「あ……ふぁ……霊夢、れい、むっ……あはあぁあぁぁぁあぁん!!!」

 太腿の間に腕を挟み込み、そのまま机に突っ伏して果てるアリス。
名を呼び、胸に想い浮かべるその人の名は、霊夢。
彼女の事を想い自慰に耽るのが、半ば日常化していた。
「はぅ……霊夢……こんなに想っているのに、どうして私を見てくれないの……?
 辛いよ……悲しいよ……」
自慰の後は、決まって罪悪感に苛まれる。だが、分かっていても止められなかった。
そしてその後は、愚痴と共に涙を零すのがお決まりのパターンとなっていた。

……だが、今日は違った。いや、違うというよりももう限界が来ていた、と言うべきか。
溜まっては少しずつ流していた心の器が、ついに許容量を超えて溢れてしまったのだ。
「もう駄目、これ以上はおかしくなっちゃうよ…………よし!」
ガタンッ、と勢いよく椅子を蹴って立ち上がると、いそいそと身支度を始めるアリス。
目的地は……

「コレクターともあろう者が、何を悩んでいたのかしら。
 欲しいものは絶対手に入れてみせる……待ってなさいよ、霊夢!」



 * * * * *

「んっ、ふぅっ……霊夢、もう駄目っ……あぁああああぁぁあっ!!!」

 下着一枚でベッドに横たわり、片手で胸の先端を、片手を下着に差し入れて、そのまま絶頂を迎える魔理沙。
名を叫び、心に想い浮かべるその人の名は、霊夢。
彼女の事を想い自慰に耽るのが、半ば日常化していた。
「はぁ……霊夢……こんなにお前の事が好きなのに、いつになったら気付いてくれるんだ……?
 はっきり言って苦しすぎるぜ……」
自慰の後は、いつも孤独感に包まれる。でも、それ以上に切なさが勝っていた。
そしてその後は、笑いながらアルコール分を口に含んで寝るのがいつものパターンとなっていた。

……だが、その日は違った。いや、自分の意志で変えてしまおうと考えたのだ。
ずっと昔から抱き続けてきた心の想いを、ありったけ霊夢にぶつけてしまおうと。
「あぁ、くそっ! もう止めた止めた!」
バタンッ、と勢いよくベッドから跳ね起きて起き上がると、そそくさと身支度を始める魔理沙。
目的地は……

「蒐集家のこの私が、グダグダ悩むなんてらしくないぜ。
 狙ったものは必ず手に入れる……待ってろよ、霊夢!」



 * * * * *

 ここは博麗神社。幻想にて喧騒たる巫女の住まう場所である。
……つまり、何だかよく分からなくて騒々しい少女、というだけの事なのだが。
そして今日は、更に騒々しい人影が二つ。


「「霊夢っ!!!!!」」


引き戸に手を掛けて叫ぶのは、居ても立っても居られずに文字通り飛んできた、アリスと魔理沙だった。
アリスが戸を開けようとすると、魔理沙が逆方向に引っ張って戸を閉めようとする。
暫しの沈黙、そして睨み合い。
やがて魔理沙が戸を開けようとすると、やはりアリスが逆方向に引っ張って戸を閉める。
そして再び訪れる沈黙。
「あんたね……一体何がしたいのよ」
「それはこっちの台詞だ。お前こそ何しに来たんだ」
似た者同士とでも言えばいいのか、お互いがお互いの真意を察していた。
犬猿の仲というのは、ある意味最も近い者同士という事でもある。
「何って……決まってるじゃない」
「……決まってるよな」
そして近いからこそ、いざという時には息がぴったり合う。……何だか嫌な以心伝心ではあるが。
両者共に浅く息を吐くと、深く息を吸って細腕に力を込める。


「「霊夢っ!!!!!!!!!!」」


ガラガラガラ、というようなお馴染みの擬音とは似ても似つかぬ凄まじい音を立てて、一気に戸を開け放つ。
ひんやりとした独特の空気と木の香りが鼻をつく。が、そんなリラクゼーション効果など今はどうでもいい。
霊夢は……霊夢はどこにいるのか……?

「霊夢、どこだっ!?」
魔理沙が乱暴に障子をスライドさせていく。
「霊夢、どこにいるの!?」
そしてアリスがずけずけと部屋に乗り込み、想い人の姿を探す。

……が、求めるその人は影の欠片も現さなかった。





「もしかして、留守なのか……?」
「どこにも居ないから、多分そうなんでしょうね……」

卓袱台に突っ伏し、ハァァァァァァァァァ、と幸せがスクラムを組んで逃げていきそうな溜息を吐く。
一大決心で乗り込んだはいいものの、派手に肩透かしを食らってしまったこの想い、一体どこに持って行けばいいのか……?
時間と共に、それは怒りへとコンバートされていく。ちょうど目の前に、いい的があるではないか。

「大体ねぇ、どうしてあんたがこんな所に居るのよ?」
「私とあいつは昔からの知り合いだ。居たって別におかしくは無いだろ? 私よりおまえの方がよっぽど不自然だぜ」
「わっ、私はたまたま用事があったから来ただけよ」
「ふん、そんな必死になって、一体どんな用事なんだか」
「よく言うわね、あんたの方が大声出してたでしょ!? 私なんて可愛いもんだわ」
「お前の耳は節穴か? 私のそれとお前のじゃ、ペンギンとヤンバルクイナくらい差があるぜ」
「……どっちも飛べない事には変わりが無いわね」
「……どうやらそのようだな」

当てた分だけ跳ね返ってくる鏡にボールをぶつけて、二人揃ってぐったりと畳の上に倒れ込む。
今日は、こんな不毛なやり合いの為に来たんじゃないのに……。すっかり気勢を削がれた二人は、力無くゆっくりと立ち上がる。
「……帰ろうか」
「……帰りましょう」
よろよろと歩き出し、ふらふらと表に出……かかった所で、前を歩く魔理沙が急に立ち止まる。
俯いて前を見ていなかったアリスが、もろに額を魔理沙の後頭部に打ち付けて蹲った。
「痛たたたた……ちょっと、急に立ち止まらないでよ!」
「あ、あぁ……一箇所、まだ見てない所があったと思ってさ」
「? どこよ」
「脱衣所とお風呂」
あ、そう言えば……といった表情で視線を合わせる二人。
別に忘れていた訳ではないが、無意識の内に回避していたのかもしれない。
「これだけ大騒ぎして出てこないんだから、無駄だとは思うけど……」
「けど……一応見てみるか」

お風呂といってもここにあるのは、人一人入れる位のドラム缶である。
来客こそあれ基本的には一人暮らしなので、別に体が流せれば何でもいいからだ。
「邪魔するぜ……っと」
誰に向けてか分からない挨拶と同時に、脱衣所の戸を開ける。予想通り、霊夢の姿は無い。
明らかにお風呂に入ってる風でもない。半ば折込済みの事だったので、別段ショックは無かった。
「……居る訳ない、か」
「やっぱりね……今日はもう帰りま…………っ!?」
全く質の違うショックが、アリスを襲う。ふと目を逸らしたその先にあったのは、白い布切れ。
「包帯……? いえ、違う……これは……」
「霊夢の……サラシ……」
ドキッ。胸が一際高く跳ねる。霊夢は胸にサラシを巻き、その上から装束を纏っている。
つまり、このサラシは、最も霊夢に密接した、ある意味霊夢の分身とも言える物だった。
しばし呆然とする二人。
「胸に……霊夢の……巻いてる……」
「わっ、私は……私はっ!」
魔理沙が呆けている隙を突いて、サラシを掴んで走り去るアリス。
そして素早く反応する魔理沙。そのまま逃がしてなるものかと、全力で後を追いかけた。
「おい待てこらっ!」
「嫌よ、待てと言われて待つ人が……きゃあっ!」
「うわっ!」
バターン……寝室に逃げ込もうとして足を取られ、アリスが勢いよく転ぶ。
そして後を追う魔理沙も、横倒しの足に引っ掛かってアリスの上に倒れ込んだ。


「ちょっと、痛いじゃな……」
アリスが身をよじって上を向くと、そこには魔理沙の顔のアップ。まるで魔理沙が、アリスを押し倒したかのような格好だ。
「……………………」
「……………………」
間に流れる沈黙。見つめ合う二人。

「なぁ……一つ聞いてもいいか」
「何よ」
「お前……サラシなんか持って帰って、何するつもりだったんだ?」
「そ、それは……何でもいいじゃない」
「あー、言わなくてもいい。聞かなくても分かる」
「ちょっ、何よそれっ……?」
「蛇の道は蛇、恋する乙女心には恋する乙女ってな」
「何が乙女よ……んんっ!」
魔理沙の手がアリスの秘部をスカート越しに触る。指の腹で軽く押してみた。
「随分反応がいいな、おい」
「ちょっと、止めてよっ……!」
「止めていいのか?」
「えっ……?」

真剣な目でアリスを見据える魔理沙。その真っ直ぐな瞳に、アリスも思わず息を飲み次の言葉を待つ。
「どうせお前、霊夢の事考えて一人エッチしてんだろ?」
「な、な、なっ……何をいきなりっ……!」
顔を真っ赤にするアリス。しかし魔理沙は、驚くほど静かに言葉を続けた。
「別に照れなくてもいいぜ……私も、その、してるから」
「えっ……?」
思わぬ告白に、目を白黒させるアリス。……何と返していいのか分からず、言葉が出てこない。
「辛いんだよ……ずっと昔から側にいるのに、私の気持ちはいっつもどこかに流される……
 だからいつも、霊夢の事を考えて私は……はっ、笑ってもいいんだぜ?」
「……笑わないわ」
笑える筈が無かった。それは単に、自分もそうしていたからではない。
同じ想いを抱き、同じように苦しむ……例えそれが魔理沙であっても、笑える訳が無い。
「私だって……霊夢の事を想わない時は無いわ……
 なのに、なのに霊夢は……れいむっ……!」
滲む涙が一筋、畳に零れる。うっすらと浮かんだ涙の跡を、魔理沙がそっと舌で掬った。
「んっ……」
「お互い、霊夢の代わりにはならないが……霊夢の、この部屋で……せめて、今だけは……」
「霊夢…………魔理沙っ……!」
腕を伸ばして魔理沙の首筋に絡めると、そっと抱き寄せて唇を重ね合わせた―――――




「ん……ちゅ……んふっ、ちゅぅっ……」
「ふっ……んんっ、ちゅく、ちゅ……」
体を密着させて咥内で舌を絡めあう。舌と舌が擦れるたび、粘性を帯びた音が二人の頭に直接響き渡る。
「んぁ……ふ、んん……くちゅっ、れるっ……」
先端で頬を突付き、相手の下に潜り込ませ、甘噛みし、吸い立てる。
唇で唇を挟み、その裏に舌を這わせ、交互に舌を差し入れする。
「あむっ、んふぅ……ふぁ、あはぁ……」
キス責めから開放されたアリスが、大きく息を吐く。顔は上気し、呼吸に合わせ胸が上下する。
「顔、真っ赤だぜ」
「そっちこそ……」

それは恥ずかしいからなのか、興奮しているからなのか。どちらにしろ、体が熱く火照っているのは確かだった。
「ほら、脱がしてやるよ。汗とか何とかで服が汚れるぜ?」
「あ、うんっ……」
互いに身を起こし、手馴れた手つきで魔理沙がアリスの服を脱がせていく。
アリスも脱がしやすいように体を動かすので、あっという間にアリスがネグリジェ一枚になった。
「何だお前、こんなの着てるのかよ」
「べっ、別にいいじゃない……あんたこそ、さっさと脱ぎなさいよ!」
「こ、こらっ、自分で脱ぐから……わっ……」
魔理沙の静止も聞かず、強引に魔理沙の服を脱がしていく。脱がした服は邪魔になるので、適当に部屋の隅に投げ捨てていった。
やがて、白いTシャツと簡素な下着のみの姿が露わになる。

「あんまり……見るなよ。恥ずかしいぜ」
「あんたらしいと言うか何と言うか……地味ね」
「うるさい」
悪態を突いて、魔理沙がアリスの胸に顔を埋める。
布越しにでも分かるほど尖った双丘の先端を、そっと口に含め吸ってみた。
「ちゅ……ちゅうぅ……」
「はっ、んあっ、や、めぇっ……」
くちゅ……ちゅ……ちゅぱっ……
ネグリジェには構わず、そのまま吸い立て、舌で舐る。
舌の感触、さらに布の擦れる刺激が、弱い電流のようにアリスの体を走る。
「んふぅ……や、ちゃんとしてよぉ……」
言い終わらぬうちに魔理沙を胸から離すと、一気にネグリジェを脱ぎ捨てた。曇りの無い柔肌が露わになる。
「……………………」
「な、何よ……黙っちゃって……」
「ん、ああ……綺麗だな、と思ってさ」
「変な事言わないで……んんっ」
まるで魅入られるかのように、再び薄桃色の突起を口に含む。優しく舌で転がしながら、もう片方を指で押し、こねて、摘んでみる。
その度に、アリスの体がピクンと反応した。
「んむっ、ふぁ……体がピクピクして面白いな……随分敏感じゃないか」
「そんな事言われても……ひゃうっ……!」
軽く歯を立てると、一際大きく背を仰け反らせた。
「ずっと一人で弄ってるから、こんなに感じやすくなるんだぜ」
「はぁっ……そっちこそ、人の事……言えるのかしら?」
「わっ!?」

魔理沙の肩を掴んで押し倒すと、そのまま横に転がるようにして魔理沙の体を自分の上に乗せる。
両者とも天井を向いている、ラッコのような姿勢だ。
「フフ、今度は私の番よ……」
「何をする気…………ふぁああっ!」
首筋にそっとキスをしながら、右手を下着の中に潜り込ませ、秘部を指でなぞるようにして擦り始める。
「あら……人を散々嬲っておいて、あなたもこんなに濡らしてるじゃない」
「う、うるさいな……あんんっ、はぁ……!」
くちゅ……くちゅ……ぬちゅっ……
徐々に溢れる愛液の粘性が高まり、伴い音も粘着質になっていく。
その間も、舌を魔理沙の首筋に這わせ、耳に差し入れたり歯を立てて愛撫していく。
「ほら、気持ちいいんでしょ……? こうしていつもグショグショに濡らしてオナニーしてるのよね……?」
「ひぁっ、舌、入れちゃ……はぅん……ふっ、あはぁ……ゆび、はげしっ……んふぅ……!」
じゅく……ぐちゅっ……
粘ついた愛液が指に絡まり、更に激しく擦るので音も段々大きくなってくる。
アリスの指と言葉による責めが、魔理沙の体をますます過敏に反応させていく。
「大分ほぐれてきたわね……じゃあ、これならどうっ……?」
「え? 何をする気……んはあぁぁっ!!」

じゅぷぅっ―――――中指を折り曲げて、魔理沙の膣内に突き立てる。
中程まで埋まった所でゆっくりと引き抜き、そしてもう一度挿入した。
「はっ、ふぁああん! ゆび、ゆびが入ってくるっ……きゃうんんっ!!」
じゅぷっ、じゅぼっ、ぐちゅぅっ……!
下着の内で指を激しく抽送させる。描き出し、押し出された愛液が、下着をグショグショに濡らす。
ゴリッ―――――指の先を膣内で折り曲げて、肉壁を引っ掻いてみる。
「!? は、んはああぁああぁぁぁあっ!!?」
ビクッ、ビクンッ!!
小刻みに痙攣するように震えていた魔理沙の体が、一際大きく仰け反った。
「あ~……あ~……」
吐く息も荒く、口元から涎を零して、目も虚ろに天井を見つめる魔理沙。軽くイッたようだ。
その様子を見て、アリスは魔理沙を横に下ろし、組み伏せるような姿勢をとる。



「一人でイカないでよ、私も……して欲しいわ……」
「は、あ……そ、そうだ……お前、あれは……?」
「あれ……?」
若干正気を取り戻した魔理沙が、震えながら腕を伸ばす。その指の先には……霊夢のサラシ。
「あ……」
魔理沙が四つん這いの格好でそれに近付き、サラシを手に取って抱き締めるように顔に近づける。
「あぁ……霊夢の匂いがする……」
「や、ちょっと……独り占めしないでよ……」
半分を手元に手繰り寄せて、アリスも同じように霊夢の匂いを感じ取る。
ほんのりと立ち昇る香りが、二人の体に性的反応をダイレクトに返す。
「んっ……や、濡れてきちゃった……」
「私も……さっきイッたばかりなのに……」

アリスは、先程イッた魔理沙以上に欲求が溜まっていた。まだ満足にしてもらってないからだ。
そのせいか、殆ど無意識の内にサラシを己の秘所にあてがい、布越しに慰め始める。
「は……ふぅん……くぅ、あはぁ……」
「おいおい……私だって……」
負けじと魔理沙も、同じようにサラシを濡れた下着の中に突っ込み、そのまま指で愛撫を始める。
くちゅ……じゅくっ……ちゅく……互いに向き合って足を開き、見せ合うかのようにオナニーを始める。
「あ、はぁ……霊夢、気持ちいいよぉ……いいのぉ……んはぁ……」
「んくぅ、れいむっ……霊夢、もっと、もっとぉ……きゃうっ……!」
サラシを押し当て、膣内に指を入れ、雌芯を摘み、しこらせ、薄皮を剥く。
顔を出す小さな肉芽を爪弾くと、今までとは比べものにならない程の衝撃が全身を駆け巡った。
「ひゃううぅうぅううんんんんんっ!!!!」
「はあぁああぁぁぁああぁぁああぁぁっ!!!!!」
頭が快楽で弾けそうになるが、辛うじて踏み止まる。


まだ、もっと、もっと気持ちよくなりたい……霊夢に、気持ちよくして欲しい……イカせてほしいっ……!


「ん……ふぅ……」
アリスはサラシをもう少し手繰り寄せると、膝立ちの状態になって太腿の間を通す。
右手で後ろを、左手で前を掴み、前後に引っ張り合うようにして濡れそぼった割れ目を擦り始める。
「あっあっあっあぁっ……はぅんっ……れいむぅ……」
「お前、ずるいぞ……私だって……ひゃうっ!」
魔理沙も同じようにしてサラシを通し、後ろ手に端を掴んで秘所を擦る。
「はっ、うぁっ……霊夢、もっと、してくれよぉ……ああんっ」

お互いが両端を持って引っ張る。当然もう片方は引っ張られる。
アリスが引っ張れば魔理沙側が引っ張られてアソコを擦り、
魔理沙が引っ張ればアリス側が引っ張られてアソコを擦られる。
いつしか二人は、自然とリズミカルに交互に引っ張り合うようになっていた。

「んはぁっ、い、いいのっ! 霊夢、気持ちいいのぉ……ひゃふぅんっ!!」
「もっと強く、いっぱいしてぇ……霊夢、れいむっ……あひぃいあぁっ!!」
徐々に手を動かす速さが増し、更に強く陰唇と肉芽を擦り立てる。
霊夢にされているという錯覚と想いが、ダイレクトに快楽へと変換されて脳内に伝わる。
最早二人の頭からは、霊夢以外の事は消え去ろうとしていた。

……だがやがて、二人の表情に変化が現れ始めた。
「こんなに気持ちいいのに……気持ちいいのに、何でこんなに切ないの……?
 心がきゅんって、締め付けられるみたいだよぉ……!」
「私もイッちゃいそうなのに……何でこんなに悲しいんだよ……?
 気持ちいいけど、霊夢は……霊夢はっ……!」
何時の間にか抱き合う二人。キスを交わし、双起を啄ばみつつも、手の動きは緩めずに快楽を加え続ける。
にちゃっ、ずちゅっ、ぐちゅうっ、じゅくぅっ……!
二人分の愛液をたっぷりと含んで湿ったサラシが、保水能力を超えてぽたっ、ぽたっと畳みに零れ始める。
そして二人も、もう限界が見え始めていた。

「あはっ、イッちゃう、もうイッちゃうよぉっ!!」
「んふぅっ、も、駄目だ……イクッ、イクぅっ!!」

ぐちょっ、ずちゅっ、じゅぶっ、ぐちゅうぅぅっ……!!!
渾身の力を込めて手を引いたその時、その場に居ない霊夢の元へと、意識が、トンだ。



「「ああ゛あ゛あぁ゛ぁあ゛あぁああ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁ゛ああぁぁ゛ぁあ゛あぁぁ゛ぁあぁあ゛ぁっ!!!!!!!!!!」」



抱き合い折り重なるようにして倒れ込む二人。
薄れゆく意識の端に、想い描いた霊夢の姿が見えたような気が、した。









「ん……」
アリスがゆっくりと目を覚まし、体を起こす。横では魔理沙が、同じように薄く目を開けて半身を起こしていた。
「私たち……」
「気絶してた……みたい、だな」
苦笑いを浮かべて起き上がる魔理沙。一体どれくらい眠っていたのだろうか。
「おはよう。目覚めの気分はいかがかしら?」
「あ、おはよう。悪くない……………………」
「…………………………」


「「わあああああああぁぁぁああぁあぁっ!!!!!???」」


見上げた先に写るのは、霊夢。霊夢の仁王立ち姿だった。
顔は笑っている。が、こめかみが引きつっているようにも見える。
「人が留守してる間に、随分と寛いでくれたみたいねぇ……?」
「いや、それは、その」
「ちょっとね、あの、霊夢が居なくて寂しいな、と思って」

「あんたたちは人が留守だったらそういう事をするのかああああぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!???」

障子が吹き飛ぶかと思う程の圧力で叫ぶ霊夢。
あまりの迫力に、アリスも魔理沙も完全に萎縮してしまい顔も上げられなくなっている。
「あの、その」
「これには深い訳が」
「言い訳無用っ!!」
霊夢の握り拳が高々とアリスの頭上に掲げられる。それを見たアリスは、堰を切ったように言葉をぶつけ始めた。

「だって……だってぇ……
 こんなに、私こんなに霊夢の事好きなのにっ……霊夢は全然気付いてくれなくって……!
 もっと私を見てよ……! 寂しいもん、一人じゃ寂しいもんっ……!!
 好きなの、れいむぅ……私、好きなんだもんっ……!!」

「………………………………」
ゴツンッ!
「いてっ!」
しばらく手を上げてプルプルと震えていた霊夢だったが、腕を絶妙の角度で捻ってそのまま魔理沙の頭を殴ってみた。
「おいこら、何で私なんだよ!
 私だって霊夢の事、ずっと……!」
「あー、ストップ!」
いきり立つ魔理沙を制すると、静かに霊夢が語り始めた。
「いい? 私はね、誰のものでもないの。
 自由に、のんびりと、空を飛ぶように気ままに生きる、それが私。そうするって決めてるもの。
 だから、あんた達の気持ちは嬉しいけど……そういう事」
「「……………………」」
意気消沈、完全に黙りこくってしまった二人。それもその筈、事実上振られたようなものだから。
だがその時、ボソッと呟くように霊夢が一言付け足した。



「……………………今は、ね」



 相変わらず変わらぬ関係の三人。
だけどそれは、今までのものと同一ではなく……時間と共に、ゆっくりと、確実に何かが変わっているのかもしれない。
「霊夢~♪」
「遊びに来たぜ~」
「あんたたち、いい加減毎日入り浸るのは止めなさいよ!」
「だって……」
「なぁ……?」
向き合って頷きあうアリスと魔理沙。考えている事は同じようだ。


「いつか必ず私の方に手繰り寄せてやるんだから!」 「いつか絶対私の方を振り向かせてやるぜ!」


「やれやれ……ハァ」


以前よりちょっとだけ積極的になった二人が、幻想郷の歴史をゆっくりと、変えようとしていた。




-完-








どうせ他の誰かにアリスでネチョられる位なら、いっその事自分のこの手でネチョる…………
それが俺のジャスティスッ……!!


参考:東方ネチョスレ・ネチョ絵板

書いたの→marvs [アーヴ◆Marvs.obRc]


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2301d)