お久しぶりです。ようやく愛がたまってきました。
前回と前々回の続き、一度止まっていた、「アリスの復讐 〜霊夢編〜」を
最初のコンセプトとして書き始めましたが、なんだか途中から
復讐とは方向性が変わったので急遽改題したものです。

それではお楽しみください。












 お天道様が空を上りきり、ようやく下り始めた頃、アリスは霊夢の居宅を訪れていた。

「——珍しいわね。あんた一人?」

 魔理沙の不在を不思議がっているのであろう。いままで何度も霧雨邸や博麗神社に魔理沙と共に三人で泊まったことはあったが、確かにアリスひとりで博麗神社を訪れるのは初めてであり、霊夢と二人きりになるのもこれが初めてだった。
 魔理沙は今頃は自宅で眠りこけているはずである。アリス自身もほとんど寝ていないが、アリスはもともと睡眠時間が少ない性質なので、あまり影響は無い。

「あら、私だけじゃ不満? 甘いお菓子の分量を減らしたいって言うなら、魔理沙も呼んでくるけど」

 手にぶら下げた袋をかざして言う。中身は特製のシュークリームであった。このために、わざわざアリスは朝になっても眠らず、午前中いっぱいをかけて製作したのである。

「いーえ、不満なんかないわ。丁度巡回に行こうと思ったところだったのよ。あんたも行く?」
「ご一緒させてもらうわ」



 二人で空を飛ぶ。
 巡回というのは方便というわけでもないらしく、神社の周りを放射円状に、低く。
 霊夢の姿を見ると、大抵の妖怪は引っ込んだり、離れていった。ときたまやたら社交的な妖怪もいて、挨拶してきたり寄って来る妖怪もいたが、霊夢はただ

「あんまり暴れないでよ」

と素っ気無い返事をして、追っ払ってしまった。妖怪もそれ以上は何も言わず、寂しそうに去っていった。

「……ずいぶんと冷たいのね」
「……別に」

 アリスの言葉にも、素っ気無く呟くだけであった。





 魔法の森は人間の手がまったく入っていないので、ときたまやたらと背の高い木がある。
 その中でも一番高く、目立つ木がある。何か魔法の実がなるわけでも、魔力を帯びているわけでもなく、普通の鳥がとまり虫がとまり妖怪がとまり人間がとまる、誰も種類も名前も知らないが、存在は知っている木。しばしば道しるべや待ち合わせ場所などにも使われる。高さは数十メートルで、太さは数人がかりで手を伸ばしあって、やっと一回りする程度。

 正真正銘、ただの木であるが、今日は力を帯びた人間と妖怪がいるせいか、虫も鳥も他の妖怪や人間も姿を見せなかった。

「凄い眺めね。ただ飛んで見るのとは違った気分になるわ」

 アリスは感嘆していった。

「普段引きこもっているから、こういうちょっとした感動を知らないのよ。自分もこの森に住んでいるくせに」
「耳がいたいわね」

 二人で枝に腰掛け、シュークリームを頬張る。

「おいしいわ」
「喜んでいただけて光栄ね」

 霊夢の頬が緩み、アリスもそれを見て微笑む。



 シュークリームをとっくに食べ終え、しばらく二人でぼーっ、と虚空を眺めているうちに、太陽の光は橙色に変わってしまった。

「ちょっと眩しいわね。角度が低いと。……綺麗ではあるけど」

 アリスが目を細めて言う。
 綺麗? と霊夢が呟く。

「そう? 私は……」

 霊夢の目は虚空を見つめたままだ。 

 風が吹いた。
 少し肌寒い。気の早い枯れ葉が舞った。もう少しすれば、木の葉も全て枯れ落ちてしまうだろう。

「私は……なんとも思わないかな」

 そんなことを言った。

「綺麗、とも感じるし、なんだか寂しくもなるけど」

 アリスは霊夢の顔を見た。先ほど巡回していたときとなんら変わりの無い横顔。
 一人でいても、二人でも三人でも、大勢で宴会をしていても、変化することが無い横顔。

「それって……」
「やっぱり……なんとも思わないな」

 アリスは霊夢の瞳を盗み見た。

 霊夢は何を見ているんだろう。
 霊夢は何を感じているんだろう。
 霊夢は何を見るんだろう。
 霊夢は何を感じるんだろう。

「ねぇ……アリス」
「……うん?」

 その瞳がうつす世界に、

「…………」
「…………」

 一体、誰が入り込めるのか。

「……やっぱり、なんでもないわ」
「…………」

(——ねぇ、何を『みて』いるの、霊夢?)

 当然のことではあるが、アリスの声にならない独り言には誰も返事をしなかった。





霧雨邸。~


「昼間、どこに行ってたんだ?」

 魔理沙の声が台所から響く。アリスは魔理沙が普段座っている椅子に腰掛け、本を読んでいる。

「あぁ、博麗神社に。霊夢と会ってたわ」
「霊夢と? お前一人で?」

 魔理沙の声は不思議そうだ。想像もできない、といった様子。

「えぇ。といっても、一緒に巡回してお菓子を食べただけだけど」
「あぁ、台所が散らかっていたのはそのせいか。そういう時は私の分も作っておいてくれよな」
「材料がなかったのよ」

 照明が暗い。テーブルの上にある光源では、本を読むのには少々つらい。アリスは夜目が利くが、そういう問題でもない。

「魔理沙ー、このランプなんか暗いわよ。燃料ケチってんの?」
「ランプじゃなくて提灯っていうんだよ。もともと本を読んだりする明かりじゃない」

 アリスは目の前にある紙でできた物体をまじまじと見つめた。。

「……普通のランプはないの?」
「あいにくとこのあいだうっかり割っちまってな」

 アリスは溜め息をつくと、本にしおりを挟んで閉じた。

「……今度うちにある余ってるのあげるわ」
「おっ、いいのか? いや、それよりこの前の苔の栽培の方法を教えてくれよ。この間のやつ」

 魔理沙が台所から戻ってきて、アリスの正面に座った。
 アリスの家にあるランプは燃料を使わず、代わりに中を覆う苔が発光している。それらのすべてがアリスの意思によって光の強さと色までもが自在に変化する。寝室で使っている淡い光を出す苔から応用した魔法を、最近になって編み出したのだ。

「別にいいけど、はん、アンタそれくらい自分でできないの? 光る苔はこの間分けてあげたじゃないの」

 あざけるように言い放つアリスに、魔理沙も何か思うところがあったらしい。

「いや、いい。やっぱ聞かなかったことにしてくれ」
「いいのよー、できの悪い魔理沙ちゃんに、お姉さんがプレゼントしてあげるわ」
「へっ、何を言うか。それなら私はランプを使わずに部屋を明るくする方法を考えて見せるぜ。できたらアリスちゃんに教えてあげてもいいんだぜ?」
「こんな照明を使ってて、よく言うわ」

 アリスがテーブルの上の提灯を指先でつついた。

 火がついた。
 どうやら中の蝋燭が倒れたらしい。

「やっちゃった」
「うわぁ、なにやってんだ、バカ!」

 魔理沙が手元にあった本で、提灯を叩く。

「あぁっ! なにしてんのよ人の本に!」
「お前が言えた義理か!」

 火は消し止められたが、アリスの本には焦げ目がつき、煤で汚れがついた。

「あああああ、これ、もう手に入らない貴重な本なのに」
「因果応報ってやつか」
「あんたのせいでしょ!」
 
 どう考えてもアリスが原因だが、乱雑に本が並ぶテーブルの上から、わざわざアリスの本を掴んだのは意図的としか思えなかった。

「そもそもランプの外装部分が燃えるなんて考えもしないわよ」
「だから、提灯だってば」
「なんか焦げ臭いし」
「たった今、目の前でお前が提灯に火をつけたんだろうが」

 焦げ臭いのも無理は無かった。台所から煙が出ていた。

「あぁっ!? 鍋が焦げてる!」
「因果応報かしら」
「わたしが何かしたか!」






 博麗神社の巫女は、当然のような顔をして居間に居座っている二人組を見た。

「——で、夕飯が駄目になっちゃったから、私のところに来たと?」

 呆れたように細められる目。

「そのとおりだぜ。とっとと飯を作ってもらおうか」
「あら、私は昼間のお菓子のお礼を返してもらいに来ただけよ?」
「あ、そう。じゃあ魔理沙には作らなくていいわね」

 立ち上がり、踵を返して台所に向かおうとする霊夢を見て魔理沙は焦った。

「そ、そこは懐の深さを見せるのが博麗神社の巫女としての義務ではないかと……」
「私の懐事情にはそんな余裕はないわ。そんな義務も知らないし」
「わかった。今度の機会に、紅魔館から貰ったお菓子を分けてやる」
「自分のものでお礼を返しなさいよね……」

 アリスはそこで気がついて、

「っていうか、それこのまえ食べちゃった」
「なんだと!?」
「戸棚にあったクッキーよね? あんたも食べたわよ。ティータイムに」
「あぁ、あれか。うまかったな、って、おい。私はてっきりアリスが持ってきたものかと」
「いいえ、あんたがお茶を入れている間に戸棚をあさりました」
「要するに、夕飯は二人分でいいのね?」




 なんだかんだいいつつも、霊夢は三人分の夕飯を用意した。相変わらず霊夢の作る食事は純和風で、味も文句なしだった。


 夕飯は騒がしく進む。
 アリスは自分の箸の使い方が上達したことを自慢する。しかし二人が交差していることを指摘すると、顔を赤くしてわめき出す。ばかにしまくる二人。
 食後のティータイム、アリスが湯のみは取っ手が無いから熱くて嫌だと言い出す。またばかにする二人。熱いお茶の入った湯のみをわしづかみするアリス。やけどをし、飛び上がるアリス。笑う魔理沙に、お茶をすする霊夢。なにやらまたわめきだすアリス。流す二人。


 そうして大騒ぎをしているうちに、夜もふけた。
 壁にかけられた年季の入った時計を見つつ、霊夢が言った。

「あら、もうこんな時間。そろそろ寝ましょうか」
「そうね」
「そうするか」

 しかし霊夢は突然話題を変えた。

「私はお風呂はいるけど、どうする?」
「……たった今、寝ると言った気がしたのだが」
「私も」 
「私はお風呂に入ってから寝る派なのよ。身体があたたまると眠くなるの」
「……じゃあ、私も入る。アリスも行くよな?」
「ええ」
「じゃあ、箪笥の中から浴衣を探しておいて。私はお風呂を沸かしてくるから」






 博麗神社の土地は広いが、霊夢の自宅である居住区はそれほど広くない。あくまでも全体の土地と比べて、であるが。裏庭に面した檜造りの風呂は、魔理沙の家の風呂などとは比べるべくも無いが、普段一人で使用しているにしては十分すぎるほど広く、三人で入ってもまだ余裕がある。
 昔から神社にあった風呂は伝統的な五右衛門風呂であったが、魔理沙の家の風呂に入ってからは入浴に関する価値観が変わり、香霖堂に頼んで風呂を増築したのだ。しかも魔理沙のミニ八卦炉と同じ技術を利用して、お手軽にお湯が沸く。すべてツケで作ってもらったのは秘密だ。貨幣経済ってなんですか? 食べれません。
 減っていた分だけ水を井戸から汲んで足し、湯沸しを作動させる。数分も間をおかずに、浴槽の水はお湯になっていた。なんて便利なんだろう。

 居間に戻ると、二人は既に浴衣に着替えていた。アリスは自分の服をきちんとたたんでいるのと対照的に、乱雑に脱ぎ散らかす魔理沙。

「どうでもいいんだけど、魔理沙、気づいたら下着がなくなった、なんていっても知らないわよ」
「気にするな。もう沸いたのか? いこうぜ」
「ほら、アリスも行くわよ」
「う、うん」

 アリスがなんだか緊張している。そういえば和服姿のアリスは貴重だ。魔理沙も普段は和服を着ないはずだが、何故かなじんで見えるから不思議である。

「……下着もつけないでこんな服、なんだか落ち着かないわ」

 アリスはしきりに裾や帯を気にして、そわそわしながら歩く。よく見れば、ヘアバンドをしていないだけでも貴重だった。

「ヘアバンドは肉体の一部かと思ってたぜ。一緒に洗わないんだな」
「よくわからないんだけど、馬鹿にされてる?」

 口ではそういいつつ、アリスの拳は魔理沙の後頭部にヒットしていた。




 流しで身体を洗いつつ、アリスは考え事にふけっていた。魔理沙と霊夢の二人は湯船に浸かっている。
 アリスが考えているのは、霊夢のことだ。
 霊夢との会話は普通にはずむ。魔理沙と霊夢の会話も、ふたりの息はとても合っていて、親友同士と言われればまさしくその通り。恋人といっても、やはりその通りである。会話の内容も、互いに見せる態度も、何もおかしくない。間違いなく、私も、魔理沙も、霊夢を信頼し、信頼されていると断言できる。三人は親友で、恋人なのだ。なにも間違ってはいない。

 ならば、霊夢のあの目は何なのだろう。
 霊夢の目。昼間から、なにかに似ていると思っていたのだが、思い出せない。

 夕日を見つめる瞳。
 巡回をしているときの瞳。
 妖怪を追い払ったときの瞳。
 お菓子を食べているときの瞳。
 私と会話をするときの瞳。
 魔理沙と会話するときの瞳。

 それらに違いはあったのか。それとも私が未熟で霊夢の心をはかれないだけなのか。

 今日見た霊夢のすべての視線、態度、表情が、頭の中をぐるぐると回る。

 乳房をわしづかみにされた。
 ついでに乳首を摘まれた。

「ひぃぃぁぁっっ!!??」
「あー。やぁらけぇなぁ〜」

 もみもみもみもみもみもみもみもみ。

「あ、あっ、あん、やんっ!! もう、ちょっと、魔理沙!? や、やめ」
「うーん。揉みごたえがいいぜ」

 むにゅむにゅむにゅむにゅむにゅむにゅ。

「あん、あん、あん、はぁぅ、魔理沙、お願い、やめて、やめ、や、や、や」

 湯船にいたはずの魔理沙が、いつの間にか背後に回っていた。引き剥がそうにも、背中にぴっとりとくっついて手を伸ばしてくるので、手が届かない。

「ふぅぁっ、あぅ、こ、この、やめなさいって言ってるでしょ!」
「却下だ。つーか、なんかまた少し大きくなったんじゃないか? こんにゃろ」

 きゅっ!

「ひぁぅっ!」

 ごん!!

「はぅ!」
「ぶげ!」

 アリスの乳首を強めに摘んだ魔理沙に、アリスは身体を反らせ、頭をぶつけ合ってしまった。

「……なにをやってんだか」

 ざばー、と、霊夢まで湯船から上がり流しに出てきた。浴室自体は狭いわけではないが、流しだけで考えると、三人もいると少々狭い。

「ほら、身体洗ったんなら代わってよ。私だって洗いたいんだから」

 頭を押さえる二人に言う。しかし、アリスはまだ半分も身体を洗い終えてなかった。

「も、もうちょっと待って。もうすぐ終わるから」
「なぁ、思ったんだが、普通は身体を洗ってから湯船に入るんじゃないか?」
「私だって普段はそうしてるわよ。流しが狭いんだから仕方ないでしょ。ホントは私だって身体も洗わずに湯船に入りたくないんだからね」

 ぱちん。魔理沙が指をはじいた。

「一緒に洗えばいいんだ」
「は?」
「はぁ?」

 理解できないという顔をする二人。

「だから、身体を洗わずに湯船に入るのが嫌なら、互いに洗いっこすればいいんだよ」
「…………」
「……?」

 まだ理解できないという顔をするアリス。はぁー、と溜め息をついた霊夢は、

「……あのねぇ魔理沙、それができるならしてるに決まってるでしょ。それができないくらいうちの流しが狭いのは、今まさにわかってるでしょうに。それに」
「ぐだぐだとうるさいやつだな。実践して見せるから、ほれ」

 まだ何か言おうとした霊夢を遮り、魔理沙は霊夢の手を引っ張った。

「わっ」
「きゃっ!?」

 倒れこむ霊夢。下敷きになるアリス。すばやく動いた魔理沙は、霊夢の背面側に回り込み、石鹸を手にする。

「ちょっと、魔理沙!?」

 アリスと抱き合う形になったのち、身体を起こした霊夢を無視して、魔理沙は石鹸を一つアリスに渡した。

「ほれ、アリス。一緒に霊夢の身体を洗ってやろうぜ」

 アリスは魔理沙の意図に気づき、にやりと笑って頷いた。身体を起こす。
 二人は霊夢を前後にはさむ形になった。

「あんたたち、なにを……ひゃう!?」

 抵抗しようとした霊夢に、桶のお湯をかける。そして霊夢がひるんだ一瞬のうちに、石鹸をすばやく泡立てた。
 そして、霊夢の背中に塗りたくる。

「な? こんぐらいひっついて洗えば……」
「なるほどね」
「ひゃ!」

 アリスも石鹸を泡立て、霊夢の足に塗りたくった。

「はぅ!」

 石鹸を泡立てつつ、二人は霊夢の身体をまさぐる。

 ふくらみかけの胸をもみあらいする。

「はぁぅ! ちょ、ちょ、ちょっと……」

 ふとももをさする。

「はぁ、はぁ、や、や、やめ」

 首筋を、

「ふぅ!」

 臍を、

「は、は、あ、あ、あ」

 腋を。尻を。肩を。腰を。腕を。膝を。背中を。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、はぁ、あ、あん、あん、やめ、やめて、やめて」

 乳首を。首筋を。臍を。腿を。尻を。腕を。肩を。腋を。指先を。脹脛を。膝裏を。背中を。胸を。腹を。首を。尻を。肩を。腋を。膝を。乳首を。腿を。

「はぁ、はぁ、あ、あ、あ、ぁぁぁ、はぁ、は、あ、は、は、は、はぁ、は、は」

 腕を。肩を。腋を。指先を。脹脛を。膝裏を。背中を。胸を。腹を。腋を。尻を。肩を。腰を。腕を。膝を。背中を。腹を。首を。尻を。肩を。腋を。膝を。乳首を。腿を。尻を。腕を。肩を。腋を。指先を。脹脛を。膝裏を。背中を。胸を。腹を。首を。尻を。指先を。脹脛を。膝裏を。背中を。胸を。腹を。首を。乳首を。首筋を。臍を。腿を。尻を。腕を。肩を。腋を。指先を。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああああああ」

 いつしか、全身は泡だらけ。いや、泡の及んでいない場所が。
 そして、魔理沙がそこに手を伸ばした。

 秘部に。

「っ!」

 びくりと霊夢は身体を緊張させる。すかさずアリスは霊夢の顎に手を沿え、口付けをした。
 
 ちゅっ、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅ、ちゅ、ちゅ

「んふっ、ちゅう、ちる、ちゅ、ちゅ、れろ、ちゅぱ、ふぅ、ふぅ、ちゅるん」
「あはぁ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅる、ちうちう、ちゅ、はぁ、ちゅぅ」

 舌を絡ませあい、吸い、唾液を交換する。

「やっぱりここは、念入りに洗わないとな」

 魔理沙は少々乱暴に指を挿入した。

「ぁはぁっ!」

 そのまま、少々乱暴にかき回す。

 くちゅっ、くちゅっ、ちゅくちゅく、くちゅくちゅくちゅ

「あぁん、あ、あ、あ、あ、あぁ、はぁ、あ、あんっ、あっっ」
「はぁ、はぁ、はぁ、れいむ、れいむ」

 アリスはを愛撫しつつ、身体を泡だらけの霊夢の身体に密着させ、霊夢の腿に自らの秘唇を擦り付けていた。

「あ、あ、あ、あ、あ、あん、あっ、あっ、んふっ、ん、ん、んぁっ」
「あぁ、霊夢、気持ちいいか? 私も気持ちいいぞ」

 魔理沙は霊夢の背中にその小さな胸を押し付け、勃起した乳首を擦り付けていた。下半身は何とかして霊夢の尻に擦り付けようとしているが、角度が悪く、上手くいかないようだ。その苛立ちは霊夢に対する攻めに変換された。

 くちゅくちゅくちゅくちゅ、ちゅく、くちゅちゅちゅちゅ!

「ふあぁっ! あぁっ! あ、あ、あ、あん、はぁぁ、ぁっ、ぅぅぁ」
「あはぁ、ぁん、あん、あんあん、あん、あん、あ、あ、あ、はあぁ」
「はぁ、はぁ、はぁ、霊夢、はぁ、あ、あ、あ」

 アリスの、霊夢の足に擦り付ける腰の動きが激しくなっていく。まるで秘唇で身体を洗っているかのようだ。
 同じく魔理沙は、乳首で霊夢の背中を洗うかのように擦り付ける。片手は霊夢の胸をまさぐり続け、泡は次々と増えていた。

「あ、あ、あ、あ、あ、は、あ! あ! だめ、魔理沙! おねがい、もう」
「イクのか? 霊夢、イっちゃうのか?」
「う、うん、うん、も、も、もう、だ、だめ、い、いく、いく……」

 魔理沙は指が締め付けられるのを感じ、親指で秘芯を転がし、挿入した指を曲げた。

「ん、んぅぅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!」

 身体を反らして達する霊夢。
 数瞬の空白の後、霊夢の体は崩れ落ちた。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「ふぅ、ふぅ」
「……、……、……」

 荒い息をついて這い蹲る霊夢。そんな霊夢を見ながら、アリスは顔を紅潮させ、そわそわしながら息を荒くしていた。
 魔理沙と目が合うアリス。
 魔理沙も似たような表情をしていた。

 どちらともなく近づき、唇を重ねる。

「ちゅ、ちゅ、ちう、ちう、ちゅぷ、はぁ、ちゅぷ、ちゅぅ……」

 二人の身体は、泡だらけの霊夢に身体をこすり付けていたおかげで、自分自身も泡だらけになっていた。膝立ちになったまま互いの背中と腰に手を回し、ぬるぬるする身体を押し付け合い、少しでも多くの快楽を得ようと身体をくねらせる。

「あはぁ、ふぁぁ、あぁ、あん、あん、ちゅ、ちう、ちゅ、んぁ」
「くぅ、ぁ、あ、あ、あん、ふぅぅぁ、ちゅ、、ちゅぷ、ちゅ、ちゅ」

 いつしか互いの体勢は、お互いに相手の片腿を股ではさみ合うようになった。相手の尻を掴み、自分の方に引き寄せ、秘部と腿をこすり合わせようとする。

 くちゅ、くちゅ、にゅる、ぬるぬる、にゅるぬる

「んんあぁぁ、ふぅぁ、あん、あん、あああぁ」
「くぅん、ん、ん、あん、あん、あん」

 互いにくっつきすぎ、かえって動きにくくなったことに気づいたか、今度は腰をくねらせて横の方向にこすり始めた。
 お互いに相手の動きに翻弄され、思うように身体を動かせず、しかし思いがけない快楽に二人は我を忘れて秘部をこすり付ける。

 互いの背中はほぼまったく石鹸の類はついていないが、肌を直接触れ合わせている部分はどこも漏れず泡だらけであった。

 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、にゅる、にゅる、にゅるにゅるにゅるにゅる

「ああぁっ! あはぁ、あ、あ、あ、あ」
「はぁ、あ、あ、あ、い、いく、いきそう」

 再び唇を重ねる。

「ちゅ、ちゅ、ちゅ、れろ、れろ、ちゅ、ちゅぱちゅぱ」
「はぁ、ちゅ、ちゅぅ、ちゅ、あはぁ、んあ、は、ちうちう」

 魔理沙の限界は近い。アリスの限界はあっさりと訪れた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」

 快楽の頂に達し、身体を痙攣させるアリス。
 その痙攣が不規則な振動を魔理沙に伝え、魔理沙の限界を早めた。

「んはああぁぁぁぁっっ!!!」

 魔理沙はアリスの身体を抱きしめ、崩れ落ちた。





「スキあり」
「おっ」
「ひゃん!」

 茫然自失の様相で、しばらく快楽の余韻に浸っていたアリスの背後から、いつの間にか復活した霊夢が抱きついてきた。

 そのままアリスの胸を揉みしだく。

「あはぁ、ふぁ、あ、あ、あんっ、な、なんで二人とも胸ばっかり……」
「……ホントだ。アリス、あなた絶対大きくなってるでしょ」

 耳元に息を吹きかけ、囁く霊夢。アリスはびくりと身体を強張らせた。

「そ、そんなこと……」
「いーなー。いーなー」

 むにゅむにゅむにゅ。

 霊夢はアリスの胸をまさぐりつつ、泡にまみれた自らの身体をアリスの背中に密着させる。こぶりだが、確かに存在する胸のふくらみが、アリスの背中から伝わる。

「あはぁ、ん、ん、れ、霊夢、おねがい、もうやめ……」
「うん。絶対大きくなってる。前は手に収まったもん」

 アリスは絶頂を迎えたばかりのため、胸だけの刺激でも少々辛く感じる。しかしそんなアリスを無視して、霊夢は愛撫を続けた。

「はぁ、はぁ、はぁ、あん、あ、あ、あ、あ、あ」
「肌も白くてすべすべで綺麗だし……あは、ピンクの乳首が凄くえっちに見えるわ」
「い、いやぁ……」

 先ほど絶頂を迎えてから勃起したままの乳首を摘む。アリスはぴくんと身体を強張らせた。

「魔理沙なんか、ほら、見てよ。ぺったんこで、凹凸といえば乳首くらいのものよ」
「お……大きなお世話だぜ」

 魔理沙は咄嗟に反論したが、這いずって、わずかに二人から距離をとった。魔理沙もアリスと同じく絶頂に達したばかりなので、いま攻められるのは辛い。アリスの二の舞にはなりたくなかったのだ。
 しかし、その動きは不自然で、かえって霊夢に勘付かれた。

「あら? 魔理沙? ……なんで逃げるのかな〜?」
「い、いや……その……」

 アリスから離れ、魔理沙のほうへ向かう霊夢。アリスは身体の支えがなくなり、脱力してその場に倒れこんだ。呼吸が荒い。

「はっ、はっ、あっ、はぁ、は、は、はぁ……」
「あっ、ちょっと待っててね。いま魔理沙を連れてくるから」

 アリスとしては、今はもう放っておいて欲しいようなイかせて欲しいような、複雑な気持ちだった。中途半端に愛撫を受けると、かえって欲求不満になる。

「んっ、くっ、ふぅぅ……」

 アリスは自ら股間に手を伸ばし、自慰を始めた。くちゅくちゅと水っぽい音が浴室に響く。

「あら、アリス……」
「あ……」

 顔を上げると、魔理沙の手首をつかんだ霊夢が目の前にいた。もともと狭い流しなので、移動というほど身動きが取れるわけではないのだ。せいぜいが、一歩。

「ほら、魔理沙。アリスは満足してないみたいよ。……慰めてあげないと」
「ま、魔理沙……」
「アリス……」

 倒れていたアリスに、魔理沙が覆いかぶさる。泡でぬめる互いの身体をすりつけ、唇を吸った。

 ちゅっ、ちゅっ、と唇を吸う音が立つ。そうして離したとき、二人の間には、つー、と唾液の架け橋が出来ていた。

「あ、アリス、アリス」
「魔理沙……」

 ぬるぬる、ぬるぬると自分の身体を相手の身体に絡みつかせ、すりつける。

「あん、あん、んむぅ、んはっ、はぁ、あん……」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 二人は我を忘れて、身体をくねらせる。そのため、霊夢の動きに気づかなかった。

「ぅぅぁあっ!」
「はぁんっ!」

 霊夢はアリスの上にのしかかった魔理沙の膣に親指を、アリスに中指を挿入した。
 そして手の中ではさむように、前後させる。

 くちゅっ、くちゅ、ちゅぶ、ちゅぶ、くちゅくちゅくちゅくちゅ!!

「あはああぁぁっ!! あん!! あんっ!!」
「ふぅぁ、あん! あ! あぁぁ」

 膣のなか、俗にGスポットと呼ばれる部分を刺激され、更に自らのクリトリスと相手のクリトリスがこすれあい、二人の秘部は愛液を撒き散らして悦んだ。

「ああぁ、すごい、しゅごいひぃぃ!」
「あ、あ、あ、だめだめ、いく、いく、もういっちゃうよおぉ」

 二人の腰は痙攣し始めた。片方の痙攣は当然相手の刺激となるだけで、二人は絶頂への階段を駆け足で上っていった。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああぁぁ!!」
「んっ、くっ、くあぁ、あはあああぁぁ!!」

 きゅっ

 霊夢は、少し強めに掌を握っただけであった。
 しかし二人にとってはそれが引き金となった。

「……っぁぁぁぁ〜〜〜〜っっ!!」
「はあぁぁーーーーーーっっ!!」

 意識が白い光に包まれる。 

 ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ!!

 二人は同時に潮を噴き出して身体を強張らせ、一瞬の後にくたりと脱力した。
 重なりあい、軽く痙攣をしながら、なにやら唸っている。

「……ぁ〜〜、……はぁ〜〜」
「ふぅ、ん……♪」

 そうして絶頂の余韻に浸る二人と対照的に、

「さ、身体洗おうっと」

 霊夢はあくまでもマイペースなのであった。







 どさり。

 長い入浴を終え、アリスと魔理沙は、客間に敷かれた自分用の布団に倒れこんだ。

「…………」
「…………」

 ————疲れた。

 言葉にこそしないが、二人はまったく同じ事を考えていた。
 とりあえずもう眠ってしまおうと、もぞもぞと布団の中に潜り込む。


 横になりながら、アリスは入浴の最初のときと同じく霊夢のことを考えていた。

 頭に浮かぶのは先ほどの霊夢の顔。
 魔理沙と違い、自分は霊夢の表情をほぼずっと観察できる位置にいたのだが、ある事実に気づいた。

 自分と魔理沙に攻められているとき、昼間は一度も変化しなかった表情は歪み、頬は上気し、汗を流し、快楽に耐えて、受け入れて、しわができたり悦びに悶えたりしていた。
 攻守が逆転し、自分や魔理沙が攻められているとき、頬は緩んで楽しそうに微笑み、汗をかきながら表情を変化させた。

 昼間は全然表情を変えないので、霊夢は感情が無いのではないかなどとも考えたりもしたが、決してそんなことも無く単に感情の起伏が平坦なだけで、変化はするのであろう。セックスのような一種の極限状態だと、さすがになんらかの表情の変化をみせるわけだ。


 では、あの瞳はなんなのだろう。


 霊夢の瞳の焦点は、ついにアリスにも魔理沙にも合うことは無かった。

 昼間、妖怪を相手に取ったとき、草花を見ているとき、鳥を見ているとき、夕焼けを見ているとき、その瞳は変化しなかった。
 その瞳は真っ直ぐに相手を見つめ、そしてその相手を通り過ぎて、遥か遠くの景色を見つめていたのだ。
 霊夢が作った夕飯を三人で食べているとき、お茶を飲んでいるとき、話をしているとき、そして三人で風呂でセックスをしたとき、霊夢は確かにこちらを向いて話してはいたが、焦点を
合わせたことが一度でもあっただろうか。

 焦点を合わせないで対象を認識するのは、非常に困難である。
 つまり、霊夢とて「なにか」に焦点を合わせて会話しているのであろう。それがこちらには認識できない「なにか」であるだけ。

 すなわちそれは、


 スー、と静かな音を立てて、襖が開けられた。
 霊夢であった。

「喉渇いてない? 水持ってきたけど」

 そういえば、風呂場にずっといた上にあんなことをしていたせいで、身体は火照り、水分を大量に失ったためか喉が渇いていた。上半身を布団から起こし、

「いただくわ」

 霊夢が湯呑みを手渡してくる。受け取ると、霊夢自身が水差しから湯飲みに水を注いでくれた。

「ありがと。…………んぐ」

 魔理沙も同じように半身を起こし、水を湯呑みに注いでもらっている。
 よほど喉が渇いていたのか、ほぼ一気飲みで湯飲みの中身を飲み干してしまった。
 水が食道を通って胃に到達し、身体の内側から熱が冷めていくのを感じる。

「ふぅ……」
「もう一杯飲む?」
「……じゃあ、半分くらいでいいから、頂戴」

 と言ったのにも関わらず、霊夢はなみなみと注いだ。戻すわけにもいかないので再び一気に飲み干す。これ以上は胃の中身が薄れて気分が悪くなりそうだったのでやめておいた。隣を見ると、魔理沙は一杯でやめたようだ。

 ————うん?

 一息で飲んだからよくわからないが、なんだか、かすかに風味というか、粘性というか、水とは違うような。

 魔理沙も首をかしげている。

「さ、もう疲れたわ。寝ましょ寝ましょ」

 言いつつ、霊夢は自室へ戻っていった。
 霊夢がそういうので、気のせいだと割り切り、布団を被り、瞼を閉じた。

 りん、りんと外からは虫の鳴き声。秋も深まり、もうすぐ寒くなるな、とアリスは思った。







 どくん、どくん、どくん、どくん、
 どく、どく、どく、どく、
 どくどくどくどく

 自らの鼓動の音で、魔理沙は目を覚ました。身体の表面が火照り、顔面の血行が良くなり、しかし身体の奥のほうは妙に冷めている、不思議な感じ。

(————?)

 身体のあちこちから、針を軽く当てているような、痛いわけでもなく、くすぐったいとも言い難い、不思議なちくちくとした感覚が伝わってくる。

(————?)

 呼吸が妙に荒い。手足の動きが鈍い。ちくちくとした感覚は断続的に身体のあちこちで起こる。

(————?)

 きーん、と耳鳴りがする。その音がうるさくて、身じろぎしたときの布団の擦れる音すら聞こえないが、心臓の鼓動は相変わらずどくんどくんとうるさい。

 頭痛。耳鳴りと共に後頭部のあたりが重く感じ、頭全体を締め付けるような痛み。

 この感覚、何度か経験したことがある。
 なんだっけ。この感覚。
 酒?
 違うな。

 視界は何故か不明瞭で、頭を揺らしているわけでもないのに、天井の木目が揺れている。
 霞がかかった、という表現が一番近い気がするが、そういったことを考えられる程度には思考能力は保っていた。

 寝苦しい。
 なんとなく浴衣が窮屈に感じて、反応が鈍い腕をのろのろと動かして帯を緩めた。

 少し汗をかいて暑いので、浴衣の前をはだける。

 股の間から、ぴょこん、と男性器が顔を出した。

(————…………。…………!?)

 見慣れた男根。
 霊夢やアリスと交わるのに幾度と無く活躍してきた、まさしく相棒。うまいこと言ってる場合か。

 当然、混乱する魔理沙。今日は例の薬は飲んでいない。夕飯やお茶請けに混入されたわけもない。あの薬は特徴的な味がするので、ちょっとでも口にすればすぐに気づくはずだ。

 と、考えると同時に、先ほどから体中に感じるこの感覚の正体を、思い出した。
 媚薬である。それも以前魔理沙が使用していた古いタイプの。

 アリスがこの間、媚薬と男根薬の改良に成功して以来、魔理沙は霊夢にもアリスにも、この薬を使うことはなかった。無論自分に対してもだ。そのため気づくのが少し遅れた。

 とはいえ、目の前でそそり立っているこれの説明にはならない。

 一体何故……

 …………ーーーーーーん……ーーーん………ーーん……ーー………………

 ずっと続いていた耳鳴りがわずかに収まってきた。
 同時に、魔理沙は隣で眠るアリスの異常に気がついた。
 やたらと息が荒い。

「…………アリス?」

 首を横に向け、呼びかけると、アリスがびくりと震えたのが布団の外からでもわかった。

「ふぅ……ん…………魔理沙? あの、その、どうしよう、わたし……」

 アリスはなにやらもぞもぞと布団の中で動いている。

「……どうした? 気分でも悪いのか?」

 気分が悪いのはむしろ魔理沙自身であったが、それを隠して、魔理沙は言った。

「いや、その……確かに気分はあまりよくないんだけど、そうじゃなくて、あの、えっと……はぁ、はぁ」

 もぞもぞと布団の下でアリスの身体が蠢いている。
 魔理沙は布団から身体を起こした。頭がガンガンする。

「どうした、おねしょでもしたか?」

 茶化すつもりで魔理沙は言ったのだが、アリスは何も言わなかった。
 そしてもぞもぞ、くねくねと動き続ける。

「……アリス、お前まさか、本当に」
「ち、ちがうの。……ふぅ、そうじゃなくて、その……はぁ、あ、は」

 そしてまた、もぞもぞ。

「なんだ、さっきから何をしているんだ?」
「あ、だ、だめ!」

 アリスは魔理沙が自分の方に手を伸ばすのを察知してそう言ったが、魔理沙はかまわずアリスの布団を剥ぎ取った。

 むわっ、っとした芳香が魔理沙の鼻腔を襲った。

「あ、み、見ないでぇ……」

 びくびくと震え、アリスは身を縮ませる。


 一言で言うと、アリスは自慰をしていた。  


 浴衣はほとんど脱げていて、帯はどこかへいってしまい、着ていると言うよりほとんど敷いているだけの状態。
 つま先まで足を最大限に突っ張り、胸を反らし、腰を激しく前後左右に揺らしながら、細かく震え、全身からは汗が噴き出ている。

 右手は秘部を弄っている。人差し指と中指で膣を激しくかき回し、愛液を掻き出すかのように前後させている。

 そして左手は、そそり立つ男根を激しくしごいていた。

 アリスの巨大なそれは竿全体がぬらぬらとした液体でコーティングされ、先端からはだらだらと汁が流れ続けている。

 魔理沙はアリスの匂いを嗅いだ瞬間、身体が反応し、股がわずかに濡れた。こころなしか頭痛や耳鳴りが解消されたような気がする。

「……せ、精力的だな、アリス。さっき、に、二回もしたっていうのに」
「い、いやっ、そんなこと言わないでぇ……」

 アリスは涙目で首を振った。

「な、なんか、おかしいの、変なのぉ! さ、さっきから、もう、三回もイってるのに、全然治まらないのぉ!」

 そう言いつつも、両手と腰の動きは止めない。

 くちゅくちゅ、ぐちゅぐちゃ、ちゅくちゅくちゅく

 水音が響く。
 障子を隔てた月の柔らかい光は、アリスの濡れた肢体を艶かしく照らしていた。

「あ、ま、またイク…………!」

 アリスは紅潮した顔を歪め、唇を引き結ぶと、その一瞬後にびくん、と身体を震わせた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 ぷしゅぅっ、と勢い良く潮を吹き、男根の先端からは精液をびゅびゅと迸らせる。

 アリスの放った二種類の液体は、それぞれ敷布団と掛け布団を濡らした。良く見ると、布団は既にてらてらと光る液体で濡れていたようだ。

「あ、アリス……」

 アリスの痴態に、魔理沙の男根も興奮し、活力が漲る。
 四つん這いでアリスに近寄る。

 アリスの股にも、男根が生えているということで、一つ思い当たることがあった。

 薬品の習慣性による肉体の変化。

 一ヶ月ほど前、「復讐」などと称し二人は数週間にかけて毎日のように交わり、そのたびに例の薬と媚薬を使ってきた。とくに併用するとどういうわけか数回射精したくらいでは萎えないという副次効果も経験で得ていたので、しばしば同時に服用していた。
 おそらくそのせいで肉体が変化し、男根薬を飲まなくても何らかの外部刺激によって勝手に生えるようになってしまったのではないか。

 しかし、風呂場で交わったときは生えることはなかった。つまり、性的刺激などによる外因ではない。

 ————考えられるのは、霊夢の差し入れた、水。

 あれにはおそらく魔理沙の作った古いタイプの媚薬が溶かされていた。それが身体にとっては刺激となり、男根が生えてしまったのだ!

 この肉体の変化が薬と同じ作用によるものならば、射精しきれば元に戻るはず。


 …………いや、そんな理由をわざわざつける必要は無い。

 目の前でよがり狂い、身体をくねらせるアリスを見て、なんとも思わない人間が果たして存在するだろうか。

「……はぁ……ァ……、ん、ふ、んんん……っ」

 息をついて快楽を享受していたアリスだったが、再び男根に力が漲ると、またぬらぬらとしたその竿をしごき、秘唇をかき回し始めた。

「あぁ……どうしよう……なんでぇ……? 止まらないよぅ……」

 恍惚と不安が入り混じった顔。
 そういえばアリスは水を二杯飲んでいたが、それも関係するのだろうか。
 
「アリス……」

 ぱくり。

「ひぃぁっ!」

 魔理沙はアリスのモノにしゃぶりついた。
 そのまま激しく吸い、しごく。

「ちゅっ、ちゅぱっ、ん、ちゅるん、ちゅぱ、ちゅ、ちゅ、ちゅうぅ」
「あはぁっ! あぁっ、あん♪ あん! ひぃぁ、ふぅぁん♪」

 魔理沙のフェラチオにアリスは喜び、腰をがくがくと揺らして快楽を受け入れる。

「ちゅぷ、いま、ラクに、ちる、ちゅるるっ、してやるからな……ちゅるんっ」
「はぁっ、あぁっ、うんっ、あぅんっ♪」

 アリスは涎を撒き散らしてよがり狂う。モノは硬いままで、既に四回も放出しているとは思えなかった。

 限界はすぐに訪れた。アリスは身体を反らし、びくびくと痙攣する。

「あっ…………ふぅぁぁぁぁあああああんんっっっ♪♪」

 びゅびゅびゅっ、びゅるるるるっっ!!

 魔理沙の口内で射精する。魔理沙は驚いて顔を離し、顔、髪、胸を精液で濡らす。

「はぁ〜〜〜…………あぁ…………♪」

 くたりと脱力するアリス。目は虚ろで、中空を視線が泳いでいた。

「けほっ……、まだまだ……濃いな。味も……匂いも……」

 魔理沙は自分の興奮が限界に近づいているのを感じた。秘唇からは愛液が流れて股を濡らし、かちかちに勃起した男根は先端から先走り汁を垂れ流し、刺激を求めてびくびくと震えている。

 アリスが呻いた。アリスの一度力を失ったモノは、再びそそり立ち、秘唇は震えて再び愛液を分泌し始める。
 
「はぁ、はぁ……あ、ま、また、あぁ……」
「アリス、わたしにも、して欲しい」
「うん、うん、いいよ。今してくれたお礼……」
「わたしもまたシてあげるから……」
「うん、うん……。おねがい」

 二人は交差して横たわり、相手のモノを口に含んだ。俗に言う69である。

「ちゅっ、ちゅぷっ、はぁぁ、ちる、ちうちう、あはぁ、あぁん」
「ふぅぁ、ちゅっ、ちゅぱちゅぱ、ちゅっ、ちゅっ、あんっ、ちうちう」

 二人は経験上、相手への攻めを激しくすると相手も激しく自分を攻めてくることを知っている。まるで自分のモノを慰めているかのように、遠慮なく攻めることで、更に快楽を得られることを知っているのだ。

「ちゅぱっ、はぁ、ありしゅの、おおりくて……ちゅぅ、はぁ、くふしいれろ、ちゅぷ、うらやらしい……ちゅっ、ちゅっ……」
「ふぅぁあっ、ひゃべややいで……ふりゅえれ、はぁ、ちゅぱっ、……まりしゃの……ちゅぷ、おいひい、おいひいよ……ちゅるんっ、ちゅぷ、ちゅぱぁ……」

 言葉は不明瞭であるが、何を言いたいかは互いに理解できた。
 
 魔理沙は必死に根元までを口に含んだ。喉の奥に先端が当たり、苦しい。
 アリスもそれに呼応して、同じく根元までを口に含む。

 意思の疎通ができたわけでもなく、二人はまったく同じ行動をしていた。

 口内を最大限にすぼめ、舌を強く竿に巻きつける。
 そして、そのまま先端まで一気に引き抜き、それと同時に全てを吸い取るつもりで吸引する。先端に口をつけたまま激しく舌でノックする。

「………………………………!!!!!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」

 びゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅっびゅるるるっ!!!
 どびゅびゅっ!! びゅびゅびゅっ、びゅるるるる

 互いの顔面に、激しく精を放つ。

 アリスはもう六度目に達するというのに、いまだに精の量は減ることがなかった。しかし体力的にキツいのか、ぐったりとしたまま動かない。

 しかしそれとは対照的に、男根は再び勃起していた。

「…………」

 疲れて動きたくないのに、まだまだ刺激を欲しがる男根。アリスは自らのモノを恨めしげに見つめると、再びしごき始めた。

「はぁ、はぁ、はぁ…………」

 突然、魔理沙がアリスに覆いかぶさった。

「……魔理沙……?」

 アリスは不思議そうな目で魔理沙を見つめる。

「…………」

 魔理沙は何も言わず、不意をうつかのように自らのモノをアリスの膣に挿入した。アリスの秘部は自慰によって完全にふやけ、しとどに愛液を分泌していたため、抵抗無く魔理沙を受け入れた。

「!! っ、あはぁああっ!!」

 アリスの尻を掴み、腰を叩きつける。揺らす。かき回す。

「ふぅぁっ、くぁんっ、ぁぅ、ふぅぁっ」

 ぐちゅッ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ

「あぁん、あん、あ、あ、あ、あ、あ、あ」

 じゅぶぶっ、ぐじゅっ、ちゅぶっ、ぶぢゅっ

 アリスは魔理沙が自分に腰を叩きつけるのと同じタイミングで、両手で自らの陰茎をしごく。挿入されているのは自分なのにも関わらず、自分の方が挿入しているような錯覚に陥る。アリスの気分は自然と昂揚し、締め付けがきつくなる。

「うんっ、ふく、くぅ、ぅぅんっ、んあああ」
「う、う、う、う、う……!」

 思わず魔理沙は呻き声をあげる。魔理沙もかなり敏感になっているので、限界も早い。

「ぅぁっ、もうだめだ、出る……っ!」
「ふぅぁぁぁぁーーーーーっっ!!!」

 びゅびゅびゅびゅっ、びちゃびちゃびちゃびちゃちゃあぁっっ!!
 びゅ、びゅ、びゅ、びゅるびゅる

 魔理沙は咄嗟にアリスから引き抜き、アリスの身体に向かって精を放った。アリスも宙に向かって射精したが、それは自分の腹のうえに落ちる。その量はようやく普通くらいまで治まってきていた。

「はぁ、はぁ、はぁ…………」
「はぁ、はぁ…………。————!?」

 アリスはぐったりして動かない。しかし魔理沙は何かに気づいたように後ろを振り向く。

「————あら、もう終わり? もうちょっと楽しんだら?」

 霊夢だった。部屋の隅、月の明かりも届かない位置に、霊夢は腕組みをして立っていた。

「……な、なにをして……、い、いや、いつ、いつからいた?」
「いつから、うーん、答えに困るけど、多分最初からかしら」

 にやにやしながら霊夢が言う。

「さ、最初から……って」
「うん。アリスがうなされ始めて、寝ぼけながらオナニー始めたときにはここにいたわ」

 ————本当に最初からかよ。

「霊夢……」
「うん?」
「な、なんでこんなことを?」
「さぁ、なんでかしら……。っていうか、なんであんたたちアレが生えてんの? 最初っから『する』つもりで薬を持ってきたのかしら?」

 にやにやと笑いながら、こちらを見て笑う。

「…………」

 魔理沙は答えに窮した。正直に答えても、適当な嘘を見繕っても、ろくな結果にはならないのが容易に想像できたからである。

「まぁ、どちらでもいいんだけど……」

 すっ、と霊夢が一歩前に踏み出す。魔理沙はびくりと震えた。

「……あなたたちのを見てたら、なんかわたしもシたくなっちゃった……」

 浴衣をはだけるのを、気配で感じた。実際、月明かりがわずかに届く位置まで霊夢が近づいたときには、霊夢は全裸になっていた。

「あ、あ、あ、あ、あ……」

 背後から嬌声。アリスを見ると、アリスの男根は再び勃起し、アリス自身の手によって慰められていた。

「ほら、アリスもまだ足りないって……。魔理沙のここも、シて欲しい、って言ってるわよ?」
「…………!!」

 霊夢は無造作に魔理沙のモノを掴み、しごき始めた。我慢汁とアリスの愛液や唾液などさまざまな液体でぬらぬらと光るそれを、ぬちゅぬちゅと音を立てて、激しく。

「さぁ……私も、楽しませてよ?」

 狂宴の開幕を告げるかのように、魔理沙は早くも射精していた。











 …………………。~












 何度果てたか、十回を越えたあたりから数えてはいない。

 もう体力は尽き、身体を起こすことも困難なのにも関わらず、股間のモノは硬くそそり立ち、腰はぶるぶると震え、いろんな液体を撒き散らし続ける。

 ぐへへ口はそう言っても身体は正直だぜへへへへ、などと冗談めかして使ったことがあるが、実際にそんな状態になってみるとはっきり言って面白くもなんとも無い。自分の身体が正直と呼べる状態かはさておいて、ではあるが。

 半分以上混濁した意識の中、魔理沙は自分に跨って腰を振る霊夢をぼんやり見つめながら、そんなことを思った。

 まともな思考回路はとうに奪われ、魔理沙の身体は快楽を求めて腰を振るだけの装置に変わってしまったかのようだ。ちょっとした刺激ですぐに達するくせに、その性欲は衰えることを知らず、再びスタートラインに立つ。

 男性的な終焉と女性的な終焉を何度とも無く迎えた魔理沙の全身は弛緩し、荒い呼吸を繰り返す。四肢を投げ出し、虚ろな目で定まらない視線を泳がせながらも、腰だけは独立した生物のように霊夢の膣を突き上げ続ける。

「あはぁん、あ、あ、あ、あ、うぅ、ぅん、んぁっ、はぁ、あぁ……」
(あ、また出る……)

 びゅびゅびゅびゅびゅっ! びゅるるっ!

 魔理沙は予告も無く霊夢の膣内に射精する。通常ならば魔理沙の陰茎はそこで萎えてしまって終了だが、またしてもほぼ間をおかず、かちこちに勃起し、霊夢を突き上げ、かき回し始める。

「ああぁっ! また硬くなってる……あは、あぁ、あんっ」

 そしてまた、霊夢は腰を振る。魔理沙は涎と涙を垂らしながら、霊夢に懇願した。

「……れ、りぇいむ……たのむ、もう、ゆりゅしてくりぇ……く、くりゅしい、くりゅしひいんだ……つらい」

 霊夢、頼むもう許してくれ、苦しいんだ。

「…………」

 霊夢は腰の動きを一旦やめ、魔理沙に覆いかぶさり、零れ落ちる涙を舐めた。

「苦しいの? 魔理沙」
「う、うん……」
「じゃあ、少し休んでも良いわよ」

 魔理沙の表情が、ぱあぁ、と明るくなる。霊夢が魔理沙から離れる。

「でも、すぐムダになると思うけど」

 霊夢の呟きを、魔理沙は聞いていなかった。霊夢から引き抜かれたモノを隠しもせずそのままに、瞼を閉じて休息に入った。

「アリスー、起きて、ほら」

 アリスは数分前に、霊夢にガタガタにされるまで攻められた結果、失神してしまっていた。
 股間のモノも、消えてはいないが、今はかなり落ち着いている。アリスは自慰によって、魔理沙よりも遥かに多い回数射精しているからだ。
 アリスの身体も、周囲もなにもかもがべとべとになっている。霊夢はそんなアリスを抱きかかえ、浅い呼吸を繰り返す顔をぺろぺろと舐めた。

「う、うん…………」

 顔をしかめ、起きるかと思ったが、起きそうで起きなかった。
 一度シャットダウンまで追い込まれた意識は、なかなかに戻ってこないものだ。

「ありゃ、本気で失神してるわ。この子。……つまんないの」

 アリスを隅のほうに追いやり、霊夢は魔理沙のほうを向いた。

「どう? 私の言った言葉の意味がわかった?」

 魔理沙は霊夢の言葉を聞いてはいなかったが、結論からすると理解はした。
 陰茎は刺激が無くなるや否やびんびんに勃起し、刺激を求めて魔理沙を苦しませた。無論休むことなどできなかった。

「れ、れいむ……すまん、わたしがわるかった、たのむ、これをなんとかしてくれえぇ……」

 哀願する魔理沙。魔理沙は体力的な限界と精神的な限界、そして溢れる性欲のせめぎあいで、我を失っていた。

 霊夢はくすりと笑い、

「えぇ、わかったわ。付き合ってあげる」

 ぱくり、と魔理沙のモノを口に含んだ。

「ふぅぁぁぁぁああああっっ…………」

 その刺激だけで、待ちわびていた魔理沙のモノは射精する。

 びゅ、びゅびゅ、びゅびゅ……

 精液を吸い尽くすと、霊夢は言った。

「アリスは何回出したかしら……魔理沙は、あと何回出せばいいのかな?」

 霊夢の口の中で、魔理沙のモノはまた復活する。快楽に溺れ、魔理沙はわずかに取り戻した思考回路を、完全に手放した。
 






 失神したのが早かった分、復活するのも早いのだろうか。

アリスが目を覚ましたとき、辺りは静かになっていた。~


「…………」

 外はまだ暗い。まだ大して時間は経っていないだろう。
 起き上がり、自分の身体を見る。

(うわ……)

 惨々たるありさまだった。簡単に言うと、得体の知れない液体まみれ。半分以上が渇いてがびがびとなり、非常に気持ち悪かった。顔と髪を触ると、やはりがびがびになっている。洗うのが大変そうだった。

(ぅわぁ……)

 周囲の状況も凄かった。何気なく手をついた敷布団はぐっしょりと濡れていて、バケツの水をひっくり返したかのようであった。

 そうだ、魔理沙は?

 隣の布団を見やった。

「うわっ」

 思わず声が出た。
 先ほど自分の状況を見て「惨々たるありさま」などと表現したが、甘かった。
 凄惨。この一言に尽きる。

 四肢を投げ出し、股を開いたまま、液体まみれで気絶している。股間の男根は、今は大人しくなっていた。まるで数十人に立て続けに強姦されたあとのようで、実際にそんなものお目にかかったことは無いが、そう言われたら信じてしまうほど、全身精液まみれになっている。

 しかも、考えてみれば霊夢は『アレ』が生えていないのだから、これらは全て魔理沙一人の精液であろう。信じられない量であった。

(明らかに媚薬だけの効果じゃないわよね……)

 アリスも魔理沙も知ることの無いことであるが、霊夢の作った食事は精力を増強させるメニューばかりであった。それが媚薬と相乗効果を発生させて、これほどの性欲と精液の量を生み出したのである。

 とにかく、こんな状態では眠れない。

 アリスは着替え(もともと着ていた服だ)を用意し、だるい身体に喝をいれ、魔理沙を担いで風呂場へと向かった。







 霊夢は博麗神社の境内で、月を見ていた。
 散々魔理沙を犯し倒したのち、どういうわけか全然眠くならないので、優雅にお月見を楽しもうということらしい。

 月はとっくに真上を通り越し、かなり落ちていたが、かえって見やすい角度に来たものだ。

 境内はしんと静まり返っていた。当然である。こんな時間に来訪者があるわけもなく、二人の客人は夢の世界のはずである。

 月を見る。

 ありきたりな感傷であるが、星とか太陽とかを見ると、自分の小ささについて認識することがある。
 そんなとき、霊夢はいつも生と死について考える。

 霊夢は自分がいつから巫女をやっているのか、思い出すことができない。幼い頃の記憶というものも無く、気がついたら巫女の仕事をしていた。だから、親の顔も知らないし、博麗神社の13代目の巫女であるが、12代目がどんな人物だったのか、知ることも無い。自分の親だったのか、それともまったくの別人だったのか。

 博麗の術についても、ろくに修行をしない霊夢にも扱える。しかし、どうやって身に着けたのかはわからず、元々使えたとしか言いようが無い。

 自分はどのようにして生まれたのか。それを考えると、思考の行き着く先はいつも生とは逆の死についてである。

 死ぬとはどんなことなのだろう。自分は怪我すらろくにしたことが無いが、箪笥の角に小指をぶつけるより痛いのだろうか。

 冥界は騒がしいので自分にはあまり合わないが、少なくとも辛いとか淋しいとかいう感傷とは無縁そうである。もし死ぬなら、幽々子に頼んで冥界に誘われるのもいいかもしれない、と思った。

 すきまの妖怪はもう1000年を越す時間を幻想郷で過ごしているという。多分、もう1000年くらいは生き続けるのだろう。あるいは、幻想郷が消えるまで生き続けるのかも知れない。一日の半分を寝て過ごし、四季のうち三つの季節しか活動しないとしても、生きるのに退屈するのは時間の問題だろう。紫のあのけだるい性格は時間が生み出したものなのかもしれない。

 吸血鬼は弱点がやたら多い代わりに不老不死だといい、500年ほど生きているらしいがこれでも若い方だという。老年のレミリアを想像しておかしくなったが、『不老』というのは成長もしないのであろうか。こんど聞いてみよう。

 時間を操るメイドは、かなりどうでもいい作業にしかその能力を発揮しているのを見たことが無いが、時間を進めるのも戻すのも自由自在なのだろうか。不老不死と言っても間違いではないだろう。彼女は年をとるのだろうか。聞いたら怒られそう。

 魔理沙は不老不死で無いので、そのうち死ぬだろう。病気で死ぬかもしれないし、ある日突然箒の操作を間違えて落ちて死んだ、なんてこともあるかもしれない。それは何十年後か、明日かも知れないが。

 アリスは妖怪だから、寿命は長いけど、それでも吸血鬼とかよりは早く死ぬんだろう。でも、魔法使いという種族がなんなのか良く知らないので、あるいは死なないのかもしれない。


 でも、不老不死だろうがなんだろうが、博麗の力の前には関係の無いことだ。

 幻想郷の中にいる限り、博麗は絶対であり、不可侵の存在である。
 霊夢が殺してしまおうと思えば、みんな死んでしまうのだ。

 だから、他人と接することは蟻を踏まないように歩くことにも似ていて、極力感情を動かさないようにする必要がある。

 自然、他人に無関心になる。関心の無いものに感情は動かないから。

 だから……霊夢は一人で月でも見ながらお茶を飲むのが、好きだった。

 それでも、月すら死んでしまうのではないかと思い、感情を殺し、無関心を装った。

 自分でも、過大評価、誇大妄想もいいところだと思う。実際、そこまで博麗が強力なのかというと、そんなことは無いと思う。しかし、未知数であることは事実なので、慎重にならざるを得ない。


 ひゅう、と風が吹いた。霊夢は寒さには強い性質なので平気だが、先程から物陰で様子を覗っている金髪には辛いのではないだろうか。

「アリス、こっちに来ない?」

 金髪が月明かりを受けて、わずかにだが反射している。その光がびくりと動くのを、霊夢は見た。

 霊夢の言葉通り、姿を現したのはアリスだった。浴衣ではなく、いつもの青いワンピースを着ている。

「————なんだ、わかってたんなら、もっと早く呼んでよ。湯冷めするじゃない」

 アリスの言によると、魔理沙と共に風呂に入って身体を清めたあと、魔理沙を霊夢の部屋に寝かしつけてきたらしい。魔理沙は結局目を覚まさなかったという。

「ここに来たところで、寒いものは寒いわよ。湯冷めしたくなかったら、とっとと中に戻ることね」

 突き放すように言う。
 霊夢も考え事で少々アンニュイになっていたので、今は誰とも話したくなかった。そうでなくとも、他人と話すことは————前述の通りである。

「客間が凄い匂いするのよ。掃除が必要ね」

 アリスは完全に無視して、霊夢の隣に座った。

 沈黙。

 霊夢はアリスを前にして、いろいろと思うところがあった。

「……ごめんなさい」
「——え?」

 突然呟いた霊夢に、アリスは驚いた。霊夢から謝罪の言葉を聞くなど、初めてだった。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「ちょちょ、ちょっと、どうしたのよ。いきなり。なんのこと?」

 霊夢のは俯いていて、その表情はアリスには見えなかった。

「だ、だって……さっき、ひどいこといっぱいした……最初は魔理沙に貰った媚薬が残ってるのを思い出して、ちょっと楽しもうと思って水に混ぜたんだけど、ほ、ホントよ? だけど、なんだか自分が止められなくなって、すごくいじわるになっちゃって、そんなことしたいわけじゃないのに、二人を見ていたら、その、いじめたくなっちゃって……」
「…………」

 好きな子にいじわるしてしまう心理。ちょっとのいたずらが自分でも止められなくなるほど大きなことに発展してしまう事象。そんなありふれた事柄が、霊夢の行動をエスカレートさせた。

「ホントはいけない、可哀想、やっちゃいけないって、わかってるのに、何でだろ、わたし、わたし、二人のこと好きなはずなのに……」
「…………」

 霊夢も普段超然としているようで、普通の女の子と同じだった。普通に恋をして、不安定な精神を持ち合わせている。普段他人に対して押さえ込んでいる感情は、ついつい身近な相手に対して爆発するかのようにぶつけられる。『他人』よりも一歩踏み込んだ魔理沙とアリスがその対象に選ばれるのは、至極当然であった。

「……うん、そう。ホントはもっと、もっと魔理沙とアリスと仲良くしたいの……一緒にいたいのに、どうしてもそれはできないから、苦しくて、く、うぅ……」

 思わず涙を流す。自問による感傷、魔理沙とアリスに対する親愛の情と、自責の念が混ぜこぜになり、霊夢の精神を弱くさせたのだ。

 しかし、アリスはいとも簡単に言ったのだった。


「はぁ、それで、なんで謝る必要があるの?」


 霊夢が顔を上げる。その頬は涙に濡れていたが、表情は「はぁ?」とでも言いたげだった。

「え、だ、だって、ひどいこといっぱいしたし、その……」
「いや別に、私は怒ってないし。魔理沙だって怒ってないだろうし、明日になって起きれば、なんも変わってないと思うわよ?」

 あっけらかんとアリスは言った。霊夢は困惑した。

「だから、霊夢がやりたいようにやったんでしょ? 途中から自分が止められないみたいなこと言ってたけど、それは単に心のどこかでそうしたいと思っていたからで、要するにやりたいようにやったわけでしょ? そこになんで私や魔理沙に謝る要素が出てくるのよ?」
「え、え、え、だ、だって、嫌じゃなかった……?」

 アリスは目を細め、霊夢を睨み付ける。

「嫌だったわよ、そりゃ」
「じゃ、じゃあ私は……」
「でも、それに関して霊夢が謝る理由がわかんない」

 霊夢はきょとんとして、理解できないという顔をした。アリスはいらいらしたように、頭をかく。

「だから、罠にはまった私や魔理沙がうかつだった、ってだけの話なの。そもそも、霊夢はやりたいように振舞っただけで、別に悪いことをしていないだってば」
「? ? ? ? ?」
「…………??」

 霊夢は理解できないという顔をして、アリスはそんな霊夢が理解できないようだった。


 やがて、アリスは合点がいった表情を見せたあと、突如大笑いをした。

「な、なんで笑うのよ?」
「あっははは。だって、意外にも程があるじゃない。まさか、怠惰とマイペースの代名詞みたいに思われてた博麗神社の巫女が、実は幻想郷で一番真面目で、勤勉でしたなんて言ったら。誰だってどんな冗談かと思うわよ」
「????」

 また笑うアリスを見て、霊夢もだんだんといらいらしてきたらしい。

「もう! ちょっと、ちゃんと説明してよ!」
「あははは。ひー。……いや、ごめんごめん」
「…………」

 睨み付ける霊夢。アリスは口元に笑みを浮かべ、目を細めて霊夢を見返して、言った。

「あのねえ、ここは幻想郷なのよ? 地上の楽園。あなたが何をしようと、あなたの勝手でしょう? 一体何を気に病むっていうのよ」
「だ、だって、それで他の人に迷惑をかけたら……」

 アリスは霊夢のその言葉に目をみはり、溜め息をついた。

「……はぁ。あなた、他人に迷惑をかけずに生きる方法なんて、山奥に一人で住むくらいしか方法無いわよ。いや、そうしたって絶対にどこかで連鎖反応起こして、他人に影響を与えてると思うわ。だから、いちいちそんなこと気にしてどうする、って私は言ってるのよ」
「……だって、私は、博麗神社の巫女だもん」
「はぁ?」

 霊夢は呟き、そしてぽつぽつと先程考えていたことを言った。
 巫女としての自分のこと。博麗の力のこと。生と死のこと。そしてうっかり、普段無関心を装っていることに関してまで話してしまった。

 アリスは心底呆れかえった様子だった。

「……あなた、意外とばかね」
「ば、ばかとはなによぉ……そんな、私は真面目に」
「いいや、ばかよあんたは。あの月を見なさい! 綺麗だとか大きいとか思わないの!?」

 アリスは既に低くなりつつある月を指差して言った。

「思うでしょ? ただそれでいいのよ。もしあの月が気に食わないと思うんなら、ご自慢の博麗の力で消し飛ばしてもいいわ」
「だ、だってそんなことをしたら、この間みたいな事件に……」
「『だって』とかそんなに何回も言わないの。当たり前でしょ。月がなくなったら大抵の妖怪は迷惑するし、私だって迷惑よ。だから、もしあなたが月を消したら私はあなたのところに行って責任取れって言うか、なんとかして再生する方法を考えるわよ」
「だ、……じゃあ、やっぱりいけないことじゃない」

 『だって』と言いそうになったらしい。

「……だから、それが勝手に生きる、ってことなのよ。あなた昨日の昼間、私と一緒に夕日を見たわよね? そのとき、綺麗とか雄大だとか思わなかったの? それでいいのよ! 思わなかったら、またそれでもいいの。好きなように生きて、誰が文句を言うか。みんな好き勝手に生きているのがここ、幻想郷なのよ」

 アリスは息継ぎをして、

「っていうか、博麗の力が私達を殺すなんて考えているみたいだけど、霊夢、あなた、魔法使いを嘗めているの? 魔法は万能の力。その気になれば、幻想郷の全てを火の海にできるわよ。吸血鬼だって、死人嬢だって、そのへん暢気に歩いている妖怪でさえ! やりようによっては幻想郷を覆いつくせるのよ。じゃあ何故やらないのかって? そんなことをしても意味がないからよ。それが、『好き勝手に生きる』ってことなの。わかった?」

 喋りすぎたのか、はぁはぁと息が荒くなる。
 それでも霊夢はまだ頑なだった。

「……でも、もし取り返しのつかないことになったら……」
「っだーっ! 嘗めるなって言ったでしょ!? 物を壊したら私が魔理沙が魔法で何とかしてあげる! 誰か死んだら死人嬢に死を操ってもらうよう頼んであげる! なんか良くないことがあったら吸血鬼に運命をいじってもらって、年をとったらメイドに頼んで若返らせてもらえばいいじゃない!」

 霊夢は目を見開いた。

「困ったことするやつがいたら、霊夢がなんとかしようとするじゃない? だから、霊夢が困ったことになったら、みんなが助けてくれるわよ」

 もちろん私もね、と付け足す。

「霊夢、一人で生きなくてもいいのよ。みんながいるんだから。だから、もっと面白おかしく『勝手に生きて』も、いいのよ」

 アリスが言い終えた時、霊夢は俯いて、肩を震わせていた。

 しばらく沈黙が続く。

 やがて、霊夢は口を開いた。

「…………そっか」
「うん」
「そっかぁ……」
「うん」
「……私、ばかだったね」
「うん。ばかね」
「……はっきり言わないでよ」

 アリスは霊夢の肩を抱き寄せる。

「だから、そばにいて欲しいって思ったら、そう言えばいいし、そばにいたければそうすればいいの。霊夢は、ちょっと不器用だったね」

 ぽろりと涙がこぼれた。霊夢は頭をアリスに預け、涙を流し続ける。

「アリス……私はやりたいようにしても良かったのよね」
「傍目からは抑えてたようには見えなかったけど」
「……さて、どうかしら。ふふ」

 背筋がぞくりとし、アリスは身を震わせた。

「寒いの? ……中に入りましょう。もうすぐ朝だから、少しずつ暖かくなってくるけど。布団はもっと暖かいと思うわ」
「い、いえ……寒いというか」
「さぁさぁ、それ入れ、やれ入れ」
「ちょ。ちょ、ちょっと、なんなのよ、急に」





 霊夢がアリスの背中を押して歩き、霊夢の部屋の前までそのまま押し、中に押し込んだ。
 中では霊夢の布団で魔理沙が寝こけている。霊夢は押入れから別の布団を取り出すと、開いているスペースに敷いた。

「れ、霊夢……?」
「ねぇアリス、えっちしよ」

 恥ずかしげも無く言った。

「……え……?」
「だから、えっち。セックス。いま、すごくシたい気分なの」
「さ、さっきあんなにやったじゃ……。きゃ!」

 霊夢はアリスの手を引っ張り、布団の上に組み敷いた。

「アリス〜♪」
「や、ひゃ、きゃ、ちょっと」

 アリスに抱きつき、胸に顔をうずめ、ぐりぐりと頬ずりをする。

「霊夢、急に、どうしたのよ」
「アリスが教えてくれたのよ。『勝手な生き方』ってやつ」
「そ、それは……」
「あ、服、皺になっちゃうわね」

 霊夢はアリスが抗議する間もなく、手早くアリスの服を脱がせ、綺麗にたたんでしまう。

「あの、その、霊夢?」
「うん?」
「えーと……」

 展開の早さについていけず、アリスは混乱していた。

「うん、大丈夫よ。さっきみたいに乱暴にはしないから」
「い、いや、そうじゃなくて」
「あ、私も服を脱がないと不公平よね」
「あ! いつの間にか裸だし!」
「気づくの遅いって」

 アリスの混乱ぶりも霊夢のテンパり具合もよく見て取れた。

 アリスは口内の唾を飲み込み、覚悟を決めて言った。

「なら、わたしもやりたいようにやるわよ」

 霊夢はその意味がわからなかったようだ。

「わかる? 『勝手に生きる』ってことは、当然、他人の『勝手』も受け入れるってことなのよ」
「アリスは受け入れてくれるの?」

 その返答は意外だったようで、アリスは一瞬言葉に詰まった。

「私はアリスを受け入れられるよ。だから……アリスにも私を受け入れて欲しい」

 もう一度唾を飲み込み、

「ええ……もちろんよ」

 二人は見つめあい、同時に微笑んだ。



「はむっ、むっ、ん、ちゅ、ちう、ちゅぱっ、むぅう……♪」
「は、うん、ちゅ、ちゅ、ちゅ、はっ、はぅ、ちう、ちゅ」

 霊夢は激しくアリスの唇を求め、舌をぐいぐいとアリスの口内に押し込み、アリスの舌を口内に誘い込み、激しく吸いまくる。

 息ができず、アリスが口を離そうとしても、霊夢はそれを許さずにアリスの唇を吸い続ける。

「ぷはぁっ、ん! んむ、ちゅう、ちう、ちゅぱっ! はっ」
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅ、ちゅ、ちゅ♪」
「ちゅぷ……ぷはっ、ちょ、れ、くるし……」
「ちゅぅっ! ちうちう、ちゅ、ちゅ、ちゅ♪」
「は、ちゅぅ、はぷっ! ぷはっ、むぐ、ん、ん、んうぅぅーーーーっ!!」

 たらー、と長い長い唾液の架け橋をつくって霊夢がようやく口を離したとき、アリスは呼吸困難でぐったりしてしまっていた。

「はぁ、はぁ……」
「はぁー、はぁー……♪」

 霊夢は恍惚とした表情で、アリスの首を嘗める。

「あっ」

 ちゅっ

 軽く吸い、キスマークをつける。

「はんっ」

 片手でアリスの胸を揉む。しかしそこでアリスが反撃に出た。

(このっ)

 ちうっ

「あんっ」

 アリスも霊夢と同じように、霊夢の首筋に吸い付き、

「はうっ」

 霊夢の乳首を摘んだ。更にアリスはさりげなく腿を霊夢の股に差し入れ、むき出しの秘部にアリスの足が触れ、霊夢はぴくりと身体を強張らせた。

「あっ、はっ」

 更にアリスは片腕を霊夢の背中から肩に回して固定し、余った方の足を霊夢の足に絡め、身動きをとれなくする。
 腰をくねらせて、アリスの秘部を刺激する。

「はっ、はっ、ふぅ」

 霊夢はやられ放しではたまらんと、再度アリスの唇を奪い、強烈に吸い込む。

 ちゅ、ちゅ、ちゅるるる、ちゅぶぶっ、ちゅぶ、ちうちうちう

「ちゅぱっ、れろ、ちゅぱっ♪」
「はぅん、ちゅ、ん、ちゅぅっ」

 アリスは腰をくねらせるのをやめず、霊夢の秘部を刺激し続ける。しかし、霊夢の腹と密着している、勃起したアリスの男根にも、同時に刺激が行き、アリスの動きは諸刃の剣となった。

「————!」

 アリスはうっかり射精しそうになったが、こらえる。
 胸を愛撫していた手を抜き、霊夢の尻を撫で回した。

「あぅんっ」
「……?」

 思ったよりも過敏な反応に、アリスも眉をひそめた。

「霊夢、おしり撫でられるのが好きだったの?」
「し、知らないっ」

 ぷいと横を向く。アリスはチャンスと思い、肩に回した手も離し、両手で霊夢の尻を掴み、揉みしだいた。

「はっ、あ、あ、ひゃ、あ、う、ん」

 尻を撫でられ、揉まれるたびに霊夢は嬌声をもらし、身体を震わせた。
 そして、アリスは腿に粘性の液体がついたのを感じた。

「くす、霊夢、おしりで感じたのね?」
「い、いやぁ……」

 そこで思いもかけないことが起こった。

「そーかそーか。霊夢は実は尻が弱点だったのか」
「ひゃ!?」
「あら、魔理沙。起きたの?」

 霊夢の尻をなでなでしながら声をかけてきたのは、いつの間にか復活した魔理沙だった。

「なんか隣でアンアン言ってるからな。嫌でも起きる。何で私客間じゃなくて霊夢の部屋で寝てて、着替えまでしてるんだ?」
「あ、ひゃ、ひゃ、は、あ、あ、あ」
「全部私がやったわ。感謝してよね」

 魔理沙とアリスは会話しながらも霊夢の尻を撫で回し続けた。

「しかもなんか霊夢が攻められてるなんて、ステキ展開になってるし……」
「あ、あ、あん、あん、ふあぁ」
「せっかくだから、あんたも参加しなさい。ほら、服脱いで」
「合点承知」

 魔理沙は手早く服を脱ぐ。

「えいや」
「それ」
「ひぃゃぁっ!?」

 抜群のコンビネーション。魔理沙が霊夢の腰を掴んで引き上げ、アリスは足でそれを支え、同時に霊夢の膝を立たせる。

「よっしゃ、攻めやすい位置に来た」

 魔理沙には霊夢の秘部が丸見えである。

「ひ、い、いや……あはぁん!」

 魔理沙が霊夢の尻の穴を舐めた。霊夢は嬌声をあげ、股を濡らす。

 霊夢の腰が上がったので、胸が浮いて、攻めやすくなる。アリスは手を霊夢と自分の間に差し入れ、霊夢の胸を愛撫した。

 むにゅ、むにゅ、むにゅ

「あん、あはぁ、ひぁ」
「何よ、私が凄く大きいみたいなこと言っておいて、自分も結構あるじゃないの」
「ないのは私だけってか? こんにゃろ、おしおきだ」
「んふぅぅーーーーーーっ!」

 霊夢が魔理沙の理不尽な言葉に抗議をしようとした瞬間、アリスが素早く霊夢の唇を塞いだので、当然霊夢の抗議は聞き入れられなかった。

 魔理沙は、尻の穴を舐めていた舌を、尻の中に差し入れ、嘗め回した。

 にゅぶ、ぴちゃ、ぴちゃ、ちゅぶ、ぺろ

「んんぅーーーーーっ♪」

 霊夢はアリスに口を塞がれたまま嬌声を漏らし、同時に小水も漏らしてしまった。

 しょろろ……

「……あーあーあ。霊夢、お漏らししちゃったの? 私のおなかに零れてるよ?」
「いやぁ……言わないでぇ……」

 口を離してアリスが言うと、霊夢は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「悪い子だな。霊夢は。オシオキしないと」

 ぱんっ!

「ひぃぁっ!」

 ぱんっ! ぱんっ!

「ひぁぅん! ふぅぁっ!」

 魔理沙が霊夢の尻を叩く。霊夢は腰を震えさせた。

「……あれ、悦んでないか、こいつ」
「あらホント」
「ち、ちが……」
「霊夢は淫乱だなぁ。尻を叩かれて、悦んで腰を振るなんて」
「そ、そんな……ぅぅぁっ!?」
「別のオシオキが必要かなっと」

 魔理沙は中指を霊夢の尻の穴に挿し込み、中でくねらせた。

「あはぁぅんっ!? くふぅぁぁぁっ♪」
「うわっ、こいつ本当に変態だ」
「ホント。どうしようもないわね」

 アリスは霊夢の頬に手を沿え、口づけをした。

「でも、涎を撒き散らしてよがり狂う霊夢も、かわいいわよ」
「ふぁ……」
「じゃあもっとよがらせるか」

 魔理沙は尻をいじる中指に加え、親指を膣に挿し込み、内側の壁を挟み込むように指を出し入れした。

「んぅぅぅぁぁっ♪ くぅぅぅんっっ♪」

 がくがくと震え、悦ぶ霊夢。

「……ん、もうそろそろ、入れて欲しいんじゃないか?」

 耳元に口を近づけて、魔理沙は言う。
 霊夢はこくこくと頷いた。

「うん、うん、うん!」
「あら、もう入れて欲しいの?」
「どっちだ? 前か? 後ろか?」

 アリスが胸をまさぐり、ときおり唇を重ねながら、魔理沙が肛門と膣、両方を弄繰り回しながら問う。

「……ほう」
「え、どっち?」
「どっちだ?」

 今度ははっきりと言った。

「両方とも欲しいの! ふたりのを、ちょうだい!」

 アリスと魔理沙は顔を見合わせ、そして互いの股間のモノを見た。

「……本当に」
「かなわねーな」

 アリスと魔理沙は嘆息した。 







 アリスも魔理沙も、既に数えるのもばかばかしいほどに射精した気がするが、二人のモノはまたしてもギンギンに硬くなり、そそり立っていた。

「しかし……我が身体のことながら、一体なんなんだって感じだぜ」
「……本当に、ちゃんと消えるのかしら、コレ」

 もし消えなかったら? 想像するだけで二人はアンダーな気分になる。

「まぁ……どうせあなたたちにしか見せないんだから、問題はないんだけど」
「でも、身体が完全に変化するのって、なんか抵抗あるよな」

 ぐちぐちと言っている間も、霊夢は二人を待ちわびて、息を荒くしながら股を濡らしていた。

「……あんまり待たせても可哀想だし」
「まぁ、あとで考えようか」

 アリスは寝転がったまま、霊夢を誘い入れた。

「霊夢、私が前よ。……入れていいわよ」

 こくりと頷き、アリスをまたいで、霊夢はゆっくりと腰を下ろした。

 ず……ずぶ……ぶちゅ……

「あ……っ……はっ……」

 ぐ……じゅぶ……

 ……そして、一番奥まで達する。

 ず…………ん

「ふぅぁっ………」

 霊夢はぷるぷると震え、



「……………………きゅんっ♪」



 あっさりと、絶頂を迎えていた。きゅっ、きゅっとアリスのモノを締め付け、どろどろと愛液を垂れ流した。

「おいおい、まじかよ」
「霊夢、どうしちゃったの?」

 二人は驚いて霊夢に声をかけるが、霊夢は陶酔したような表情で、絶頂に浸っている。

「……霊夢、後ろが私だ。入れるぞ?」
「ちょっと、魔理沙、少し待ってあげたら……」

 しかし、霊夢は魔理沙の言葉に、頷いていた。
 アリスも黙る。

 霊夢小さな尻の穴。魔理沙の愛撫によって幾分柔らかくなり、唾液がすりこまれていたが、それでも魔理沙のモノを受け入れるのは無理があるように見えた。

 しかし、魔理沙がモノをぐいと押し付けると、霊夢の尻は待ちくたびれていたかのように、魔理沙を受け入れた。

 ず……ずず……ず、ず、ず

「……っ……ぅ……!」
「く……っ……きつい」

 襞壁を隔てて、アリスは魔理沙のモノが動いているのを感じた。やがて、それが止まるのも。
 魔理沙のモノが根元まで収まったとき。



「…………ぅんっ♪」



 霊夢はまたしても絶頂に達した。がくがくと揺れる。

「またか!」
「本当にどうしたの? 霊夢。……大丈夫?」

 媚薬を使ったわけでもないのに、いくらなんでも感じすぎである。

 霊夢は顔面だけでなく、胸の辺りまで肌を紅潮させ、涙目で、涎を垂らして恍惚の表情で絶頂を満喫していた。

 霊夢のこのような表情は、魔理沙もアリスも、見たことが無い。
 感想はまったく同一であった。


(か、かわいい……!!)


「霊夢〜♪ 愛してるぜ〜」

 霊夢の背後から、魔理沙が抱きつく。

「あっ、ずるい」

 アリスも慌てて身体を起こし、魔理沙の手から奪い、霊夢を抱き締める。

 体勢をころころ変えたことで、霊夢の体内で二本の棒が暴れまわった。

「ふぅぅぁああああんっ♪」

 ぷしゅぁ、ぷしゃぁぁぁぁ

 霊夢は潮を噴いて、またしても絶頂に達した。さらさらとした液体はアリスの下腹に当たり、股を伝って布団を濡らした。

(うわぁ……明日洗濯ものが多いだろうなぁ)
(……しかし)

 先程から霊夢ばかり楽しんで、ちっとも気持ちよくない。
 今の状況を面白くなく思い、魔理沙とアリスは霊夢に対する攻めを再開した。

 リズム良く、交互に出し入れする。

 ぐじゅっ、じゅぶっ、ぐじゅっ、じゅぶっ、ぐじゅっ、じゅぶっ

「ふぅぁん、くぅぁん、んうぅぁぁ、ふぅぁ、うん、あん、あん♪」

 少しスピードを上げる。

 じゅぼ、じゅぶ、ぶじゅ、ぐじゅ、じゅぶ、じゅぶ、ぐじゅっ

「くぁ、はぁ、あぅ、くぅ、あっ、あぅ、うぅ、はぁ、んん♪」

 わざとリズムを崩し、突き、回し、引き、予想不可能な動きをする。

 ぐじゅじゅ、ぶじゅぐじゅじゅぶじゅぐっ、ぐじゅっ、ぐじゅぐじゅっ!

「はああぁっ! くぅぁっ、うぅぁあん、ふっ、くぅぁあ!!」

 魔理沙が霊夢の腰を掴み、アリスはその上に自分の手を重ね。タイミングを合わせて引き寄せ、同時に力いっぱい霊夢を貫いた。

 じゅじゅじゅぶううぅっっっ!!

「うっふううぅぅぁぁぁぁ…………っっ!!」

 霊夢の体が弓なりに反り、口をパクパクさせて痙攣する。

 アリスと魔理沙はそろそろと焦らすように抜き、

「ふぅぁぁぁ〜〜〜〜…………ぅぅぅぅぁぁぁぁぁ〜〜〜〜」

 そしてまた霊夢の腰を引き寄せ、力いっぱい突き入れる。

 じゅじゅじゅぶううぅっっっ!! 

「…………!!」

 何度も。

 じゅじゅじゅぶううぅっっっ!!

「…………ぅっ!」

 何度も。何度も。

 じゅじゅじゅぶううぅっっっ!! じゅじゅじゅぶううぅっっっ!!

「……ぁぅっ! ……はぅっ!」

 何度も。何度も。何度も。何度も。

 じゅぶぶっ!! じゅぶぶっ!! じゅぶぶっ!! じゅぶぶっ!!

「……あんっ! ……はんっ! ……ふぅぁっ!」

 何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。

 じゅぶっ! じゅぶっ! じゅぶっ! じゅぶっ! じゅぶっ! じゅぶっ!

「……あはぁ! ……あんっ! はぁ、あん! あん!」

 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!

 じゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっじゅぶっ

「あん! あん! あん! あん! あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、霊夢、霊夢、霊夢!」
「はぁぁ、ぁぁ、あぁ、あ、いく、いく、霊夢、いく!」

 そして、幾度目か霊夢の一番奥に突き入れたとき。

『ふああああぁぁぁーーーーーーーーーーーーっっ!!!』

 三人は同時に絶頂に達し、

 ぷしゃっ、ぷしゃあぁっっ、ぷしゃぁーーっ

 びゅびゅびゅびゅっ、びゅるるるる、びゅびゅびゅ

 どびゅびゅ、どびゅ、どびゅるるるるる

 なにやらよくわからない色々な液体を撒き散らしながら、疲れ果てた三人はそのまま横に倒れて、抱き合いながら眠りについたのだった。










(霧雨魔理沙の日記、最初の1ページ目)

 ○月×日(△)

 あーなんだ、日記なんて普段書かないから、ちゃんとした書き方なんてわからないんで、思いついた順に話し言葉で書くことにするぜ。誰に見せるわけでもないが、一応自分に対する言い訳ってことで。
 今日から日記を書くことにした。まぁ、どうせ明日には飽きてるってのが容易に想像できるのが我ながら悲しいがな。
 いつもどうり幻想郷は平和なんだが、ちょっと変なことがあったんで、どこかに記録しておこうと思ったわけだな。で、そんなときに個人的な日記ってのは便利でな。メモ代わりに書こうと思い立ったわけだ。
 最近、霊夢の様子がなんか変なんだ。なんていうか、うまく言葉にならないが、お茶飲みながら日向ぼっこしたり、ふらふらして妖怪しばいたりしてんのは何時もどおりなんだけどな。なんつーのかな。妙に生き生きとしてんだよ。
 うちに遊びに来る回数も増えたし、神社に招かれることも増えたし、紅魔館や冥界に遊びに行ってる姿も何度か見かけたな。今までに無い行動だ。
 アリスともちょくちょく遊んでるみたいだ。アリスの家に行ったり、アリスを家に招いたりして、お菓子作りを習ってるんだと、紅魔館のメイドの鼻をあかすのが目標とか言ってたな。
 誰と会話をしても、ころころと良く笑う。あんなに笑顔を見せる霊夢は、めったに見られないんだぜ、おい。
 それからだな、なんか妙にべたべたしてきて、急に抱きついて来たりするんだ。肉体的にも精神的にも距離が近くなった感じだな。
 さっきから箇条書きになっちまってるのはカンベンな。最初に言ったとおり、思いついた順に書いてるんで。
 このあいだも、知り合いを片っ端から呼び出して神社で宴会やった。「本格的に寒くなる前にやっときたいから」とかなんとか、理由になって無い理由の宴会だった。まぁ楽しかったからいいんだけどな。そういえばこん時だな。メイドとアリスのお菓子の味を比べて、霊夢が唸ってたの。

 ここまで書いて、別にわざわざ書くことでもないような気がしてきた。結局霊夢は霊夢だし、なんか悪い兆候があるわけでもないしな。やめやめ。
 せっかく書き始めた日記帳だが、ここで終わりだ。また日の目を見るのを待ってなよ。じゃあな。










 夕暮れの橙に染まる、博麗神社。

「…………じゃあ、今日はもう帰るわね」

 アリスは霊夢の家でケーキの作り方を指導していた。

「うん、わかった。今日はどうもありがとう」
「どういたしまして」

 アリスの指導のかいがあってか、最近では咲夜を唸らせるほどの味を出すことができた。
 霊夢はにこにこと笑って、アリスに感謝の辞を述べた。

「ホントにありがとうね。これで咲夜の鼻をあかせるわ」
「あはは、大口叩くわねー。言っとくけど、あのメイドの方があたしよりお菓子作りが上手いのよ?」
「えー、でも私はアリスのつくるお菓子の味、好きだけど」
「うふふ、ありがと」

 アリスは笑って、帰る支度を終え、宙に浮いた。

「じゃ、また今度」

 飛び去ろうとするアリスに、霊夢は声をかけた。

「アリス!」

 振り返る。

「また来てね!」

 アリスはにこりと微笑を返し、人形達が待つ家へと飛び去った。



 





  終















あとがき

 お久しぶりです。ずいぶん前のスレの633です。

 今回、書くぞと宣言してから実際に投下するまで、実に2ヶ月のブランクがありました。お待ちしてた皆さん、本当にごめんなさい。

 このSSの主人公は霊夢です。
 永夜抄の紹介テキストで、霊夢が冷たい人間、ってのがどうも許せなくて、俺設定全開で今回の話を作りました。
 とにかく霊夢には幸せになって欲しい、という気持ちが先にたったので、霊夢への復讐編などと言ってる場合ではない! と急遽進路を変更して、このような形になりました。そのせいで勝手な設定とかも立てちゃって、わけのわからない幻想郷に変容してしまったかもしれません。まぁ、それはそれでいいんですけど。

 今回、どうもネチョ部分が弱い気がします。マンネリ? ワンパターン? 言わないでください。ネチョいのを期待した人、ごめんね。

 またしばらく書けないかも知れません(と先に言い訳をしておく)

 感想とかくれたらやる気出すかもしれませんが(とかあざといことを言ってみる)

 冗談です。いや、本気で忙しくなったら、流石に書けないですけど。まぁ努力はします。えぇ。努力は。

 出るかわからない次回作を気長く待っていてください。

 では。
    

                              
 2004/12/3     633


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