とうほうネチョロダ/吸血姫と巫女の秘密の遊戯
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<吸血姫と巫女の秘密の遊戯>~
~
~
思えばその日は朝からついてなかった。~
お気に入りの湯飲みを落として割っちゃうし、楽しみにして...
気が向いて境内の掃除をしてたとき、集めた葉っぱが突風で...
今日は厄日だ、と。~
~
~
「霊夢~」~
傾いた陽が山々を茜色に染める。~
幻想郷にとって、割と普通の一日が過ぎようとしていた頃、...
「レミリア・・・。何よ、こんな時間に」~
「あら、私にしてみれば、むしろ今からが活動時間だわ」~
日傘を差した少女が一人、ふよふよと境内に降り立った。~
「生憎、私はそろそろ活動時間が終わるの。・・・で?」~
紅白の改造巫女服に身を包んだ少女は、面倒臭そうに溜息を...
「そうそう。ねえ霊夢、もう晩御飯食べちゃった?」~
小首を傾げる少女。~
「まだだけど・・・?」~
「そう、よかった。よかったら紅魔館(うち)に食べに来ない...
希少品よ、と霊夢の腕に絡みつくレミリア。~
ニコニコと微笑む少女の口元から、鋭い犬歯が顔を出してい...
霊夢は暫し逡巡した。~
これから紅魔館に行くのと、これから晩御飯の仕度をするの...
ここから紅魔館まではそこそこ距離がある。~
行って、ご飯をご馳走になって、帰って来る頃にはすっかり...
とはいえ、まだ晩御飯の仕込みもしていないのは現状。~
それならば・・・~
「希少品はいいけど・・・ちゃんと食べられるものでしょうね...
「もちろん、私の大好物よ」~
「希少な血って言うのは却下だからね?」~
色々渋っては見たものの、これからご飯を作るより紅魔館に...
お呼ばれとなれば、後片付けの心配もしなくていい。~
それにメイド長の料理の腕は折り紙つきである。~
「ま、いいわ。せっかくだからご招待に預かろうかしら」~
霊夢がそういうと、レミリアの顔に満面の笑みが浮かんだ。~
~
――紅魔館。~
その名も高き、スカーレットデビルの住まう館。~
「――それでね、パチェったら貧血で倒れちゃって・・・」~
夜の世界の頂点に君臨するその力で、人からはもちろん、妖...
霊夢の隣で、身振り手振りを交え楽しそうに話すその姿は、...
他愛も無い雑談をしながら、霊夢たちが紅魔館についたとき...
ふわり・・・二人が降り立つと、赤髪の門番が恭しく一礼す...
レミリアは片手を上げてそれに答えると、さっさと門をくぐ...
霊夢も、門番を軽く一瞥すると、レミリアの続くように門を...
刹那。~
――クワン・・・~
軽い耳鳴り、そして透明のフィルター越しに見るような世界。~
それは微かな違和感。~
ドロリと空気が重くなったような、気だるい感じに霊夢は僅...
「ちょっとレミリア。なんか変な感じするんだけど・・・?」~
「あらそう?・・・ああ、そういえば・・・パチェが新しい結...
「あー、やめさせてくれる?なんかダルイわ」~
「ん、分かった。言っとくわ」~
赤に統一された、窓の少ない廊下を歩き、やがて大きなドア...
ガチャリ、と扉を開ければ食欲を誘う香りがあふれ出してき...
「お帰りなさいませ、お嬢様。ちょうどお食事の仕度も整った...
1歩食堂へと足を踏み入れれば、いつからそこに居たのか・・...
「ただいま、咲夜。・・・ねえ、パチェは?」~
「パチュリー様でしたら、まだ図書館のかと・・・。お呼びし...
「・・・ここのメイド長は『お嬢様』の客人に対して、一言の...
「あら!これは気付きませんで。ようこそいらっしゃいました...
咲夜はわざとらしく大仰な一礼を霊夢に向ければ、次の瞬間...
「レミリア、メイドの教育がなってないわよ」~
「とりあえず座って、直ぐに食事にするわ」~
ぷうっと頬を膨らませる霊夢を見ながら、クスクスと笑うレ...
ふとテーブルを見れば、つい先刻までは無かった豪華な料理...
恐らくあのメイド長の仕業だろうと思いながら、霊夢は促さ...
「それにしても、パチェ遅いわね」~
霊夢の隣の席に腰掛けながら、レミリアが呟く。~
「図書館で倒れてるんじゃない?」~
「いくら身体が弱いって言っても、そうパタパタ倒れている訳...
霊夢に答えた言葉。~
ふと入り口を見れば、本を携えた少女が一人、じとめでこち...
その後ろには、金髪の少女。~
「お姉さま、お帰りなさーい」~
少女はパタパタと小走りにレミリアに抱きつく。~
「ただいま、フラン。・・・いい子にしてた?」~
「うん!・・・あ、霊夢いらっしゃい!ねぇねぇ、ご飯終わっ...
「あー、悪いけどパス。ちょっと調子悪くて」~
「あ、そうそう。パチェ、霊夢がね、結界のせいで具合が悪い...
「そうなの?紅白、どんな感じ?」~
「んー、だるいって言うか、身体が重いって言うか・・・。ど...
「それは出来ないわ。今、持続における結界の変化についての...
レミリアの向かい側の席に腰掛け、パチュリーはふいっと霊...
「・・・あなたの力なら大して影響ないでしょ?少し我慢して...
「ん、まあ、仕方ないわね」~
長居するわけでもないし・・・そう呟いて、溜息を一つ落と...
レミリアとパチュリーがひっそりと目を合わせて笑ったこと...
~
~
(少女食事中...)~
~
~
「はぁ~・・・ご馳走様」~
箸を置いた霊夢は、満足げに息をつく。~
「あら、もういいの?霊夢ったら小食ね」~
「あんたもね」~
既に食べ終えて食後の紅茶を飲んでいるレミリアに、霊夢は...
「さて・・・もういい時間だし、そろそろお暇するわ」~
「そう?・・・じゃあ、玄関まで送るわ」~
――ガチャリ~
「お嬢様」~
「うわぁ!」~
食堂のドアを開けた霊夢たちの、直ぐ目の前に、いつから居...
「な、何そんなところに突っ立ってるのよ!・・・ビックリし...
「霊夢、あなた帰るのやめたほうがいいわよ」~
「は?なんで?」~
唐突なメイド長の言葉に、霊夢は怪訝そうな表情で聞き返す。~
「外。凄い雨よ・・・雨って言うより、嵐ね」~
「え、嘘?!」~
ここに来た時はあんなに晴れていたのに。~
確かに言われて見れば、屋敷の中にいてもゴゥゴゥと鈍い風...
「自分の目で確かめたほうが早いわね。ついて来なさい」~
そういうが早いか、咲夜は霊夢に背を向けて歩き出す。~
霊夢も、それに続く。~
1歩、2歩、3歩・・・~
10歩も歩かぬうち、気がつけば紅魔館の玄関前まで来てい...
どうぞ、とばかりに扉を示す咲夜。~
霊夢が扉を開けようと手をかけ、ゆっくりと押し開く。~
刹那。~
「――きゃあ!」~
腕を扉に思いっきり引っ張られ、前のめりに倒れそうになる...
扉ごと持っていってしまいそうな風・・・いな、暴風。~
まさにバケツをひっくり返したかのような豪雨。~
唖然とする霊夢の視界を白く覆う閃光、瞬間遅れての轟音。~
「・・・なによこれ。来る時はあんなに晴れてたのに・・・」~
「さすがに、この中を帰るのは無謀でしょう?」~
「・・・まあ、ね」~
溜息をつきながら、霊夢は扉を閉める。~
「じゃあ霊夢、今日は泊まっててよ、ね?」~
いつのまにいたのだろう、レミリアがニコニコと話しかける。~
「まあ・・・仕方ないわね。これじゃあ帰れないし」~
「決まり!じゃあ今日は一緒に寝よ?パジャマは私のを貸して...
「ちょ、ちょっと」~
言うが早いか、レミリアは霊夢の手をとって歩き始める。~
「それじゃあ咲夜、後の事はヨロシクね」~
「かしこまりました」~
恭しく礼をする咲夜を他所に、二人は部屋へと向ったのだっ...
~
~
どれくらい時間がたっただろうか。~
二人は他愛もない話をしながら、夜を過ごしていた。~
霊夢が欠伸一つ、夜はすっかり更けていた。~
「ねえ、霊夢・・・?」~
突然。~
レミリアは真面目な顔で霊夢へと詰め寄る。~
紅い、瞳・・・~
「な、なによ?」~
「・・・血、吸っていい・・・?」~
「だめ」~
即答。~
しかし、レミリアは意に介せず、更に霊夢へと近づく。~
「今までずっと我慢してきたの・・・。初めて会ったあのとき...
吐息が、触れる。~
「ちょ・・・やめ・・・レミリア!」~
後ずさる霊夢、それを追うレミリア。~
ジリジリと。~
「・・・ね?」~
距離は埋まる。~
霊夢の肩を、小さな手が掴む。~
紅玉のような瞳が、霊夢の目を覗きこむ。~
「・・・ぁ・・・」~
振りほどけない。~
肩を掴まれたても、覗き込む視線も。~
頭に霞がかかるように、思考が、鈍る。~
「・・・な・・・なんで・・・?」~
おかしい。霊夢は思った。~
吸血鬼の魔眼はもちろん知っているが、それにしても、あっ...
力もうまく使えない、まるで、いつもの自分じゃないような...
「・・・フフ、不思議?どうして力が使えないか?どうしてあっさ...
霊夢の思考を読んだような問いかけ。~
妖艶な笑み。~
「一つはパチェの結界。一見大した効果がないようだけど、対...
「・・・ぁ・・・あ・・・」~
レミリアの手が、霊夢の方を優しく撫でる。~
身体が・・・身体の奥が、熱い・・・~
「もう一つは・・・薬よ。霊夢の食事に薬を入れておいたの。・・・...
頬をなで、そして、唇をなぞる。~
「・・・遅効性だけど・・・・強力な媚薬よ。・・・そろそろ効いて来た...
「ふぁ・・・あァ・・・!」~
霊夢は、答えられなかった。~
答えを聞くまでもなかったが。~
レミリアの手が肌を撫でるたび、ゾクゾクと痺れるような快...
(・・・だ、ダメ・・・逃げなきゃ・・・)~
そう思っても身体に力が入らない。~
そもそも吸血鬼と人間、純粋な力比べで敵うはずも無く。~
徐々に、徐々に、考える力すら奪われていく。~
「ひゃうッ!」~
ぺろりと、レミリアの舌が首筋を舐めた。~
ビクッと身体が震える。~
まるで前菜を楽しむかのように、じっくりと、霊夢の首筋を...
「・・・ァ・・・あぁ・・・いや・・・」~
霊夢の身体が小刻みに震える。~
それは恐怖からか、快楽からか・・・。~
そんな霊夢を見てくすっと笑うと、耳元で呟く。~
「大丈夫、痛くないから・・・ただ、死ぬほど気持ちいいだけ・・・」~
耳元に口付け、頬から首筋へと徐々に下がる。~
レミリアの吐息を感じる・・・~
一瞬、首筋を軽く甘噛みされる。~
痺れるような甘い感覚。~
次の瞬間。~
首下から、プツリと何かが破れる感覚。~
同時に、霊夢の頭の中で、衝撃が弾けた。~
「・・・・・・!!!!」~
ビクンと震える身体。~
咄嗟に声も出ない、ただ、吐息が漏れた。~
「ァああ・・・!ふ・・・やあ・・・ぅああッ・・・!」~
ビチャビチャと、赤い液体が零れ落ちる。~
白いベットが、霊夢とレミリアの寝巻きが、紅く染まってい...
信じられない快楽だった。~
今まで感じてきたものとはまったく異質の、感覚。~
生命を徐々に奪われていく、自堕落な快感。~
「・・・ぁあ・・・ひゃぁ・・・ぃぁあ・・・ぅぁ・・・」~
ビクビクッと痙攣する霊夢の身体を、レミリアはしっかり抱...
霊夢の瞳は宙を彷徨い、その端からは、大きすぎる快楽のた...
絶え間なく喘ぎを上げる半開きの口元からは、だらしなく涎...
そこに、ふだんの霊夢の面影はなかった。~
「・・・らめぇ・・・しんじゃう・・・ひぅ・・・ぁ・・・ああ・・・ぁ...
思考の全てを白く埋め尽くされ、呂律も回らなくなる。~
そんな霊夢の声が聞こえているのか、レミリアは一心に血を...
グリッと、更に牙を深くねじ込む。~
「―――~~ぁ・・・ひ・・・ぃ・・・っ!!」 ~
比例するように更に深い快楽の波に攫われた霊夢は、堪える...
しかしそれでもレミリアは牙を離すことは無く、霊夢を血に...
霊夢を抱きしめていた手を、胸へ、そして霊夢の秘所へと這...
痛々しいほどに隆起した霊夢の胸のその頂点を愛撫して、蜜...
「ァあ゛・・・ひぁ・・・やらぁ・・・め・・・あ~・・・ァあ・・・」~
絶頂の余韻などに浸る暇も無い。~
吸血による人外な快楽、そのうえ胸や秘所を弄られ、既にそ...
絶頂から下りることなく更に絶頂を迎えさせられ、更に絶頂...
地獄とも天国ともつかぬ、死の境界のような、快楽の渦。~
ぴくっ・・・ぴくっと。~
霊夢の痙攣も、徐々に力が無くなっていく。~
それを見越したように胸の頂を、花園の宝珠を捻り・・・同時に...
「――――――――ッッ・・・・・・!!!!」~
ひと際大きな痙攣。~
声を上げることも出来ず、ビクンビクンと数度震えて・・・やが...
「・・・・・・ぷは・・・」~
ようやく霊夢の首筋から口を離したレミリアは、妖しく笑い...
「・・・けふぅ・・・ご馳走様、霊夢。凄く美味しかった・・・」~
完全に失神した霊夢を見下ろしながら、レミリアはそう言い...
蒼白になった霊夢は、紅い血が映え美しかった・・・~
「咲夜」~
暫く霊夢を眺めていたレミリアだが、ふと顔を上げると、従...
「・・・は、ハイ。ここに」~
次の瞬間、ベットの横に従者は佇んでいた。~
心なしか顔が赤く、足が震えている。~
「・・・咲夜、盗み聞きしてたでしょう?」~
カァッと、咲夜の顔が赤くなる。~
「霊夢の声を聞いて、興奮したの?・・・自分で慰めてたんだ?・・...
「・・・も、申し訳ありません・・・」~
頭を下げる咲夜に、レミリアはゆっくりと近づく。~
「まあ、いいわ。とりあえず霊夢の治療をヨロシクね。・・・その...
咲夜の頬を、優しく撫でる。~
顔を赤く染めた咲夜は、僅かに頷くと、次の瞬間姿を消した。~
ベットに横たわっていた霊夢と共に。~
「・・・ふふふ・・・」~
一人になった部屋で、血のにおいの中で、レミリアはまた妖...
~
~
~
――数日後。~
~
「霊夢~」~
霊夢が庭掃除をしていると、日傘を差したレミリアがやって...
「いらっしゃいレミリア、待ってたわ」~
「めずらしいわね、霊夢が私を誘うなんて。・・・もしかして癖に...
クスクスと笑うレミリアは、霊夢に御呼ばれした事が嬉しい...
「馬鹿、そんなんじゃ無いわよ。・・・ま、たまにはね」~
霊夢はそういうと、縁側へと上がる。~
「とりあえず立ち話もなんだし、入ってよ」~
「うん、お邪魔しまーす」~
レミリアは招かれるままに部屋へと上がる。~
薄暗いその部屋は、何故か布団が敷きっぱなしになっていた。~
パタンと、霊夢がふすまを閉める。~
「・・・縛・・・」~
ポツリと霊夢が呟いた。~
刹那。~
「・・・あぅっ!」~
ビクンとレミリアの体が痙攣し、その場に崩れ落ちる。~
よく見れば、部屋の四方に御札が張ってある。~
「どう?さすがに効くでしょう?対吸血鬼用の結界縛・・・大丈夫...
「ど・・・どうして・・・」~
「・・・『どうして』?・・・あのねぇ・・・この間あんなこといて、ど...
呆れた様な溜息を一つ吐きながら、霊夢は部屋の隅でごそご...
「で・・・でも、気持ちよかったでしょう?」~
だから許して、てへ(はぁと)とばかりに、レミリアが笑っ...
「ええ、気持ちよかったわ・・・思わず三途の川が見えるくらい」~
ゆらりと、霊夢が振り向いた。~
妖しい笑みを貼り付けて。~
「・・・え、えと、霊夢?手に持ってるのって、何かなぁ・・・なん...
「これ?鞭と蝋燭。・・・面白い文献を見つけてねぇ。こういう愛...
ジリジリと、霊夢が近づく。~
「三途の川が見えるくらい気持ちよくしてあげるわ。・・・大丈夫...
「絶対うそだー!」~
~
その後、博麗神社から悲鳴のようなものが一晩中聞こえたと...
~
~
END~
~
~
~
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――~
(あとがき)~
一作目からだいぶ時間が空いてしまいました、雌犬です。~
前々から書いてみたかった吸血プレイ。~
いかがでしたでしょうか?~
肝心のネチョシーン短すぎ?~
~
それはさておき、これを見る人たちとしてはやっぱり前置きは...
「どうでもいいからネチョ見せろー!」とか。~
でもそれをやると、東方の意味がなくなる恐れもありますから...
気が向きましたら、スレに意見をくれると嬉しいです。~
それでは。~
...
終了行:
<吸血姫と巫女の秘密の遊戯>~
~
~
思えばその日は朝からついてなかった。~
お気に入りの湯飲みを落として割っちゃうし、楽しみにして...
気が向いて境内の掃除をしてたとき、集めた葉っぱが突風で...
今日は厄日だ、と。~
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~
「霊夢~」~
傾いた陽が山々を茜色に染める。~
幻想郷にとって、割と普通の一日が過ぎようとしていた頃、...
「レミリア・・・。何よ、こんな時間に」~
「あら、私にしてみれば、むしろ今からが活動時間だわ」~
日傘を差した少女が一人、ふよふよと境内に降り立った。~
「生憎、私はそろそろ活動時間が終わるの。・・・で?」~
紅白の改造巫女服に身を包んだ少女は、面倒臭そうに溜息を...
「そうそう。ねえ霊夢、もう晩御飯食べちゃった?」~
小首を傾げる少女。~
「まだだけど・・・?」~
「そう、よかった。よかったら紅魔館(うち)に食べに来ない...
希少品よ、と霊夢の腕に絡みつくレミリア。~
ニコニコと微笑む少女の口元から、鋭い犬歯が顔を出してい...
霊夢は暫し逡巡した。~
これから紅魔館に行くのと、これから晩御飯の仕度をするの...
ここから紅魔館まではそこそこ距離がある。~
行って、ご飯をご馳走になって、帰って来る頃にはすっかり...
とはいえ、まだ晩御飯の仕込みもしていないのは現状。~
それならば・・・~
「希少品はいいけど・・・ちゃんと食べられるものでしょうね...
「もちろん、私の大好物よ」~
「希少な血って言うのは却下だからね?」~
色々渋っては見たものの、これからご飯を作るより紅魔館に...
お呼ばれとなれば、後片付けの心配もしなくていい。~
それにメイド長の料理の腕は折り紙つきである。~
「ま、いいわ。せっかくだからご招待に預かろうかしら」~
霊夢がそういうと、レミリアの顔に満面の笑みが浮かんだ。~
~
――紅魔館。~
その名も高き、スカーレットデビルの住まう館。~
「――それでね、パチェったら貧血で倒れちゃって・・・」~
夜の世界の頂点に君臨するその力で、人からはもちろん、妖...
霊夢の隣で、身振り手振りを交え楽しそうに話すその姿は、...
他愛も無い雑談をしながら、霊夢たちが紅魔館についたとき...
ふわり・・・二人が降り立つと、赤髪の門番が恭しく一礼す...
レミリアは片手を上げてそれに答えると、さっさと門をくぐ...
霊夢も、門番を軽く一瞥すると、レミリアの続くように門を...
刹那。~
――クワン・・・~
軽い耳鳴り、そして透明のフィルター越しに見るような世界。~
それは微かな違和感。~
ドロリと空気が重くなったような、気だるい感じに霊夢は僅...
「ちょっとレミリア。なんか変な感じするんだけど・・・?」~
「あらそう?・・・ああ、そういえば・・・パチェが新しい結...
「あー、やめさせてくれる?なんかダルイわ」~
「ん、分かった。言っとくわ」~
赤に統一された、窓の少ない廊下を歩き、やがて大きなドア...
ガチャリ、と扉を開ければ食欲を誘う香りがあふれ出してき...
「お帰りなさいませ、お嬢様。ちょうどお食事の仕度も整った...
1歩食堂へと足を踏み入れれば、いつからそこに居たのか・・...
「ただいま、咲夜。・・・ねえ、パチェは?」~
「パチュリー様でしたら、まだ図書館のかと・・・。お呼びし...
「・・・ここのメイド長は『お嬢様』の客人に対して、一言の...
「あら!これは気付きませんで。ようこそいらっしゃいました...
咲夜はわざとらしく大仰な一礼を霊夢に向ければ、次の瞬間...
「レミリア、メイドの教育がなってないわよ」~
「とりあえず座って、直ぐに食事にするわ」~
ぷうっと頬を膨らませる霊夢を見ながら、クスクスと笑うレ...
ふとテーブルを見れば、つい先刻までは無かった豪華な料理...
恐らくあのメイド長の仕業だろうと思いながら、霊夢は促さ...
「それにしても、パチェ遅いわね」~
霊夢の隣の席に腰掛けながら、レミリアが呟く。~
「図書館で倒れてるんじゃない?」~
「いくら身体が弱いって言っても、そうパタパタ倒れている訳...
霊夢に答えた言葉。~
ふと入り口を見れば、本を携えた少女が一人、じとめでこち...
その後ろには、金髪の少女。~
「お姉さま、お帰りなさーい」~
少女はパタパタと小走りにレミリアに抱きつく。~
「ただいま、フラン。・・・いい子にしてた?」~
「うん!・・・あ、霊夢いらっしゃい!ねぇねぇ、ご飯終わっ...
「あー、悪いけどパス。ちょっと調子悪くて」~
「あ、そうそう。パチェ、霊夢がね、結界のせいで具合が悪い...
「そうなの?紅白、どんな感じ?」~
「んー、だるいって言うか、身体が重いって言うか・・・。ど...
「それは出来ないわ。今、持続における結界の変化についての...
レミリアの向かい側の席に腰掛け、パチュリーはふいっと霊...
「・・・あなたの力なら大して影響ないでしょ?少し我慢して...
「ん、まあ、仕方ないわね」~
長居するわけでもないし・・・そう呟いて、溜息を一つ落と...
レミリアとパチュリーがひっそりと目を合わせて笑ったこと...
~
~
(少女食事中...)~
~
~
「はぁ~・・・ご馳走様」~
箸を置いた霊夢は、満足げに息をつく。~
「あら、もういいの?霊夢ったら小食ね」~
「あんたもね」~
既に食べ終えて食後の紅茶を飲んでいるレミリアに、霊夢は...
「さて・・・もういい時間だし、そろそろお暇するわ」~
「そう?・・・じゃあ、玄関まで送るわ」~
――ガチャリ~
「お嬢様」~
「うわぁ!」~
食堂のドアを開けた霊夢たちの、直ぐ目の前に、いつから居...
「な、何そんなところに突っ立ってるのよ!・・・ビックリし...
「霊夢、あなた帰るのやめたほうがいいわよ」~
「は?なんで?」~
唐突なメイド長の言葉に、霊夢は怪訝そうな表情で聞き返す。~
「外。凄い雨よ・・・雨って言うより、嵐ね」~
「え、嘘?!」~
ここに来た時はあんなに晴れていたのに。~
確かに言われて見れば、屋敷の中にいてもゴゥゴゥと鈍い風...
「自分の目で確かめたほうが早いわね。ついて来なさい」~
そういうが早いか、咲夜は霊夢に背を向けて歩き出す。~
霊夢も、それに続く。~
1歩、2歩、3歩・・・~
10歩も歩かぬうち、気がつけば紅魔館の玄関前まで来てい...
どうぞ、とばかりに扉を示す咲夜。~
霊夢が扉を開けようと手をかけ、ゆっくりと押し開く。~
刹那。~
「――きゃあ!」~
腕を扉に思いっきり引っ張られ、前のめりに倒れそうになる...
扉ごと持っていってしまいそうな風・・・いな、暴風。~
まさにバケツをひっくり返したかのような豪雨。~
唖然とする霊夢の視界を白く覆う閃光、瞬間遅れての轟音。~
「・・・なによこれ。来る時はあんなに晴れてたのに・・・」~
「さすがに、この中を帰るのは無謀でしょう?」~
「・・・まあ、ね」~
溜息をつきながら、霊夢は扉を閉める。~
「じゃあ霊夢、今日は泊まっててよ、ね?」~
いつのまにいたのだろう、レミリアがニコニコと話しかける。~
「まあ・・・仕方ないわね。これじゃあ帰れないし」~
「決まり!じゃあ今日は一緒に寝よ?パジャマは私のを貸して...
「ちょ、ちょっと」~
言うが早いか、レミリアは霊夢の手をとって歩き始める。~
「それじゃあ咲夜、後の事はヨロシクね」~
「かしこまりました」~
恭しく礼をする咲夜を他所に、二人は部屋へと向ったのだっ...
~
~
どれくらい時間がたっただろうか。~
二人は他愛もない話をしながら、夜を過ごしていた。~
霊夢が欠伸一つ、夜はすっかり更けていた。~
「ねえ、霊夢・・・?」~
突然。~
レミリアは真面目な顔で霊夢へと詰め寄る。~
紅い、瞳・・・~
「な、なによ?」~
「・・・血、吸っていい・・・?」~
「だめ」~
即答。~
しかし、レミリアは意に介せず、更に霊夢へと近づく。~
「今までずっと我慢してきたの・・・。初めて会ったあのとき...
吐息が、触れる。~
「ちょ・・・やめ・・・レミリア!」~
後ずさる霊夢、それを追うレミリア。~
ジリジリと。~
「・・・ね?」~
距離は埋まる。~
霊夢の肩を、小さな手が掴む。~
紅玉のような瞳が、霊夢の目を覗きこむ。~
「・・・ぁ・・・」~
振りほどけない。~
肩を掴まれたても、覗き込む視線も。~
頭に霞がかかるように、思考が、鈍る。~
「・・・な・・・なんで・・・?」~
おかしい。霊夢は思った。~
吸血鬼の魔眼はもちろん知っているが、それにしても、あっ...
力もうまく使えない、まるで、いつもの自分じゃないような...
「・・・フフ、不思議?どうして力が使えないか?どうしてあっさ...
霊夢の思考を読んだような問いかけ。~
妖艶な笑み。~
「一つはパチェの結界。一見大した効果がないようだけど、対...
「・・・ぁ・・・あ・・・」~
レミリアの手が、霊夢の方を優しく撫でる。~
身体が・・・身体の奥が、熱い・・・~
「もう一つは・・・薬よ。霊夢の食事に薬を入れておいたの。・・・...
頬をなで、そして、唇をなぞる。~
「・・・遅効性だけど・・・・強力な媚薬よ。・・・そろそろ効いて来た...
「ふぁ・・・あァ・・・!」~
霊夢は、答えられなかった。~
答えを聞くまでもなかったが。~
レミリアの手が肌を撫でるたび、ゾクゾクと痺れるような快...
(・・・だ、ダメ・・・逃げなきゃ・・・)~
そう思っても身体に力が入らない。~
そもそも吸血鬼と人間、純粋な力比べで敵うはずも無く。~
徐々に、徐々に、考える力すら奪われていく。~
「ひゃうッ!」~
ぺろりと、レミリアの舌が首筋を舐めた。~
ビクッと身体が震える。~
まるで前菜を楽しむかのように、じっくりと、霊夢の首筋を...
「・・・ァ・・・あぁ・・・いや・・・」~
霊夢の身体が小刻みに震える。~
それは恐怖からか、快楽からか・・・。~
そんな霊夢を見てくすっと笑うと、耳元で呟く。~
「大丈夫、痛くないから・・・ただ、死ぬほど気持ちいいだけ・・・」~
耳元に口付け、頬から首筋へと徐々に下がる。~
レミリアの吐息を感じる・・・~
一瞬、首筋を軽く甘噛みされる。~
痺れるような甘い感覚。~
次の瞬間。~
首下から、プツリと何かが破れる感覚。~
同時に、霊夢の頭の中で、衝撃が弾けた。~
「・・・・・・!!!!」~
ビクンと震える身体。~
咄嗟に声も出ない、ただ、吐息が漏れた。~
「ァああ・・・!ふ・・・やあ・・・ぅああッ・・・!」~
ビチャビチャと、赤い液体が零れ落ちる。~
白いベットが、霊夢とレミリアの寝巻きが、紅く染まってい...
信じられない快楽だった。~
今まで感じてきたものとはまったく異質の、感覚。~
生命を徐々に奪われていく、自堕落な快感。~
「・・・ぁあ・・・ひゃぁ・・・ぃぁあ・・・ぅぁ・・・」~
ビクビクッと痙攣する霊夢の身体を、レミリアはしっかり抱...
霊夢の瞳は宙を彷徨い、その端からは、大きすぎる快楽のた...
絶え間なく喘ぎを上げる半開きの口元からは、だらしなく涎...
そこに、ふだんの霊夢の面影はなかった。~
「・・・らめぇ・・・しんじゃう・・・ひぅ・・・ぁ・・・ああ・・・ぁ...
思考の全てを白く埋め尽くされ、呂律も回らなくなる。~
そんな霊夢の声が聞こえているのか、レミリアは一心に血を...
グリッと、更に牙を深くねじ込む。~
「―――~~ぁ・・・ひ・・・ぃ・・・っ!!」 ~
比例するように更に深い快楽の波に攫われた霊夢は、堪える...
しかしそれでもレミリアは牙を離すことは無く、霊夢を血に...
霊夢を抱きしめていた手を、胸へ、そして霊夢の秘所へと這...
痛々しいほどに隆起した霊夢の胸のその頂点を愛撫して、蜜...
「ァあ゛・・・ひぁ・・・やらぁ・・・め・・・あ~・・・ァあ・・・」~
絶頂の余韻などに浸る暇も無い。~
吸血による人外な快楽、そのうえ胸や秘所を弄られ、既にそ...
絶頂から下りることなく更に絶頂を迎えさせられ、更に絶頂...
地獄とも天国ともつかぬ、死の境界のような、快楽の渦。~
ぴくっ・・・ぴくっと。~
霊夢の痙攣も、徐々に力が無くなっていく。~
それを見越したように胸の頂を、花園の宝珠を捻り・・・同時に...
「――――――――ッッ・・・・・・!!!!」~
ひと際大きな痙攣。~
声を上げることも出来ず、ビクンビクンと数度震えて・・・やが...
「・・・・・・ぷは・・・」~
ようやく霊夢の首筋から口を離したレミリアは、妖しく笑い...
「・・・けふぅ・・・ご馳走様、霊夢。凄く美味しかった・・・」~
完全に失神した霊夢を見下ろしながら、レミリアはそう言い...
蒼白になった霊夢は、紅い血が映え美しかった・・・~
「咲夜」~
暫く霊夢を眺めていたレミリアだが、ふと顔を上げると、従...
「・・・は、ハイ。ここに」~
次の瞬間、ベットの横に従者は佇んでいた。~
心なしか顔が赤く、足が震えている。~
「・・・咲夜、盗み聞きしてたでしょう?」~
カァッと、咲夜の顔が赤くなる。~
「霊夢の声を聞いて、興奮したの?・・・自分で慰めてたんだ?・・...
「・・・も、申し訳ありません・・・」~
頭を下げる咲夜に、レミリアはゆっくりと近づく。~
「まあ、いいわ。とりあえず霊夢の治療をヨロシクね。・・・その...
咲夜の頬を、優しく撫でる。~
顔を赤く染めた咲夜は、僅かに頷くと、次の瞬間姿を消した。~
ベットに横たわっていた霊夢と共に。~
「・・・ふふふ・・・」~
一人になった部屋で、血のにおいの中で、レミリアはまた妖...
~
~
~
――数日後。~
~
「霊夢~」~
霊夢が庭掃除をしていると、日傘を差したレミリアがやって...
「いらっしゃいレミリア、待ってたわ」~
「めずらしいわね、霊夢が私を誘うなんて。・・・もしかして癖に...
クスクスと笑うレミリアは、霊夢に御呼ばれした事が嬉しい...
「馬鹿、そんなんじゃ無いわよ。・・・ま、たまにはね」~
霊夢はそういうと、縁側へと上がる。~
「とりあえず立ち話もなんだし、入ってよ」~
「うん、お邪魔しまーす」~
レミリアは招かれるままに部屋へと上がる。~
薄暗いその部屋は、何故か布団が敷きっぱなしになっていた。~
パタンと、霊夢がふすまを閉める。~
「・・・縛・・・」~
ポツリと霊夢が呟いた。~
刹那。~
「・・・あぅっ!」~
ビクンとレミリアの体が痙攣し、その場に崩れ落ちる。~
よく見れば、部屋の四方に御札が張ってある。~
「どう?さすがに効くでしょう?対吸血鬼用の結界縛・・・大丈夫...
「ど・・・どうして・・・」~
「・・・『どうして』?・・・あのねぇ・・・この間あんなこといて、ど...
呆れた様な溜息を一つ吐きながら、霊夢は部屋の隅でごそご...
「で・・・でも、気持ちよかったでしょう?」~
だから許して、てへ(はぁと)とばかりに、レミリアが笑っ...
「ええ、気持ちよかったわ・・・思わず三途の川が見えるくらい」~
ゆらりと、霊夢が振り向いた。~
妖しい笑みを貼り付けて。~
「・・・え、えと、霊夢?手に持ってるのって、何かなぁ・・・なん...
「これ?鞭と蝋燭。・・・面白い文献を見つけてねぇ。こういう愛...
ジリジリと、霊夢が近づく。~
「三途の川が見えるくらい気持ちよくしてあげるわ。・・・大丈夫...
「絶対うそだー!」~
~
その後、博麗神社から悲鳴のようなものが一晩中聞こえたと...
~
~
END~
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(あとがき)~
一作目からだいぶ時間が空いてしまいました、雌犬です。~
前々から書いてみたかった吸血プレイ。~
いかがでしたでしょうか?~
肝心のネチョシーン短すぎ?~
~
それはさておき、これを見る人たちとしてはやっぱり前置きは...
「どうでもいいからネチョ見せろー!」とか。~
でもそれをやると、東方の意味がなくなる恐れもありますから...
気が向きましたら、スレに意見をくれると嬉しいです。~
それでは。~
...
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