注意 お子様は読んじゃ駄目ですよ?
   それから大好きなキャラがあんな事やこんな事になるのが見ていて耐えられない人も見ないでね。






















「とうっ! はっ! せいっ!」

 白玉楼の広い庭に、鋭い掛け声。
 声の主…妖夢は、庭仕事に精を出していた。
 桜の木の、枝から枝を飛び回り、手にした二刀を振るう。
 すたん、と地面に降りると、少し送れて枝葉がぱらぱらと降ってきた。
 振り向き見上げれば、今しがた登っていた桜は、きれいに剪定されているのだった。

「…よし」

 そうして、次の桜へと翔け上がる。
 先代・妖忌の後を継いでもうどれくらいになるのだろうか。
 最初はおぼつかなかった剪定の技も、いつしかすっかり様になっていた。

 だが、ミスという物は、慣れてきたときに最も起こりやすい……







『妖夢の大失敗』






 また一本の桜を仕上げ、次の木へと飛び上がる。
 そして、伸びすぎている枝を払おうと楼観剣を抜き放った、その時。


 がこん!


(………がこん?)


 みょんな音と同時に、予想しない手応え。
 見れば、一本の大枝が、真ん中辺りで両断され、ゆっくりと離れる所だった。

(…!!!)

 妖夢の背中に戦慄が走った。


(じっ、時間よ止まれ、時間よ止まれ、時間よ止まれ……)






 精神を集中する。

 鍛えられた感覚は限界まで研ぎ澄まされ、相対的に、時間の流れが遅く感じられる。

 更に、精神を引き絞る。

 時の流れは極限まで遅くなり、全ての物体が、静止する……






 が、彼女にできるのはここまでだった。
 どこぞのメイド長と違って、覆水を盆に戻す事なぞできないのだ。

 ず…ん。

 重い音をたてて、大枝は地面に落下した。



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「あ…あ…どうしよう…どうしよう………」

 自分の胴回りほどもある枝を前に、妖夢は狼狽していた。
 これだけの大失敗は初めてだ。知れたらきっと、ただでは澄まないだろう。
 この時ばかりは、楼観剣の切れ味を呪った。

(な、なんとか…なんとかしないと…)

 ぐるりと辺りを見回す。
 どうもこの木は、幽々子のいつもの散歩コースからは見えづらい位置にあるようだった。

「……」


 結局、妖夢は大枝を細切れにして、落とした他の枝葉と一緒に、庭の片隅で燃やしてしまった。




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 長い長い階段の上にそびえる、白玉楼。
 二百由旬にも及ぶと形容される、その広大な庭に植わっている木のほとんどが、桜である。
 
 その庭を散策するのが、幽々子の日課だった。
 花に限らず、幽々子は桜をこよなく愛している。
 それは、桜と共に死に続けねばならない、その悲しい運命故か。
 勿論当の本人はそんな事はお構いなしで、とにもかくにも桜が大好きなのであった。


 …そう。少なくとも、大枝が一本消えているのに気付く程度には。
 


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「妖夢、ちょっといいかしら?」

 妖夢が部屋で読書をしていると、外から幽々子の声がした。

「は、はい、どうぞ」

 幽々子が部屋に入って来たが、妖夢は読書に集中しているふりをして、顔を合わせない様にしていた。
 しかし、幽々子は開口一番に言った。

「妖夢~、西の端の方の桜の枝、切っちゃったでしょ~?」

 びくぅ!
 心の動揺と共に、妖夢の身体が揺れる。実に分かり易い。

「切っちゃったでしょ~?」
 幽々子の顔は笑っていたが、こめかみには血管が浮いていた。
「いいいいいえいえいえいえいえっそそそそんなことわわわ」
 必死で誤魔化そうとする妖夢。が、同時に自分が嘘が下手であることも認識した。

「切・っ・ちゃ・っ・た・で・しょ?」
「…はい」

 認めるや否や、妖夢は畳に額をついた。

「もっ、申し訳ありません!!」



「…妖夢」
「はっ…」


 顔を上げると、幽々子がくいくいと手招きをしていた。

「あ、あの…」

 くいくい。

「…」

 くいくい。

 相変わらず顔だけ笑ってるのが不気味だが、今の妖夢に拒否権はない。
 妖夢は、幽々子の膝の上に腰を乗せて、うつ伏せに寝かされた。

 幽々子はスカートに手をかけると、下着ごと一気に引き摺り下ろした。
「ひっ?」
 露になったお尻めがけて、平手が飛ぶ。

 びたん!!

「いっ!」

 ぴしゃん! ばちん! べちん!

(うぅ…な、情けない…)

 
 次々と飛んでくる平手に、妖夢の白いお尻は、あっという間に真っ赤になっていった。



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 ばちん! びたん!

「くっ、うぅ…」

 何回叩かれたのか分からなくなった頃、妖夢は奇妙な感覚を覚えていた。
 叩かれるたび、お尻がむずむずするような感じ。
 最初は痛みで感覚が麻痺してきたのかと思ったが、違うらしい。
 一発叩かれる度に、次の一発を期待している自分が、いた。

 ぴしゃん!

「はぅ…」
(嘘……叩かれるの……気持ちいい…?)

 一度認識してしまうと、その感覚は一層強くなった。

 びしっ! ばしっ!

「んっ、くぁ…」


 ふと、幽々子の手が止まった。
「妖夢…ひょっとして、叩かれて感じてるの?」
「!! そ、そんな事…ないです…」
「それなら…」

 一瞬、言葉を止める。

「どうして、お尻をもじもじさせてるのかしら?」
「!!」
 言われて、やっと気がついた。
 妖夢は無意識の内に、お尻を小刻みに振っていたのだ。
 まるで、もっと叩いてくれ、と言わんばかりに。
「こ、これは…その…痛くて…」
「ふ~ん、それじゃ…」
 幽々子の口調が、明らかに嘲りへと変わる。
 その指がお尻の谷間を抜け、妖夢の大事な部分へと侵入した。

 くちゅ…

 明らかに、湿った音がした。
「どうして、アソコがこんなに濡れてるのかしら?」
「…っ!」
 かぁっと、顔が熱くなる。
「感じてるのね?」
 もう、言い逃れはできない。
「…はい」
「もっと、叩いて欲しい?」
「……はい…」
「なら、こう言ってごらんなさい。『妖夢はお尻ぺんぺんされて感じる変態です』ってね」
「……」
「言えないの?」
「よ…妖夢は…お尻ぺんぺんされて…感じる変態です…」
 恥ずかしい事を宣言させられ、妖夢の目から涙がこぼれた。羞恥で気が狂いそうになる。
「だから?」
「だ…だから…もっと叩いてくださいっ!」

 べちーん!

「ひぃぃっ!!」
 強烈な刺激に、妖夢の背中がのけぞる。
 今度はアソコも弄られながら、左右のお尻を交互に叩かれる。

 びたーん! びたーん! びたーん!

「あぁぁぁっ! ゆゆこさまっ、わたひっ、もう、だめぇ!!」
「イくのね? お尻ぺんぺんされてイっちゃうのね?」
「はっ、はいぃ! イきますぅ!!」
「イっちゃいなさい! それ!!」

 ぐにゅっ! ぴしゃーん!!

「っ!! あーーーーーーーーーっ!!!」




 妖夢はがくんと大きく跳ねると、力なく横たわった。
 目はぼんやりと虚空を見つめ、口の端からは涎を垂らしている。

 ふと、幽々子は着物が温かく湿って来るのに気が付いた。
 見れば、妖夢の股間からちょろちょろと小水が溢れている。
「あらら、妖夢ってば、お漏らし?」
「ふぇ…?! あっ、い、いやぁ…」
 どうやら本人は気付いていなかったらしい。
「主人の膝の上で粗相なんて…もう少しお仕置きが必要ね」
「ひっ! もう、もう堪忍してください…!!」





 べちーん!!



 小気味良い音が、白玉楼に響き渡った。



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(…情けない)

 布団の上、うつ伏せに寝ている妖夢。
 頭と、お尻の上には大きな氷嚢。
 そして…

「ふぇぇぇぇん、ごめんなさい、ごめんなさい妖夢ぅ…」

 ずっと泣いてばかりの幽々子。


 あの後、幽々子にしばかれ過ぎたお尻が熱を出し、そのせいで妖夢は寝込むはめになったのだった。


「ですから、もう気にしないでくださいって。元はといえば私が悪いんですから」
「で、でも、でも…ふぇぇぇ」
「はぁ…」


(…情けない…)


 …修行が、足りない。
 …もっと、もっと修行を積まなくては。
 …幽々子様を守れるように。
 …つまらない失敗をしないように。
 …つまらない失敗が元で、幽々子様を泣かせないように。

 …私は。
 …こんなにも、愛されているのだから…



 妖夢は瞼を閉じると、安らかな眠りへと落ちて行った。



 おしまい

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 あとがき

 最後まで読んでくれた人、妖夢はMだと思うのですよ。
 本文読まずにあとがきだけ読んでる人、当然、服のサイズの話ですよ?

 そんな訳で、お仕置きです。いいですよね、お仕置き。
 そんな訳で、お尻ぺんぺんです。いいですよね、お尻ぺんぺん。

 相変わらずえいやっしょー体験版は起動してくれません。誰か助けて…




 書いた人:達磨源氏


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