『Missing Link』第6話
夜とは言え、二人がいるのは縁側。建物の中とは言い難い。
言うまでもなく外からは丸見え、こんな時間に外を出歩く者は人間も妖怪も少ないが、万が一見つかったらどうしようという気持ちが少なからずある。
だが、今の二人にとってはそれさえも一種のスパイスとなっていた。
『誰かに見つかるかも知れない』という恐れがスリルとなり、酒がそれを興奮へと昇華する。
そうでなくても、酒が入った二人が理性的な判断を下すのは難しいように思えた。
か細い月明かりに照らされ、佇む二人。酒のせいか照れがまだある為か、その顔はほのかに赤味を帯びている。
既に二人は布切れ一枚も体につけていない。吹きぬけるそよ風が熱くなった体を優しく撫で上げる。
「いつ見てもきれいよね、魔理沙の身体・・・・・まるで人間じゃないみたい、天使か妖精みたい・・・・」
ただでさえ色白な魔理沙の肌。月明かりの下で白く輝いている。
これで背中に作り物の翼でもつけてやれば、天使と偽っても通じてしまうだろう。
要するに、今の魔理沙はそういう神々しい美しさを放っていたのだ。
「キレイって・・・・・アリスにも言われたわ」
「本当にきれいよ魔理沙。すごく・・・・・・羨ましい」
「・・・あ・・・・・・・」
魔理沙を木の床にゆっくり寝かせ、再び唇と唇でキス。そして、膨らみかけの小さな胸にも唇を落とす。
「あんっ・・・あ、霊夢・・・・・」
「大好き、魔理沙・・・・・・・」
「あっ・・・・・・」
その後は、霊夢の執拗なまでのキス、キス、キス。
唇に、頬に、首筋に、肩に、胸に。ついばむように、これでもかと言うくらいキスの雨を落とす。
魔理沙の白い肌には赤い跡が残り、霊夢のキスの激しさを物語る。そして、霊夢のキスがだんだん下へと下がっていく。
「あは・・・・くすぐったいよ、霊夢・・・・・・・・」
「まだまだよ・・・・・まだこんな物じゃ済まないんだから」
「・・・・・霊夢・・・・・・・・・・・・」
「大丈夫・・・・・絶対に痛くしたりなんかしないから」
胸から鳩尾、腹、腰・・・・・・そして、キスの雨は太腿にまで達した。
柔らかい内股に舌先を這わせ、舐め取るように肌を撫でる。敢えて魔理沙の秘壷には触れず、愛撫するのはその周りだけ。
「柔らかいね・・・魔理沙・・・・・・・」
「ふあっ・・・・霊夢・・・・・・・・」
「食べちゃいたいくらい・・・・・・・」
「駄目ぇ・・・・あ・・・・・・じ、焦らさないでよぉ・・・・・」
「ウフフ・・・・・・いっぱい焦らした方が気持ちよくなれるのよ」
「ほ、ホントに・・・・・・?」
「本当よ。それに・・・・・・・・・・・・・」
魔理沙の脚を大きく開き、やはり同じように露になった秘壷の周りだけを舌先でくすぐる。
「あぁっ・・・・・・!」
「夜はまだ長いんだから・・・・・・いっぱい楽しみましょ」
月明かりを総身に受け、霊夢の表情はいよいよ妖しい艶を帯びはじめた。
霊夢の愛撫は執拗なまでに続いた。
舌で舌を弄び、小さな胸の小さな突起を指で転がし、白い内股を指でくすぐる。
まるで楽しむというより、魔理沙が魔理沙である事を確かめるかのように。魔理沙と一つになろうとするかのように。
魔理沙と身体を擦り合わせ、その感触に酔い、それでも秘壷には指一本として触れようとしない。
「んんっ・・・!・・・・・れ、霊夢ぅ・・・・・・・・」
執拗な愛撫に耐えかね、魔理沙が懇願の声を上げる。
その声は弱々しく、切なく、そして甘く。霊夢への期待を込めて甘い声で呟く。
「霊夢ばかり・・ズルいよぉ・・・・・・・それに、私の・・・・・アソコ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・そうね。もうこんなに・・・・・・・・」
ぎこちない手つきで己の陰部に指を添える。霊夢の愛撫によって、桜色の秘壷は誰も触れる事なく仄かな湿り気を帯びている。
そこへ霊夢も、ようやく魔理沙の秘壷に指を添えた。二人の指が絡まり、秘壷に触れ、艶やかな糸を引く。
ついに霊夢に触れられた事で早くも感極まったか、魔理沙の目から一筋の涙がこぼれ落ちる。この涙の意味する所は言うまでもない。
「んぁぁっ・・・・」
「触ってもいないのにもう濡れてる・・・・・魔理沙ってエッチなのよね」
「そっ・・・そんな事言わないでよぉ・・・・・・・・・!」
「・・・・・だけどね、私はそんな魔理沙が大好き」
言いつつ、魔理沙の淫液が付いた指を魔理沙の口へ持っていく。魔理沙は拒む事もせず、差し出された指を口に頬張る。
その様子を見て、霊夢がニッコリと笑みを浮かべる。
「んむっ・・・・あく・・・・・」
「いつもは意地張ってるくせに、こういう時になると可愛くなっちゃう・・・・・・変わってないわね、魔理沙」
「あ・・・れ、霊夢・・・・・・・?」
「記憶がなくなっても・・・・・喋り方が変わっても・・・・・あんたはちっとも変わってない・・・・・・・だから、私は魔理沙が好き」
霊夢の両腕が、魔理沙を優しく包み込んだ。触れ合う肌と肌、暖かい感触。
とても懐かしい、愛する人の抱き心地・・・・・・
「・・・・・・霊夢・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今度は、魔理沙も一緒にね・・・・・・・・・・」
魔理沙を抱きしめながらも片方の手を下に伸ばし、魔理沙の腰に探りを入れる霊夢。
そして、探していた『モノ』に指が触れた。
「ひぁぁっ!?」
『そこ』に指が触れた瞬間、霊夢に抱かれながら魔理沙の身体が暴れた。魔理沙の秘壷を霊夢が撫で上げたのだ。
ただでさえ女性は全身が性感帯と言うほど、刺激に対して敏感である。今の魔理沙は全身を徹底的に弄られ、舐られ、
全身の感度が高まっているのだ。その挙句、最も敏感な場所に刺激を受ければどうなるか・・・答えは明らかだ。
「ね?いっぱい焦らしたから気持ちいいでしょ?」
「んっ・・・・き、気持ちいい・・・・・・・」
「魔理沙を見てたら・・・・見てるだけで私まで気持ちよくなってきちゃった・・・・・ほら」
魔理沙の手を取り、自らの股間へと導く。
くちゅ、と小さな音を立て、押し付けられた指先が霊夢の秘壷に飲み込まれていく。
「あっ・・・・・・・ね、分かるでしょ?」
「う、うん・・・・・霊夢のアソコ、もう濡れてる・・・・・・・」
「私も魔理沙と同じ・・・・いつも魔理沙の事を考えてる、とてもエッチなの」
「・・・・・・・・ふぁっ」
「魔理沙も・・・・・そろそろしたいでしょ?」
「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅ、うん・・・・・・・」
―――いつもの魔理沙も、恥ずかしがるとこんな風に大人しくなっちゃったなぁ・・・・・・・
顔を真っ赤にして頷く魔理沙。今の『魔理沙』の姿が、いつもの『魔理沙』とダブる。
もっとも本人だから当然なのだが、いつもと全く同じ反応を見せる彼女を見て霊夢の表情が綻ぶ。
さっき言ったように、記憶がなくなろうとも喋り方が変わろうとも魔理沙は魔理沙、その本質は変わっていないのだ。
そして、たった今それを目の当たりにした・・・・・何だかいつもの魔理沙に戻ったような感じがして、霊夢の表情は綻びを通り越して笑みがこぼれていた。
「じゃあ・・・・・二人で一緒に気持ちよくなろ?」
「う・・・・・・うん・・・・・・・・・あっ!?」
霊夢は魔理沙の返事を待たなかった。腰と腰とを密着させ、魔理沙の片脚を抱え込む。
ノーガードの魔理沙の秘所に自らの秘所を重ね、まるで下の口どうしでキスをするように腰を擦り動かす。
「うぅぅっ・・・・・・・・・!」
「んっ・・・・・ほ、ほら魔理沙・・・・・・私と魔理沙のアソコがキスしてる・・・・・・・・・・」
「ゃぁ・・・・くす・・ぐったいよ、霊夢・・・・・」
「もっと気持ちよくしてあげる・・・・・・」
「うぐっ・・・・・!れ、霊夢っ・・・・動かないで・・・・・・・す・・・すごっ・・・・・・・・・!」
霊夢が腰を擦り付けるたびに摩擦感が魔理沙を責め立て、秘壷の奥から淫液を滲ませる。
それが二人の間で擦れ、絡み、音を立て、月の光を妖しく照り返す。
お互いの最も敏感な部分―――クリトリスが触れ合うたびに電流にも似た刺激が全身を駆け巡り、声と表情で反応を返す。
その声を聞いてしまい、その表情を見てしまい、心をどんどん昂らせ・・・・・・・・
二人は、二人の為に一つになろうとしていた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・・・魔理沙・・・・・ほら、魔理沙のアソコ・・・・うんっ・・・・いやらしい音立ててる・・・・・・」
「あぁ・・・・・・れ、霊夢だって・・・・・・・・あんっ!」
「・・・・魔理沙、もう我慢できないでしょ・・・・・・・・?もうおかしくなっちゃいそうでしょ・・・・・・・?」
「・・・・・・・ぅん・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ずっと弄りまくったもんね・・・・・・じゃあそろそろ・・・・」
「れ、れい、む・・・・?・・・・・あはぁ!くぅぅぅぅぅんっ!」
霊夢の挙動が大きく、そして激しくなった。
キスするようにくっ付き合っていた二人の秘所も激しく擦れ合い、グチュグチュと大きな音を立ててお互いを責め合う。
その中で、魔理沙はほとんど泣き顔で霊夢にすがり付こうとしていた。このままだと意識を魂ごと持っていかれそう、
ならばせめて霊夢と一緒に堕ちたい。または霊夢と一緒に天まで登りつめたい―――――
意識と無意識の狭間で、魔理沙は霊夢の名を叫んでいた。
「うぁぁぁっ!霊夢!霊夢!霊夢ぅっ!私イッちゃう!だから霊夢も、霊夢もッ・・・・・私と一緒にイッてぇぇぇぇっ!」
「魔理沙・・・・・・・私も・・・・ふぅん・・・・も、もうイッちゃうっ・・・・・!・・・・魔理沙とぉ・・・・一緒にっ・・・・・・!!」
「霊夢ぅぅっ!私大好き、霊夢の事大好き!大好き、だからぁ・・・・・・・・・・」
必死に霊夢にしがみ付こうとする魔理沙。それを見て、霊夢の中に猛烈な愛しさが芽生えだす。
―――魔理沙の気持ちに応えたい。
―――純白の気持ちを汚したくない。
その想い一つで、霊夢は重くなってきた腰を一心不乱に振る。振る。振る。
息が切れるほど激しく動き、少しでも気を緩めれば先に達してしまいそうなのを耐え。
「イクよ魔理沙・・・・私たち一緒に・・・・・・・・だよ・・・・・・・・・・・・・」
「霊夢・・・・・っあぁぁぁぁんっ!もっ!もうダメ!イク、イク、イッちゃ・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・・」
「イクよ・・・・イクよ、イクよ、イっ・・・・・!・・・・・・あ・・・・・あぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・!!」
『あああああああぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!』
裸のまま、縁側で大の字になる二人。もう『誰かに見られたら』などという心配はしていない。
同じ場所であれだけ乱れまくった後である、いまさら外部の目など気にする必要などないのだ。
「ねぇ、魔理沙・・・・・・・・」
大の字になったまま、顔だけ横に向けて魔理沙を覗き込む。
隣の魔理沙も、顔だけ霊夢の方に向き直してきた。
「魔理沙の記憶が戻ったら・・・・・・もっと、色んな事できるよ・・・・・」
「色んな・・・・・?」
「そう。魔理沙しか知らない事、魔理沙にしかできない事・・・・」
「私にしか、できない・・・・・・・・?」
「今の私には魔理沙と一緒にいる事しかできないけど・・・・・頑張ってね、魔理沙・・・・・・・」
「・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・ほらほら、泣かないの。アリスに笑われちゃうわよ」
「あ・・・・・そ、そうだよね・・・・笑われたら恥ずかしいもんね・・・・・・」
「そう、それ!いつも笑顔でいてこその魔理沙なんだから」
「アハハ・・・・・・・ありがとう、霊夢・・・・・・・・・・・・」
自然とつながる手と手。こぼれる笑顔。
霊夢と魔理沙とアリス、もう三人で一緒。きっとこの絆は離れない。
二人を照らす月の穏やかな光が、まるで二人を祝福しているように見えた。
そしてそんな光の下、二人は夜が白むまでずっと離れずに手を取り合って至福の時を過ごしていた。
後日。
(非常に珍しい事に)アリスが博麗神社を訪れた。今までアリスの方から神社に来た事は霊夢の記憶にはない。
つまり、それだけ珍しいという事だ。言い換えれば史上初の珍事という事でもある。
「ずいぶん珍しいお客様ね」
「・・・・まあ、あんたにしか頼めない事だし」
「ふぅん・・・・・・魔理沙絡み?」
「・・・・・・霊夢に隠し事はできそうにないわね」
アリスの表情に喜びと憂いの色が混じる。
霊夢なら分かってもらえると思い嬉しいのだろう。しかしその一方で、何か別の理由で寂しいのだろう。
・・・・・・・・・・・・・・
何度かの深呼吸の後、ようやくアリスは言葉を続けた。
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