Heaven


"How do you go to heaven?"

その日、私はいつもと変わらず、紅魔館の図書館で本を読みふけっていた。
だがその日、図書館の司書の様子は何かがおかしかった。
何か照れくさそうに、私と目線を合わせるの意図的に避けている。

どうやら昼も半分を回ったらしい。先ほどメイド長が巡回にきた。
今日も居るのね、と半分ため息混じりに言う彼女の手元のお盆には、
しかし分かりきっていたかのようにティーカップが2つあった。
2つのカップにアフタヌーンティーを淹れると、彼女はまた仕事に戻っていった。

彼女の淹れる紅茶は最高である。これ以上という紅茶を、私は飲んだことがない。
司書が、メイド長の淹れた紅茶を私の元に持ってくる。
私は紅茶の香りを堪能しながら、再び図書館の魔術書に目を通す。
…ここまではいつもと変わらない風景だった。

そして匂いの堪能を終えた私は、目線を本に置いたまま紅茶を口にする。
その時、司書が口を開いた。今日だけで言うなら、来た時の挨拶以来始めて出した声だった。
「ねぇ、天国にいく方法、知ってる?」

そう、この紅茶を口にする瞬間までは、何時もと変わらない風景だったのだ。



"How do you enter a rainbow?"

虹が見えた、ような、気がした。

いや、私は本を読んでいたはずだ、そう冷静に思い起こす。
だが、私がそう気づいた時、その場所は図書館ではなかった。

「やっとお目覚めかしら。」
ギリギリ聞き取れたその声の主は司書だった。
まだ記憶がハッキリしない、一体私の身に何が起こったのか。

「ねぇ、天国にいく方法、知ってる?」
彼女が尋ねてきた言葉を、私はさっきも聞いた。
さっきも聞いた…そうだ、私は全てを思い出した。
図書館で紅茶を口にする瞬間までの事を。
そして、やっと現状を把握できる程度の能力を取り戻す。

ここはベッドの上だ、私は丁寧に寝かしつけられていたらしい。
そして私は下着姿になっている、急に倒れたものだから身体を圧迫する服を取ったのか…
いや違う、それならば彼女が下着姿である必要は無い。
そして彼女は顔を紅く染めながら、ゆっくりと、言った。
「私が、天国へ連れて行ってあげるわ。」

…OK、勘弁してくれ。



"Can you hear the voices of the angels?"

(ねちょねちょ。ご想像にお任せします。)

「何かしら、この天使のような声は。」
屋敷を掃除しつつ見まわっていたメイド長は、幸か不幸かその声を聞いてしまった。
と言っても遠巻きに声が聞こえただけであり、何が起こっているのかまでは分からない。
声のする部屋へ向かった彼女は…
「…家政婦は見なかった。メイドだけど。
全く、ドアも開けっ放しで何やっていることやら。」
何も見なかったことにして、足早にその場を去った。
「全くお盛んなネズミだわねぇ…」



"Can you take me on a rainbow ride?"

(ねちょねちょ。再びご想像にお任せします。騎乗位=ride)



"Chill out"

我に帰った私。少々腰が痛い。
窓の外は、軽く紅がかっている。やばい、朝帰りだ。
まぁ、一人暮らしだし、家に何かあるわけでもないので私は別に問題ないのだが。
そして司書も、私とほぼ同時…若干私に遅れて気がついたようだ。

「ん…私…」
何か様子が違う。いや、いつもの、司書だった。
間を置くこと十数秒。頭の切れる彼女も、寝起きではやはり回転が鈍るらしい。
その少々長い沈黙を破って発せられた言葉。

「ごめんね…私のこと嫌いになった?」
…そして話は続いた。
図書館で見つけてしまった一冊の本、記されていたのはいわゆる「惚れ薬」。
ちょっとした悪戯のつもりで軽い効果の薬の調合を始めたこと。
そして調合中に自分が中てられてしまったこと(彼女が精霊魔法は上手いけど薬の調合が下手なことは、私だって知っている)。

そんなことは無い、別に私だって彼女が嫌いな訳ではない。
まぁ、あまり裸でお付き合いしたくないのは間違いないのだが。
好きの表現の形はナニだったが、不思議と悪い気はしなかった。


帰りの玄関口、メイド長に出会った。
「さくやは おたのしみ でしたね」
…棒読みだ。とりあえずはぐらかしておく。
「あー、それはお前の名前だろう?」
「言っとくけど、あんなに声出してたら筒抜けよ。」
ばれてーら。ばってらは大阪の名物の鯖寿司だ、って関係無い。

「…頼むから他のやつらには内緒にしといてくれ。」
「口止め料は高いわよ。身体で払ってもらってもいいけど。」
「なんだ、お前も一緒にさんk」
次の瞬間、口の中にはハタキが入っていた。
どうやら時をとめてハタキを放り投げたらしい。
「かs…ゲフゲフ、それ卑怯だぜ。」
「はいはい。そっちの意味じゃないから。」
「大体、私だって好きでしたんじゃないぜ。」
「…それはまぁそういうことにしておいてあげるけど、貸しは貸しよ。」
ああ、嫌な奴に貸しを作ってしまった。

ところで、件の薬の生成方法がかかれた本は今手元にある。
私もちょっと悪戯で調合してちょちょいっと撒いてみたいと思ったのだ。
このあたりは司書の気持ちも分かる。

さて、今日はどう無駄に楽しく魔法を活用しようかな。

(多分続かない)


はじめて~の~ネチョ~ きみとネチョ~♪
…ごめんなさいごめんなさい。ヘタレでごめんなさい。
むしろうまれてきてごめんなさい。

タイトルとか各章立ては完全に由来があります。ウェーー(OMO)ーーーイ
まぁ、元ネタというレベルでもなく、俺がこじつけただけですがウェ-イ
ちなみに、由来が分かったとしても何もでませんウェーイ
なお、"chill out"で落ち着く、頭を冷やすという意味。むしろおれが餅突けウェーイ

初めてなので、基本に忠実に。
4つの区切りと、起承転結。
結の意味間違ってて本当の意味の結にあたるのが"chill out"だったりするんだが…

そして、基本に忠実にしながらも、自分らしさを散りばめてみる。
…散りばめたところで、ネチョ部分は全くのど素人なので
既存の文章から学んでたりして書くしかなかったので
かなり似通ってるわけなんですがね orz

かいたひと:紅 亜明(Hong a-ming)


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2301d)