とうほうネチョロダ/Happy 2 Weeks 〜Innocents〜
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Happy 2 Weeks 〜Innocents〜~
~
~
「リグル・・・・・・・・・・・答えてよ・・・・・・・・・...
~
チルノの声がリグルに突き刺さる。~
周囲のざわめきにかき消されそうなほど小さい声なのに、リグ...
~
「さっきのアイツと・・・・・・何かしてたんでしょ・・・・...
「・・・・・・ぅ・・・・・・・・・あ・・・・・・・・えっ...
「言えないんだったら私が言うよ・・・・・・・・・・・・・...
~
小さな拳を硬く硬く握り締め、溢れ出そうな感情をグッと抑え...
~
「アイツと『ちゅっ』てして・・・・・・・ズボンも脱がされ...
「・・・・・そっ!それは・・・・・・・その・・・・・・・...
「その・・・・・・・・・何よ」~
「あの人に・・・逆らえなかったんだ・・・・・・・・・逆ら...
~
リグルの声も震えていた。~
さんざん我慢と射精を強要され、やっと解放されたと思ったら...
顔を合わせるのもバツが悪く、チルノから視線を逸らすように...
~
「・・・・アイツが怖かったから・・・だから言いなりになる...
「・・・・・・・・・・ごめん、チルノ」~
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
~
~
~
~
~
パンッ~
~
~
~
~
~
「!・・痛ッ・・・・・・・・・・!?」~
~
閃光の一撃。チルノの平手を無防備のまま受け、リグルは2,3歩...
頬に集まる熱、顔全体を覆うような痛み。自分がなぜ叩かれた...
~
「な・・・・・・何するんだよチルノ・・・・・・・・・・・...
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿」~
「・・・え・・・・・・・・・」~
~
~
~
「・・・・・馬鹿ぁっ!リグルの馬鹿!馬鹿バカ馬鹿ばかバカ...
「チ・・・・チル・・・・・・・・・・」~
「・・・ひっく、ひっく・・・・リグルのっ・・・・・・リグ...
~
チルノ火山がついに噴火した。~
恥も外聞も、感情のコントロールも何もない。ただありったけ...
たちまち地面には霜が降り、大気は冷やされ霧を作り、夏とは...
そしてその中心には、呆然と立ちつくすリグルと涙で顔を濡ら...
~
「・・・・・・・・・・・・ごっ・・ごめんチルノ・・・・・...
「もういいわよ!リグルなんか大ッ嫌い!アンタなんかもう知...
~
~
金切り声を捨て台詞として残し、チルノはリグルから逃げるよ...
行くあてなど考えていない。ただ、リグルが視界から消えてく...
空を飛ぶには用を成さない氷の羽だが、それでも羽ばたかせれ...
小さな羽を力の限り羽ばたかせ、チルノは思い切り冷気を噴き...
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
「ま、待って!待ってよチルノ!」~
~
全速力で飛んでいるのに声が聞こえる。振り返れば予想通り、...
両者のスピードはほぼ互角、しかリグルとの追いかけっこに付...
泣き腫らして幾分冷静さを取り戻したチルノは懐からこっそり...
~
「しつこいのよ・・・・・霜符『フロストコラムス』!」~
~
~
ピキィッ!~
~
~
大気が凍る。~
急激に冷やされて凍りついた大気は氷の粒を生み、妖気のコン...
~
「伸びろ!」~
~
チルノの言葉を合図に、氷の柱は蔦のように絡まり合いながら...
まるでリグルを絡め取るかのように、『傷つける』のではなく...
不規則に広がり迫り来る氷の蔦は、中空に氷点下のジャングル...
~
~
「くっ!?こ、こんな物ッ・・・・・・!」~
「無駄よ・・・・・・アンタ程度の力で破れるほどヤワな氷じ...
「あぁっ!?待ってっ・・・待ってよチルノぉぉぉっ!」~
~
迫る氷の蔦。それをなぎ払うリグル。逃げるチルノ。~
二人の距離はどんどん離れ、無数の蔦が少しずつリグルを圧し...
たまらずリグルはその場から退き、急がば回れとばかりに蔦の...
だが時既に遅し、氷の密林を抜け出た時にはもうチルノの姿は...
~
「なんで・・・・なんでだよチルノぉっ・・・・・・・・・・...
~
今から全速力で飛んでも到底追いつけないし、追いかけたら追...
急速に開いていく距離に絶望を感じ、ついにリグルは追跡を諦...
~
~
~
しんと静まり返った湖上。~
ほんのちょっと前まで、あんなにも仲良く空を飛んでいたのに...
自分から謝る間もなく一方的に嫌われた・・・・・・・・・初...
リグルの胸の中に、とてつもない不安と悲しみが生まれる。~
~
だが、泣いてばかりもいられない。~
泣くのだったらいつでも泣ける。だが今しかできない事は今し...
そして今この瞬間。リグルにできる事は確かに一つあった。~
~
~
「・・・・泣くのは・・・・・・後でもいいんだ・・・・・・...
~
もはやチルノの姿は全く見えない。追跡は不可能になってしま...
時間はかかってもいつか探し当てる事ができるはず。~
それに、夜通し遊んだ挙句にあんな事があれば、チルノも疲れ...
全速力で飛んで行ったとはいえ、それほど遠くには行っていな...
~
このまま日が高く上がってしまってもいい。チルノを見つけ、...
例え許されなかったとしても、自分の精一杯の誠意を示したい...
リグルは目を閉じ、神経を集中させ始めた。~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
「はぁ・・・・はぁ・・・・」~
~
チルノは、湖からやや離れた森に辿りついていた。~
初めて来る未知の場所、地図もなければ土地勘もない。どこか...
全力で飛んできた上にスペルカードまで使ってしまったのでま...
彼女が森に辿りついたというのも、着陸というよりは不時着に...
~
~
「くっ・・・・・・・はぅ」~
~
重い体をどうにか動かして大の字に寝そべる。~
木々の枝の間から、かすかに陽の光が斜めに差し込んできてい...
体はまだ満足に動かせそうにないので、とりあえず頭を使って...
~
~
———体力と妖力が回復するまでどれくらい掛かるだろうか。~
~
———もし悪い妖怪か何かが来たらどうしよう。~
~
———近くに知ってる奴は住んでるだろうか。~
~
~
———リグルは大丈夫だろうか。~
~
~
———・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
~
~
~
「な、なんであんな奴の事・・・・・・」~
~
体力を失い、まともに思考がまとまらない状態。徒然なるまま...
意識せずとも思考はリグルの方にも向いていた。~
慌てて忘れようとしても最早無駄な抵抗。むしろ、忘れようと...
~
~
「・・・・・・・バカ。リグルの馬鹿・・・・・・・・・・・...
~
何度も何度も叫んだ言葉をもう一度重ね、疲れきった頭で今夜...
真夜中の小旅行。~
毛玉たちの襲撃。~
魅魔の出現。~
そしてブラックアウト。~
~
目覚めた後は・・・・・皆まで言う事もない。~
~
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
~
疲れきって複雑な思考を放棄した、何のフィルターも通してい...
即ち、『リグルは何か悪い事をしたのか?』と。~
~
リグルが魅魔に逆らえなかった事を悪とするなら、それは彼に...
彼女と自分たちの力の差、これはもう疑うべくもない。『逆ら...
なのに自分はどうなのか?力の差は分かっていたはずなのに、...
それを棚に上げリグルの無力さを笠に着て・・・~
~
~
~
「・・・・・・私の・・・・バカ・・・・・・・・・・・・・...
~
~
~
仰向けに寝ているせいか、目に涙が溜まりすぎた。前が霞んで...
少しだけ楽になった体を起こし、涙を拭ってチルノは立ち上が...
リグルはわけも分からず喚き散らされ、挙句に引っ叩かれた。...
神経を集中させれば、リグルの妖気を感じるのは容易いはず。...
~
~
ガサッ~
~
~
「だ・・誰ッ!?」~
~
神経を集中させようと大きく深呼吸した矢先の事。茂みに潜む...
ただの小動物かも知れないが、今のチルノはいくら慎重になっ...
瞬き一つしない覚悟でジリジリと間合いを詰めていく・・・・...
~
~
~
ガサッ!ザザッ!~
~
~
~
「!?」~
~
その時。茂みの中から見慣れた物体が飛び出した。~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
「な、なんでアンタらが・・・・・・・!」~
~
チルノにとっては最悪だった。確かに見知った相手ではあるが...
西瓜と同じくらいの大きさ、球体と思われる体には白い毛。~
そして、びっしりと毛に覆われていて目も鼻も口も耳も確認で...
夜中に出くわした白い毛玉。それが3匹ほど、群れを成してチル...
~
「何よ、あの白黒・・・・・・まだ片付いてなかったんじゃな...
~
日頃からいっぱいいっぱいのチルノだが、今はいつにもまして...
本調子の彼女なら、多少凶暴になった程度の毛玉3匹など全く相...
だが体力を消耗しているとなると話が違う。攻撃が当たれば倒...
一撃でも受ければそれでアウト、こちらは一撃たりとも攻撃を...
いつもの弾幕ごっことは全く勝手の違うこの状況、先に動いた...
~
~
ヒュンッ!~
~
~
「くっ!?」~
~
己の体を張った毛玉の体当たり。チルノは紙一重で突進を避け...
本当なら紙一重で避けてすれ違いざまに氷弾を撃って反撃して...
だが、まだ思うように体が動かない。突進を避けるのが精一杯...
そしてふらつきながらも振り返ると、残る2匹が白い毛を逆立て...
~
「・・・・!や、やめ・・・・・・・・・・・・!」~
~
~
バシュッ~
~
~
「あぐぅっ!」~
~
妖弾が飛んでくる事は分かっていた。だが、その2連射を避ける...
肩と腹に攻撃を受け、勢いよく地を転がる。そして再び大の字。~
状況はどうあれ、毛玉相手に不覚を取るなどチルノにとって初...
~
「くぅぅっ・・・・・・・・・・こ、こんな奴らにっ・・・・...
~
せめてもの報いと、腕を伸ばしなけなしの冷気を解放させる。~
すれ違いざまに撃つつもりだった氷弾は目の前の毛玉のすぐ横...
~
「あっ・・・・・・・・・・ちくしょう・・・・・・・・ちく...
~
~
~
万策は尽きた。~
もう、チルノには戦うだけの力も逃げるだけの力も残されてい...
あらん限りの声で叫べば誰かが気づいてくれるかも知れないが、~
その誰かが駆けつける前に自分がどうなっているか分かった物...
~
誰でもいい。誰でもいいから、リグルでもいいから、助けてほ...
~
~
毛玉の輝きはいっそう強くなり、妖気が青白い光弾となって具...
歯を食いしばり、目を固く閉じ、藁にもすがる様な想いでチル...
~
~
「・・・・助けてっ・・・・・・・・!」~
~
~
~
~
~
「・・・・・・・・・・だぁぁぁぁぁぁああああああっ!!」~
「!?」~
~
バチッ!~
~
~
目をつぶっていても分かるほど毛玉の妖気と殺意が大きくなっ...
朝の静寂を切り裂いて気合の雄叫びと乾いた打撃音が響いた。...
恐る恐る薄目を開けてみると、そこには黒いマントをなびかせ...
~
「リ・・・・・リグル・・・・・・・・・・!?」~
「チルノ!?大丈夫!?」~
「アンタ・・・・どうして・・・・・・・・・・・?」~
「細かい話は後。それより・・・・・・・」~
~
~
残る毛玉に視線をやり、リグルのマントが気流で巻き上がる。~
夜中に見せたのと同じ、子どものものとは思えぬ莫大な妖気の...
あの時は、この妖気を放っただけで毛玉の大群すら追い払って...
たった2匹の毛玉でこの力に対抗する術など、あるはずもない。~
~
「チルノに手を出す奴は・・・・・・僕が許さないぞ!」~
~
~
漠然と垂れ流しになっていた妖気が収束し、右手に集まる。~
この状態から放たれる弾幕がどれほどの威力を示すかは推して...
少なくとも毛玉だけでなく周囲の木々もこの世から消え去る事...
~
「・・・・・・・・・・・・!」~
~
毛玉たちもそれが分かったようだ。~
これ以上ここにいる事は、『死』すら生ぬるい『消滅』を意味...
~
「逃げたいなら逃げろよ・・・・・・・・僕はチルノを護りた...
「・・・・・・・・・・・・・・」~
~
~
リグルの言葉が通じたのか、本能で身の危険を察したのか、毛...
具現化していた妖気は掻き消え、ウニか毬栗のようになってい...
そして、殺気が全て消えた後にはリグルとチルノの二人が残さ...
~
~
~
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~
~
~
~
~
「チルノ・・・・・・怪我はない?」~
「・・・・うん・・・・・・・・・・でもどうして・・・・・...
「君の妖気を辿って何とかここまで来たんだ。さっきは間に合...
~
さっき見せた表情はどこへやら。リグルはとても穏やかな微笑...
だが、反面チルノの表情は暗く沈んでいた。~
~
「そういう事じゃないの・・・・・どうして、どうして『大嫌...
「・・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・・」~
~
~
どうにか体を起こしているチルノを抱くリグル。~
ほのかな冷気が体を伝うが、そんなものは気にならない。~
チルノはすっかり力尽きているせいで抵抗できないでいる。~
だが不思議とそんな気は起きなかったし、リグルを引っ叩いた...
~
「きゃ・・・・」~
「もう一度・・・・・・・・・・・もう一度だけでもチルノに...
僕が不甲斐ないばっかりにあんな事になっちゃって・・・・...
「・・・・・・リグル・・・・・・・・・・」~
「・・・ごめんね、チルノ・・・・・・・・・」~
~
きゅ、と背中に回した腕に力がこもる。~
服越しに伝わるリグルの温もりが心地よくて、リグルの真摯な...
チルノの胸の底から熱い物がこみ上げてくる。~
~
~
~
「私も・・・・・・・・アンタに謝らないと・・・・」~
「え?」~
「あの時、何が何だか分からなくて・・・・・私・・・・・・...
「・・・・・チルノ・・・・・・・・・・・」~
「馬鹿とか大嫌いとか言っちゃってごめんね、リグ・・ル・・...
~
~
最後の方は消え入るような小さな声になっていた。~
代わりに涙がこぼれ、嗚咽が漏れ、チルノの気持ちを代弁して...
だがチルノは悪くない。リグルも悪くない。誰も悪くない。~
これは、好意を持った相手を他の誰にも渡したくないというチ...
リグルはともかく、チルノ自身もその内なる想いに気付いてい...
だが、少なくともリグルは相変わらず穏やかな微笑を浮かべて...
チルノの過ちを全て赦し、想いを全て受け入れてしまいそうな...
~
「もういいよチルノ・・・・・・・そんな事、忘れちゃお・・...
「リグル・・・・・・・・・・・・・」~
~
「・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
「んん・・・・・・!?」~
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~
~
抱き合ったまま、チルノの唇にリグルのそれが重ねられた。驚...
頬に一瞬だけしたキスとは違う、数秒に渡る短くて長いキス。...
柔らかく、ほのかに温かい感触を感じ、少しずつ舌と舌を絡め...
~
暫くリグルの思うがままになり、漸く唇を解放されたチルノ。...
~
~
「ん・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・」~
「・・・・・い・・・・・・・・・・今の何・・・・・・・・...
「・・・・・・あのね、『好きな人どうしはこうするんだ』っ...
「アイツが・・・・・・・・・・」~
「・・・・・・・・い、嫌・・・だった?」~
~
口元に手を当て、視線を逸らすチルノ。しかし未だに顔は赤く...
こんな風にもじもじするチルノを見るのは初めてだな、と同じ...
~
~
「・・・・いっ、嫌じゃなかったわよ・・・・・・・・・・変...
「そう、よかった・・・・・・」~
「・・・・・・・・・・・・だから、今度は私がしてあげる・...
「え?チル———」~
~
~
リグルの言葉を遮って、チルノがお返しとばかりに唇を重ね合...
見よう見まねで不器用に舌を動かし、リグルの舌を探し当て、...
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二人の拙い交わりは、一足先にチルノが睡魔に負けるまで静か...
自分たちがしている行為の意味を噛みしめ、それを確認するよ...
~
その様子を見たら、誰もが恥ずかしさのあまり顔を背けるか微...
二人は幸せそうな表情を浮かべ、しっかり抱き合いながら眠り...
~
(end)~
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あとがき~
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子どものケンカは純粋で、無邪気で、時に少し残酷で。目つぶ...
平手+喚き散らしで済んだチルノはきっと大人です。それを赦...
ていうか二人とも精神年齢高すぎですねorz どうしても上方修...
創想話に投稿した前々回から繋がっている話なので、ここだけ...
~
これくらいの年齢の子どもにとって、好きな相手との唇キスは...
今の二人にはこの辺が精一杯なのかも。その後の展開次第でア...
~
あと、超リグル人。リグルはこういう状況になると覚醒して超...
~
書いた人:0005~
終了行:
Happy 2 Weeks 〜Innocents〜~
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「リグル・・・・・・・・・・・答えてよ・・・・・・・・・...
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チルノの声がリグルに突き刺さる。~
周囲のざわめきにかき消されそうなほど小さい声なのに、リグ...
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「さっきのアイツと・・・・・・何かしてたんでしょ・・・・...
「・・・・・・ぅ・・・・・・・・・あ・・・・・・・・えっ...
「言えないんだったら私が言うよ・・・・・・・・・・・・・...
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小さな拳を硬く硬く握り締め、溢れ出そうな感情をグッと抑え...
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「アイツと『ちゅっ』てして・・・・・・・ズボンも脱がされ...
「・・・・・そっ!それは・・・・・・・その・・・・・・・...
「その・・・・・・・・・何よ」~
「あの人に・・・逆らえなかったんだ・・・・・・・・・逆ら...
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リグルの声も震えていた。~
さんざん我慢と射精を強要され、やっと解放されたと思ったら...
顔を合わせるのもバツが悪く、チルノから視線を逸らすように...
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「・・・・アイツが怖かったから・・・だから言いなりになる...
「・・・・・・・・・・ごめん、チルノ」~
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
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パンッ~
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「!・・痛ッ・・・・・・・・・・!?」~
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閃光の一撃。チルノの平手を無防備のまま受け、リグルは2,3歩...
頬に集まる熱、顔全体を覆うような痛み。自分がなぜ叩かれた...
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「な・・・・・・何するんだよチルノ・・・・・・・・・・・...
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿」~
「・・・え・・・・・・・・・」~
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「・・・・・馬鹿ぁっ!リグルの馬鹿!馬鹿バカ馬鹿ばかバカ...
「チ・・・・チル・・・・・・・・・・」~
「・・・ひっく、ひっく・・・・リグルのっ・・・・・・リグ...
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チルノ火山がついに噴火した。~
恥も外聞も、感情のコントロールも何もない。ただありったけ...
たちまち地面には霜が降り、大気は冷やされ霧を作り、夏とは...
そしてその中心には、呆然と立ちつくすリグルと涙で顔を濡ら...
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「・・・・・・・・・・・・ごっ・・ごめんチルノ・・・・・...
「もういいわよ!リグルなんか大ッ嫌い!アンタなんかもう知...
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金切り声を捨て台詞として残し、チルノはリグルから逃げるよ...
行くあてなど考えていない。ただ、リグルが視界から消えてく...
空を飛ぶには用を成さない氷の羽だが、それでも羽ばたかせれ...
小さな羽を力の限り羽ばたかせ、チルノは思い切り冷気を噴き...
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「ま、待って!待ってよチルノ!」~
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全速力で飛んでいるのに声が聞こえる。振り返れば予想通り、...
両者のスピードはほぼ互角、しかリグルとの追いかけっこに付...
泣き腫らして幾分冷静さを取り戻したチルノは懐からこっそり...
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「しつこいのよ・・・・・霜符『フロストコラムス』!」~
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ピキィッ!~
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大気が凍る。~
急激に冷やされて凍りついた大気は氷の粒を生み、妖気のコン...
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「伸びろ!」~
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チルノの言葉を合図に、氷の柱は蔦のように絡まり合いながら...
まるでリグルを絡め取るかのように、『傷つける』のではなく...
不規則に広がり迫り来る氷の蔦は、中空に氷点下のジャングル...
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「くっ!?こ、こんな物ッ・・・・・・!」~
「無駄よ・・・・・・アンタ程度の力で破れるほどヤワな氷じ...
「あぁっ!?待ってっ・・・待ってよチルノぉぉぉっ!」~
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迫る氷の蔦。それをなぎ払うリグル。逃げるチルノ。~
二人の距離はどんどん離れ、無数の蔦が少しずつリグルを圧し...
たまらずリグルはその場から退き、急がば回れとばかりに蔦の...
だが時既に遅し、氷の密林を抜け出た時にはもうチルノの姿は...
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「なんで・・・・なんでだよチルノぉっ・・・・・・・・・・...
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今から全速力で飛んでも到底追いつけないし、追いかけたら追...
急速に開いていく距離に絶望を感じ、ついにリグルは追跡を諦...
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しんと静まり返った湖上。~
ほんのちょっと前まで、あんなにも仲良く空を飛んでいたのに...
自分から謝る間もなく一方的に嫌われた・・・・・・・・・初...
リグルの胸の中に、とてつもない不安と悲しみが生まれる。~
~
だが、泣いてばかりもいられない。~
泣くのだったらいつでも泣ける。だが今しかできない事は今し...
そして今この瞬間。リグルにできる事は確かに一つあった。~
~
~
「・・・・泣くのは・・・・・・後でもいいんだ・・・・・・...
~
もはやチルノの姿は全く見えない。追跡は不可能になってしま...
時間はかかってもいつか探し当てる事ができるはず。~
それに、夜通し遊んだ挙句にあんな事があれば、チルノも疲れ...
全速力で飛んで行ったとはいえ、それほど遠くには行っていな...
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このまま日が高く上がってしまってもいい。チルノを見つけ、...
例え許されなかったとしても、自分の精一杯の誠意を示したい...
リグルは目を閉じ、神経を集中させ始めた。~
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「はぁ・・・・はぁ・・・・」~
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チルノは、湖からやや離れた森に辿りついていた。~
初めて来る未知の場所、地図もなければ土地勘もない。どこか...
全力で飛んできた上にスペルカードまで使ってしまったのでま...
彼女が森に辿りついたというのも、着陸というよりは不時着に...
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「くっ・・・・・・・はぅ」~
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重い体をどうにか動かして大の字に寝そべる。~
木々の枝の間から、かすかに陽の光が斜めに差し込んできてい...
体はまだ満足に動かせそうにないので、とりあえず頭を使って...
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———体力と妖力が回復するまでどれくらい掛かるだろうか。~
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———もし悪い妖怪か何かが来たらどうしよう。~
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———近くに知ってる奴は住んでるだろうか。~
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———リグルは大丈夫だろうか。~
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———・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
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「な、なんであんな奴の事・・・・・・」~
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体力を失い、まともに思考がまとまらない状態。徒然なるまま...
意識せずとも思考はリグルの方にも向いていた。~
慌てて忘れようとしても最早無駄な抵抗。むしろ、忘れようと...
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「・・・・・・・バカ。リグルの馬鹿・・・・・・・・・・・...
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何度も何度も叫んだ言葉をもう一度重ね、疲れきった頭で今夜...
真夜中の小旅行。~
毛玉たちの襲撃。~
魅魔の出現。~
そしてブラックアウト。~
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目覚めた後は・・・・・皆まで言う事もない。~
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
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疲れきって複雑な思考を放棄した、何のフィルターも通してい...
即ち、『リグルは何か悪い事をしたのか?』と。~
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リグルが魅魔に逆らえなかった事を悪とするなら、それは彼に...
彼女と自分たちの力の差、これはもう疑うべくもない。『逆ら...
なのに自分はどうなのか?力の差は分かっていたはずなのに、...
それを棚に上げリグルの無力さを笠に着て・・・~
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「・・・・・・私の・・・・バカ・・・・・・・・・・・・・...
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仰向けに寝ているせいか、目に涙が溜まりすぎた。前が霞んで...
少しだけ楽になった体を起こし、涙を拭ってチルノは立ち上が...
リグルはわけも分からず喚き散らされ、挙句に引っ叩かれた。...
神経を集中させれば、リグルの妖気を感じるのは容易いはず。...
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ガサッ~
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「だ・・誰ッ!?」~
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神経を集中させようと大きく深呼吸した矢先の事。茂みに潜む...
ただの小動物かも知れないが、今のチルノはいくら慎重になっ...
瞬き一つしない覚悟でジリジリと間合いを詰めていく・・・・...
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ガサッ!ザザッ!~
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「!?」~
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その時。茂みの中から見慣れた物体が飛び出した。~
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「な、なんでアンタらが・・・・・・・!」~
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チルノにとっては最悪だった。確かに見知った相手ではあるが...
西瓜と同じくらいの大きさ、球体と思われる体には白い毛。~
そして、びっしりと毛に覆われていて目も鼻も口も耳も確認で...
夜中に出くわした白い毛玉。それが3匹ほど、群れを成してチル...
~
「何よ、あの白黒・・・・・・まだ片付いてなかったんじゃな...
~
日頃からいっぱいいっぱいのチルノだが、今はいつにもまして...
本調子の彼女なら、多少凶暴になった程度の毛玉3匹など全く相...
だが体力を消耗しているとなると話が違う。攻撃が当たれば倒...
一撃でも受ければそれでアウト、こちらは一撃たりとも攻撃を...
いつもの弾幕ごっことは全く勝手の違うこの状況、先に動いた...
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ヒュンッ!~
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「くっ!?」~
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己の体を張った毛玉の体当たり。チルノは紙一重で突進を避け...
本当なら紙一重で避けてすれ違いざまに氷弾を撃って反撃して...
だが、まだ思うように体が動かない。突進を避けるのが精一杯...
そしてふらつきながらも振り返ると、残る2匹が白い毛を逆立て...
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「・・・・!や、やめ・・・・・・・・・・・・!」~
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~
バシュッ~
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「あぐぅっ!」~
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妖弾が飛んでくる事は分かっていた。だが、その2連射を避ける...
肩と腹に攻撃を受け、勢いよく地を転がる。そして再び大の字。~
状況はどうあれ、毛玉相手に不覚を取るなどチルノにとって初...
~
「くぅぅっ・・・・・・・・・・こ、こんな奴らにっ・・・・...
~
せめてもの報いと、腕を伸ばしなけなしの冷気を解放させる。~
すれ違いざまに撃つつもりだった氷弾は目の前の毛玉のすぐ横...
~
「あっ・・・・・・・・・・ちくしょう・・・・・・・・ちく...
~
~
~
万策は尽きた。~
もう、チルノには戦うだけの力も逃げるだけの力も残されてい...
あらん限りの声で叫べば誰かが気づいてくれるかも知れないが、~
その誰かが駆けつける前に自分がどうなっているか分かった物...
~
誰でもいい。誰でもいいから、リグルでもいいから、助けてほ...
~
~
毛玉の輝きはいっそう強くなり、妖気が青白い光弾となって具...
歯を食いしばり、目を固く閉じ、藁にもすがる様な想いでチル...
~
~
「・・・・助けてっ・・・・・・・・!」~
~
~
~
~
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「・・・・・・・・・・だぁぁぁぁぁぁああああああっ!!」~
「!?」~
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バチッ!~
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~
目をつぶっていても分かるほど毛玉の妖気と殺意が大きくなっ...
朝の静寂を切り裂いて気合の雄叫びと乾いた打撃音が響いた。...
恐る恐る薄目を開けてみると、そこには黒いマントをなびかせ...
~
「リ・・・・・リグル・・・・・・・・・・!?」~
「チルノ!?大丈夫!?」~
「アンタ・・・・どうして・・・・・・・・・・・?」~
「細かい話は後。それより・・・・・・・」~
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残る毛玉に視線をやり、リグルのマントが気流で巻き上がる。~
夜中に見せたのと同じ、子どものものとは思えぬ莫大な妖気の...
あの時は、この妖気を放っただけで毛玉の大群すら追い払って...
たった2匹の毛玉でこの力に対抗する術など、あるはずもない。~
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「チルノに手を出す奴は・・・・・・僕が許さないぞ!」~
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漠然と垂れ流しになっていた妖気が収束し、右手に集まる。~
この状態から放たれる弾幕がどれほどの威力を示すかは推して...
少なくとも毛玉だけでなく周囲の木々もこの世から消え去る事...
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「・・・・・・・・・・・・!」~
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毛玉たちもそれが分かったようだ。~
これ以上ここにいる事は、『死』すら生ぬるい『消滅』を意味...
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「逃げたいなら逃げろよ・・・・・・・・僕はチルノを護りた...
「・・・・・・・・・・・・・・」~
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リグルの言葉が通じたのか、本能で身の危険を察したのか、毛...
具現化していた妖気は掻き消え、ウニか毬栗のようになってい...
そして、殺気が全て消えた後にはリグルとチルノの二人が残さ...
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「チルノ・・・・・・怪我はない?」~
「・・・・うん・・・・・・・・・・でもどうして・・・・・...
「君の妖気を辿って何とかここまで来たんだ。さっきは間に合...
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さっき見せた表情はどこへやら。リグルはとても穏やかな微笑...
だが、反面チルノの表情は暗く沈んでいた。~
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「そういう事じゃないの・・・・・どうして、どうして『大嫌...
「・・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・・」~
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どうにか体を起こしているチルノを抱くリグル。~
ほのかな冷気が体を伝うが、そんなものは気にならない。~
チルノはすっかり力尽きているせいで抵抗できないでいる。~
だが不思議とそんな気は起きなかったし、リグルを引っ叩いた...
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「きゃ・・・・」~
「もう一度・・・・・・・・・・・もう一度だけでもチルノに...
僕が不甲斐ないばっかりにあんな事になっちゃって・・・・...
「・・・・・・リグル・・・・・・・・・・」~
「・・・ごめんね、チルノ・・・・・・・・・」~
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きゅ、と背中に回した腕に力がこもる。~
服越しに伝わるリグルの温もりが心地よくて、リグルの真摯な...
チルノの胸の底から熱い物がこみ上げてくる。~
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「私も・・・・・・・・アンタに謝らないと・・・・」~
「え?」~
「あの時、何が何だか分からなくて・・・・・私・・・・・・...
「・・・・・チルノ・・・・・・・・・・・」~
「馬鹿とか大嫌いとか言っちゃってごめんね、リグ・・ル・・...
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最後の方は消え入るような小さな声になっていた。~
代わりに涙がこぼれ、嗚咽が漏れ、チルノの気持ちを代弁して...
だがチルノは悪くない。リグルも悪くない。誰も悪くない。~
これは、好意を持った相手を他の誰にも渡したくないというチ...
リグルはともかく、チルノ自身もその内なる想いに気付いてい...
だが、少なくともリグルは相変わらず穏やかな微笑を浮かべて...
チルノの過ちを全て赦し、想いを全て受け入れてしまいそうな...
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「もういいよチルノ・・・・・・・そんな事、忘れちゃお・・...
「リグル・・・・・・・・・・・・・」~
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「・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・...
「んん・・・・・・!?」~
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抱き合ったまま、チルノの唇にリグルのそれが重ねられた。驚...
頬に一瞬だけしたキスとは違う、数秒に渡る短くて長いキス。...
柔らかく、ほのかに温かい感触を感じ、少しずつ舌と舌を絡め...
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暫くリグルの思うがままになり、漸く唇を解放されたチルノ。...
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「ん・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・」~
「・・・・・い・・・・・・・・・・今の何・・・・・・・・...
「・・・・・・あのね、『好きな人どうしはこうするんだ』っ...
「アイツが・・・・・・・・・・」~
「・・・・・・・・い、嫌・・・だった?」~
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口元に手を当て、視線を逸らすチルノ。しかし未だに顔は赤く...
こんな風にもじもじするチルノを見るのは初めてだな、と同じ...
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「・・・・いっ、嫌じゃなかったわよ・・・・・・・・・・変...
「そう、よかった・・・・・・」~
「・・・・・・・・・・・・だから、今度は私がしてあげる・...
「え?チル———」~
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リグルの言葉を遮って、チルノがお返しとばかりに唇を重ね合...
見よう見まねで不器用に舌を動かし、リグルの舌を探し当て、...
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二人の拙い交わりは、一足先にチルノが睡魔に負けるまで静か...
自分たちがしている行為の意味を噛みしめ、それを確認するよ...
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その様子を見たら、誰もが恥ずかしさのあまり顔を背けるか微...
二人は幸せそうな表情を浮かべ、しっかり抱き合いながら眠り...
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(end)~
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あとがき~
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子どものケンカは純粋で、無邪気で、時に少し残酷で。目つぶ...
平手+喚き散らしで済んだチルノはきっと大人です。それを赦...
ていうか二人とも精神年齢高すぎですねorz どうしても上方修...
創想話に投稿した前々回から繋がっている話なので、ここだけ...
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これくらいの年齢の子どもにとって、好きな相手との唇キスは...
今の二人にはこの辺が精一杯なのかも。その後の展開次第でア...
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あと、超リグル人。リグルはこういう状況になると覚醒して超...
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書いた人:0005~
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