「霊夢、面白い物持ってきたぜ」

そう言って魔理沙が見せたのは、どこか見覚えのある奇妙な服だった。
基本は白地、そして大きな青い襟。胸についている大きなリボンは対照的に鮮やかな赤だ。
スカートは襟と同じ青。やはりどこか見覚えがある。

「それ、どこかで見た事があるようなないような・・・って、どこで見つけたの?」
「『向こう側』にちょっと出かけてきてさ、こういう服とか下着ばかり置いてある店を見つけたんで適当に一着頂戴してきた」
「あっちの品物か・・・あまり気軽に出入りしない方がいいかもよ。こっち(幻想郷)に気付いた『向こう側』の人間がこっちに来るかも知れないし」
「そこら辺はまあ、隠密だったから」
「その格好でよく隠密だなんて言えたもんだ」
「お前に言われたくないぜ(笑)」


幻想郷に住むとあるすき間妖怪が、あろう事か幻想郷と『向こう側』の世界の境を一部薄くしてしまった。
その妖怪が何故そんな事をしたのか知る者はいないが、これにより結界を操る方法・破る方法を多少心得ている者なら
割と気軽に二つの世界を行き来できるようになった。
だがそれは二つの世界が近づくという事。幻想郷の存在が暴かれるかも知れないという事。
その事を恐れる者も少なくなかったが、魔理沙は境が薄くなった事を素直に喜ぶ内の一人だった。

未知の世界→未知のアイテム→蒐集

見事な三段論法だ。とにかく、境が薄くなったのをいい事に魔理沙は何度か二つの世界を行き来するようになった。
幻想郷に戻って来る時、必ず何かを持って嬉しそうな顔をしているのだが使い方のよく分からない物も多くある。
例えば文字や音が出る銀色の細長い板。
例えば鏡として使うには少し不便な、薄くて割れやすい円盤。
例えばどこかの死人嬢の模様をあしらった白い箱。

だが、それらの使い方などどうでもいい。使い方が分からなくとも、未知のアイテムを蒐集できさえすれば魔理沙はそれでいいのだから。
使い方が分かる物ならさらに良い。そういう意味では、衣服の類は魔理沙にとって最高の蒐集アイテムと言えた。


「それ、持ってきたのはいいけど・・・着るの?」
「もちろん。そういうわけでちょっと奥の部屋を借りるぜ」





いそいそと奥の部屋に入って数分。戻ってきた魔理沙はまるで別人のようになっていた。
そもそも霊夢は白黒の魔理沙しか知らない。紫色とか純白の魔理沙も見た事があるような気もするが、
とりあえず霊夢の中では『魔理沙=白黒』が基本なのだ。

「へぇ・・・着る物によってずいぶんイメージが変わるものなのね」
「ちょっと・・・恥ずかしいんだけどな・・・・・」

白・青・赤のコントラストが新鮮に映る。白黒のエプロンドレスと比べると爽やかな印象だ。もちろん帽子などかぶっていない。
スカートの裾は膝の上・・・いや、腿と言ってもいい所にある。魔理沙にとっては初めての体験どころか冒険に等しい。
魔理沙がこんなに丈の短いスカートを穿くのも、霊夢がそういう魔理沙の姿を見るのも初めてだ。
柔らかそうな腿の、さらにもう少し上が見えそうで見えず、見えなさそうだがもしかしたら見えてしまいそうでもあるが
『爽やか』という強すぎる印象がちょっとした劣情など全て吹き飛ばしていた。

だがやはりどこかで見覚えがあるような気がする。この大きな襟の服と魔理沙独特の男口調が引っかかるのだ。
考えに考えた末・・・・・・思い出せないのでその内霊夢は考えるのをやめた。


「結構似合ってるわよ。フリルとか付いてないけど可愛いし」
「だけどな、今・・・その、アレ・・・穿いてないんだよ・・・・」

そういえばスカートの膨らみが全くない。という事は、本当に『アレ』を穿いていないという事だ。
魔理沙の必需品(?)、『見えてもいい下着』ドロワーズを。

「穿いたままだと何だかカッコ悪くて、しょうがないから脱いできたんだが・・・」
「・・・・・まあ、そのスカートには合わないわね」
「で、スカートとセットでこういうのがあったから穿いてみたわけだ」

短いスカートをほんの少し捲り上げると、見慣れぬ紺色の下着らしき物が姿を現した。
ドロワーズと呼ぶにはあまりにも膨らみが足りず、普通の下着にしては少しばかり生地が厚いようである。

「こんなの初めて穿くんだが、なんか変な感触でさ・・・・・・だからちょっと恥ずかしいんだよ」
「じゃあ穿かなきゃいいのに・・・」
「私に露出狂になれってか?」
「そこまで言ってない」
「まあとりあえず。一度も使わずにお蔵入りじゃあ蒐集した意味がないからな」

顔を赤らめたりしているが、その表情は楽しそうだ。
普段と全く違う服を着て楽しむ、その様子はどこにでもいる女の子そのものだ。
自分が蒐集した物を実際に使ってみる、その姿は普段の魔理沙そのものだ。
衣装替えをした魔理沙が、霊夢には眩しく見えた。



「・・・ねえ魔理沙、ちょっと回ってみて」
「え!?こ、この格好でか・・・?」
「そう、クルッて。1回だけだから、お願い!」

「・・・・分かったよ・・・・・・・」


顔を赤らめながらも、魔理沙は霊夢の頼みは断りきれない所がある。それにどうせ他に見ている者はいない。渋々ながらも霊夢の頼みを受け入れた。
片足を軸にして床を蹴る。
片方だけの三つ編みが、スカートが、風を受けてふわりと舞う。きれいな円を描く。
魔理沙の金髪がキラキラと輝いて見える。今の魔理沙は、霊夢の目には美しい妖精か何かとして見えていることだろう。
例えるならそれは、爽やかな魅力。人を惹きつける魔力。霊夢は一瞬でその虜になっていた。

「・・・うわ・・・・・・・」
「どうした?」
「綺麗・・・・・も、もう1回・・・回ってくれる?」
「あ?ああ・・・いいけど」

クルンッ

「いいか?霊夢」
「う・・・・うん・・・・・・あ、あのさ・・・その服ちょっと触らせて?」
「ああ、いいぜ」





恐る恐る服の端に触れてみる。生地は薄く軽く、夏場はとても涼しそうだ。

「見た事ない生地・・・やっぱりあっちの品は違うわね」
「綿に近いと思うんだけど、別の物も混じってみるみたいだな」
「私も一着欲しいな・・・」
「また今度行く機会があったら探してやるよ」

何気ない会話をしつつも、霊夢は魔理沙の服に夢中になっている。大きな襟やリボンに興味を持ったり、スカートの丈の短さに驚いてみたり。
服をあちこち触っているうち、当たり前のように紺色の下着にも手が伸びていく。

「お、おい霊夢・・・どこ触ってるんだよ」
「誰も見てないから大丈夫よ」
「そ・・・そりゃそうだけど・・・・・」


下腹部の辺りを撫で、その指はだんだん下へ。下着の妙にザラザラとした触感は霊夢にとっても初体験だ。

「・・・『向こう側』の人間って、こんな微妙なの穿いて生活してるのかしら・・・・・?」
「どうだかな・・・・っていうか霊夢、くすぐったいからそろそろ止めてくれ」
「あ?くすぐったいの?」
「変に擦れててな・・・その・・・・・何だ、くすぐったい」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「な、何だよ・・・?」

「ふ~ん、そう・・・・・・くすぐったいのね」
「・・・・・・・・・・!」


ケヒヒヒヒという感じの狂気的な笑みを浮かべる霊夢。咄嗟に魔理沙は一歩退いていた。
この顔になった霊夢はまさに傍若無人、主に妖怪から略奪をする時などにこういう顔をするが、とりあえず本当に傍若無人に振舞うのだ。
今この状況で霊夢が傍若無人に振舞うとしたら何をするか・・・・・大体の見当はつく。だから魔理沙は一歩退いたのだ。
どこでスイッチが入ったのか分からない。この格好のせいかも知れないし、何気ない会話の中にスイッチがあったのかも知れない。
だが、今は考えるよりこの場を立ち去る事の方が重要だ。というより、他にいい手が浮かばなかった。

「じゃ、じゃあ霊夢、私そろそろ着替えてくるから・・・・・」
「待て」
「きゃっ!?」

逃げるように立ち去ろうとする魔理沙を霊夢は見逃さない。すかさず足首を掴み魔理沙を引き倒した。
そのまま足首を引っ張って魔理沙を引き寄せる。その様は、傍若無人と言うよりむしろ妖怪に近いかも知れない。

「イタタタ・・・・・いきなり足引っ張るな!」
「魔理沙、今日はずいぶん淡白じゃない?もう少し長居してくれてもいいのに・・・・」
「ほらアレだ、大切な蒐集品に皺とか汚れが付いちゃうとアレだからそろそろ退散させてもらうぜ」
「・・・・・・そんなの言い訳にならない!」
「んくっ!?」

それを見た者は全て、一連の行動を早業と呼ぶだろう。
うつ伏せに倒れた魔理沙を仰向けにして肩を押さえつけ、強引に唇を奪いつつ空いている手で股間をまさぐる。
霊夢はこれを、魔理沙が抵抗も反応すらもできないほどの早さでやってのけたのである。

「さぁ、覚悟しなさい魔理沙・・・・・・」
「覚悟って・・・どうする気だよ霊夢・・・・!?」
「そんな挑発的な格好をしてあまつさえ『変に擦れる』だの『くすぐったい』だのと言った自分の身を呪うのね」
「そ・・そりゃ霊夢の解釈の仕方・・・・・・・・ぅっ!」

霊夢の指先一つで魔理沙の反論は遮られた。股間を軽く撫でてやるだけで体を震わせ大人しくなってしまう。
抵抗しようにも力では敵わず、指先で撫でられるたびに身体の力が抜けていく。

「うぐ・・・・やめろってば、霊夢・・・・・」
「そんな格好して・・・こうして欲しかったんじゃないのかしら?」
「そんな!違・・・・・ぅあぁっ!」
「違うんだったら声上げない。違わないんじゃないの、魔理沙・・・?」
「ち・・・ちが・・・・・」
「・・・この口はまだ強がりを言うのね・・・・・・・こんな事されても?」
「いやぁっ!やめっ・・・・・!!」

股間の中央に指を添え、少し力を入れて押し込む。秘肉の柔らかい感触と共に生暖かさと湿っぽさが返ってくる。
それを指で感じ、霊夢の表情にはさらに狂気が加わる。

「(こんな事言うのはベタだけど・・・)ふふ・・・・・身体の方は正直ね。感じてるんでしょ?」
「ば、馬鹿っ、感じてなんか・・・・・」
「そう?」
「うくぅっ・・・!」
「私の気のせいかしら、やけに湿っぽいのよ。この辺が」
「やぁん!そっ・・そんな・・・・・・」


指に力を込めたまま、グリグリとこね回す。魔理沙の体は小刻みに震え、紺色の下着に濃紺の染みが浮き上がってきた。
もちろんそれを見逃す霊夢ではなく、今度は人差し指と中指で激しく擦りだす。
魔理沙の腰は大きく跳ね上がり、まともに声を上げる事すらできなくなる。そんな魔理沙に、霊夢は耳元で囁きかける。
まるで、悪魔の誘惑のごとく。

「ねえ魔理沙、気持ちいい・・・・・・?」
「いっ・・・・・・・・・・い、ぃぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・よく聞こえないわ」
「ふあぁっ!い・・いいっ!気持ちいいっ!」
「どんな風に気持ちいいの?具体的に説明してみて」
「こ・・・・擦れて・・・・・気持ちいい・・・・・」
「・・・・まだ分かりにくいわね・・・・もっと分かりやすく説明できるようにしてあげようか?」
「いやぁっ!あっあぁぅ・・・!」

厚手の下着越しに指を突き立てた。濃紺の染みからは既に白い粘液が滲み出ており、突き立てた指が抵抗なく動く。
魔理沙の顔は紅潮し、指を深く押し込むたびに甘ったるい吐息がかすかに漏れる。誰が見ても快感に震えているのは明らかだ。
だが今の霊夢は容赦しない。恍惚の表情を浮かべる魔理沙に触発され、理性のブレーキは効かずれ本能のアクセルだけがどんどん踏み込まれていく。

「どう?今度はちゃんと言えそう?」
「ん・・・・・ぁぅ・・・・・・・」
「・・・・・・言・え・そ・う・?」
「んひぃぃっ!い、言う!言うからやめてぇっ!」

「私の・・・が・・・・・・擦れて・・・それで気持ちいい・・・・・・」
「声が少しばかり小さいかな・・・?」
「わっ!私のオ○ンコが!この下着に擦れて、それで気持ちいひぁっ!」


他の者が見れば性的なイジメにしか見えないだろう。だが、少なくとも『今の』霊夢はこれをイジメだとは思っていないし
魔理沙も同じである(『いつもの』霊夢がどう言うかは分からない)。
つまり、かなり歪んだ形ではあるがお互い同意の上での行為という事だ。そうでなければ魔理沙はもっと抵抗しているだろう。
今の魔理沙はと言えば、言葉ではささやかな抵抗をしているものの身体は霊夢に委ねてしまっている。
霊夢の指先と言葉に敏感に反応し、何もされなければ自ら腰を動かす。そして霊夢はそれを見て楽しみ、魔理沙を焦らしてさらに楽しんでいるのだ。

「れ・・・・霊夢のっ!霊夢の指ぃっ!クチュクチュ、って気持ちいいのぉぉっ!!」
「・・・うふふ、ちゃんと言えたわね」

これでは二人とも別人だ。だが、これは他の者には決して見せない彼女たちのもう一つの顔。
歪んだ形の関係を築いている二人もまた、博麗 霊夢と霧雨 魔理沙なのだ。

「ずっと弄られてて辛かったでしょう・・・?そろそろ楽にしてあげるわね」

延々と続けてきた指による愛撫をやめ、ぐっと顔を近づける。そして迷う事無く下着の上から舌を付けた。


「あふぅっ・・・・・・!」

刺激に慣らされてきた魔理沙の体がまた大きく跳ね上がる。指と舌では受ける刺激が全く違うという事だ。
指より温かく、指より柔らかく、指より滑らかな刺激が下着越しに魔理沙の身体へ伝わる。
無意識的に脚を閉じようとする魔理沙を霊夢は許さない。逆に脚を大きく広げ、指と同じ所へ同じように舌を突き立てこそぐように舐る。

「んぁっ、霊夢の舌あったかい・・・・オ○ンコぴちゃぴちゃしてるぅぅっ!」
「ん・・・んふ・・・・もう・・・・イッちゃいなさい、魔理沙・・・・・・」
「あっ・・・」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

濃紺の染みがさらに大きくなり、滲み出ていた液が溢れ出す。
下半身を痙攣させ、霊夢が間近で見ている所で魔理沙は一人絶頂に達したのだった。










「あ~あ、せっかくの蒐集品が汚れちゃったぜ」
「また今度行くんでしょ?新しいの探せばいいじゃない」
「・・・誰のせいでこんな事になったと思ってる?」
「抵抗しなかったのはどこの誰だったかしら?」
「激しく抵抗したらやめたのか?」
「・・・・・・・まぁ(^^;」

すでに霊夢は元に戻っている。霊夢が元に戻ったから魔理沙もいつもの男言葉で、いつもの白黒服に着替えてある。
先ほどまでの乱れようと歪みようははどこへやら、すっかり『いつもの』二人になってしまっている。

「・・・で、霊夢もこういうの持ってきたら着るのか?ていうか着るんだろ?」
「あんたのいない所でコソーリとね」
「許さん」
「何でよ」
「その時はリターンマッチだぜ」

そう言うなりいきなり霊夢に飛び掛かる魔理沙。勿論本人はじゃれてるつもりだ。
当たり前のように霊夢もやり返す。抱き付かれたなら抱き返し、胸を揉まれたなら揉み返す。全てはいつも通りに。
そして、魔理沙が持ってきた服を自分が着る妄想をして少し恥ずかしがってみたり顔を赤くしてみたり。
それを魔理沙に指摘されてさらに顔を赤くしてみたり無茶な言い訳をしてみたり。だが、それがいい。
何があっても全てはいつも通り、そういうわけでいつも通りの霊夢と魔理沙なのであった。

(end)
























あとがき。

久しぶりにネチョいSSを書いた気がする・・・前に書いたのはレミリア×霊夢の吸血ネタだったかな?ていうかこれ使いm(ターン
そんなこんなで今回は霊夢×魔理沙です。脱がせてませんw
『できる限り服を脱がせずにどこまでネチョい事ができるか』というテーマがあったわけじゃないんですが、
なんか知らないうちにそうなってました(ぇ
ケヒヒ霊夢はともかく、脈絡なしでいきなり乙女チック(?)になる魔理沙はどうだったかな、と疑問。
魔理沙受けというのは確実に譲れない所ですが。
・・・否、それ以前にブルマの上からネチョネチョして果たして逝けるのか分からない_| ̄|○ダッテオトコノコダモン・・・
経験ある方は情報プリーズ(聞くな

とりあえず、読破ありがとうございましたm(_ _)m

書いた人:0005


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2300d)