「お邪魔しまーす」
「いらっしゃい霊夢、魔理沙・・・・・・アリスも?」
「どうしても行きたいって言うもんでさ。一人くらい、いいだろ?」
「問題ないわ。賑やかな方がお嬢様もパチュリー様も楽しいでしょうし」
霊夢、魔理沙、アリスは珍しく紅魔館に泊りに来ていた。
いつもはレミリアが博麗神社に遊びに行くのだが、『いつもお邪魔してるだけじゃ悪いから』という事でレミリアが誘いをかけたのだ。
霊夢はその誘いを遠慮なく受け、同じく誘いを受けていた魔理沙も一緒に来て、その事を知ったアリスも一緒に来たというわけだ。
咲夜に案内され、それぞれ個室に通される。手荷物を置いて一段落した後、霊夢が石鹸と手拭を持って部屋から出てきた。
「魔理沙、アリス。私は先にお風呂に入ってくるわ」
「今日は暑かったからね・・・行ってらっしゃい」
「私たちは図書館に行ってるぜ」
そして3人は別々の方向へ歩き出した。
図書館で本を読む魔理沙、アリス、パチュリー。だが、魔理沙だけはどうにも落ち着きがなかった。
霊夢の何気ない一言が引っかかっている。あの時、一緒に風呂に入るべきだったか・・・
「悪い、ちょっと忘れ物があったから取ってくる」
適当な言い訳をして図書館を後にする。目指すは霊夢がいるはずの浴室。
浴室に着いた。恐る恐る更衣室のドアを開けてみると、そこには見慣れた紅白の服が一着。霊夢がまだ風呂に入っているようだ。
胸が高鳴るのが自分でも感じられる。曇りガラスの引き戸一枚を隔てた向こうには霊夢が一糸纏わぬ姿で・・・・・・
と考えると息苦しいほどに胸が高鳴ってくる。だが風呂に入る準備もしてないのにこんな所にいるのは怪しすぎる。すぐにでもここを出なければならない。
霊夢がまだ風呂にいるのは分かった、なら自分も石鹸と手拭を持って来れば問題ない・・・・・・そう思い振り返った時、白い物が見えた。
(何だこれ・・・・・・サラシ、か・・・?)
白く、異常に長い木綿の布。それは紛れもなく霊夢愛用のサラシだった。
これを巻かない事には胸が揺れて動きづらいと霊夢はよく愚痴をこぼしていた。まだ胸の小さい魔理沙には無縁の物だと思っていたが、
こうして実物を目の当たりにすると嫌でも好奇心がそそられてくる。
霊夢の素肌にいつも触れている物、欲しくてたまらない・・・だが盗れば間違いなく疑われる。
(・・・・・・『アレ』やってみるか・・・成功するかな・・・・・・・)
さっきまで図書館で読んでいた本の内容を思い出す。
『召喚』と『生成』の術を応用した高位の魔法、『複製』の術。生き物のように組成が複雑でない物ならば同じ物をいくつも創り出せるという夢のような魔法、
一度は使ってみたいと思っていたがまさかこんな所で試す機会が訪れるとは夢にも思っていなかった。
まだ浴室内の霊夢は気付いていない、試すなら今しかない。本に書いてあった内容を思い出し、魔理沙は指に魔力を込め床に魔方陣を書き始めた。
直径1㍍ほどの魔方陣が出来上がり、淡い輝きを放っている。その中にサラシを置き、魔方陣に手を添え呪文を唱える。
魔方陣から白い光が柱のように浮き上がり、辺りを眩い光で包み込む。
「誰?誰かいるの?」
(ヤ・・・ヤバイ!)
光の柱に霊夢が気付いたようだ。すぐにでもここから逃げ出したいが、『複製』の術が終わらない限りそうもいかない。
霊夢のシルエットが近づいてくる。影はだんだん大きくなり、引き戸のすぐ向こう側まで来た。
その時、魔方陣の光が消えた。中から出てきたのは霊夢のサラシ、それも2枚。魔理沙はそれを1枚だけ掴み、
もう1枚のサラシを元の場所に戻す事もせずその場から逃げるように立ち去った。いや、むしろ全速力で逃げた。
「・・・誰もいない・・・・・?気のせいかしら」
サラシが変な所に不自然に置いてあるのに霊夢も気付いたが、別に気にする事もなく再び浴室に戻る。
かくして、魔理沙はひょんな事から霊夢のサラシという稀少品を蒐集する事に成功したのだった。
「こ・・・これが霊夢の巻いてたサラシ・・・・・・・やった、私のものだ・・・・・・」
改めて戦利品を手にし、魔理沙は部屋で一人悦に浸っていた。
いつも霊夢と一緒にいるのに触れる事すら叶わなかった物、近くて遠い超・稀少品。それが今、ここにある。
『複製』の術は、初めて試したにしては完璧に成功したようだった。サラシの色・形は当然の事、微妙な皺のつき方まで同じように見える。
匂いまではさすがに分からない。元々匂いがついてなかったのかも知れないし、匂いまではコピーできなかったのかも知れないし、魔理沙が匂いに気付かないだけかも知れない。
だが、気付かないほどかすかな匂いなら気にするまでもないと割り切り、魔理沙はいそいそと服を脱ぎ始めた。
「ど・・どんな使い心地なんだろうな・・・」
胸にサラシの端を当て、正しい巻き方など知らないので適当にぐるぐると巻いてみる。
少し巻いてはずり落ち、また少し巻いてはずり落ち。何度も試行錯誤を繰り返した末、ようやく巻き終わった時には白い塊が魔理沙の胸を覆っているだけという有様だった。
絶対に、違う。こんな滅茶苦茶な巻き方ではまたすぐにサラシがずり落ちてしまうだろうし、服を着ても不自然な凹凸が残ってしまう。
「霊夢の奴・・・どうやってあんな上手に巻いてるんだろ・・・・・・ていうかやっぱり私には必要なさそうだし」
サラシをほどき丁寧に畳む。複製した物だから霊夢の所へこっそり返す必要などない。かといって捨てるのも勿体ない。
仕方なくベッドの上に放り投げるが、そうしたらそうしたでなんだか勿体ないような気がしてきた。せっかく手に入れた物を使わない手はないのだが・・・・・・
「霊夢のサラシか・・・・霊夢がいつも使ってる・・・霊夢の・・・・・・・・れい、む・・・・・・・・・・・・・・・・・」
放り投げたサラシをまた手に取り、まじまじと見つめる。霊夢の素肌が、綺麗な胸がいつも触れているこのサラシ。胸に触れるのはどの部分だろう・・・
キョロキョロと部屋を見回す。部屋には一人しかいないのだが、念のために安全を確認すると魔理沙はサラシに鼻をつけ思い切り息を吸い込んだ。
「ん・・・・くんくん・・・・・・・・・あ、霊夢の匂い・・・・・・・・・・」
もしかしたら、かすかにでも霊夢の残り香があるかも知れない。そう信じ、魔理沙は鼻で息を吸い続ける。
最初はサラシを鼻先に軽く付けていただけだったのが、だんだん顔面に強く押し付けるようになり息も荒くなってきている。
サラシとは非常に長い物だ。端の方を鼻に付けていれば、反対側はだらりと地に付いてしまう。魔理沙はそれを拾い上げ、自らの股間に擦り付けた。
「んっ・・・ん・・・・・・あ、霊夢の・・オッパイ・・・・・・んふぅぅぅ・・・・いい匂い・・・・・・」
匂いを嗅ぎながら白い布越しに秘部を撫でる。木綿の感触が敏感な部分から伝わり、心地よい刺激となって魔理沙を満たす。
「ふあっ・・・霊夢のサラシ・・・気持ちいいっ・・・・お汁出ちゃう、霊夢のサラシ・・・・汚しちゃうぅっ・・・・・・!」
甘美な刺激に身体が応え、魔理沙の秘部をねっとりと濡らしていく。濡れればその分指の動きもスムーズになり、さらに激しくサラシが擦れる。
白い布を唾液と愛液で汚し、それでもなお魔理沙の欲望は止まらない。むしろ、霊夢のサラシをオナニーに使っていると思い込む事でさらに興奮が高まっていく。
「いいっ!いいよぉっ!サラシぃぃっ!霊夢のサラシでイッちゃうぅぅ・・・・・・・・」
ちょうど魔理沙が頂点に達しようとしたその時、部屋のドアが突然開いた。あれだけ用心しておきながら、魔理沙はドアに鍵をかけておくのをすっかり忘れていたのだ。
「魔理沙~?忘れ物取りに行くって、どれだけ時間・・・・・・・・・」
「イッちゃうぅぅ・・・・・・・・ぅ・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・?」
「魔・・・・・・・理沙・・・・・・・・・・・・・・?」
「ぁ・・・・アリス・・・・・・・・・・・」
その場に気まずい沈黙が流れたのは言うまでもない。忘れ物を取りに行くという言葉を信じきっていたアリスが、いつまで経っても戻って来ない魔理沙を案じて彼女の部屋に来たのだ。
お互い、相手に何と言っていいか分からず時間だけが流れていく。
「ま・・・・魔理沙・・・・・・・・何やってんの・・・・・?」
先に我に帰ったのはアリスだった。怒っている、と言うより信じられないような感じの震えた声で魔理沙に問う。
「あ、いやこれは・・・その・・・・・・」
「オナニー、でしょ・・・見りゃ分かるわよ。私が聞きたいのは何を使ってるのかって事」
「こ、これか・・・・・・・・・・・・これは、その・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・霊夢のサラシ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・盗んだんじゃないんだぞ。さっき図書館で読んだ『複製』の術を試してみたら成功しちゃって・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・嘘は言ってないからな」
「・・・・・・・凄いじゃない!」
アリスの口から出たのはあまりにも意外な一言だった。
「・・・・・・・・・・は?」
「だって、霊夢のサラシなんでしょ?どんな方法にせよ、手に入れちゃうなんて・・・・・・」
「ま・・・・・まぁ・・・・・・・・・・・・・・」
てっきり、魔理沙はサラシを手に入れた事やそれを邪な事に使っている事を責められるかと思っていた。だがむしろアリスはそれを羨ましがっているようですらある。
ガチガチに身構えていた分、全身の力がすっかり抜けてしまった。へなへなと座り込んだ魔理沙を尻目に、アリスがサラシの端を持ち上げる。
「これが霊夢の使ってるサラシ・・・・毎日これを胸に巻いてるのね・・・・・・で、魔理沙はこれを使って霊夢の事を想って・・・・・」
「皆まで言うな」
「・・・なんか羨ましい・・・・・私も使ってみたいな」
「えっ・・・・・・・・・・・?」
「・・・・霊夢、怒るかもね。『魔理沙があなたのサラシをオカズにオナニーしてた』なんて言ったら・・・・・・」
「おい・・・・・!?」
「ねえ魔理沙・・・私 も 使 っ て み た い な」
「・・分かったよ・・・・・・・」
「さすが魔理沙、話が分かるわね♪」
それは、『サラシを使わせてくれなかったら霊夢に告げ口する』というアリスのやんわり恫喝。そんな脅しをされてしまっては魔理沙に断る事などできるはずもない。
仕方なく魔理沙はサラシの反対側をアリスに手渡した。
「んっ・・・あ・・あぁぁ・・・・・」
「はぁんっ、あ、あぅぅ・・・・」
裸の少女二人が一本のサラシを通じて快感を共有する。白い布を口に含んだり股間に擦り付けたり、思い思いの形で快感を貪る。
そして、その手や舌は目の前の相手にも伸びるようになっていく。
「うむっ、ちゅぱ・・・ちゅぱ・・・」
「ひああっ!あぁ、霊夢ぅ・・・・・・」
「んんっ!あ、あぁ・・・もっと・・・・・もっと弄って・・・・・・・」
もはや魔理沙はアリスを、アリスは魔理沙をそれぞれ霊夢として誤認しているようである。
目の前にいる『霊夢』に対し、魔理沙は胸にしゃぶりつき、アリスはサラシ越しに秘部を擦り上げる。
白いサラシは触手のように二人の身体に絡みつき、あちこちに二人の唾液や愛液の染みを作っている。
そのサラシの端を魔理沙が掴み、思い切り引っ張った。
「・・・えいっ!」
サラシはちょうど二人の股間を通って絡み付いている。魔理沙がそれを引っ張ったため、白い布地が二人の股間を勢いよく滑る。
「はぁぁぁぁん!れ・・・霊夢ぅ・・・・・・」
「い、イク時は一緒だぜ、霊夢・・・・・・」
「うん・・・・・・・えいっ♪」
「あはぁぁぁん!」
アリスもサラシを引っ張り返し、魔理沙に刺激を与える。
その後は交互にサラシを引っ張り合い、お互いの身体を舐り合い、幻視によって生まれた『霊夢』と共に堕ちていく。
サラシが擦れる時の刺激が二人の思考力を奪い、二人は本能と欲望のままに綱引きを続ける。
「あぁぁぁぁん!霊夢、霊夢っ、れいむーーーーっ!!」
「あ・・・ダメ、や、あ・・・・やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
腰を痙攣させ、空いている手で目の相手にしがみ付き、魔理沙とアリスは同時に果てた。
そのままよたよた二,三歩ふらつき、力尽きてベッドに倒れこむ。
瞳は快楽に溺れたまま虚ろに輝いているが、表情は穏やかだ。幻視・仮初とはいえ自分の想う人と共に果てたのだから言う事はない。
「・・・気持ちよかった?霊・・・じゃなくって魔理沙」
「まあな・・・・お前こそどうだったんだよ、霊・・・いや、アリス」
「同じく」
「そりゃよかった」
既に二人とも幻視は解けているようである。
「・・・・・・いい物手に入れちゃったわね」
「そうだな・・・・・」
「ねえ、二人の宝物にしよ?」
「宝物にしたら使えなくなるぜ?」
「そりゃ困る・・・」
「そうだろ?だから二人で大事に使おうぜ」
「・・・・・うん♪」
ベッドに横たわりながら談笑する二人。だが二人は気付いていなかった。
ドアのすき間から二人を覗く影があった事に・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・ニヤリ)
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