とうほうネチョロダ/Missing Link 第5話
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『Missing Link』第5話~
~
~
~
「あぅっ・・・・・・・!!」~
~
霊夢の胸に突き立った光の槍から、いや、槍が突き立った所か...
光は全てを包み、あるいは薙ぎ、飲み込み、辺りを漂う妖気で...
~
「アリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
~
そして全ての光が消え去った時、霊夢はその場にどさりと崩れ...
~
~
「やった!やったわ!ついに霊夢を倒した!私が少し本気にな...
~
アリスの瞳が獣のそれからヒトのそれに戻る。終始浮かべてい...
呆然とした顔で周りの光景を眺める。無造作に薙ぎ倒された木...
そしてアリスの前には倒れ伏す霊夢。乙女文楽のレーザーを胸...
~
~
「れ・・・・霊夢・・・・・・・・・・・?」~
~
霊夢は動かない。何か言いたかったのだろうか口は半開きで、...
手を触ってみるとまだ暖かい。まだ暖かいが、この手が冷たく...
~
~
~
「・・・・・・・いっ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...
~
~
~
それは、正気に戻ったアリスを絶望の淵に叩き落すには十分す...
自分は何て事をしてしまったのだろう。魔理沙に、他の皆に何...
~
~
避けられるはずの攻撃だったのに避けなかった霊夢が悪いのか。~
違う。~
~
たった一撃で死んでしまった霊夢が悪いのか。~
違う。~
~
自分を力ずくで止められなかった霊夢が悪いのか。~
違う。~
~
自分を魅了した魔理沙が悪いのか。~
違う。~
~
~
一時の感情に惑わされてしまった自分が悪いのか。~
そう。~
~
全ては、自分が、悪い。~
~
~
強烈な後悔がアリスを襲う。自分がした事を受け止め、目の前...
アリスは、霊夢とは悪い仲ではなかった(魔理沙とも実際は仲...
多少言葉が悪くなってしまう事もあったが、それはお互いの言...
それを、自らの手で殺してしまった・・・・・・・・・・~
~
「うぐっ・・・・ごめんね、ごめんね霊夢っ・・・・・・・!」~
~
持ち上げた霊夢の手がアリスの手から落ちる。力なく、モノの...
~
「ごめんねっ、ごめんねっ・・・・・・・私のせいでこんな事に・・・・・・...
~
口をついて出てくるのは霊夢への謝罪の言葉のみ。~
いくら謝っても霊夢は還ってこない。パチュリーならあるいは...
霊夢を殺してしまった自分に霊夢の復活を頼む資格など自分に...
だから、アリスは泣き続けた。泣いて泣いて、ひたすら霊夢に...
~
~
~
「・・・・・ごめんねっ、霊夢ごめんねっ、ごめんねっ・・・・・・・・・・・・...
「・・・・・・人を勝手に殺さないでくれる?」~
「うん、もう勝手に殺したりなんかしないからっ・・・・・・・・・・・・...
「残念だけど死んじゃいないわよ」~
~
アリスの目が丸く見開かれた。雨のように流していた大粒の涙...
穏やかな表情で閉じられていた霊夢の目がゆっくりと開き・・・・・...
~
「霊夢・・・・い・・・生き返っ・・・・・・・・・た・・・・・?」~
「喰らいボムよ・・・危ない所だったわ」~
「・・じゃ、じゃあ今の光・・・・・」~
「そう、封魔陣。喰らいボムとはいえ一度は攻撃を受けるんだ...
~
~
それは全くの偶然であり幸運だった。~
~
霊夢の懐にスペルカードが1枚だけあった事。~
それが霊符でなく夢符だった事。~
それを攻撃に使わなかった事。~
~
全ての偶然が結びつき、結果的に誰も傷つく事なくアリスは暴...
~
~
「霊夢っ・・・・・・・!!」~
~
再び涙を流し、霊夢に飛びつこうとするアリス。もう、殺意も...
だが、そんな彼女を迎えたのは霊夢の平手打ちだった。~
~
~
パシッ・・・・!~
~
~
「あっ・・・・・!?」~
~
まともにその平手を受け、アリスの勢いが止まる。~
力はこもっていない。だが、その一撃はアリスを呆然とさせる...
霊夢は俯いたまま、それ以上何もしない。何もせず、ただアリ...
~
「アリス・・・・・・あんた、自分が何やったか分かってる・・・・・・・・・...
「・・・・・・・・・・・・・」~
「答えて」~
~
「私は・・・・・私は、霊夢を殺そうとした・・・・・・・・一時の感情に流...
「それだけじゃないわ・・・・・見て」~
~
そう言って後ろを指差す。木漏れ日のおかげで何とか指差した...
アリスの目に映ったのは見覚えのある建物・・・自分の家だ。霊夢...
そして、それを見たアリスの顔が一気に蒼ざめる。~
~
「私の・・・・・・・・家・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」~
「あんたの家・・・魔理沙がいるんでしょ?」~
「・・・・あ・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・」~
「私があれに気付かなかったら・・・・・私が盾になれなかったら・・...
~
~
「私はあんたをきっと・・・・・・・一生許さなかった」~
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...
~
~
霊夢の静かな声とアリスの悲痛な叫びが重なる。~
その場に崩れ落ちて再び泣きじゃくるアリス。そんな彼女を霊...
~
「ごめんね霊夢っ・・・・私、魔理沙も殺しちゃう所だった・・・・・・...
「アリス・・・・今だから言うわ。『他にやり方がある』はず・・・・・...
好きなら好きってハッキリ魔理沙に言ってやれば・・・こんな事...
「霊夢・・・・・・・・」~
「安心して、私の見た限りじゃあんたの家は無事よ。多分、魔...
「うん・・・・・」~
~
「ありがとう、霊夢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」~
~
~
~
霊夢の胸の中で、アリスはずっと泣いていた。~
後悔、喜び、カタルシスの涙。それらを全て流しつくし、よう...
玄関を開けると、心配そうな顔の魔理沙が二人を出迎えた。~
~
「霊夢、アリス・・・二人ともどこに行ってたの・・・・・?」~
「ちょっと、二人でお散歩がてらお話をね」~
「そう・・・・・・ならいいけど・・・・・」~
「・・どうかした?」~
「・・・・・・こんな私だから、捨てられちゃったのかと思って」~
~
「そんな事・・・・・・・・・そんな事ないわ!」~
~
アリスが叫んだ。靴も脱がずに廊下へ上がり、 俯き気味だっ...
~
「ごめんね魔理沙・・・もうあなたを置いて行ったりなんかしない...
「アリス・・・・・・・・?」~
「私と霊夢であなたをずっと守っていく・・・・・きっと幸せにして...
~
「・・・・・アリス・・・・・・・・・・・」~
「絶対。約束だから・・・・・・・・・・・」~
~
~
魔理沙の記憶が戻った後も、こんな風に自然に抱き合えたらい...
それは、霊夢とアリス共通の想い。その想いを胸に秘め、今は...
魔理沙だけが状況を飲み込めず、それでもアリスに抱かれ満面...
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
それから1週間ほど。まだ魔理沙の記憶は戻らない。~
今日は、霊夢が魔理沙を連れて博麗神社の周辺をのんびり散歩...
パチュリーの言葉に従い、魔理沙がよく行っていた場所に行こ...
神社の周りを歩いたり、神社の境内で遊んでいる妖怪たちを見...
もう既に陽は落ち、虫の鳴き声が聞こえてきた。空には鋭い三...
~
~
「はい、魔理沙。あんたが好きだった土蜘蛛酒」~
「お酒・・・?」~
「こんな時間にお茶を啜るってのもアレだし、何よりこれはあ...
「へぇ・・・・・・」~
~
お猪口に注がれた酒を一口、そしてむせ返る。~
慌てて背中をトントン叩く霊夢、咳き込みながらも注がれた分...
~
「ケホッ、ケホッ・・・ほ、本当にお酒なんか飲めたの?私・・・・・・...
「勿論。あんたの家には酒瓶が山のように」~
「・・・・・・なんだか想像したくないわ」~
「・・・まぁ、『山のように』ってのは言い過ぎかも」~
~
笑いながら霊夢も一口、彼女はケロリとしている。~
負けじと魔理沙ももう一口注ぎ、鼻をつまんで一気飲み。やっ...
少し涙目になってみたり、笑ったり、咳き込んだり。楽しい一...
~
~
~
~
~
「ねえ、霊夢?ちょっと聞いていい?」~
~
少し顔を赤らめて魔理沙が問う。酒の力か、少しだけ言葉にノ...
~
「アリスは・・・・アリスは私の事好きだったの?」~
「・・・好き『だった』?なぜに過去形?」~
「・・・・・アリスは、今の私の事は好きだって言ってくれた。じゃ...
「ん~・・・・・アリスは元々素直じゃないし、あんたの前じゃ照れ...
周りからは仲が悪いなんて偶に言われたりするけど、私はそ...
「そう・・・・・・・じゃあ霊夢は?私の事好き?」~
~
今夜の魔理沙はよく喋る。ほんの1週間前にあんな事があったば...
饒舌というよりは必死である。そんな魔理沙の頭をポンポンと...
~
「そんな心配しなくても、私はここに居るじゃない・・・」~
「霊夢・・・・・・」~
「大丈夫。私はあんたの事が好き、好きで好きで気が狂っちゃ...
~
そう言って唇に軽いキス。魔理沙をそっと抱き寄せる。~
そして霊夢の耳元で、今度は魔理沙が囁く。~
~
~
「じゃあ霊夢・・・・・私は?私は霊夢とアリスの事が好き『だった...
「・・・・・ん?」~
「今の私は霊夢もアリスも好き・・・・・じゃあ昔の、記憶があった...
「そうねぇ・・・・・・・・」~
~
少し考え、そして閃く。~
誰か聞いているわけでもないのに、必要以上に声を小さくして...
~
「昔の魔理沙は私の事が大好きだった、アリスの事も・・・アリス...
「・・・・・・」~
「嘘なんかついてないわよ」~
~
~
「・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・!」~
~
嬉し涙が頬を伝う。霊夢の体に回している腕に少しだけ力が入...
~
~
「私・・・私・・・・・・あなた達に出会えて、本当によかった・・・!」~
「魔理沙・・・・・・・・・・」~
「だって、私と霊夢とアリスはお互いに仲良しなんでしょ?そ...
「そう・・・・・ね」~
~
~
~
「ねえ、霊夢・・・・私、霊夢とも・・・・・・・・・・・・・・したいの」~
~
突然、魔理沙が言葉を漏らした。これもやはり、他の誰にも聞...
~
「魔理沙・・・・・・!?」~
「アリスとは一回したの・・・・・それで、霊夢としないのは何だか...
~
今度は魔理沙から霊夢にキス。霊夢がした時より断然長く、し...
拙いながらも唇で唇を何度も弄り、霊夢を求めていく。まるで...
~
「んっ・・んっ・・・・・・・・・・・ねえ、霊夢・・・お願い・・・・・・」~
「・・・・魔理沙・・・・・・・」~
~
上目遣いの魔理沙と目が合った。下心など何もない、ただ一途...
魔理沙の本音に、純白の気持ちに。今ここで応えないわけには...
そして、霊夢は身体の芯に何か熱いものが込み上がってくるの...
~
~
「いいわ・・・・・昔やってたみたいに、もう一度してあげる・・・・・・...
~
~
魔理沙の頬を伝う涙をふき、もう一度長いキスをした。~
~
(next)
終了行:
『Missing Link』第5話~
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「あぅっ・・・・・・・!!」~
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霊夢の胸に突き立った光の槍から、いや、槍が突き立った所か...
光は全てを包み、あるいは薙ぎ、飲み込み、辺りを漂う妖気で...
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「アリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
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そして全ての光が消え去った時、霊夢はその場にどさりと崩れ...
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「やった!やったわ!ついに霊夢を倒した!私が少し本気にな...
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アリスの瞳が獣のそれからヒトのそれに戻る。終始浮かべてい...
呆然とした顔で周りの光景を眺める。無造作に薙ぎ倒された木...
そしてアリスの前には倒れ伏す霊夢。乙女文楽のレーザーを胸...
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「れ・・・・霊夢・・・・・・・・・・・?」~
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霊夢は動かない。何か言いたかったのだろうか口は半開きで、...
手を触ってみるとまだ暖かい。まだ暖かいが、この手が冷たく...
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「・・・・・・・いっ、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...
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それは、正気に戻ったアリスを絶望の淵に叩き落すには十分す...
自分は何て事をしてしまったのだろう。魔理沙に、他の皆に何...
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避けられるはずの攻撃だったのに避けなかった霊夢が悪いのか。~
違う。~
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たった一撃で死んでしまった霊夢が悪いのか。~
違う。~
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自分を力ずくで止められなかった霊夢が悪いのか。~
違う。~
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自分を魅了した魔理沙が悪いのか。~
違う。~
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一時の感情に惑わされてしまった自分が悪いのか。~
そう。~
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全ては、自分が、悪い。~
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強烈な後悔がアリスを襲う。自分がした事を受け止め、目の前...
アリスは、霊夢とは悪い仲ではなかった(魔理沙とも実際は仲...
多少言葉が悪くなってしまう事もあったが、それはお互いの言...
それを、自らの手で殺してしまった・・・・・・・・・・~
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「うぐっ・・・・ごめんね、ごめんね霊夢っ・・・・・・・!」~
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持ち上げた霊夢の手がアリスの手から落ちる。力なく、モノの...
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「ごめんねっ、ごめんねっ・・・・・・・私のせいでこんな事に・・・・・・...
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口をついて出てくるのは霊夢への謝罪の言葉のみ。~
いくら謝っても霊夢は還ってこない。パチュリーならあるいは...
霊夢を殺してしまった自分に霊夢の復活を頼む資格など自分に...
だから、アリスは泣き続けた。泣いて泣いて、ひたすら霊夢に...
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「・・・・・ごめんねっ、霊夢ごめんねっ、ごめんねっ・・・・・・・・・・・・...
「・・・・・・人を勝手に殺さないでくれる?」~
「うん、もう勝手に殺したりなんかしないからっ・・・・・・・・・・・・...
「残念だけど死んじゃいないわよ」~
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アリスの目が丸く見開かれた。雨のように流していた大粒の涙...
穏やかな表情で閉じられていた霊夢の目がゆっくりと開き・・・・・...
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「霊夢・・・・い・・・生き返っ・・・・・・・・・た・・・・・?」~
「喰らいボムよ・・・危ない所だったわ」~
「・・じゃ、じゃあ今の光・・・・・」~
「そう、封魔陣。喰らいボムとはいえ一度は攻撃を受けるんだ...
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それは全くの偶然であり幸運だった。~
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霊夢の懐にスペルカードが1枚だけあった事。~
それが霊符でなく夢符だった事。~
それを攻撃に使わなかった事。~
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全ての偶然が結びつき、結果的に誰も傷つく事なくアリスは暴...
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「霊夢っ・・・・・・・!!」~
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再び涙を流し、霊夢に飛びつこうとするアリス。もう、殺意も...
だが、そんな彼女を迎えたのは霊夢の平手打ちだった。~
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パシッ・・・・!~
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「あっ・・・・・!?」~
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まともにその平手を受け、アリスの勢いが止まる。~
力はこもっていない。だが、その一撃はアリスを呆然とさせる...
霊夢は俯いたまま、それ以上何もしない。何もせず、ただアリ...
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「アリス・・・・・・あんた、自分が何やったか分かってる・・・・・・・・・...
「・・・・・・・・・・・・・」~
「答えて」~
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「私は・・・・・私は、霊夢を殺そうとした・・・・・・・・一時の感情に流...
「それだけじゃないわ・・・・・見て」~
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そう言って後ろを指差す。木漏れ日のおかげで何とか指差した...
アリスの目に映ったのは見覚えのある建物・・・自分の家だ。霊夢...
そして、それを見たアリスの顔が一気に蒼ざめる。~
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「私の・・・・・・・・家・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」~
「あんたの家・・・魔理沙がいるんでしょ?」~
「・・・・あ・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・」~
「私があれに気付かなかったら・・・・・私が盾になれなかったら・・...
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「私はあんたをきっと・・・・・・・一生許さなかった」~
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...
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霊夢の静かな声とアリスの悲痛な叫びが重なる。~
その場に崩れ落ちて再び泣きじゃくるアリス。そんな彼女を霊...
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「ごめんね霊夢っ・・・・私、魔理沙も殺しちゃう所だった・・・・・・...
「アリス・・・・今だから言うわ。『他にやり方がある』はず・・・・・...
好きなら好きってハッキリ魔理沙に言ってやれば・・・こんな事...
「霊夢・・・・・・・・」~
「安心して、私の見た限りじゃあんたの家は無事よ。多分、魔...
「うん・・・・・」~
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「ありがとう、霊夢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」~
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霊夢の胸の中で、アリスはずっと泣いていた。~
後悔、喜び、カタルシスの涙。それらを全て流しつくし、よう...
玄関を開けると、心配そうな顔の魔理沙が二人を出迎えた。~
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「霊夢、アリス・・・二人ともどこに行ってたの・・・・・?」~
「ちょっと、二人でお散歩がてらお話をね」~
「そう・・・・・・ならいいけど・・・・・」~
「・・どうかした?」~
「・・・・・・こんな私だから、捨てられちゃったのかと思って」~
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「そんな事・・・・・・・・・そんな事ないわ!」~
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アリスが叫んだ。靴も脱がずに廊下へ上がり、 俯き気味だっ...
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「ごめんね魔理沙・・・もうあなたを置いて行ったりなんかしない...
「アリス・・・・・・・・?」~
「私と霊夢であなたをずっと守っていく・・・・・きっと幸せにして...
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「・・・・・アリス・・・・・・・・・・・」~
「絶対。約束だから・・・・・・・・・・・」~
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魔理沙の記憶が戻った後も、こんな風に自然に抱き合えたらい...
それは、霊夢とアリス共通の想い。その想いを胸に秘め、今は...
魔理沙だけが状況を飲み込めず、それでもアリスに抱かれ満面...
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それから1週間ほど。まだ魔理沙の記憶は戻らない。~
今日は、霊夢が魔理沙を連れて博麗神社の周辺をのんびり散歩...
パチュリーの言葉に従い、魔理沙がよく行っていた場所に行こ...
神社の周りを歩いたり、神社の境内で遊んでいる妖怪たちを見...
もう既に陽は落ち、虫の鳴き声が聞こえてきた。空には鋭い三...
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「はい、魔理沙。あんたが好きだった土蜘蛛酒」~
「お酒・・・?」~
「こんな時間にお茶を啜るってのもアレだし、何よりこれはあ...
「へぇ・・・・・・」~
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お猪口に注がれた酒を一口、そしてむせ返る。~
慌てて背中をトントン叩く霊夢、咳き込みながらも注がれた分...
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「ケホッ、ケホッ・・・ほ、本当にお酒なんか飲めたの?私・・・・・・...
「勿論。あんたの家には酒瓶が山のように」~
「・・・・・・なんだか想像したくないわ」~
「・・・まぁ、『山のように』ってのは言い過ぎかも」~
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笑いながら霊夢も一口、彼女はケロリとしている。~
負けじと魔理沙ももう一口注ぎ、鼻をつまんで一気飲み。やっ...
少し涙目になってみたり、笑ったり、咳き込んだり。楽しい一...
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「ねえ、霊夢?ちょっと聞いていい?」~
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少し顔を赤らめて魔理沙が問う。酒の力か、少しだけ言葉にノ...
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「アリスは・・・・アリスは私の事好きだったの?」~
「・・・好き『だった』?なぜに過去形?」~
「・・・・・アリスは、今の私の事は好きだって言ってくれた。じゃ...
「ん~・・・・・アリスは元々素直じゃないし、あんたの前じゃ照れ...
周りからは仲が悪いなんて偶に言われたりするけど、私はそ...
「そう・・・・・・・じゃあ霊夢は?私の事好き?」~
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今夜の魔理沙はよく喋る。ほんの1週間前にあんな事があったば...
饒舌というよりは必死である。そんな魔理沙の頭をポンポンと...
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「そんな心配しなくても、私はここに居るじゃない・・・」~
「霊夢・・・・・・」~
「大丈夫。私はあんたの事が好き、好きで好きで気が狂っちゃ...
~
そう言って唇に軽いキス。魔理沙をそっと抱き寄せる。~
そして霊夢の耳元で、今度は魔理沙が囁く。~
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「じゃあ霊夢・・・・・私は?私は霊夢とアリスの事が好き『だった...
「・・・・・ん?」~
「今の私は霊夢もアリスも好き・・・・・じゃあ昔の、記憶があった...
「そうねぇ・・・・・・・・」~
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少し考え、そして閃く。~
誰か聞いているわけでもないのに、必要以上に声を小さくして...
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「昔の魔理沙は私の事が大好きだった、アリスの事も・・・アリス...
「・・・・・・」~
「嘘なんかついてないわよ」~
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「・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・!」~
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嬉し涙が頬を伝う。霊夢の体に回している腕に少しだけ力が入...
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「私・・・私・・・・・・あなた達に出会えて、本当によかった・・・!」~
「魔理沙・・・・・・・・・・」~
「だって、私と霊夢とアリスはお互いに仲良しなんでしょ?そ...
「そう・・・・・ね」~
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「ねえ、霊夢・・・・私、霊夢とも・・・・・・・・・・・・・・したいの」~
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突然、魔理沙が言葉を漏らした。これもやはり、他の誰にも聞...
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「魔理沙・・・・・・!?」~
「アリスとは一回したの・・・・・それで、霊夢としないのは何だか...
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今度は魔理沙から霊夢にキス。霊夢がした時より断然長く、し...
拙いながらも唇で唇を何度も弄り、霊夢を求めていく。まるで...
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「んっ・・んっ・・・・・・・・・・・ねえ、霊夢・・・お願い・・・・・・」~
「・・・・魔理沙・・・・・・・」~
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上目遣いの魔理沙と目が合った。下心など何もない、ただ一途...
魔理沙の本音に、純白の気持ちに。今ここで応えないわけには...
そして、霊夢は身体の芯に何か熱いものが込み上がってくるの...
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「いいわ・・・・・昔やってたみたいに、もう一度してあげる・・・・・・...
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魔理沙の頬を伝う涙をふき、もう一度長いキスをした。~
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