とうほうネチョロダ/四季・春
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四季・春~ ~ ~ ~ ~ 雪が降っています。~ あたり一面の雪。~ もう5月なのに、もう春が来てもおかしくないのに。~ 幻想郷は雪に覆われていました。~ ~ わたしはずっと春を探しています。~ 幻想郷のどこかにあるはずの春を探しています。~ でも、それはどこにもなくて。~ わたしはいまだに春を探し続けています。~ ~ 吹き付ける強い風に飛ばされそうになりながらも、わたしは翼をはためかせ、雪の中を春を捜して飛んでいます。~ ふと、空を見上げました。真っ黒い雪雲に覆われたこの空。~ 雲の向こうはどうなってるんだろう……ふとそんなことが頭をよぎります。~ ひょっとしたら雲の向こうに私の捜し求める春があるのかもしれない。~ だったら、わたしはその雲の上に行かなくちゃいけませんよね。~ わたしは迷わず暗い雲の中に飛び込んでいきました。~ ~ 暗く、冷たい雲の中を上へ、上へと羽ばたきます。~ 雲の中は乱気流が渦巻いていて、時々とんでもない方向に飛ばされそうになるけれども、わたしは頑張りました。~ 誰よりも早く春を見つけて、それをみんなに伝えなくてはいけないんです。それがわたしの存在する意味だから。~ だから、これぐらいのことなんでもありません。へっちゃらです。~ ~ やがて、わたしは雲の上に出ました。~ わたしの恋焦がれていた光景が、そこにはありました。~ 暖かな陽気、舞い散る桜の花弁……春です。わたしが探していた春がそこにはありました。~ やっと、やっと見つけました。いつもより遅くなったけど、ようやくわたしは春を見つけられたんです。~ ~ ……春を見つけたなら、次にわたしがしなくちゃいけないことは、そのことをみんなに伝えること。~ その存在をちゃんと観察して、始めてそれはそこに存在する……シュレジンガーの猫とか言うらしいですが、わたし頭悪いですから、よくわかりません。でも、春が来たことを知らないでずっと冬だと思っている人がいたら、それはかわいそうですよね。~ だから、わたしは辺りに誰かいないか、目を凝らします。~ すると、向こうの方から誰か飛んで来るのが見えました。~ 今年の春を伝える第一号はあの方ですね。~ わたしはその人の方へ飛んでいきました。~ ~ 近付くと、その方はどうやら人間のようです。~ 人間も飛べるんだな、とどうでもいい事を考えてしまいました。~ そんなことより、春が来た事を伝えなきゃいけませんよね。~ でも、春が伝えられることがうれしくてうれしくて、なんと言えばいいのかわからなくなってしまいました。なんだか頭の中が真っ白です。~ ……結局、それからの事はよく覚えていません。気がついたら、わたしはまっ逆さまに地面に向かって落ちていました。~ 体がちょっと痛いです。~ どうやら何を言っていいかわからずにパニックになってあの方を怒らせてしまい、撃ち落されたようです。~ ダメですね、わたし。春が来た事を伝えなきゃいけないのに、それもできないなんて。~ 後悔の念に苛まれながら、わたしの意識はそこで途絶えてしまいました。~ ~ 気がつくと、わたしは雪の上に横たわっていました。~ 怪我はほとんどしてないようです。まだちょっと体が痛いですが、飛べないことはなさそうです。~ と、そこでわたしを見下ろす誰かがいることに気付きました。~ さっきの方が心配になって見に来たのか、と思いましたが、どうやら違うようです。~ 紫っぽい髪に青い服のその方……すぐにわかりました。わたしと同じ妖精です。~ ~ 「生きてるんだ」~ ~ その方はそう言ってわたしの横にひざまずきます。~ ~ 「貴方……春の精でしょ?」~ ~ そう問われました。わたしはさっきみたいになることのないように、心を落ち着かせて答えます。~ ~ 「……はい。リリーホワイトって言います」~ 「そう。私はレティ。レティ・ホワイトロック。冬の精よ」~ ~ わたしはちょっと驚きました。わたしの様な春の精とレティさんのような冬の精が出会うことというのはめったにないことです。~ 冬の精は春が近付くと自然に姿を消すのが自然の摂理というものですから。~ でも、今年は冬が長引きました。なんだかおかしい年ですから、こういうこともあるのかもしれません。~ でも、驚いてばっかりもいられません。わたしには春を知らせるという役目があります。たとえ相手が冬の精だったとしても、それは変わりません。~ ~ 「レティさん、春が……」~ 「知ってる。貴方が現れたって言うことは春がもうそこまで来てるって事でしょう?」~ 「はい」~ ~ そうですよね。わたしの口から告げなくても、それは冬の精であるレティさんが一番よく知っていることですよね。~ ~ 「今年の冬は結構長くてちょっと嬉しかったけど、もう終わりね……まだ色々やり残した事もあったんだけど」~ ~ はぁ、と大きくため息をつくレティさん。~ ~ 「もうちょっといたいな。春なんて来なくていいのに」~ 「でも春は来ますよ。それが自然の摂理って言うものですから」~ 「わかってるわよ。そんなことはわかってる」~ ~ ちょっと不機嫌そうなレティさん。わたし何か悪い事言いましたか?ごく当たり前の事を言っただけなんですけど。~ ~ 「私だって冬はいつか終わって春が来るって言うことくらいイヤでもわかっているし、私たち妖精は人間や他の妖怪たちと違って自然の影響を大きく受けるから、冬の精である私は春が来たら消えなきゃならないこともわかってる。でも……」~ ~ そこでレティさんはすごく悲しそうな顔をして、~ ~ 「それでも、ずっと一緒にいたいという気持ちは捨てられないのよ」~ ~ そう、呟くように言いました。~ ~ 「ずっと一緒にいたい……」~ 「氷精がいるの。なんだかすっごく懐いてくれてて、意地っ張りでお子様なんだけど、そこがなんだかとってもほっとけない、妹分みたいな娘……私とその娘が一緒にいられるのは冬の間だけ。本当は春も夏も秋も一緒にいて色々と遊びたいのに、決してそれは叶わないのよ」~ 「……」~ ~ わたしにはその気持ちはよくわかりません。春が近付いたら現れて、春を誰より早く見つけてそれを皆に伝える。それだけのために生きてきているんです。誰かと一緒にいたいなんて思ったこともありません。~ でも……レティさんはすごく悲しそうでした。~ わたしは皆に喜んでもらいたくて春を伝えています。悲しい顔をさせるために春を伝えてるんじゃないんです。だから、そんな顔をしないでください。わたしもなんだか悲しくなってきます。~ ~ 「……ごめん、貴方を困らせるつもりじゃなかったのよ」~ ~ 気がつかないうちに悲しげな顔になっていたのでしょうか。レティさんはそう言って私に笑顔を向けてくれました。でも、その笑顔はわたしにはなんだかとっても痛々しく感じられました。だから……~ ~ 「レティさん、なにかわたしにできることはないですか?」~ 「はい?」~ 「わたしには春が来るのを止められません。けど、せめてレティさんのために自分のできる限りでなにかがしたいんです。だから……だから……」~ 「リリィ……貴方」~ ~ レティさんはくすっと笑みを浮かべ、~ ~ 「それじゃ……んっ」~ 「ん……」~ ~ そっと私にくちづけました。~ ~ 「今は、今だけは、春が来ることを忘れさせてくれる?」~ 「……はい」~ 「……ありがと」~ ~ もう一度くちづけ。今度は深く、激しく。お互いの舌を絡ませ合って、息ができなくなりそうなほど。~ 永遠とも思える時間のくちづけの末に離れると、わたしとレティさんの舌の間にツーッときらめく糸。それが途切れるのを上気してボーッとした頭で見ていました。~ ~ 「ねぇ、服脱いで」~ 「はい……」~ ~ わたしは自分の服を脱ぎます。レティさんも服を脱いで、二人で一糸纏わぬ姿を外気にさらします。人前で裸になるのってなんだかちょっと恥ずかしいですけど、レティさんも一緒ならまだましですよね。~ ~ 「すっごく綺麗ね、リリィ」~ 「そうですか?」~ ~ 褒められましたけど、いまいち実感がわきません。誰かと比較したことがありませんから。~ それにしてもレティさん、胸大きいです。わたしのぺったんこな胸と比べると、その差は歴然です。~ ……なぜでしょうか、ちょっと悔しくなってきます。~ と、レティさんはわたしの胸にそっと舌で触れてきました。~ ~ 「やっ、あっ」~ 「ほら、こんなに滑らかだし、まるで雪みたい」~ 「あっ、レティさんっ、そ、そんなっ、はぁぁっ」~ ~ 舌でわたしの胸を弧を描くように愛撫するレティさん。くすぐったいような、気持ちいいような、なんともいえない感触に、熱い息を漏らしてしまいます。~ ~ 「ここはどうかしら」~ 「あっ、ふぁぁっ!」~ ~ レティさんの舌の先が乳首を捉えた瞬間、ビクン、と跳ねてしまいました。すごく気持ちよくて、思わず声が漏れてしまいます。~ そのままちろちろと舌で責められて、わたしは荒い息を付きながら耐えるしかありませんでした。~ ~ 「リリィ、乳首もうこんなに尖ってるわ。気持ち良かったの?」~ 「は、はい」~ 「そう、敏感なのね。それじゃ、これなんかどうかしら」~ ~ そう言ってレティさんはわたしの乳首を甘噛みしながら、舌で先端をくりくりとこね回します。~ ~ 「あうっ、やっ、それっ、だ、ダメですっ!ひっ、ひやぁうっ!!」~ ~ 身体をびくびく震わせて、わたしは襲い来る快感の波に翻弄されています。なんだか息まで苦しくなってきました。~ ~ 「リリィ、私にもしてくれる?」~ 「はぁ、はぁ……はい」~ ~ わたしはそっとレティさんの大きな胸に手を伸ばして掴みます。とっても柔らくて弾力性のあるその胸を揉みしだくと、面白いほどふよふよと形を変え、そのたびにレティさんは熱い吐息を漏らすのです。~ わたしの手でレティさんが感じてくれてるんだと思うと、少し嬉しくなって、もっと感じさせてあげたくなりました。だから胸を揉みながら、その頂点にある乳首を、レティさんがわたしにしてくれたように甘噛みして舌でくりくりとこね回してみます。~ ~ 「んっ、ひゃうっ!いい、それいいの。あふ、ふぁぁっ!」~ ~ 頬を紅く染めて、艶っぽい声で喘ぐレティさん。そんな声を聞いていると、股の間が熱くなってきちゃいます。~ なんだかもじもじしていたのに気付いたのか、レティさんはわたしのあそこに手を伸ばして、~ ~ 「リリィ、貴方のここ、もうこんなに濡れてるわ」~ ~ そういってびっしょり濡れた指先をわたしに見せ付けました。~ ~ 「あっ、そ、それは……」~ 「清楚に見えて結構エッチなのね」~ 「や、そんなこと……言わないでください」~ ~ 恥ずかしくてうつむいてしまうわたし。けどレティさんはくすっ、と笑って、~ ~ 「ほら、私も気持ち良くてこんなになってるのよ」~ ~ わたしの手を取って大事なところへ誘います。そこは熱くて、びっしょり濡れていました。~ ~ 「さぁ、二人一緒に気持ち良くなりましょう」~ 「はい」~ ~ 膝立ちの状態で抱き合いながら、お互いの一番大事なところを指で撫でる様に弄ります。クチュクチュといやらしい音がして、ぞくぞくするような感覚がわたしの意識を蕩かしていきます。~ ~ 「あぁっ、ふぁっ、リリィ、気持ち、いい?」~ 「あっ、はいっ、気持ち、いいですっ……れ、レティ、さんはっ?」~ 「わ、私もっ、私も気持ちいいっ、あくっ!ね、ねえ、それじゃこれはどう?」~ 「ひっ、ひゃぁぁぁぁっ!!」~ ~ レティさんの指がわたしの大事なところの突起をクリッ、と弄った瞬間、頭のてっぺんまで突き抜けるようななにかが走り、思わず大きな声を出してしまいました。~ ~ 「い、今の、すごく気持ちよかったです」~ 「そうでしょ?」~ 「レティさんにも……してあげますね」~ 「え、ちょっと……あっ、ひうっ!あひぃぃぃぃっ!!」~ ~ びくびくと身体を震わせるレティさん。すごく気持ちよかったのですね。~ もっとレティさんを気持ち良くさせてあげたい。もっと自分も気持ちよくなりたい。そんな一心で、わたしは指をレティさんの中に差し込み、ぐりぐりとかき回します。同時に突起をこねるように弄ってあげると、レティさんも同じように私にしてくれました。ボタボタとあそこから熱い液体が滴るのが見なくてもわかります。~ ~ 「あくっ、はぁっ、レティさん、わたし、もうなんだかっ!」~ 「あふっ、リリィ、もうイッちゃうの?」~ 「はいぃ……わたし、わたし、もうイッちゃいそうなんです、あっ、あうっ!」~ 「私も、私もイクからっ、あくっ、い、いっしょにっ、一緒にイキましょう!」~ 「はいっ、一緒に、一緒にイキたいですっ!」~ ~ お互いの大事なところを指でかき回し、お互いの乳首をこすり付けあい、お互いの舌を絡めあいながら、わたしとレティさんはどんどんと高みへと上り詰めていきます。そして……~ ~ 「あっ、もうっ、もうダメっ、レティさんっ、わたしっ、わたしもうイキますっ!」~ 「あはぁっ!私もっ、私もイクっ、もうイッちゃうのっ!リリーと一緒にイクっ!」~ 「やっ、ああっ、ひゃぁぁぁあぁぁあぁぁあぁん!!」~ 「もうっ、もうっ!んぁぁあぁあぁぁあぁぁぁっ!!」~ ~ 頭の中が真っ白になって、何もわからなくなって、わたしとレティさんは絶頂に達しました。~ わたしはレティさんを抱きかかえるように雪の上に倒れこみました。冷たい雪が火照った身体を冷やしていきます。~ ~ 「はぁ、はぁっ……リリィ、すごく、気持ちよかった」~ 「はぁ、はぁ、はぁ……わたしも、気持ちよかったです」~ ~ 潤んだ瞳でわたしを見るレティさんの顔を見ていると、なんだか胸が熱くなって、わたしはレティさんをぎゅっと抱きしめていました。両手と……翼で。~ いつしか雪は止んでいました。分厚い雪雲は切り裂かれるかのようにその姿を消し、陽の光が差し込んできます。そして、雪の代わりに桜の花弁が舞い降りてきました。~ ~ 「ねぇリリィ、春が来たこと、伝えて欲しいわ」~ ~ レティさんがにこり、と笑みを浮かべて言いました。~ ~ 「え、でも……」~ 「もちろん知ってるけど、貴方の口から聞きたいわ」~ 「は、はい……レティさん、春が、春が来ましたよ」~ 「ええ、来たわね、春……」~ ~ そう言うレティさんの身体が、だんだん薄れていきます。~ ~ 「れ、レティさん!」~ 「私は冬の精だから、ね?」~ 「で、でもっ!!」~ 「春が来れば、冬の精は消えなきゃいけない……自然の摂理、でしょ?」~ ~ そんなことはわかっています。けど……~ ~ 「そんな顔しないでリリィ。死ぬわけじゃないわ。ただ冬が来るまで眠るだけ……また次の冬が来たら目を覚ますから……」~ ~ そういってレティさんは私にそっと口づけると、~ ~ 「また……次の冬と……春の境界で、会いましょう……ね」~ ~ そういい残し、完全に姿を消してしまいました。~ ~ 「レティさん……」~ ~ 辺りには桜の花が舞い、暖かな日差しが雪を溶かしだしています。もうすっかり春です。~ 春は来ました。春を伝えることができました。~ ~ でも~ ~ ~ ~ なぜこんなに悲しいのでしょう?~ ~ ~ ~ なぜ私の目から涙がこんなに溢れてくるのでしょう?~ ~ ~ ~ (それでも、ずっと一緒にいたいという気持ちは捨てられないのよ)~ ~ レティさんのあの時の言葉が、今わかったような気がしました。~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 完~ ~ ~ ~ ~ ~ --------------------------------------------------------------------------------------------~ ~ ~ ・後書き~ ~ リンガリングコールドの自機狙い弾の出始めって、なんだかアナルビーズに似てませんか?~ ~ ~ ~ ~ ……すみませんすみませんっ、本編の内容ぶち壊しな事書いてすみませんっ!!~ ~ えっと、レティ×リリィです。「紅い館の黒い魔法使い・Lunatic」書くのに行き詰まって、気分転換に6時間ほどで書き上げちゃいました。~ リリィの一人称という変わった形式で書いたんですが、おかげでエロくないのなんのって。なんだか鍵系のゲームのエロシーンみたくなってしまいました。エロ抜きにして創想話にあげたほうがよかったかな?~ ちなみにふたなりでないエロSSはこれが初めてというのはどういうことかと小一時間(ry~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 書いた香具師:たわりーしち~
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四季・春~ ~ ~ ~ ~ 雪が降っています。~ あたり一面の雪。~ もう5月なのに、もう春が来てもおかしくないのに。~ 幻想郷は雪に覆われていました。~ ~ わたしはずっと春を探しています。~ 幻想郷のどこかにあるはずの春を探しています。~ でも、それはどこにもなくて。~ わたしはいまだに春を探し続けています。~ ~ 吹き付ける強い風に飛ばされそうになりながらも、わたしは翼をはためかせ、雪の中を春を捜して飛んでいます。~ ふと、空を見上げました。真っ黒い雪雲に覆われたこの空。~ 雲の向こうはどうなってるんだろう……ふとそんなことが頭をよぎります。~ ひょっとしたら雲の向こうに私の捜し求める春があるのかもしれない。~ だったら、わたしはその雲の上に行かなくちゃいけませんよね。~ わたしは迷わず暗い雲の中に飛び込んでいきました。~ ~ 暗く、冷たい雲の中を上へ、上へと羽ばたきます。~ 雲の中は乱気流が渦巻いていて、時々とんでもない方向に飛ばされそうになるけれども、わたしは頑張りました。~ 誰よりも早く春を見つけて、それをみんなに伝えなくてはいけないんです。それがわたしの存在する意味だから。~ だから、これぐらいのことなんでもありません。へっちゃらです。~ ~ やがて、わたしは雲の上に出ました。~ わたしの恋焦がれていた光景が、そこにはありました。~ 暖かな陽気、舞い散る桜の花弁……春です。わたしが探していた春がそこにはありました。~ やっと、やっと見つけました。いつもより遅くなったけど、ようやくわたしは春を見つけられたんです。~ ~ ……春を見つけたなら、次にわたしがしなくちゃいけないことは、そのことをみんなに伝えること。~ その存在をちゃんと観察して、始めてそれはそこに存在する……シュレジンガーの猫とか言うらしいですが、わたし頭悪いですから、よくわかりません。でも、春が来たことを知らないでずっと冬だと思っている人がいたら、それはかわいそうですよね。~ だから、わたしは辺りに誰かいないか、目を凝らします。~ すると、向こうの方から誰か飛んで来るのが見えました。~ 今年の春を伝える第一号はあの方ですね。~ わたしはその人の方へ飛んでいきました。~ ~ 近付くと、その方はどうやら人間のようです。~ 人間も飛べるんだな、とどうでもいい事を考えてしまいました。~ そんなことより、春が来た事を伝えなきゃいけませんよね。~ でも、春が伝えられることがうれしくてうれしくて、なんと言えばいいのかわからなくなってしまいました。なんだか頭の中が真っ白です。~ ……結局、それからの事はよく覚えていません。気がついたら、わたしはまっ逆さまに地面に向かって落ちていました。~ 体がちょっと痛いです。~ どうやら何を言っていいかわからずにパニックになってあの方を怒らせてしまい、撃ち落されたようです。~ ダメですね、わたし。春が来た事を伝えなきゃいけないのに、それもできないなんて。~ 後悔の念に苛まれながら、わたしの意識はそこで途絶えてしまいました。~ ~ 気がつくと、わたしは雪の上に横たわっていました。~ 怪我はほとんどしてないようです。まだちょっと体が痛いですが、飛べないことはなさそうです。~ と、そこでわたしを見下ろす誰かがいることに気付きました。~ さっきの方が心配になって見に来たのか、と思いましたが、どうやら違うようです。~ 紫っぽい髪に青い服のその方……すぐにわかりました。わたしと同じ妖精です。~ ~ 「生きてるんだ」~ ~ その方はそう言ってわたしの横にひざまずきます。~ ~ 「貴方……春の精でしょ?」~ ~ そう問われました。わたしはさっきみたいになることのないように、心を落ち着かせて答えます。~ ~ 「……はい。リリーホワイトって言います」~ 「そう。私はレティ。レティ・ホワイトロック。冬の精よ」~ ~ わたしはちょっと驚きました。わたしの様な春の精とレティさんのような冬の精が出会うことというのはめったにないことです。~ 冬の精は春が近付くと自然に姿を消すのが自然の摂理というものですから。~ でも、今年は冬が長引きました。なんだかおかしい年ですから、こういうこともあるのかもしれません。~ でも、驚いてばっかりもいられません。わたしには春を知らせるという役目があります。たとえ相手が冬の精だったとしても、それは変わりません。~ ~ 「レティさん、春が……」~ 「知ってる。貴方が現れたって言うことは春がもうそこまで来てるって事でしょう?」~ 「はい」~ ~ そうですよね。わたしの口から告げなくても、それは冬の精であるレティさんが一番よく知っていることですよね。~ ~ 「今年の冬は結構長くてちょっと嬉しかったけど、もう終わりね……まだ色々やり残した事もあったんだけど」~ ~ はぁ、と大きくため息をつくレティさん。~ ~ 「もうちょっといたいな。春なんて来なくていいのに」~ 「でも春は来ますよ。それが自然の摂理って言うものですから」~ 「わかってるわよ。そんなことはわかってる」~ ~ ちょっと不機嫌そうなレティさん。わたし何か悪い事言いましたか?ごく当たり前の事を言っただけなんですけど。~ ~ 「私だって冬はいつか終わって春が来るって言うことくらいイヤでもわかっているし、私たち妖精は人間や他の妖怪たちと違って自然の影響を大きく受けるから、冬の精である私は春が来たら消えなきゃならないこともわかってる。でも……」~ ~ そこでレティさんはすごく悲しそうな顔をして、~ ~ 「それでも、ずっと一緒にいたいという気持ちは捨てられないのよ」~ ~ そう、呟くように言いました。~ ~ 「ずっと一緒にいたい……」~ 「氷精がいるの。なんだかすっごく懐いてくれてて、意地っ張りでお子様なんだけど、そこがなんだかとってもほっとけない、妹分みたいな娘……私とその娘が一緒にいられるのは冬の間だけ。本当は春も夏も秋も一緒にいて色々と遊びたいのに、決してそれは叶わないのよ」~ 「……」~ ~ わたしにはその気持ちはよくわかりません。春が近付いたら現れて、春を誰より早く見つけてそれを皆に伝える。それだけのために生きてきているんです。誰かと一緒にいたいなんて思ったこともありません。~ でも……レティさんはすごく悲しそうでした。~ わたしは皆に喜んでもらいたくて春を伝えています。悲しい顔をさせるために春を伝えてるんじゃないんです。だから、そんな顔をしないでください。わたしもなんだか悲しくなってきます。~ ~ 「……ごめん、貴方を困らせるつもりじゃなかったのよ」~ ~ 気がつかないうちに悲しげな顔になっていたのでしょうか。レティさんはそう言って私に笑顔を向けてくれました。でも、その笑顔はわたしにはなんだかとっても痛々しく感じられました。だから……~ ~ 「レティさん、なにかわたしにできることはないですか?」~ 「はい?」~ 「わたしには春が来るのを止められません。けど、せめてレティさんのために自分のできる限りでなにかがしたいんです。だから……だから……」~ 「リリィ……貴方」~ ~ レティさんはくすっと笑みを浮かべ、~ ~ 「それじゃ……んっ」~ 「ん……」~ ~ そっと私にくちづけました。~ ~ 「今は、今だけは、春が来ることを忘れさせてくれる?」~ 「……はい」~ 「……ありがと」~ ~ もう一度くちづけ。今度は深く、激しく。お互いの舌を絡ませ合って、息ができなくなりそうなほど。~ 永遠とも思える時間のくちづけの末に離れると、わたしとレティさんの舌の間にツーッときらめく糸。それが途切れるのを上気してボーッとした頭で見ていました。~ ~ 「ねぇ、服脱いで」~ 「はい……」~ ~ わたしは自分の服を脱ぎます。レティさんも服を脱いで、二人で一糸纏わぬ姿を外気にさらします。人前で裸になるのってなんだかちょっと恥ずかしいですけど、レティさんも一緒ならまだましですよね。~ ~ 「すっごく綺麗ね、リリィ」~ 「そうですか?」~ ~ 褒められましたけど、いまいち実感がわきません。誰かと比較したことがありませんから。~ それにしてもレティさん、胸大きいです。わたしのぺったんこな胸と比べると、その差は歴然です。~ ……なぜでしょうか、ちょっと悔しくなってきます。~ と、レティさんはわたしの胸にそっと舌で触れてきました。~ ~ 「やっ、あっ」~ 「ほら、こんなに滑らかだし、まるで雪みたい」~ 「あっ、レティさんっ、そ、そんなっ、はぁぁっ」~ ~ 舌でわたしの胸を弧を描くように愛撫するレティさん。くすぐったいような、気持ちいいような、なんともいえない感触に、熱い息を漏らしてしまいます。~ ~ 「ここはどうかしら」~ 「あっ、ふぁぁっ!」~ ~ レティさんの舌の先が乳首を捉えた瞬間、ビクン、と跳ねてしまいました。すごく気持ちよくて、思わず声が漏れてしまいます。~ そのままちろちろと舌で責められて、わたしは荒い息を付きながら耐えるしかありませんでした。~ ~ 「リリィ、乳首もうこんなに尖ってるわ。気持ち良かったの?」~ 「は、はい」~ 「そう、敏感なのね。それじゃ、これなんかどうかしら」~ ~ そう言ってレティさんはわたしの乳首を甘噛みしながら、舌で先端をくりくりとこね回します。~ ~ 「あうっ、やっ、それっ、だ、ダメですっ!ひっ、ひやぁうっ!!」~ ~ 身体をびくびく震わせて、わたしは襲い来る快感の波に翻弄されています。なんだか息まで苦しくなってきました。~ ~ 「リリィ、私にもしてくれる?」~ 「はぁ、はぁ……はい」~ ~ わたしはそっとレティさんの大きな胸に手を伸ばして掴みます。とっても柔らくて弾力性のあるその胸を揉みしだくと、面白いほどふよふよと形を変え、そのたびにレティさんは熱い吐息を漏らすのです。~ わたしの手でレティさんが感じてくれてるんだと思うと、少し嬉しくなって、もっと感じさせてあげたくなりました。だから胸を揉みながら、その頂点にある乳首を、レティさんがわたしにしてくれたように甘噛みして舌でくりくりとこね回してみます。~ ~ 「んっ、ひゃうっ!いい、それいいの。あふ、ふぁぁっ!」~ ~ 頬を紅く染めて、艶っぽい声で喘ぐレティさん。そんな声を聞いていると、股の間が熱くなってきちゃいます。~ なんだかもじもじしていたのに気付いたのか、レティさんはわたしのあそこに手を伸ばして、~ ~ 「リリィ、貴方のここ、もうこんなに濡れてるわ」~ ~ そういってびっしょり濡れた指先をわたしに見せ付けました。~ ~ 「あっ、そ、それは……」~ 「清楚に見えて結構エッチなのね」~ 「や、そんなこと……言わないでください」~ ~ 恥ずかしくてうつむいてしまうわたし。けどレティさんはくすっ、と笑って、~ ~ 「ほら、私も気持ち良くてこんなになってるのよ」~ ~ わたしの手を取って大事なところへ誘います。そこは熱くて、びっしょり濡れていました。~ ~ 「さぁ、二人一緒に気持ち良くなりましょう」~ 「はい」~ ~ 膝立ちの状態で抱き合いながら、お互いの一番大事なところを指で撫でる様に弄ります。クチュクチュといやらしい音がして、ぞくぞくするような感覚がわたしの意識を蕩かしていきます。~ ~ 「あぁっ、ふぁっ、リリィ、気持ち、いい?」~ 「あっ、はいっ、気持ち、いいですっ……れ、レティ、さんはっ?」~ 「わ、私もっ、私も気持ちいいっ、あくっ!ね、ねえ、それじゃこれはどう?」~ 「ひっ、ひゃぁぁぁぁっ!!」~ ~ レティさんの指がわたしの大事なところの突起をクリッ、と弄った瞬間、頭のてっぺんまで突き抜けるようななにかが走り、思わず大きな声を出してしまいました。~ ~ 「い、今の、すごく気持ちよかったです」~ 「そうでしょ?」~ 「レティさんにも……してあげますね」~ 「え、ちょっと……あっ、ひうっ!あひぃぃぃぃっ!!」~ ~ びくびくと身体を震わせるレティさん。すごく気持ちよかったのですね。~ もっとレティさんを気持ち良くさせてあげたい。もっと自分も気持ちよくなりたい。そんな一心で、わたしは指をレティさんの中に差し込み、ぐりぐりとかき回します。同時に突起をこねるように弄ってあげると、レティさんも同じように私にしてくれました。ボタボタとあそこから熱い液体が滴るのが見なくてもわかります。~ ~ 「あくっ、はぁっ、レティさん、わたし、もうなんだかっ!」~ 「あふっ、リリィ、もうイッちゃうの?」~ 「はいぃ……わたし、わたし、もうイッちゃいそうなんです、あっ、あうっ!」~ 「私も、私もイクからっ、あくっ、い、いっしょにっ、一緒にイキましょう!」~ 「はいっ、一緒に、一緒にイキたいですっ!」~ ~ お互いの大事なところを指でかき回し、お互いの乳首をこすり付けあい、お互いの舌を絡めあいながら、わたしとレティさんはどんどんと高みへと上り詰めていきます。そして……~ ~ 「あっ、もうっ、もうダメっ、レティさんっ、わたしっ、わたしもうイキますっ!」~ 「あはぁっ!私もっ、私もイクっ、もうイッちゃうのっ!リリーと一緒にイクっ!」~ 「やっ、ああっ、ひゃぁぁぁあぁぁあぁぁあぁん!!」~ 「もうっ、もうっ!んぁぁあぁあぁぁあぁぁぁっ!!」~ ~ 頭の中が真っ白になって、何もわからなくなって、わたしとレティさんは絶頂に達しました。~ わたしはレティさんを抱きかかえるように雪の上に倒れこみました。冷たい雪が火照った身体を冷やしていきます。~ ~ 「はぁ、はぁっ……リリィ、すごく、気持ちよかった」~ 「はぁ、はぁ、はぁ……わたしも、気持ちよかったです」~ ~ 潤んだ瞳でわたしを見るレティさんの顔を見ていると、なんだか胸が熱くなって、わたしはレティさんをぎゅっと抱きしめていました。両手と……翼で。~ いつしか雪は止んでいました。分厚い雪雲は切り裂かれるかのようにその姿を消し、陽の光が差し込んできます。そして、雪の代わりに桜の花弁が舞い降りてきました。~ ~ 「ねぇリリィ、春が来たこと、伝えて欲しいわ」~ ~ レティさんがにこり、と笑みを浮かべて言いました。~ ~ 「え、でも……」~ 「もちろん知ってるけど、貴方の口から聞きたいわ」~ 「は、はい……レティさん、春が、春が来ましたよ」~ 「ええ、来たわね、春……」~ ~ そう言うレティさんの身体が、だんだん薄れていきます。~ ~ 「れ、レティさん!」~ 「私は冬の精だから、ね?」~ 「で、でもっ!!」~ 「春が来れば、冬の精は消えなきゃいけない……自然の摂理、でしょ?」~ ~ そんなことはわかっています。けど……~ ~ 「そんな顔しないでリリィ。死ぬわけじゃないわ。ただ冬が来るまで眠るだけ……また次の冬が来たら目を覚ますから……」~ ~ そういってレティさんは私にそっと口づけると、~ ~ 「また……次の冬と……春の境界で、会いましょう……ね」~ ~ そういい残し、完全に姿を消してしまいました。~ ~ 「レティさん……」~ ~ 辺りには桜の花が舞い、暖かな日差しが雪を溶かしだしています。もうすっかり春です。~ 春は来ました。春を伝えることができました。~ ~ でも~ ~ ~ ~ なぜこんなに悲しいのでしょう?~ ~ ~ ~ なぜ私の目から涙がこんなに溢れてくるのでしょう?~ ~ ~ ~ (それでも、ずっと一緒にいたいという気持ちは捨てられないのよ)~ ~ レティさんのあの時の言葉が、今わかったような気がしました。~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 完~ ~ ~ ~ ~ ~ --------------------------------------------------------------------------------------------~ ~ ~ ・後書き~ ~ リンガリングコールドの自機狙い弾の出始めって、なんだかアナルビーズに似てませんか?~ ~ ~ ~ ~ ……すみませんすみませんっ、本編の内容ぶち壊しな事書いてすみませんっ!!~ ~ えっと、レティ×リリィです。「紅い館の黒い魔法使い・Lunatic」書くのに行き詰まって、気分転換に6時間ほどで書き上げちゃいました。~ リリィの一人称という変わった形式で書いたんですが、おかげでエロくないのなんのって。なんだか鍵系のゲームのエロシーンみたくなってしまいました。エロ抜きにして創想話にあげたほうがよかったかな?~ ちなみにふたなりでないエロSSはこれが初めてというのはどういうことかと小一時間(ry~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 書いた香具師:たわりーしち~
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