まえがき。
◎この話に出てくる小悪魔の名前は『リトル』、容姿はむむむ氏の絵を参考にお願いします。
◎いわゆる『ふたなり』SSです。苦手な方はご注意ください。
◎この話は『裏最萌』がテーマになっております。
それではどうぞ。
パチュリー×美鈴 裏最萌
パチュリー・ノーレッジ ◎ 153-141 × 紅 美鈴
電光掲示板が二人の名前と数字だけを表示する。
内容自体は至ってシンプル、しかしそれを見た者は全てが等しく熱狂していた。
東方最萌トーナメント、準決勝第二試合の結果がそれだった。
「負けちゃった・・・か・・・・・」
試合の結果を見た美鈴は、なんとも複雑な顔をしていた。
決勝に行けなかったのは残念だが、その相手がパチュリーなら悔いはない。しかも目も当てられないような惨敗ではなく惜敗だ。
さらに彼女は紙一重の激戦続きだったので、プレッシャーからやっと解放されたという安堵感もある。
だが、『裏最萌』の罰ゲームの存在が彼女の心の中で最も大きなウェイトを占めていた。
『敗者は勝者の言う事に従わなくてはならない』
これが唯一の、しかし絶対的なルール。これを24時間やり遂げる。
『言う事に従う』という部分を最初は誰もが使いっ走りになる程度だと思っていたし、自分が勝ったらそうするはずだと誰もが考えていた。
しかし。一回戦第一試合。
奇跡の大金星を挙げたリリーホワイトは敗者の咲夜を24時間『犬にする』という罰ゲームを敢行。
それが真の裏最萌の始まりであり、少女たちが静かに壊れ始めた瞬間でもあった。
「はぅ・・・・・・」
美鈴のため息は重く暗い。
今までの数々の試合で、敗者が恥辱にまみれた姿を何度も見てきた。裏返せばそれは、勝者の心の中に隠された欲望。
幻想郷の少女たちはこんなにも狂っていたのかと恐怖し、自分が負けた時の事を想像しては怯えてきた。
そして今日、美鈴にその番がやってきた。これで落ち着いていられるはずがない。
パチュリーという魔女は心を開いた相手には穏やかだが、そうでない相手には穏やかの裏返しで無愛想になる。
美鈴はどちらかと言うと後者の方、ゆえに罰ゲームでも手加減してもらえそうな気がしない。
だが同じ紅魔館の住人として多少は情けをかけてもらえる可能性がないとも言い切れない。
「うぅ、どうなるんだろ私・・・」
詰まる所、美鈴の心の中は不安と期待が絶妙に入り混じっていた。
「あら」
音もなく控え室のドアが開き、勝者であるパチュリーが入ってきた。
試合に勝って機嫌がいいのか顔色もいいし咳き込んでもいない。
「ずいぶん沈んでるじゃない・・・大丈夫?」
「あ・・・パチュリーさん」
「罰ゲーム・・・そんなに怖い?」
「・・・・怖くないって言えば絶対嘘になります」
「・・・・・・・・・」
「正直なところ、ね」
一つ咳払いをしてパチュリーが言う。
「あなたへの罰ゲーム・・・あまりひどい事はしたくないと思ってるの」
「え?」
「ほら、一応同じ館に住む者同士。身内みたいなものだから目も当てられない状態ってのは流石にどうかな、ってね・・・」
「パチュリーさん・・・・」
「まあ細かい話は館に戻ってから。とりあえずいい試合だったわ、ありがとう」
パチュリーが手を差し出す。
美鈴はこの後自分の身に起こりうる出来事をあれこれ想像しては落ち込んでいるというのに、パチュリーの態度の何と爽やかな事か。
重く張り詰めていた空気が軽くなる。美鈴も自然と手を差し出していた。
「はい、いい試合でした・・・パチュリーさんに負けたのなら悔いはありません」
「・・・じゃあ館に戻りましょ。色々と準備しないと」
静かにうなずく美鈴。だが、この時すでに二人の考えにはズレが起こっていた。
美鈴の考える『準備』とは最萌トーナメント決勝戦に向けての備え。
パチュリーの考える『準備』とは裏最萌の段取りの事だったのだ。
翌日。美鈴はパチュリーのいる図書館に呼び出された。
重い扉を開けると整然と並んだ本棚の列、舞い上がる埃。美鈴がここに来るのは初めてだ。
図書館に呼び出されたのはいいがどこにパチュリーがいるのか分からず、キョロキョロしていると一人の女性が声をかけてきた。
「あの、美鈴さんですね?パチュリー様でしたらこちらにおられます・・・」
声をかけてきた女性は、少なくとも人間ではなかった。初対面の美鈴ですらそう分かるほど、その姿は人間離れしていた。
背丈は美鈴よりやや低い程度。美鈴は女性にしてはなかなかの長身なので、目の前の女性も平均以上の身長ではある。
そして美鈴と同じ紅い髪、幼さの残る顔つきに大きな瞳。服装は白と紺の落ち着いた色合いで、紅いリボンがアクセント。
ここまでなら人間を名乗っても十分通じる。だが、ここから先が人外の域だった。
何しろ、こめかみと背中の辺りからコウモリを思わせる黒い翼が生えているのだ。
よく見ると瞳も人間のそれとは違い、紅く獣を思わせる鋭さを持っている。というか獣の瞳そのものだ。
こうなると女性かどうかも疑わしいものだが、落ち着いた物腰とルックスと声で美鈴は女性であると決め付けた。
「あ、あの・・・どちら様でしょうか・・・・?」
思わず美鈴も敬語になる。
「私ですか?私はパチュリー様との契約により召還された小悪魔です。パチュリー様は『リトル』という名を与えてくださったので、
どうぞ美鈴さんも『リトル』とお呼びください」
「はあ・・・・・」
「さあ美鈴さん、パチュリー様はこちらです」
リトルと名乗った小悪魔に案内されるがまま、美鈴は図書館の奥の部屋に通された。
窓は小さく、少なく、ドアも図書館の入り口と同じくらい分厚い。
ドア窓も閉め切ってしまえば、ちょっと騒いだ程度では外にいる者は誰も気づかないだろう。言ってみればここは『不完全な密室』だった。
一応大机や椅子などはあるが、少なくともここで生活をするという感じではない。
図書館内と同じく部屋を埋め尽くす本棚と本の数々は、ここが書斎である事を雄弁に物語っていた。
「・・・・・・あ、いらっしゃい美鈴」
本棚に向かって立ち読みしていたパチュリーが美鈴に気づいた。読んでいた本に栞を挟み、本棚に戻すと椅子に座る。
美鈴も促され、パチュリーの向かいの椅子に腰掛けた。
「早速だけど本題・・・いい?」
「本当に早速ですね・・・・」
「焦らされるのは嫌でしょ?」
「まあ・・・」
「じゃあ本題に入るわ。あなたには24時間、私の助手をしてほしいの」
「・・・・・・助手?」
「そう、研究のお手伝いをしてほしいのよ」
パチュリーからの提案は何とも意外なものだった。
ルールは『敗者は勝者の言う事に従わなくてはならない』というだけ、敗者に恥辱を与えなければならないというわけではない。
それにしても、今まで数々の罰ゲームを見てきた美鈴にとってはあまりにも普通すぎる罰ゲームだった。
しかし、これなら罰ゲームでなくてもいい。いつ美鈴を呼びつけても問題ないはずだ。
だがこれが罰ゲームになるなら都合がいい。美鈴はそれを考えない事にした。
「あの、助手だったらそちらの・・・・リトルさんじゃ駄目なんですか?」
「かなり体力が必要になってくる仕事だから、彼女には頼めないのよ。その点あなたは大丈夫」
「・・・・・褒め言葉ですか?」
「褒めてるつもりよ。体力勝負という点では咲夜にもちょっと厳しいし」
パチュリーの言う事にも一理ある。
美鈴は門番という役職の性質上、日々体を鍛えていなければならない(と彼女はそう思っている)。
この幻想郷において、弾幕勝負で勝てなければ門番の意味がないと言うのは承知しているが、それでも彼女はストイックなまでに日々精進している。
表向きの理由は『侵入者との格闘戦を想定して』、本当の理由は『プロポーション維持』なのだが、
どちらにしても日々の鍛錬が功を奏し、彼女の体は驚くほど美しく体力面でも他の少女たちとは比べ物にならない程度にまでなっている。
「体力勝負って・・・24時間ずっと力仕事とか・・・・・?」
「私もそこまで鬼じゃないわ、休憩も食事もちゃんと用意するから。簡単でしょ?」
「う~~ん・・・・・・」
「・・・・ていうか、敗者のあなたに拒否権はないし」
「うっ」
「・・・わ、分かりました。パチュリーさんの研究のお手伝いをすればいいんですね」
「そう。24時間よろしくね」
「はい・・・・」
しぶしぶ返事をするも、美鈴は内心ホッとしていた。
『研究の手伝い』で『力仕事』、この2つのキーワードが恥辱にまみれる罰ゲームではないと美鈴を安心させていたのだ。
美鈴の頭の中では様々な光景が浮かんでは消える。
試験管とにらめっこするパチュリー、それを横で見つめる美鈴。
本の山を読み漁るパチュリー、図書館中を走り回って大量の本を運ぶ美鈴。
スペルカードの試し撃ちをするパチュリー、それに応戦する美鈴、etc・・・
何をするにしろ、何とか乗り切れそうだ・・・胸を撫で下ろす美鈴にパチュリーは小瓶を差し出した。
「じゃあ美鈴、最初にこれを飲んで」
無色透明の小瓶の中には、見るからに毒々しい緑色の液体が入っている。
髑髏マークでも描いておけば、誰が見ても毒薬か何かにしか見えないだろう。
それが小瓶いっぱいに入っている。
「これは・・・?」
「強精剤とかその他色々。休憩時間はあるけど、それでもバテないようにね」
「飲むんですか・・・これ・・・・」
「飲まなきゃ始まらないから」
「・・・分かりました・・・・・」
鼻をつまんで一気に流し込む。匂いも味もそれほど悪くない、だが喉に絡みつくような粘性がたまらない。
スライムでも飲んでいるような錯覚すら覚え、それでも喉に力を込めて何とか飲み干した。
「っ・・・ぷはぁ・・・・・」
「飲んだわね。じゃあ早速仕事を始めようかしら」
よく見ると、この書斎らしき部屋には本棚以外の所にも本が並んでいる。
それは机の上だったり床の上だったり、並んでいると言うよりは積んであると言った方が正しいだろう。
この部屋は四方を本棚で敷き詰めてあるが、それでも人が休息をとったりする程度の広さはあるはずだ。
だが床に大量の本が積み上げられていて、そのせいで足の踏み場は相当少なくなっている。
結論から言えば、美鈴の目に今のパチュリーは「ズボラ」と映っていた。
「この部屋・・・本がすごいでしょ?」
「はい・・・・」
「色々読んでるうちに数が増えてきちゃって、リトル一人だけじゃどうにもならなくなってきたの。
そこで美鈴には床に積んである本の片付けをお願いしたいんだけど」
「はぁ・・・」
「1時間くらいでできる?」
「この量だと・・・・・2時間くらいほしいです」
「2時間・・・まあいいわ。じゃお願い」
そう言ってまた本棚から本を取り出して読み始めるパチュリー。こうなったら彼女は読み終えるまで動かない。
別に美鈴の仕事振りを監督しているわけではないし、サボろうと思えばサボれるはずだ。
だがリトルが見ているし、罰ゲームのルールを考えるとサボるわけにもいかない。仕方なく手近にあった一抱えほどの本を数冊手にする。
タイトルが小難しくて何の本かは分からないし詮索する気もないが、持ってみるとなかなかの重量がある。
(おっ、重っ・・・・!)
美鈴も読書を少しは嗜む。だがそれはパチュリーには遠く及ばないし、こんなに大きく小難しい本は見た事もない。
たかが本と甘く見ていたが、よく見るとどの本も紙の一枚一枚が厚く硬い。
たかが紙、されど紙。一枚一枚の積み重ねで、どの本も力の弱い妖怪程度なら殴り殺せそうなほどの厚さと重さを兼ね備えていた。
何とか体勢を立て直しながらも千鳥足でゆっくり歩く美鈴を見て、横からリトルが声をかける。
「あの、美鈴さん・・・・大丈夫ですか」
「大丈夫だったら・・・もう少しちゃんと歩いてるわっ・・・・ゴメン、手伝って・・・」
「・・・・・・いえ、それが」
リトルは視線を泳がせ、顔を少し赤らめながら続ける。
彼女のその仕草の意味を美鈴は深く考えない、というより考えている余裕があまりない。
たぶん言いにくい事を言うんだろう・・・という程度に美鈴は思った。
「手伝うなとパチュリー様より言われてるんです・・・『罰ゲームなんだから一人でやり遂げなければならない』と・・・・・」
「そ・・・・そう・・・・・」
「それに、私もパチュリー様のお世話をしなければならないので・・・すみません、失礼します・・・・」
美鈴は全てを理解した。
体力に自信のある自分への罰ゲームが力仕事だなんて話がうますぎると思った。
これは自分にとってもキツい重労働・・・だから罰になり得るのだと。
だが自分は罰ゲームを受けなければならない身、文句はこぼしてもやる事はやらなければならない。
「これしきの事・・・・・やってやるわぁぁぁ!」
顔を真っ赤にし、歯を食いしばり、美鈴は一度持った本を落とさず運んでいった。
「・・・真面目にやってるみたいね」
「はい・・・・・」
「美鈴は根が真面目すぎるっていうか純真すぎるっていうか只のおバカさんなのか・・・だから動かしやすいんだけど」
「ところでパチュリー様、『準備』の方は?」
「私の方はバッチリ。ほら」
「・・・凄い・・・・・・」
「あなたは別に『準備』する必要はないわね、割と思いのままだし」
「美鈴さんが本を片付け終わったら、次はどうしましょう?」
「とりあえず食事と休憩ね。この先のために、たっぷり休ませてあげて・・・」
奮闘する美鈴を遠巻きに眺めながらパチュリーは笑みを漏らす。
美鈴とパチュリーの間には、まだ埋めようにも埋まりきらない溝が確かにあった。
「おっ・・・・終わりましたぁぁぁぁぁぁっ!」
2時間経つか経たないかという頃、半ば絶叫に近い美鈴の声が図書館の静寂な空気を切り裂く。
汗だくで息も絶え絶えな美鈴だが、パチュリーに言われた仕事をキッチリやり遂げたのだった。
「まさか本当に2時間でやっちゃうなんて・・・・やっぱり美鈴は凄いわ」
「・・・・パチュリーさん、本、溜め込みすぎ・・・そして本、重すぎ・・・・」
「まあ、とにかくご苦労様。お腹も空いてるでしょうから、食事を用意しておいたわ」
大机の上には料理が並んでいる。ご馳走というほどではないが、なかなか凝った感じで量も多い。
「館には調理担当のメイドがいるから私は料理した事ないんだけど、今日は私とリトルだけで作ってみたの」
「へぇ・・・・」
「美鈴がどれくらい食べるか分からないからかなり多めに作っちゃったけど、とにかく食べてみて」
「え、私一人のために・・・?みんなで食べましょうよ」
「・・・・いいの?」
「全然大歓迎ですよ。ご飯はみんなで食べるのが楽しいんですから」
「そう?それじゃ、ご好意に甘えて・・・」
「リトルさんも、ほら」
「あ、はい・・・・・」
大机を囲んで3人が座る。
罰ゲームからは程遠い雰囲気で食事は進み、話にも花が咲く。
美鈴は、自分が今罰ゲームを受けているという事を忘れかけていた。
料理の大半が3人の腹の中に納まった頃。パチュリーは口を拭きつつ美鈴に告げる。
「食べ終わったらしばらく休んでてちょうだい。食事の後にいきなり動くと体に悪いから」
「・・・いいんですか?私、罰ゲームを受けてる身なのに・・・・・」
「私がいいと言ってるからいいのよ。それに、まだまだ体力勝負の仕事が続くから」
「うっ・・・・わ、分かりました、それじゃお言葉に甘えて・・・」
食事をもらった上に休憩まで取れるとは、やはり話がうますぎる。力仕事以外にも何か裏があるのかも知れない。
だが、体を休められるなら彼女の気が変わらないうちにそうしておいた方がいい。罰ゲームは24時間続くのだから・・・
美鈴はそう考え、リトルに案内されまた別の部屋へ通された。
次に通された部屋には、大机の代わりに大きなベッドがあった。どうやら寝室らしい。
だがこのベッド、パチュリーが一人で使うには大きすぎるし仮にリトルが一緒に寝るとしてもかなり余裕がある。
なぜベッドがこんなにも大きいのか分からない。まるで大勢で寝ることを前提にしているようにも見える。
だが、文字通り大の字になって寝てもベッドから腕や脚が飛び出ないというのは美鈴にとって新鮮な驚きだった。
いくら寝返りを打ったとしてもベッドから落ちる気がしない、それこそ心地よい柔らかさに身を(指の一本まで)委ねて眠ることができる。
この驚きの前では、なぜベッドが大きいのかという疑問など愚問に過ぎなかった。
(うわ・・・凄っ・・・・)
腰掛けるだけでその凄さが分かった。体に抵抗を感じず、宙に浮いているような柔らかさ。
全身をあずけてみると、本当に自分が宙に浮いているような感じすらする。全く体の力を使う必要がない、ある種の快感だ。
そしてその快感に浸るや否や、美鈴の体に残った疲れがたちまち睡魔に置き換わる。トーナメントの時の精神的な疲れも手伝い、瞼がだんだん重くなる。
睡魔に抗おうという気持ちすら起こらず、美鈴はそのまま眠りに就いてしまった。
(こんな罰ゲームだったら・・・・悪くないかな・・・・・・・)
彼女の寝顔は安らかと言うより幸せそうで、眠っているのに表情が緩んでいるほどだった。
「美鈴はどう、眠った?」
「はい、それこそあっという間に」
「よっぽど疲れてたみたいね・・・きっと熟睡してくれるわ」
「・・・パチュリー様、楽しそうですね」
「楽しいわよ。これから彼女がどうなるかを想像するだけでも・・・」
「しかし・・・人を騙すというのはやはり後ろめたいものがあります・・・・・」
「小悪魔のあなたが何言ってるのよ・・・・それにこれは罰ゲーム、勝者が敗者を騙しても問題はないはず」
笑みを浮かべるパチュリーの顔は、リトルよりも遥かに『小悪魔』的に見える。
横で見ていてリトルは思う。「どんなに可愛らしい姿をしていても、どんなに見た目が幼くても。彼女は間違いなく『魔女』なんだ」と。
人の良すぎる小悪魔、リトルは美鈴の身を密かに案じていた。そして自分もパチュリーに加担している事を美鈴に対して心の中で詫びた。
真相を知らないのは、依然として美鈴だけだった・・・
・・・・・あれからどれくらい時間が経っただろう?10分?1時間?それとも、もっと?
丸一日眠っていた、なんて事はないはず。長くてもせいぜい2、3時間といったところか・・・
目覚めた美鈴が、まだ半分眠っている脳みそで最初に考えたのがそれだった。
(・・・まあ、パチュリーさんが親切にしてくれてるからいいか。この後もこんな調子だったらいいなぁ・・・・)
都合のいい事を考えながら眠い目をこする。そして、彼女が最初に見たのはパチュリーとリトルが並んで立っている姿だった。
「あら、おはよう美鈴。よく寝たわね」
「んあ・・・パチュリーさん・・・・リトルさんも・・・・」
「あなた、どれくらい眠ってたと思う?」
「・・・?さぁ・・・・・・」
「4時間。約4時間眠ってたわ」
「よじ・・・・・・!」
美鈴の目が大きく見開かれる。今の一言で眠気など完全に吹き飛んだようだ。
仮眠にしても休憩にしても長すぎる時間を、美鈴はひたすら眠っていたのだ。
冷や汗をかきつつも、彼女の口からは言葉がまともに出てこない。
「え・・いや・・・その・・・これは・・・・・」
あたふたする美鈴をパチュリーは最初冷たい目で見ていたが、慌てまくる美鈴を十分に堪能したのか
ある程度間を置いてからようやく表情を緩めて美鈴を制するように言う。
「・・・・怒ってないわ。休んでと言ったのは私だし、あなたにはキッチリ体を休めてもらわないと困るの。
本当に大変なのはこれから先なんだから」
「はぁ・・・・」
「それで、早速だけど次のお仕事の話をさせてもらうわね」
『お仕事』の言葉に敏感に反応して美鈴がベッドから降りようとするが、それをパチュリーが制して美鈴の隣に座る。
どさくさに紛れて美鈴の手を優しく握ったりしている。普段のパチュリーなら、魔理沙が相手でもない限り絶対にしないだろう。
パチュリーの意外な行動に美鈴はただ驚くばかり。そして、顔も少しばかり紅くなっていた。
「あ・・・・・」
「このままでいいわ」
顔を近づけ、耳元でささやく。
パチュリーの微かな吐息が耳を撫で、美鈴の胸の鼓動はさらに激しく高鳴る。
「次のお仕事だけど・・・私達の相手になって。残り時間ずっと」
最初は弾幕ごっこの相手を申し込まれたのかと思った。
何の目的があるのか分からないが、最初に『研究』と言っていたからにはスペルカードの研究かも知れないし、
体力勝負というのはずっと弾幕ごっこを続けるからなのかも・・・という仮設もすぐに浮かんだ。
弾幕の強さにおいて、美鈴とパチュリーの実力差は大きい。100年の時を生きた魔女の魔力と知識は決して侮れない。
本気を出せば月の光も太陽の熱も操れるとまで言われている彼女の力を、美鈴は過小評価していない。むしろ一生敵わない相手として高く評価しているほどだ。
「残り時間ずっと、ですか・・・・でも、ここでやったらこの部屋壊れちゃいますね」
「・・・・・・何か違う事考えてるみたいね。弾幕ごっことでも思ってた?」
「違うんですか?」
「お仕事って言うのは・・・これよ」
スカートのスリットにいきなり手を突っ込まれ、美鈴はわけが分からず固まってしまう。
だが、股間にパチュリーの手が触れた時の未知の感触はそれ以上に理解不能だった。
今まで彼女が自らの性器を弄った事がないから、ではない。『あるはずのないモノ』の感触がそこにあったのだ。
「きゃうっ!?」
「あら?女の子のくせに変なモノが生えてるわね」
「ま・・まさか・・・・そんな・・・・・なんで・・・・・?」
「実際あるのは仕方ないでしょ?何があるのかリトルにも見てもらいなさい」
「嫌っ・・・あぁっ!」
強引にスカートを脱がされてしまった。下着だけは何とか守り通したが、それでも股間の異常な膨らみは隠せない。
美鈴に本来あるはずのない男性器があり、下着の内側で窮屈そうにしている。
恥ずかしさとショックで、美鈴は二人と目を合わせる事すらできなかった。
「ほら、こんなのが付いてる。普通女の子にはこんな物ないわよ」
「いや・・・・・恥ずかし・・・・・・・・」
「リトルも見て。これ、どう思う?」
「はい・・・大きくて・・・・その・・・・いやらしいです・・・」
「・・・・・・っ・・・・・!!」
二人から交互に言われ、美鈴の恥ずかしさはピークに達する。
どこか楽しそうに観察するパチュリーと顔を真っ赤にしながらも横目でチラチラと見るリトル。
そして美鈴は、恥ずかしさと疑問で抵抗する事も忘れていた。
今日の自分の行動を思い返す。
眠っている間。何か変な事をされたという感じはしなかった。
食事の時。変な物が混ざっているという感じはしなかった。
仮に何か入っていたとしても、3人で食事を取って自分だけに異変が起きるというのは考えにくい。
だとすると・・・
考えられるのは一つしかない。
「・・・まさか最初に飲んだ薬・・・!?パチュリーさん、あれって・・・・・・!」
「・・・・・・気付いたみたいね」
パチュリーの目つきが変わった。楽しそうではあるが、どこかギラついた光を放っている。
その光は歪んだ欲望、狂った愛情、むき出しの好奇心、ちょっとした嗜虐心の具現。
今までの裏最萌で美鈴が見てきた、勝者が敗者を見る目つきそのものだった。
「だけど、気付いた時にはもう遅い。あなたの体はすっかり変わってしまったものね」
「あの時・・・何を飲ませたんですか!?」
「・・・ベースが強精剤である事に変わりはないわ。他の物も色々入ってるけど・・・・知りたい?」
そんな物を知るつもりはないし知りたくもない。
美鈴は黙っていたが、パチュリーは勝手に話を続ける。
「あの薬は強精剤の他に筋弛緩剤をほんのわずか、催淫薬を少々、そしてあなたを『男』にする薬を少し多めに。
原理を話したところで分かるとは思ってないから噛み砕いて話すけど、その薬を飲んで栄養と休息をたっぷり取ると
体の中で少しずつペニスが育って生えてくるというわけ。ほら、美鈴の体の中でこんなに大きくなってくれたわ」
「きゃ・・・・・」
有無を言わさず、悲鳴を上げる間もなく、下着を下ろされる。
股間の、ちょうど女性器の『核』がある所から肉の棒がぶら下がっている。
どうしても認めたくない物が、確かにそこにあった。
「よく似合ってるわよ、美鈴。あなたの体みたいにしなやかで綺麗・・・そして大きい」
「・・・・やめて下さい!!」
珍しく、本当に珍しく。美鈴が怒りを露にして叫んだ。
「・・・・・・『力仕事』とか言って・・・騙したんですか・・・・・?」
今度は声のトーンが一気に下がる。今の美鈴の声は静かで、だが静かに震えている。
感情・・・特に怒りの感情を必死で押し殺した声だ。
「『体力勝負』という点では間違っていないと思うわ」
「でも、騙すなんて酷過ぎる・・・・・酷過ぎますっ!!」
「騙す?私は『力仕事』と『体力勝負』としか言ってないわ。そして実際力仕事はやってもらったわけだし、
ここからが本当の体力勝負なんだし」
「じゃあ研究って・・・・」
「薬の効果がどれほどのものか、色んな人に試してみたかったのよ。これも立派な研究課題だと思うけど?」
「・・でも、でもっ・・・・・!」
「でも・・・・・・何なの?」
「う・・・ぐっ・・・・」
パチュリーと美鈴の目が合う。その瞬間、美鈴は言葉を失い黙りこくってしまう。
そもそもパチュリーは嘘はついていない。真実を全て覆い隠したような言い方をしていただけだ。嘘をついていないから、言い合いで負ける要素は何もない。
それに、美鈴が何を言おうが二人の関係が変わるわけではない。
「何を言っても無駄よ。所詮あなたは『敗者』に過ぎないんだから」
「ッ・・・・」
「・・・・さて、これ以上話してるのも時間の無駄ね。限られた時間を大事に使いましょ」
パチュリーとリトルが視線を合わせ、目で何か合図をする。
リトルは小さくうなずき、美鈴をベッドに押し倒すと唇を奪いつつ美鈴の『男』を手に収めた。
「失礼します・・・・」
「きゃっ・・・・・・ぅぐ」
上と下と同時に刺激が来る。上は柔らかい舌が唇を舐め、舌に絡みつき、口内を舐る。
下は細い指が絡みつき、敏感な先端を突付いたり爪を立てたりして波状攻撃を仕掛ける。
未知の刺激に美鈴は一瞬心を奪われるが、理性がそれを引き戻す。
(とにかく・・・逃げないと・・・・)
罰ゲームのルールなど、彼女の頭にはもうなかった。
逃げたい。帰りたい。助かりたい。生存本能にも近い気持ちが彼女の体を動かす。
両手をリトルの胸の辺りに添える。このまま不意に突き飛ばしてやれば彼女を引っぺがす事ができるはずだ。
リトルには悪い気もするが仕方ない、今だけは仕方がない。
心の中で「ごめんね」と詫びつつ、美鈴は両腕を思い切り突っ張った。
トン・・・
(あれ・・・?)
リトルは動かなかった。というより、美鈴がリトルを動かせなかった。
美鈴の腕力で思い切り腕を突っ張れば、相手が思い切り踏ん張っていない限り突き飛ばす事ができる。
リトルは美鈴より小柄だし、不意討ちに近い一撃だから突き飛ばせて当然だ。だがそれができなかった。
(嘘・・・・彼女、私より力が強いの・・・?)
もう一度腕を突っ張る。やはり動かない、動かせない。
何度腕に力を込めても上手くいかない。息も少し荒くなってきた所で、パチュリーが彼女の腕を掴んだ。
「筋弛緩剤をほんのわずか・・・って忘れたの?とにかく、今のあなたは力がかなり弱くなってるの。
私と力勝負をしてどうにか勝てる程度じゃないかしら?」
「そんな・・・・・嘘・・・・」
「だけど実際にリトルを跳ね除けられない、それが事実。逃げようだなんて甘すぎるわ、罰ゲームはしっかり受けてもらうから」
いくら暴れてみてもリトルはそれを全く意に介さず、美鈴を上から下から蹂躙する。
リトルの鼻息が顔を撫でる。ちゅぷ、ちゅぷと、唇と舌が音を立てる。
彼女が使っている香水か何かだろうか、ほのかな甘い香りが理性を奪う。
「んっ・・・ぅぐぅ・・・・・・・んふっ・・・・」
抵抗する事も許されず、美鈴はただリトルの成すがままにされる。
下を弄っている指が『男』の部分から『女』の部分に動いていく。柔らかい肉ひだを掻き分け中へ入っていく。
今の美鈴の腕力ではこの指をどうにかする事はできない。歯を食いしばって耐えることもできず、
できる事といえばせいぜいシーツを握り締めて刺激に耐えるしかなかった。
「美鈴さん・・・・我慢しないで、私に任せて・・・」
指はそのままに、口内の蹂躙をやめたリトルが次に目を付けたのは下の肉棒だった。
先端を口に含み、唾液をねっとり塗し舌で伸ばしていく。
そして、まるで棒アイスを舐めるように口に咥え唇と舌でしゃぶっていく。
「・・んっ・・・・く・・・ふぅん・・・・・美鈴さんの・・・・大きい・・・・」
「うあ・・・はっ・・・・舌ッ・・・気持ち・・いひぃ・・・・・」
『男』と『女』を集中的に責められ肉棒は硬く大きくなり、蜜液は滲み出し、美鈴の顔はその苗字のごとくほのかに紅く染まっていく。
もう意識は下半身にのみ集中し、頭で考えようと思っても何も考えられない。次々に迫り来る快楽に身を委ねるのみである。
パチュリーはそんな二人の様子を一歩退いた所から眺め、妖しい笑みを浮かべていた。
(いい顔するわね、美鈴・・・・もっと嫌がるかと思ってたけど、なかなか受け入れてるみたいじゃない。
あれは自分でけっこう弄ってるのかも・・・・・だったら問題ないわね)
「リトル、それくらいでいいわ」
「・・・・はい」
「次のステップに行くけど・・・その前に美鈴、これを見て」
「・・・・・・!!?」
思考力が奪われかけていた美鈴だったが、パチュリーの姿を見て考えるまでもなく愕然とした。
服を脱ぎ、裸になるパチュリー。
その肌は白く、身体は細い。思い切り抱きしめたら折れてしまうのではないか、という程である。
しかし美鈴にとって問題だったのは彼女の体つきなどではなく、美鈴の視線は股間に集中していた。
パチュリーにも、美鈴と同じ『モノ』があったのだ。
美鈴のモノより一回り小さいが、パチュリーの身体は美鈴より二回りほど小さいので
その肉棒は彼女の身体のサイズに合わないほど大きく見える。それが、既に屹立した状態でそこにある。
「どう?」
「あ・・・パチュリーさん・・・・そ、それ・・・・・・」
「あなたが飲んだのと同じ薬をあらかじめ飲んでおいたの。筋弛緩剤だけ抜いてね。この意味・・・分かる?」
美鈴は首を小さく縦に振った。自分が何をするか、何をされるか、軽いパニック状態にありながらも直感で感じたらしい。
紅潮した顔が心持ち青白くなり、カタカタと歯をわずかに震わせていた。
パチュリーはすっかり硬くなった美鈴の肉棒の上に跨り、手を添えて支えるとゆっくり腰を下ろす。
そして先端が自らの割れ目に触れるか触れないかの所で腰を止めた。
涙目になりかけていた美鈴の目が大きく見開かれる。
「えっ!?ちょ、ちょっとパチュリーさん!!?」
「せっかく生やしたモノを使わないなんて勿体ないでしょ?先に試させてあげる・・・」
「そ・・それってどうい・・・・」
美鈴の疑問を遮って、パチュリーは腰をさらに下ろす。
まだ小さい秘裂だがそれが大きく口を開き、美鈴の『男』をゆっくり飲み込んでいく。
ついには肉棒を根元まで、血の一滴も流すことなく飲み込んでしまった。
「うぐぅっ・・・・くぁ・・・・・は、入った・・・入ったわ・・・・・・・・」
「嘘・・・・いや・・・入ってる・・・・の・・・・・?」
「分かる?あなたのと私のが一つになってる・・・あなたの・・・とっても大きくて・・・・熱いわ・・・・」
「・・・パチュリーさんのも・・・・その、柔らかくて・・・暖かい・・・・・」
「・・・・動くわよ」
ゆっくり腰を上げ、恐る恐る下ろす。また歯を食いしばりながら腰を上げ、再び下ろす。
パチュリーは普段あまり動かさない体を懸命に動かし、美鈴の身体を味わい、試していた。
「んっ・・・・く、くっ・・・ふぅっ・・・・うっ・・・・あ、ぅあ・・・・・あはぁ・・・・」
「くうっ・・・う・・わ・・・・パ、パチュリー・・・さん・・・・凄い、キツっ・・・・」
「メ・・・美鈴のも・・・中でこすって・・・・・・る・・・深く突いて・・・・・・る・・うぅっ!」
3人しかいない部屋で、喘ぎ声と淫靡な音とベッドの軋みだけが飛び交う。
パチュリーは小柄だが、特大ベッドが軋むほど激しく腰を振り、美鈴を激しく責め立てる。
さらには服を全て脱がせ、大きな胸を揉みしだく。パチュリーの小さい手では収まりきらない、それでいて形の整った胸だ。
これを鷲掴みにし、先端のピンク色の突起を指で転がしたり弾いたりする。
「ふふっ・・・美鈴の・・・・オッパイ・・っ・・・・大きくていいなぁ・・・・・」
(だめ・・・・あぁ・・・・・私、胸でも・・・感じてる・・・・・?)
「ほらぁ・・こんなに硬くして・・・気持ちいいのね・・・・・・」
肩で息をしながらもパチュリーは微笑む。
それは幼い顔つきからは想像もつかないほど妖艶で、しかし100年の時を生きた彼女に相応しい大人っぽいものだ。
パチュリーの半分も生きていない美鈴は、瞬く間にその笑顔に惹き込まれていく。
青ざめていた顔が再び紅く染まり、いつの間にかパチュリーにその身を預けていた。
「あっ・・あっ・・・あっ・・・・美鈴・・・・すごく・・・いいわっ・・・・・!」
「パチュリーさん・・・私も・・・私も・・・・もう、出るッ!出ちゃうッ・・・・」
「もうイクのね・・・・?それじゃ・・・・・・」
妖艶な笑みを浮かべつつ、パチュリーは腰を大きく上げて美鈴から離れた。
爆発寸前の美鈴の肉棒が、ビクンビクンと虚空で脈打っている。
「えっ・・・・・!?」
「ふぅっ・・・生憎だけどそう簡単にはイカせないわ。こんな機会は滅多にないから、できるだけ長く楽しみましょ」
「そ、そんな・・・・・・・」
「・・・もしかして、イキたかったのにイケなくて苦しいの?それじゃあ・・・・・それも一つの罰ゲームになるかも知れないわね」
そこから先は美鈴にとって天国であり地獄だった。
パチュリーと繋がっている時は何とも言えない快感が迫り来る。
しかし、それが絶頂に来る直前にいきなり遮られると快感は一転して苦しみとなる。
美鈴はそれを何度も繰り返され、目は涙目に、息も絶え絶えになっていた。
挿入してから引き抜くまでの時間もだんだん短くなってきている。美鈴の心と身体はかなり追い込まれていた。
「うぅ・・・・ふぐっ・・・お・・お願い・・・・もう、イカせて・・・下さいぃ・・・・・・・」
「・・・そうね、そろそろ我慢の限界みたいね・・・私も乗ったり降りたり疲れたし・・・・・・」
その言葉は美鈴にとって救いの言葉に聞こえた。どれほどの時間が経ったのかは分からないが、
今の苦しみから解放されるならそれに越した事はない。下手に何も言わず、パチュリーに従った方がいい。
そう思い、期待の眼差しを込めてパチュリーを見つめていると、いきなり両脚を広げてきた。
「ひっ!?パチュリーさん、何を・・・・・?」
「あなたはもう十分試したでしょ?だから、今度は私にも試させて」
両脚を大股開きにされ、その中を覗き込まれる。同性が相手でもこれはかなり恥ずかしい。
「ふぅん・・・もう挿れる準備は万全みたいね。ほら、こんなトロトロに濡れてる」
「うっ・・・くぅぅ・・・・」
「これなら痛くないわよね・・・・?」
腰をしっかり押さえつけ、先端をあてがい狙いをつける。
そして、一つ深呼吸をして遠慮なく腰を前に突き出した。
「ううっ・・・!・・・・ふぅ・・・・・」
「いぎっ・・・・!!」
美鈴はパチュリーほど大きな反応をしない。歯を食いしばって耐えている。
パチュリーはそれが気に入らなかったのか、繋がったままの状態で美鈴に囁く。
「くっ・・・くふ・・・・・うぅっ!」
「・・・・ねえ、我慢しなくていいのよ。もっといい顔を見せて・・・もっといい声を聞かせて・・・・・」
そして、ぎこちない動きで腰を打ち付ける。腰と腰が当たるたびにパン、パンと音が響き、
衝撃が伝わって美鈴のたわわな胸が揺れ動く。
腰を打ち付けつつも空いている手で美鈴の肉棒を手で弄ぶ。彼女が絶頂を迎えてしまわないように、手も腰も慎重に動かしつつ・・・
美鈴の強張っていた顔はだんだん快楽で力なく歪み、あれほど硬く食いしばっていた口元も緩み自然と喘ぎ声が漏れていた。
「うぁっ、はっ、あ・・・は・・・・・パ・・パチュリ・・・・さん・・・」
「うふふ・・・・やっぱりいい声・・・その声、もっと聞かせてね・・・・・・・リトル!」
「はっ、はい・・・・・」
「あなたも見てないで。『後ろ』が空いてるわよ?」
「あ・・・・分かりました」
唐突に呼ばれたリトルはわずかな会話でパチュリーの言わんとしている所が分かったのか、自らも服を脱ぎはじめた。
リトルの身体もきれいだった。
肌は白すぎず、ほのかなピンク色。身体は細すぎず、背丈に見合った程度。
傷や汚れなど一切ない美しい身体で、黒い翼さえなければ小悪魔どころか天使にも見えるほどである。
だが、彼女の身体からも翼以外で本来あるはずのないモノが生えていた。
「リ・・リトルさんも・・・・・!?」
「彼女は少し違うわ。彼女、自分の姿をある程度思いのままに変える事ができるらしいの。
レミィや妹様がコウモリに化けるようなもので、これくらいなら朝飯前みたいよ」
リトルの身体から生えている『モノ』は、二人のモノよりさらに一回り細く短かった。
だが、それでも異質である事には違いがない。自らの身体の事を棚に上げ、美鈴はリトルの姿を見てもう一度驚いていた。
リトルはベッドの上で貫かれている美鈴を後ろから抱き起こし、既に怒張している肉棒を菊門にあてがう。
とめどなく滲み出る蜜液を塗して潤滑油にし、美鈴をしっかり抱きかかえる。そして美鈴の耳元で囁いた。
「美鈴さん・・・全身の力を抜いて、楽にして・・・力むと痛いですよ」
「ま・・・まさかリトルさん・・・・・!?」
「・・・・・・・ごめんなさい」
美鈴は思わず力んでいた。全身の力を抜いてと言われても、本能が体を強張らせてしまう。
その結果彼女の菊門はリトルの侵入を拒み、強い締め付けで抵抗を試みる。
だが、今の美鈴はパチュリーなみに筋力が弱まっている。リトルには敵うはずもなく、必死の抵抗も空しく貫かれてしまう。
結果として、中途半端にしか力めなかった美鈴だけが痛みを感じる結果になってしまった。
「かはっ・・・・・・あ・・ぐあぁ・・・・」
「だから力を抜いて、って言ったんです・・・・・」
「あぉぉ・・・・お・・・・お尻がぁっ・・・・・!」
痛みとともに感じるのは猛烈な違和感。排泄のためにしか使わない所へ肉棒を突き入れられたのだから、違和感を感じて当然だ。
美鈴の苦しみをよそに、パチュリーは腰を動かし続けている。リトルもやや遅れて腰を動かし始める。
直腸の中を肉棒がピストン運動で前後に動く。美鈴にしてみれば、いつまでも排泄をしている錯覚を覚えまともな思考ができなくなる。
後ろがそれなら前はひっきりなしに来る快楽である。二つの波が不規則に押し寄せ、理性を保っている余裕などない。
「ぅひあっ!あは、あぁ・・・・・お尻・・おしりがぁ・・・・リトルさん・・・・・中で・・・こすってるぅぅっ!」
「うくぅっ・・・・・!美鈴さんのも・・・すごい・・・締めてるッ・・・!」
「よかったわね、美鈴・・・我慢する事もできないほど激しくされて・・・・・」
「パッ、パチュリーさんもっ!パチュリーさんのも・・・・太いのォォォっ!」
「・・・・あまり聞こえてないみたいね」
もはや、美鈴の理性はどこかに飛びかけていた。
「あひぃっ!あっ・・・あっ・・・あっ・・・・・もっ・・もう出そう!出ちゃう!」
「わ、私も・・・・もう、限界・・・ですぅっ!・・・・・・・・・・あぁぁぁぁっ!!!」
最後に1回だけ、リトルの腰が勢いよく打ち付けられた。密着した腰と腰は離れず、リトルの身体は軽く痙攣している。
恐らく美鈴の中で絶頂を迎えた証として精を放っていったのだろう。リトルが美鈴から離れると、
閉まりきらない菊門から白いものが糸を引きつつゆっくりこぼれ落ちた。
「さ、美鈴・・・・あなたも・・・もうイッちゃいなさい・・・・・・」
こんな力がどこにあったのか、というほどパチュリーの腰の動きが激しくなる。
今、二人はいわゆる『駅弁』の体勢になっている。身体の大きい美鈴がパチュリーにしがみ付いているのは見ていて滑稽だが、
それを滑稽と感じさせないほどパチュリーは激しく腰を突き上げる。
美鈴も自ら腰を振り、少しでも強い衝撃を味わおうと必死になっていた。
「あぁぁん!もうダメ、もう本当に出るっ!パチュリーさんと一緒にイッちゃうぅぅぅ!!」
「美鈴・・・・私も・・・・もう・・・ぁぁ・・・・出るぅ・・・・・・・!」
リトルと同じようにパチュリーも強く腰を打ち付ける。そして密着したまま、美鈴の中で精を放っていった。
それが美鈴にとってのスイッチになったのか、離れようとするパチュリーを離さず抱きしめ、『駅弁』の体勢で彼女も絶頂を迎える。
「私もイクゥゥゥゥ!パチュリーさん、受け止めてぇっ・・・・・・!!」
そう言い終わるが早いか、美鈴の大きな肉棒からも白い精が放たれた。
白い粘液はパチュリーの顔を汚し、美鈴の顔を汚し、二人の身体にも容赦なくかかっていく。
二人をそれを拭こうとも嫌がろうともせず、特にパチュリーは指ですくって舐めながらニッコリと微笑んだ。
「・・・・・・効果・・・・・抜群ね」
「はい?」
「薬の効果。あなた、すっかり忘れてたわね」
「はぁ・・・・・」
「これが罰ゲームだって事も忘れて・・・あ・・・・・ま、まあ、これは私も少し忘れかけてたけど」
「ところでパチュリーさん、残り時間がまだたくさんあるような気がするんですけど・・・・」
「・・・何?まだ満足してない?」
「いや決してそう意味で言ったんじゃなくてパチュリーさんはこの後どうするのかなぁって何となくそう思っただけで」
あたふたしながら早口でまくし立てる美鈴を見て、パチュリーは思わず笑っていた。
「そうねぇ・・・『研究』の結果はもう出たようなものだし、他に何をしようか思いつかないし。
かといって残り時間をボーッと過ごすのはつまらないし、今本を読む気は起きないし・・・・・」
パチュリーはあーだこーだと考え、ようやく手をポンと叩き美鈴の方を向き直った。
「美鈴、これから命令するわ。残り時間ずっと私と一緒にいて。ただし、私が何をしようとも手出し・口答えは許さない」
「・・・・・・それって、罰ゲームのルールそのままじゃ・・・・」
「そうよ。だけど、私が言った事を全部守るのよ。できるかしら・・・?」
「(ゴクリ・・・)ど、どんな事するんですか・・・?」
「最初は・・・・」
「お風呂に入りましょ。全身ベトベトで気持ち悪いし」
「・・・それも罰ゲーム、ですか?」
「そうよ。どんなに恥ずかしくても一緒に入る事!」
「・・・・・はいはい、お風呂ですね」
ぐったりしているリトルを抱きかかえ、パチュリーの後についていく美鈴。
こんな罰ゲームでよかった、と再び思うようになっていた。
(end)
あとがき。
何だかまとまりがいいような悪いような。最後の方、アレじゃただのパチュリー×美鈴ですね・・・
エロに持っていく為の仕込みも長いし。実質仕込み:エロ比率=2:1って所じゃないだろうか。
いきなりエロに持っていくのが苦手とはいえ、これはあんまりだ。要修行。
パチュリーの口調、リトルの性格などずいぶん自分設定が入ってるかも知れません・・・
「パチュリー喋りすぎだゴルァ!!」などお怒りのあなた、申し訳ない_| ̄|○
とりあえず、ここまで読んでくれてありがとうございました。
書いた人:0005