雪の一夜




これはネチョSS書くの初めての男が書いた(マリ×パチェの)ネチョSSです。
純愛系。しかもネチョくないです。それでもいいかたどぞ。
あと子供みちゃダメ。


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「おーい、来てやったぜ」
「呼んでない」
「んなつれないこと言うなよ」
「だって呼んでないもの」
いつものように魔理沙が図書館訪れる。そしていつもと同じ会話。
「なんか良い本あるかー?」
本を漁りながら魔理沙がパチュリーに声をかける。
「いつもと一緒」
本から目を離さず、パチュリーは答える。
そう、いつもこうだった。魔理沙は毎日のように図書館を訪れ、いつものようにパチュリーの隣で本を読み、そして数冊ホクホク顔で持ち帰ってゆく。
・・・・たまに返ってこない。たまにというか、よくというか微妙だが。
山のように本を抱え、魔理沙が戻ってきた。そして、定位置のパチュリーの隣に座る。
「・・・今日は、静かだな」
「そうね、今日は小悪魔がいないから」
「いや、そうじゃなくて」
「?」
「喘息。せき、してないだろ」
パチュリーはちらっと魔理沙の顔を見、すぐに本に目を戻す。
「調子、いいから」
「そりゃ何よりだ」
魔理沙は自分のことのように口の端を吊り上げて笑うと、自分が漁ってきた本からまずどれを読むか選び始めた。
・・・そしてその本を本棚に戻すのは、私の仕事なんだけどね。

しかしいつの頃からか、別に魔理沙が来ることが苦にならなくなっていた。むしろ・・・楽しみにしている節もある。
日陰の魔女の私。日陰の図書館。誰も来ないところに、一人でいつまでもいる私。小悪魔もいるけど、彼女は一人で遊んでいることのほうが多い。
そんな私に、初めてできた友達。
・・・・友達と呼んで、差し支えないと、思う。
けどあまり、自信は、ない。
だから、私は素っ気無くしてしまうんだろうか。
・・・友達と、辞書で引いてみる。
親しく交わっている人。とも。友人。朋友。
—————————我ながら、女々しいことをしてしまった。




そろそろ、外は寒くなる季節になっていた。
それでも魔理沙は毎日のように訪れ、本を漁っていく。
「うはー・・・外が寒くなってきたぜ・・・」
「いらっしゃい」
「あ、よお。今日も来たぜー」
息を白くさせながら魔理沙が入って来た。
「・・・って、なんだよ。室内なのにあんまし暖かくないぞ」
「本、傷むから」
冬の図書館というのは寒いものだ。あまり部屋を暖かくし過ぎると本が傷むのが早くなる。古い本が多いこの図書館では、より温度と湿度の維持は重要になってくる。
「んなこと言ったって、風邪引くぜ?」
「咲夜が管理してるから」
もとよりこの部屋には暖房器具が無い。温度調節のしようなど、あるはずが無いのだ。
「仕方ないなぁ・・・」
魔理沙が本をまだ選んでいないのにパチュリーの隣に座った。いつもより近い、すぐ肩が触れ合うほどの距離に。
「ど、どうしたの?」
少し動揺するパチュリー。こんなに近くまで来たのは・・・初めてだったかもしれない。魔理沙に限らず、こんなに近くまで誰かが近寄ってきたこと自体が。
「じゃーん」
魔理沙はポケットから六角形の何かを取り出した。まるで自慢のお宝を披露する子供のように、顔には笑みが浮かんでいた。
「これはミニ八卦炉と言ってな、暖房の代わりにつかえるんだよ。温度調節すればこの辺だけ暖かくすることもできるぜ」
しばらくするとミニ八卦炉の周辺がほのかに暖かくなってくる。身を包むように、優しい温かみ。
「・・・・あたたかい」
「だろ?」
魔理沙は近場から2、3適当に本を取ってきて座りなおした。
「中々のお宝でな、これが無くちゃ生きていけないほどなんだ」
相変わらず、肩が触れ合うほど近くに座っている魔理沙。少し、どぎまぎするパチュリー。
「・・・本、読みにくい」
思わず、憎まれ口を叩いてしまう。
「仕方ないだろ、離れたら寒いし」
口を尖らせて反論する魔理沙。
・・・けれど、暖かかった。

いつのまにか、寝てしまっていたらしい。
机に突っ伏して、寝ていた。
「・・・あ」
隣から魔理沙は居なくなっていた。外を見ると、もう夜。確かにもう帰る時間だっただろう。しかし、机の上には。
「・・・ミニ八卦炉」
ミニ八卦炉を重石にしてメモがはさんであった。
『起こしにくかったからそのまま行く、じゃな。風邪引くのもアレだろうからこれは貸しといてやるよ。 P.S.本借りてくからな〜』
「・・・これなきゃ生きていけないとか、言ってなかったっけ」
呟くパチュリー。言葉は空しく図書館に響いた。
・・・けれど、暖かかった。



あれから、三日が過ぎた。
あれ以来なぜか一度も魔理沙は図書館を訪れていない。
「・・・今日も、来ない」
あんなに毎日のようにきていたのに。不審というより、不安。何かあったのではないか、ミニ八卦炉も取りに来ないで。
あれ以来段々と外は寒くなり、空は暗くなっていく。今にも雪でも振りそうだった。
「・・・」
魔理沙、大丈夫かな・・・どうしてるかな。
不安で不安で、はちきれそうで。
だから四日目に、雪がちらほらと舞い始めたのを見たときに、決めた。
ミニ八卦炉を、返しにいこうと。外に全く出たことのないパチュリーにとっては、一大決心だった。しかし、魔理沙の家の場所を知らない。
「・・・咲夜なら、知ってるかな」
ふらふらと、ミニ八卦炉を抱えてパチュリーは歩き始めた。



「パチュリー様!こんなところで何してるんですか!」
咲夜に会おうと紅魔館を訪れたら、咲夜に驚かれた。そういえば図書館から出ること自体あまりないから、紅魔館にくる機会も無かった。
「・・・魔理沙に、これ返しに」
ミニ八卦炉を見せる。さらに驚く咲夜。
「外は雪なんですよ。なんでこんな時に限って・・・」
そしてしばらく考え、
「私が行ってきます。それを貸してください」
と言った。しかしパチュリーは大切そうにミニ八卦炉を抱えたまま、私が行く、と呟くように言った。
「場所、教えて」
「・・・・」
パチュリーがこうと決めたら頑固なことぐらい、咲夜は長い付き合いの中知っていた。だから説得を諦め、ため息交じりに道を教える。
「分かった・・・行ってくる」
「ちょっと待ってください」
咲夜はパチュリーを引き止め、奥へ入っていった。出してきたのは、コート。パチュリーに羽織らせてやる。
「・・・外は寒いですよ。気をつけていってらっしゃいませ」
「わかった」
心配そうに見送る咲夜。パチュリーはふらふらと外へ出て行った。
「外に出たがらないパチュリー様が・・・ね。大丈夫かしら」
ため息をつきつつ、咲夜はお掃除を再開するのだった。



ミニ八卦炉を大切そうに抱えたまま、パチュリーは歩いていた。
最初はちらほらだった雪も強くなっていく。風が吹くたび、パチュリーは身を強張らせた。
「・・・寒い」
ミニ八卦炉を使おうにも、使い方がわからなかった。下手な事をやって壊してしまっては魔理沙に申し開きできない。
風が吹く。咲夜から借りたコートがバサバサとたなびく。寒い。心底寒い。
「えっと・・・こっち」
咲夜から聞いた道を思い出しつつ、歩いていく。こんな日に空を飛んでいこうとしたら、吹き飛ばされてしまいそうだ。歩いていくしかない。
必死に歩いた。何度も転びそうになり、何度もせきが出た。ちょっとむせた。しかし、頑張って歩いた。こういう時には、魔法はぜんぜん役に立たない。自分の無力さを思いつつ、一心不乱に前へ。

森に入ったことに気づいたのは、実際に森に突入してからしばらくたってのことだった。
木々に邪魔されて、風も雪もだいぶ弱くなったことに気づいて、それからやっと、ああ森の中だ、と認識する。
頭に積もった雪を払うのも忘れ、周りを見渡す。
—————————あった。
魔理沙の家が、そこにはあった。



魔理沙の家のドアについているベルを鳴らす。
・・・反応がない。
ここまで来たのに、と落胆しかけたことろに、
「あ、は、はいっ、いる、いるぞっ・・・けど・・・ああっ、くそっ、けど入るなーーーー!!」
なぜか異様に慌てている魔理沙の声がした。
「・・・」
元気(?)そうな魔理沙の声を聞き、安心するパチュリー。しかし、入っちゃダメってどういうことなんだろう。
「魔理沙・・・ミニ八卦炉を持ってきたわ」
「・・・うそ、パチュリー・・・?」
「ええ」
沈黙。
「・・・・まずい」
魔理沙の呟く声。
「・・・外、寒いだろ・・・くっ、入って、いいぞ・・・」
ドアが、開いた。


魔理沙の家の中は、冷え切っていた。
雑多に色々な物が置いてある。本当に古今東西ありとあらゆるモノが詰め込まれている感じ。
「あ、すわって・・・いいぞ」
「・・・」
素直に座るパチュリー。魔理沙はなぜか落ち着かない風で、辺りをキョロキョロ見回してる。
「これ」
ミニ八卦炉を差し出す。
「う、あ、ありがとな」
慌ててミニ八卦炉を取り上げる魔理沙。パチュリーの手に触れないように急いで取り上げたのが丸分かりの動き。明らかに、挙動不審だった。
「・・・魔理沙、どうかしたの?」
パチュリーは心配そうに身を乗り出した。顔が近づき、慌てる魔理沙。
「ばっ!やめ、やめろっ!!」
慌てて仰け反り、体を離す。それがパチュリーには、拒絶されているかのように映った。
「あ・・・ごめ・・・」
魔理沙が謝るより先に、パチュリーの目に、酷く小粒の涙が溜まった。
「・・・魔理沙・・・私のこと・・・嫌い・・・?」
やめろ。そんな目で見るな。そんな目で見ないでくれ。そんな眼で・・・見られた・・・ら・・・

唇が、触れ合っていた。
「!?」
突然何が起こったか、理解できずに目を白黒させるパチュリー。
パチュリーは押し倒されるように尻餅をつき、魔理沙は覆い被さるようにパチュリーの上に。
そして・・・キス。
唇が触れ合い、ついばむように。そしてそのあと、舌が入る。突然のことに驚き、反応できないパチュリーの口を、魔理沙は好きなように蹂躙していく。
「む、むぅ・・・ぷはぁっ・・・」
唇が離れた。口と口の間に、一本の糸の橋がかかる。
「・・・パチュリーが・・・いけないんだぜ・・・そんな目で見るから・・・・」
魔理沙は今にも泣きそうな眼で見つめる。
「せっかく・・・我慢・・・してたのに、よ・・・」
「・・・あ、う」
今思えば、魔理沙は必死に股を擦り合わせては居なかったか。挙動不審だったのは、そのせいではないか。
パチュリーの服が、脱がされる。ゆっくり、魔理沙が脱がしていく。抵抗しないパチュリー。驚いて呆けているのか、それとも——————意識的に抵抗しないのか。
少なくとも、パチュリーは耳まで真っ赤になっていることだけは確かだった。
パチュリーの服が、脱ぎ去られた。映し出されるシルエットは服の上から想像できる以上に華奢で、白くて・・・美しかった。
そんなパチュリーの肢体に、魔理沙は指を這わせていく。
うなじ。首。そして、胸。
「あ・・・やめっ・・・」
初めて、抵抗らしい声を出すパチュリー。しかし気にせず魔理沙はパチュリーの胸を揉んでいく。
「あ、あふっ、くっ・・・・うぅっ・・・」
それ以上抵抗できずにされるがままになるパチュリー。素肌を触られるなんて・・・初めての経験かもしれなかった。
「パチュリーの肌・・・白くて・・・すべすべで・・・・きれいだ」
恥ずかしさのあまり、真っ赤になってうつむいてしまうパチュリー。しかしその間にも容赦なく愛撫は続く。
「は、あふっ・・・くぅん・・・あっ、あぁっ・・・」
魔理沙の手が、パチュリーの大切なところに触れた。
「きゃっ!!?」
驚いて、思わず悲鳴を上げる。
「そ、そろそろやめないと、冗談ですまないよ・・・」
「冗談じゃ、ないぜ」
それは・・・こんなところでやめるなんて冗談じゃない、という意味なのか、こんなことは冗談ではやらない、ということなのか。どちらでも指す意味は一緒なのだが。
指でパチュリーを犯していく。胸の愛撫はもちろん続けたまま。
つぷっ。
始めて、指が一本入った。
びくっ。
恐怖か、それとも何か感じたのか。パチュリーの体が大きく跳ねる。
「パチュリー、感度いいんだな・・・」
指を引き抜くと・・・すでに、湿っていた。
「や、やだ・・・そ、そんな・・・」
「くくっ、いいことだぜ・・・」
少しずつ、胸の愛撫を強めていく。転がし、乳首を少し摘む。
「いっ、痛・・・」
しかし魔理沙は気にせず続ける。愛撫していないほうの胸に・・・むしゃぶりついた。
「あ、あう、あうあうあぅぁぅ・・・」
恥ずかしさのあまり、すでに何を言ってるのかわからない。顔はまるで茹で上がったように真っ赤。しかし・・・決して、嫌がっては、いない。
そのまま、胸を舐めつづける。吸う。
「乳首、立ってきた・・・」
「い、言わないで・・・」
指で、股もいじり始める。早くも、くち、くちゃ、という音が。
びくっ!パチュリーの体が跳ねた。クリトリスを掴まれたのだった。
「ふふ・・・これ、すごいだろ・・・」
「あ、あぁ、ああ・・・・」
「軽くイっちゃったか?」
その様子を見て、魔理沙がおもむろに服を脱ぎ始めた。魔理沙の股間には・・・ついていないはずのモノが。
「魔理沙・・・それ・・・」
当然のように、パチュリーはそれを見たことがない。しかし、知識としては知っている。
———————————男根。
しかし・・・こんなに、大きい物だとは・・・・
「わるいけど・・・今更、止まらないぜ・・・」
「え、あ・・・」
そのまま・・・一気に、貫かれた。
「ひ、ひぎっ、くぅっ!?」
物凄い苦痛。初めて味わう、引き裂かれるような痛み。
「いっ、いたいっ、いたっ!う、うぅっ・・・」
歯を食いしばる。肩に力が入る。痛い。本当に痛い。痛い・・・一緒に、居たい。
「うっ・・・うぅ・・・」
自然と、涙がこぼれた。意識してないのに、気がつけば、ぽろぽろと目から涙が流れていた。
「・・・パチュリー・・・ごめん」
焦るように、謝る魔理沙。
「違うの・・・違うの・・・」
ぽそっと、一言だけ。
「・・・・嬉しいの」
ぷつっ。そこで、魔理沙はショートした。
初めてで、締め付けられるペニスを無理やり引いて、突っ込む。
「ひっ、ぐっ!?うっ、くっ・・・」
痛さで顔を引き攣らせるパチュリー。痛かった。辛かった。けど・・・なぜか、とても嬉しい。魔理沙にもとめられてる気がして。魔理沙が、私を必要としていてくれる気がして。
そう思っていれば、痛いのは我慢できた。我慢できる代わりに、魔理沙がもっと欲しいと思った。
「まりさっ・・・まり・・・さっ・・・・」
ずぷっ、ずぷっ。血が、股を伝って一筋。初めての証、始めてを、魔理沙にあげられたという、誇りの証。
「キスっ、・・・・してっ・・・・」
魔理沙と、唇がつながった。絡め合う舌。溶け合う意識。
「あっ、あっ・・・あんっ・・・・あっ・・・・うっ・・・・」
声に艶が入る。段々と快感になる。意識が白く漂白されていき、魔理沙と一体化する。
「あっ・・・あぁ・・・はうっ・・・くぅんっ・・・あんっ・・・・」
魔理沙の動きが、速くなる。フィニッシュに向かっていると、自然と理解した。
「一緒に・・・一緒、に・・・・」
「うあ・・もう・・・イクっっっ」
「う、あ、は、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ—————————」
どぴゅ、どぴゅ。
白い液体が、パチュリーの中を汚した。あまりにも・・・あまりにも。
————————————暖かかった。



ミニ八卦炉を起動し、近場から毛布を手繰り寄せ、二人で包まっている。
どうやら魔理沙は体を温めようと飲んだ薬が間違いだったらしくあんな物が生えてしまい、しかも性欲まで増強されて外に出るに出られず困っていたらしい。
「・・・なあ、パチュリー」
「・・・謝らなくて・・・いいわ」
「そっか」
「うれし・・・かったから」
しばしの沈黙。気まずくなどなく、互いに信用しきった沈黙。
「ねぇ、魔理沙」
「なんだ?」
「私たち・・・」
一瞬、迷う。こんな事を聞いて、いいのか。失礼じゃないのか。それ以上に・・・帰ってきた回答によっては・・・・恐い。
「友達、だよね」
「っていうか、親友だな」
魔理沙は、はにかむように微笑んだ。
そして次の瞬間、眼を見張った。
パチュリーが、笑っていた。
それは、100年分の精一杯の笑顔だった。




終。



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絶対どっかで誰かが書いたと思われる系統の話。
初めてだし精一杯だし、とりあえず許してください。
キャラぜんぜんちげーなー(他人事



書いた人:吐血男


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2300d)