った下腹部へ容赦なく中指を突き立てた。
「いっぽんめ」
ズっと差し入れられる指をパチュリーの肉はスムーズに受け入れた。

「…ひっぁぁぁぁっ…!」
ずっと待っていたモノを受け入れるが如く。
恥らいながらも、あられもなく、むしろ悦びに打ち震えて。

まるでパチュリーの隠された本心を表すが如く。

「…くぅんっ…やっ…やだあっ…、まっ…、まって魔理っ…んんっ」
停止を求める声とは裏腹に、パチュリーの肉は魔理沙をきつく締め上げて離さない。
びく、びくと一定間隔でひくついている。
「んんっ、無理…だよっ…もうっ、待てないっ…、待てるワケないよっ…!」

「そんなっ…、そんなっ…!んっ、んっ、んんっ…んんっ…んんっっっ…!」
そしてさらに割れ目をなぞりつつ人差し指を挿入する。
「ほらっ…、にほんめ…だっ」
膣内の質量が二倍になり、突き上げる激しさは二倍以上になった。

「…ひぁっ…っっ!!!!」
魔理沙は弓なりに反った細い肢体を抱きしめつつ、
膣内の淫らな肉のうごめきを中指と人差し指で感じて、悦ぶ。
「…んんっ…や…やぁぁぁぁあああっ…っっっ」
「あっ…またイっっちゃったっ…んだぁっ……っ」

しかし魔理沙はパチュリーにじっくりと余韻を味あわせる暇をあたえるつもりはなかった。
快楽から開放されていないままぐったりしているパチュリーの背中に手を廻して、
抱き上げながら上体を起こす。
パチュリーは2本の指を挿し込んだまま座るかたちになった。

ズブズブッと重力のせいで一気に深く深く進入される。
「…っっ!…もっ…やだっ…やあっ、もっ…止めっ…」
上から細い腰を押さえつけられもう逃れられない。

「…こんなになってるのに今更やめてもつらいだけだぜ…?」
「…っっっっっ…!」
膣内でかるく指の屈伸運動やピストン運動が再開される。
激しく押し込まれれば胎内から蜜が溢れて、滑らかに引かれると蜜が指をつたって零れる。

より深部に魔理沙を感じて震えるようにパチュリーが声を上げる。
「あっ…あっ…あっ…やあっ、ん、ん…っ、やぁ…っ!」
魔理沙は、さらに腰を下へ押し付ける。
「う…わ…、すごく熱くて…キツい…っ」

「…っ!…っ!!」
魔理沙に与えられる激しい内と外からの攻めを受け、パチュリーは体を震わせる。
必死になりながら快楽に耐え続けるが、いつしか甘い喘ぎが止め処なく零れていく。
「…んっ…んっ…んっ…くぅぅんっ…あっ、あっ、あっ、ああっ…んっ…魔りっ…まりさぁっ…」
「んんっ…、可愛い…パチュリー…っ」
魔理沙は己の指先で乱れるこの魔女がいとしくて幾度も唇を重ねる。

パチュリーは、もはや牙をぬかれた狼の心情だった。
断続的に聞こえる甘ったるい嬌声はもはや自分のものとは思えず、
視界には魔理沙の瞳も髪も色濃い蜂蜜のようにキラキラと澄んだ黄金色に輝き、それに心を奪われる。

徐々にパチュリーは舌をからませ挿入された舌に愛撫を与え、
控えめだが滑らかに腰を振りはじめていた。
慣れない手つきで魔理沙の身体に指を這わすと微かに甘い吐息が二人分重なる。
「んっ…んっ…んっ…んんっ…あふぅっ…」
「んっ…ふぁっ、くぅううううんっ…」

魔理沙も攻める度に甘やかな反応を見せるパチュリーに煽られきって乱れていた。
「あっ…、あんっ…、…んんんっ」
ほてり切った身体にたどたどしいながらも適切な愛撫を受けては、切ない声を漏らす。

いつしか耐え切れず、座位の形から魔理沙は倒れこみパチュリーを押し倒す。
倒したついでにパチュリーに挿入している方の手の甲を膝頭でズッと押し込む。
押し込むついでにリズミカルに膝で打ち込む。
打ち込まれるリズムに合わせてパチュリーが鳴く。
「あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…あっ…っ!」
打ち込まれる衝撃は指のみの力の比ではなく。

「………………………………っっっっっっっっっっっ!!!」
声も出せずにパチュリーは達してしまう。
意識が遠のく瞬間、ふわりとした温かさに身体がつつまれた。

耳元で魔理沙は優しく呟く。
その呟きは誰にも聞き取れないほどの幽かさだった。

「…好き…だよ…」

声は出さずに唇だけの動きで呟いたのかもしれない。
それでもパチュリーはひどく幸福な感情につつまれて堕ちていった。







              ★ ★ ★ ★ ★






しばらくののち再起動したパチュリーに、魔理沙はほいっと飲み物を差し出す。
「ほら、厨房でよく冷えた飲み物を拝借してきたぜ」
結露したグラスに入っている透きとおった紅色の液体は、非常に魅力的だった。

おそらくタンニンの析出等で白濁していない、ちゃんとした水出しの紅茶だろう。
瀟洒なアイスティー。
まだぼんやりしているパチュリーは小さく口を開いてちょっとづつ摂取する。

魔理沙はシャツ一枚、パチュリーはガウンのみを羽織るという姿。
行為後のけだるい雰囲気もあいまって非常に艶っぽい。

「落ち着いたか?生きてるか?」
魔理沙が問うと
「…まあ、なんとか、ね」
いつもどおりダルそうな返事が帰ってくる。
少々声がかすれているのは仕方ない。
サイドテーブルにグラスを置く動作も非常にダルそうだ。

「あ、そうそう」
魔理沙はわざとらしく見せ付けるように右手の中指をつうっと舐めた。
「ん?…なにしてるの…!?」
「だってほら、ぬるぬるだからキレイにしないとっと…」

言い終わる前にパチュリーが魔理沙の右手を引っ張って口に含んだ。
「んっ…」
魔理沙はくすぐったそうな声を上げる。

だがしかし、
「なーんてな。ほんとはこっちなんだぜ?」
にやりとわらって左手の指を二本、口に含んでねぶる。
「えっ?ぇえ…っ?」
狼狽する古い魔女。

すぐさま右手から口をはなしたパチュリーに見せ付けるように丁寧に舐めとった。
幼い顔立ちに似合わぬ艶やかな表情で。
ちゅっと音をたてて指を口から抜くと
「ごちそうさま」
とニヤニヤ笑い。

「…」
パチュリーは照れ隠しにジトっとした定番の目つきでニラむ。
これしきのことでは動揺しないフリをする。
「お粗末さまでした」
「へーえ…、ずいぶん余裕あるじゃないか」

双方見詰め合って口の端だけで薄く笑う。
一見、険悪そうだがそうでもない。
これが二人の通常営業モード。

「そう見える?」
けだるく髪をかきあげながら答える。
「ほんとはへらず口をたたく程度でいっぱいいっぱいなんだけどね」
返す言葉は脱力系。今ふたつほど気合が足りない。

「ふむ…」
軽く羽織ったガウンの隙間から白くて細い体がちらちらと覗く。
その肢体に散らばる情事の痕跡は、唇の辿った経路。
魔理沙の脳裏に先ほどまでの行為が再生される。

「そっか。まだ食べ残してるみたいだな…」
魔理沙はあごをすくって口の端にキスをしながら、ゆっくりと押し倒す。
有無を言わさず両手をがっちりホールドする。

「……冗談……」
そう呟いてから、顔を背けてため息をつくパチュリー。
やれやれ、といった風情だが、やっぱり幸せそうにそっと瞳を閉じる。



そして二人の甘やかな吐息が、闇に溶けていった。
















あとがき

ここまで読んでくださった方、有難うございます。
もっと長い展開にするつもりが途中で息切れしてしまいました… _| ̄|○
次の機会があればリベンジします。

追記

うわあ、魔理沙の符名間違ってました…_| ̄|.....○
ちょっと首つってきます。

追記その2

微修正を行いました。もー、色々うっかりすぎて申し訳ないです。



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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2302d)