※Caution!~
 この話はダークです。グロいです。非エロです。~
 嫌な人は絶対読まないように。~
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私の可愛いフラン。あなたが私の全て。私はあなたを護る。~
唯一の肉親、唯一の姉妹。たった一人の姉として、たった一人のあなたを護り続ける。~
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私の愛しいフラン。私があなたの全て。あなたは私の為に生きる。~
どんな姿でも、どんな形でも、私はあなたを、あなたは私を愛している。愛さなければならない。~
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……あら、どうしたの? そんな目をして。~
ウフフ……心配しなくてもいいのよ。ここにいれば、誰もあなたを傷付けたりしないから。~
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護ってあげる……囲ってあげる……~
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    ウフフフフ……~
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          アハハハハ…………~
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 私は、妹のフランを愛している。姉として、あらゆる外敵から彼女を護らなければならない。~
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だから、閉じ込めた。誰も入って来れない奥深く、誰も出て来られない闇深く、冥く、底に、沈んで…………~
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気の荒い妹は、時々勢い余って色んなモノを壊してしまう。玩具を与えても、すぐにバラバラだ。~
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最近はメイドも恐がって、フランの所に食事を持って行くのを嫌がるようになった。~
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勿論、主の命に逆らう従者などここには要らないから、適当に掴んでフランに与えているのだけれど。~
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仕方が無いから、最近では私が食事を運ぶようになった。フランは私を見ると、大喜びでじゃれ付いてくる。可愛いものだ。~
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私もフランの笑顔が見たくて、つい長居して一緒に遊んでしまう。最近流行っているのは、壁に絵を描く事なの。~
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赤い、紅い絵の具が壁一面に幾何学的な紋様を描き出す。それはとっても綺麗で、キレイで…………~
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たくさん描いたから、もう空いている場所が無くなって来ちゃった。どうしようかしら……?~
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ひとしきり遊んだ後は、床に散らばっている玩具を片付けて、部屋を出るの。そして、固く堅く扉を閉ざす。~
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まだあの子は子供だから、ちゃんと戸締りして変な所に行ってしまわない様にしないとね……ウフフ…………~
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私が戻って来ると、いつもメイド長の咲夜が大慌てで私に着替えを寄越すの。一体何なのかしら。~
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こんなに紅くて綺麗なドレスなのに、人間と私では美的感覚が違うらしい。~
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まぁ、咲夜は優秀なメイドだから、館の事は彼女に一任しているのだけれど……ちょっと鬱陶しいかしらねぇ。~
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咲夜が無能なら、今すぐフランの玩具にしてあげるのだけど。結構丈夫だから、フランも喜んでくれるわ。~
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……あぁ、そうだ……新しい玩具を探さないと。すぐに壊れる玩具に、フランも少し飽きてきたらしい。だからあんなに元気だったのね。~
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壊れにくくて、面白い玩具……思い当たるのが二つある。うん、それでいきましょう。~
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下準備として、私はあの巫女の所に幾度となく遊びに行き、あの魔法使いには図書館への出入りを許可しておいた。~
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紅白の巫女は満更でもなさそうで、魔法使いの方は大喜びで図書館に通い詰めた。フフ、いいわ、いい感じよ。~
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しばらくそんな日々が続き、大分相手も私に気を許すようになってきた。そろそろ頃合いかしら。待っててね、フラン。~
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ある日、私は紅白の巫女の所に出かける前に、フランの部屋の封を緩めておいた。あの子はすぐに気が付くだろう。~
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案の定私が神社で寛いでいると、突然の豪雨が紅魔館の方角で降り出した。きっとパチュリーの仕業だろう。~
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そして、雨が降るという事はフランが部屋を抜け出した事を意味する。だから私は、さりげなくフランの事を巫女に教えた。~
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巫女は、仕方ないわね、とぼやいて紅魔館へと飛んで行った。魔法使いも今、紅魔館の中にいる事は確認済みだ。~
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何もかも私の思う通り……思わず顔が綻んでしまう。きっとフランも喜んでくれるわ……ウフフフフ…………~
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……だがそれは、思わぬ形で私を苦しめる事になった。~
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あぁ、こんな事になるとは、思いもよらなかった。まさかあの二人の力が、フランを上回るとは。~
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多少は持つだろうが、直に壊されるだろうと思っていた。なのに壊れなかった。それも五体満足で。~
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私でさえあの子と遊べば無傷では済まないのに、どうして……?~
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さらにこの一件があってから、あの魔法使いが度々フランの所に出入りするようになった。フランも楽しそうだ。~
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以前と比べ、笑う事が多くなった気がする。どことなく落ち着いてきたような気がする。……何かが変わってきた気がする。~
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フランが笑う。わらう。ワラウ。~
だけど、その笑顔は私に向いていない。誰? フランの笑顔を一人占めするのは誰? 誰なの?~
あぁ、あれは……あいつはあの魔法使い。あいつが私のフランと喋って、遊んで、笑って……楽しそうに……~
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許せない……私のフランを勝手に変えないで……~
許さない……フランは私だけのもの……その声も、体も、笑顔もみんな私だけのもの……~
カワッテイク……チガッテイク……サワラナイデ……イジラナイデ……カラダヲ……ココロヲ……~
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そう、そんなにあの魔法使いが気に入ったのね。良かったわ、フランにもお友達が出来て。~
え? 帰ってしまうのが寂しい? ずっと一緒に居たいの? もう、我侭なんだから……~
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だから私は、その魔法使いをフランに出した。~
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しばらくして、紅白の巫女があの魔法使いを探しにやってきた。そして私を激しく問い詰めた。~
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私が知らないと答えても納得しない。ここに居る事を確信しているかのようだ。いい加減煩わしい。~
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だから私は、彼女はフランの所にいる、と教えてやった。急いで飛んで行く巫女。どうせ見つからないでしょうけど。~
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しばらくして、巫女がフラフラしながら帰ってきた。きっとフランの遊びに付き合わされたのだろう。~
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巫女はさらに怒気を含ませて、私に喰いかかって来た。どこにも居ないではないか、と。~
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一体この巫女は何を言っているのだろう? 魔法使いなら今会ってきたではないか……そう告げると、紅潮した顔が真っ青になった。~
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怒り狂って符陣を展開させる巫女。だが、そんなフラフラの体で私に適う訳が無い。返り討ちにしてあげた。~
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鈍い音を立てて、玩具が壊れていく。もがれていく。その翼が、立するものが、律するものが。部屋一面に、紅い落書き。~
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あぁ……勿体無い、こんなにたくさん床に零して……また咲夜に怒られてしまうわ。~
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あぁ、おいしい……こんなに美味いんだったら、もっと早く頂けばよかった。~
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残ったこれはどうしようかしら? ……そうね、メイドに頼んでやらせましょう。~
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ウフフフフ……これで私も寿命が延びたかしら? まぁ、元々長生きする種だけれど。~
私だけってのはずるいわね。折角だからフランにもあげましょう。きっと喜んでくれるわ……~
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 * * * * *~
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料理を手にフランの所に行くと、何だかフランの元気が無い。一体どうしたのだろうか? 心配だ。~
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遊び疲れたのか……そう尋ねると、フランは力無く首を振った。~
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あぁ、悲しまないで、私のフラン……あなたの悲しみは、私の苦しみなのだから……~
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ひとまず私は、手にしたお皿をフランの前に並べて、食事を促した。~
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空腹では力も出ないだろう……そう諭すと、フランも黙って食事に手を付けた。~
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そして、あっという間に平らげる。よほど美味かったのか……沈んでいたフランの表情に、僅かながら笑みが浮かぶ。~
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笑顔……フランの笑顔……久しぶりに私に向けられた笑顔に、私も堪らなく嬉しかった。~
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落ち着いた所で、何をそんなに落ち込んでいるのか問いただす。聞けば、最近あの魔法使いが遊びに来ない、との事。~
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フランったら……もしかして本気で言っているのだろうか? そうだとすれば、随分薄情なものだ。~
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まぁ、所詮その程度の付き合いだったという事なのだろう。私もほっと胸を撫で下ろす。~
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だがフランは、しつこく私に食い下がってきた。魔法使いの身に何かあったのではないか? 心配だ、探してきて欲しい……と。~
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これ以上悲しむフランの姿を見るのは、私も辛い。だから、指を差して教えてあげた。~
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「そこに、いるじゃない」~
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初めはぼぉっと、次に紅く、そして叩き付けられる暴威。凄まじい力が、密室に吹き荒れる。~
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どうしたの? 何を怒っているの? ずっと一緒に居たいって言ったでしょ? だから望む通りにしてあげたのに。~
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私が狂ってる? 何を言うの、それはあなたの方じゃない。だから私は、あなたの為にこの部屋を用意したのに。~
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フランの力が、私の右腕を吹き飛ばす。噴き出す鮮血が、紅く染まった壁面をさらに赤く染め上げていく。~
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何? またお絵描きしたいの? もう、しょうがない子ね。壁は絵でいっぱいで、隙間も殆ど無いのに。~
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フランの剣が、私の左腕を消し飛ばす。なぁに? まだ絵の具が足りないの? しょうがない妹ね。~
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だけど、あんまり我侭を言うのは良くないわね……姉として教えてあげなくちゃ。~
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暴れるフランに近付いて、首筋に牙を立てる。ドクドクと流れ込む血。あぁ……フランの血、美味しい……~
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私に吸血されて、大人しくなるフラン。私はフランの力を得て、両腕を再生する。ちょっと痛かったかしら。~
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その両腕で、ぐったりとしたフランを抱き締める。あぁ、可哀想……痛々しい姿。~
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でも、ここであえて厳しくするのが、この子の為になるの。厳しく接さなきゃ。おいたをした子にはお仕置きしないとね。~
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ウフフ……悪さをするのはこの腕かしら……? 私はフランの両腕を、力任せにもぎ取った。紅く染まる部屋。~
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ウフフ……暴れまわるのはこの脚かしら……? 私はフランの両足を、力任せにもぎ取った。紅く溜まる水溜。~
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耳障りな声を上げて、床をのたうち回るフラン。まるで芋虫みたい。~
いい? あんまり乱暴しちゃ駄目よ? 私はあなたのお姉さんなんだから、ちゃんと言う事を聞かないと。~
私も辛いんだから。こんな風にフランに折檻するのは。でも、みんなあなたの為なんだから。それは分かってくれるわよね?~
でないと、またこんな事を…………散らばる腕…………転がる脚…………~
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うで……? あし……? ちぎれて、飛んで、バラバラで……フラン……フランが…………~
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あああぁぁっ、誰、誰なの!? 私のフランにこんな酷い事を……!~
あぁ、何て可哀想なフラン……腕も脚も無くして、まるで蟲みたいに床を這いずり回って……~
許せない……私のフランをこんな目に遭わせて……! 絶対に見つけ出して、ぐちゃぐちゃにしてやる……!~
そうだ、フラン、大丈夫!? こんな姿になって、痛いでしょう? 辛いでしょう!?~
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抱きかかえたフランが、私の首筋に牙を立てる。そして弱々しく私の血を吸う。~
可愛いフラン……まるで乳飲み子みたいに私の血を吸って……すって……スッテ……~
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違う! 私のフランはこんな事しない! 私に乱暴したり、私に噛み付いたり……!~
じゃあ、この子は誰? 私の腕の中にいるこの子は、一体誰なの?~
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……そうか、偽者ね。そうよ、偽者に違いない……~
私のフランを騙るだなんて、絶対に許せない……死を持って償うがいいわ……!~
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紅い部屋。いるのは私一人。ここはフランの部屋の筈。なのに、誰もいない。~
どこ、どこなの? 私の可愛いフランはどこにいるの?~
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ドクン――――――――――~
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下腹部に強い力の胎動を感じる。この力、この感覚は……~
あぁ、こんな所にいたのねフラン! どうしてそんな所に……?~
待ってて、いまそこから出してあげる……!~
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お皿に置かれたナイフを手に取り、自分の腹に突き刺す。そして、一気に下に切り開く。~
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ぱっくりと口を開いたお腹に、手を突っ込む。どこ……? フラン、どこにいるの……?~
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中を掻き回し、まとわりつく余計なものを引き出す。だけど、どこにもフランはいない。見つからない。~
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フラン……~
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      フラン…………フラン………………~
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                    フラン……………………!!~
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フランはどこにもいない。こんなに探しても、見つけられない。~
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お願いフラン、出てきて頂戴……隠れてないで、お願いだから……!~
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べっとりと張り付く紅い絵の具。どす黒いチューブ。フランはいない。どこにもいない。~
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エノグ……? チューブ……? これは……ここにあるのは……この手にあるのは…………~
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「いやあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!」~
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フラン……~
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フラン……~
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どこにいるの……~
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どこに隠れてるの……~
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寂しいでしょ……~
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泣いてるんでしょう……~
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見つけてあげるから……~
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側に付いていてあげるから……~
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だから、教えて……~
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あなたはどこにいるの……~
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どこに……~
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どこ……~
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あ……みぃ~つけた……♪~
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-終-~
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ダークっつーよりグロだなこりゃ。~
こんなもんで勘弁して下さい_| ̄|○~
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最後の一文は、これを読んでいるあなたの事なんですけどね……~
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書いたの→marvs [アーヴ ◆arvsHiKSeA]

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