コンコン

雨の降りしきる魔法の森に、扉を叩く音が響く。

ガチャッという音と共に扉が開かれ、家主であるアリスが顔をだす。

「れ、霊夢…こんな時間にどうしたの?って…びしょ濡れじゃない!」
「はぁ~、ツイてないわ。突然雨が降るんだもん…」
「と、とりあえずあがって!そんなんじゃ風邪引いちゃうわ」
「ありがと、アリス…。あがらせてもらうわね」




その日、霊夢は山菜をとりに出かけていた。
ところが採取に夢中になってしまい、雲の流れに注意を払えず、気がつけば空一面鉛色の雲がひしめいていた。
ついに降り始め、急いで引き返したが、途中この魔法の森を経由せねばならなかった。
森の足場は予想以上に悪く、更に悪いことに雨が本格的に強くなってきたため、途方にくれていた。
そんな時に、この森の住人のことを思い出し、アリスの家を訪ねたのだった。





「助かった~。ごめんね、突然。」
「そ、そんな…気にしないで。それより、き、着替えを持ってきたから…その…」
「どうしたのよ?何か変よ?アリス」
「い、いいから着替てよ。風邪引かないうちにね」

何を慌てているのだろうか。
アリスは目を泳がせながら着替えを霊夢に渡した。

「変なアリスね……」

言いながらも、流石にこの格好のままでいるのはまずいと思い、一緒に手渡されたタオルで手早く体を拭くと着替え始めた。
アリスは相変わらず落ち着かない様子で、頬を赤らめながら俯いていた。

「助かった~。あ、サイズ結構ぴったりかも」
(れ、霊夢が…私の前で着替えてる…)
「ねぇ、濡れたほうの服はどこに置いたらいい?」
(れ、霊夢が…人形の服を着てる…)
「アリス?おーい?」

ひらひらとアリスの前に霊夢の手が踊る。アリスはハッと我に返り慌てて答える。

「え、えと…その棚に入れといて」
「わかったわ」

どうにもアリスの様子が腑に落ちなかったが、言われたとおりに傍の棚に服を入れる。
ふと、視線を窓に移すと、外はひどい大雨のようだった。

「こりゃ、一晩降り続きそうね……。申し訳ないけど、今晩泊めてもらっていい?」
(えぇぇぇぇぇ!霊夢が……うちに…!)
「う、うん!もちろん!」
「ど、どうも…」

頭に「?」を浮かべながら廊下を歩く。

「私はお茶を淹れてくるから、そっちの部屋に入って待ってて。」
「ん、そうさせてもらうわ」

言われたとおり部屋に入り手近な椅子に腰掛けると、改めてまわりを見渡してみた。

(何ていうか…本と人形だらけね…)

苦笑しながら、思った。
確かに部屋の中には、本棚やベッドの上などいたるところに人形があった。
本棚には、魔理沙あたりに言わせれば喉から手が出るほど欲しいであろうグリモワールやそれに準ずる類の本が並んでいる。
机の上にも何冊か本が積まれてあり、それらが実際に読まれていることを物語っていた。
その机に積まれた本に紛れて、一際異彩を放つ本があった。

(なんだろこの本…ずいぶんシンプルな装丁だけど…なになに…『日記』?)

パラッと本をめくる。







○月△日 

最近、霊夢のことがすごく気になる…。
霊夢を見ていると胸がドキドキして止まらない。
霊夢は、私のことどう思ってるのかな……。
霊夢も私のこと好きだったら…いいな…。






(……ッ!!)

衝撃だった。確かめるように本のカバーを見ると、そこにはアリス・マーガトロイドの文字があった。
突き動かされるようにページをめくる。






○月□日

最近、霊夢の目を見て話せなくなってきた。
まっすぐ見てるとすぐに舞い上がってしまう。
ごめんね、霊夢。嫌いになったんじゃないの…。
好きだから…目を見て話せないの…。






ガシャン!
突然、何か割れる音がして霊夢は我に返った。
部屋の入り口には驚愕の表情でアリスが立っており、その足元には割れたティーカップと湯気を湛えるお茶が散らばっていた。

「あ……ああ……霊夢…それ…」
「アリス……これ……」
「う…うぅ……うっ……うっ……」

じわっとアリスが涙ぐんでいる。

「…うぅ……ひっく……」
「ふーん…アリス……あなた……」
「ぅ……うっ…ぐすっ…」

霊夢には、外の雨の音よりも鮮明にアリスの嗚咽の声が聞こえていた。
何故か口の端が上がり、言葉を繋げる。

「私のこと好きなの?」

ぶるぶると肩を震わせながら、アリスが首を縦に振る。

「ふーん…そうなの……」

霊夢は淡白に感想を述べた。
アリスは目を瞑って跪き、体を震わせている。

「アリス……」

突如アリスに拘束感が伝わってくる。
霊夢がアリスの背後にまわって、抱きしめていた。

「……霊夢?」

突然のことに戸惑うアリス。

霊夢は背後から顔をだし、見せつけるように冷淡に笑って見せた。

「れ、霊夢……」
「さ、続きを読まなきゃね…」

悪戯っぽく笑うと、霊夢は片手で日記のページをめくる。

「○月▲日
 
 霊夢はどんな子が好きなのかな?
 私みたいな貧相な体つきじゃ嫌いなのかな…。
 困ったな…霊夢に嫌われたくないよ、もう少し私の胸大きくならないかなぁ。
 好きな人に揉んでもらうと大きくなるって魔理沙が言ってたけどホントかな?
 霊夢が私の胸、揉んでくれたらなぁ……。」
「いやっ、読まないでぇ……」
「ふふふ、日記でお願いされちゃねぇ……」

アリスを放さないようにしながら、霊夢はアリスの胸を乱暴に揉み始めた。

「あうっ!……んっ……痛いよ霊夢っ…」
「こうして欲しかったんでしょ?日記に書いてるじゃない」
「……ぅぅっ……」

背後からアリスの胸を揉みながら、首筋に歯を立てる。
そのたびに微細な痛みが走り、アリスはぞくぞくっと蠕動した。

「さ、次はどんなことが書かれてるのかしら…?」
「も……もう、読まないでぇ……おねがいっ……」
「恥ずかしいの?残念ね、私はそんな恥ずかしがるアリスが見たいの……」
「……ぃゃぁ……」

アリスの秘密を握ったという征服感に、ついつい嗜虐心が働いてしまう霊夢。
ページをめくり、今度は良く聞こえるようにねっとりと耳元で読み上げる。

「○月■日
 
 霊夢のことを考えるだけで、切なくなってくる…。
 霊夢とキスすることを考えるだけで、お股が熱くなってきちゃう…。
 好きな人がいる子はみんなこうなのかな……。
 それとも私だけがこんなにえっちなのかな……。
 霊夢ごめんね、ごめんね霊夢。えっちなアリスを許して……。
 霊夢のことを考えながらオナニーするアリスを許して…。」
「いやぁ……読まないでぇ……」
「ふーん、アリスったら、私のこと考えてあそこを弄ってたんだ?」
「うっ……ひっく……ごめんなさい…霊夢…うぅっ…」
「最低ね…」

霊夢は片手で胸を揉みながら、もう片方の手をアリスのスカートの中に差し入れる。
指で秘所をなぞってみると、びくっとアリスの体が跳ね、僅かに愛液が染み出してきた。

「もう濡れてる……」
「あ……ぁぁぁ……」
「アリスは淫乱ね……」
「……ぅぅぅ……ぐすっ……すんっ……」

霊夢はとめどなく溢れるアリスの涙を舐めとり、そのままアリスの唇を塞ぐ。
乱暴に舌を差し入れ、アリスの口内を蹂躙した。

「ちゅっ……ちゅっ……れろ…」
「……んんんっ!……んんっ!」

霊夢はキスをしつつも愛撫をやめない。アリスは時折襲ってくる快感に身を震わせながら涙を流した。

「ちゅっ……ぷぁ……」

唇を離すと、霊夢とアリスの舌を繋ぐ唾液の橋が架かっていた。

「アリス、ずっとこうしたかったの?」
「……うっ……うっ……」
「……私はね……魔理沙のことが好きなのよ」
「……えっ?」
「つまり、あなたの片想いってことよ」

アリスは涙が止まらなかった。ずっと好きだった霊夢に、目の前で他の人が好き、と告げられたのがたまらなく悲しかった。
絶望感の中、背後から抱きしめている霊夢の体温を感じていると、何か熱いものがあたっているのに気づいた。

「あ……何か背中に……熱いものが……」
「あら、アリスの体を触ってたら私も興奮してきたみたい…」
「え?」
「半陰陽って言ってね、まぁ……早い話がついてるのよ、私」
「何が?」
「要領を得ないわね、ペニスよ」

霊夢はすっと立ち上がり服を脱ぐと、確かに股には男性器がついていた。それもしっかりと天を仰いでいる。
さっき着替えてたときは、恥ずかしくて目を逸らしていたため気づかなかった。

「あ……霊夢のおちんちん……」
「アリスのせいでこんなになっちゃったし、鎮めてもらわないと…ねぇ?」
「い…いやぁ…」

がばっと霊夢はアリスを組み敷く。そのまま床に倒れこんだ。

「その様子じゃ、アリス、初めてね?」
「ぅぅっ……」
「アリスは私をオナペットにしてたんだし、いいよね?」
「…ぅぅぅ…いやぁ……」
「やめてもいいけど、明日からこの日記を持ってみんなに言いふらそうかしらね、『アリスはオナニー中毒の淫乱娘です』って」

アリスの絶望した表情を見て、完全に征服したことを確信し、まだ良く濡れてない秘所に自分自身を宛がう。

「…いやぁ…お願い…許して…」
「ふふ、いただきます」

霊夢はアリスの口を手で覆うと、一気に腰を沈めた。

「ふぐっ!んんんんっ…!んーーー!」
「あらアリス、大丈夫?」

答える余裕もないのか首をぶんぶんと横に振る。霊夢は気にも留めず動き出す。

「うーっ!んんっ!ふぅぅうぅぅ!」

涙を溜めて痛みを堪えながら、アリスは絨毯をぎゅっと握り締めた。

「なかなかいい締りよ、アリス」

笑いながら霊夢は結合部を見ると、そこには痛々しい破瓜の証が伝っていた。
思えば、今日はアリスを泣かせてばかりいるような気がして、嬉しくなってきた。

「アリス、今日はずっと泣いてばかりね」
「…うっ…うっ…」
「その表情、たまらないわ」

征服感に満たされ、腰の動きを早める。

「うんっ!……あぅっ!……あぅっ!……あんっ!……はぁ…はぁ…」

突き上げるたびに、アリスの体が跳ねる。

「……ぅっ…ふぐっ……ひぅ……」
「アリス、いいこと教えてあげる」
「…ひぐっ……?」
「このおちんちん、本物なの。これがどういうことか分かるわよね?」

その意味を理解したアリスの目が見開く。

「いやぁっ!やめてぇぇぇ!」

どくっどくっどくっ……
アリスの叫びを聞くと同時に、霊夢は一際深く腰を沈めると一番深いところで射精した。

「……ぁ……ぁぁぁ……中に……出て……」

アリスは弓なりに体を反り、胎内に吐き出される熱いほとばしりを感じた。

「どんな子が生まれるのか楽しみね」
「………」
「これからもよろしくね……アリス」
「これから……ずっと……」

霊夢の言葉を反芻しながら、アリスは深いまどろみに包まれていった……。






○月×日

やっと霊夢と一つになれた。
霊夢はずっと一緒って言ってくれた。
嬉しい…すごく、嬉しい…。
これからもずっと霊夢のことが好きでいられるのが嬉しい…。
これからは霊夢も好きでいてくれるのが嬉しい…。
だから、この日記は今日でおしまい。
霊夢、幸せにしてね……。






朝日の見えぬ魔法の森。木々の隙間から覗く空は、一面、鉛色に染まっていた。





おしまい







<あとがき>

アリスって、どうして絶望が似合うんでしょうね(´ω`)b




魔理沙のお話書いたら無性に書きたくなって書いてしまいました。





文とか流用ですみませんorz





またネタが浮かんだら書いてみたいと思います。


書いた人:ライブ


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2273d)