夜もだいぶ更けた幻想郷。魔理沙は、寝床で唸っていた。別に大怪我の上に病気を患ってしまった訳ではない。毎月この時期になると訪れる、体の変調であった。~
 と言っても、女性特有の生理現象ではない。彼女特有の生理現象だった。~


「…こんなボロボロの体でも、起こるんだな」~
 寝返りをうつ。体が熱っぽい。~
「やっぱり、慣れるもんじゃないな………」~
 一人ごちて、布団を頭からかぶる。寝る事に、集中しようと、決めた。~
 でもやっぱり、その日の寝付きは良くなかった。~



「おはよう、魔理沙」~
 霊夢の声で目を覚ます。朝日が眩しい。しかし、~
「魔理沙ったら…もうお昼なんだけど?」~
「ええっ?」~
 どうやら、朝日ではなかった様だ。思わず、体を起こす。~
「どうしたの…? 随分お寝坊さんだったじゃない……?」~
「ああ、そうか…昨日は中々寝付けなかったんだ」~
「え…? 大丈夫? もしかして、どこか具合でも…」~
「いや、大丈夫だよ。いつも寝てるから、夜に目が冴えちまったのかもな」~
 勿論本当は違う理由だが、霊夢にはまだ言えなかった。~
「それならいいけど…」~
「それだからいいんだ。ところで、腹が減ったんだが」~
「…はいはい。私もちょうどお昼を作ろうとしてた所よ。ちょっと待っててね」~
「いくらでも待つぜ」~
 何言ってんのよ、と苦笑いして、霊夢が台所へ向かう。その後姿が見えなくなるのを確認した魔理沙は、自分の体を調べ始めた。~
「…ちゃんと出来たみたいだな」~
 ぽつりと呟き、また横になる。~
「たぶん………これが………」~
 最後の言葉は、ほとんど聞こえない。魔理沙の瞳に、決意が宿った。~



「なあ、霊夢…いいか…?」~
「う、うん……」~
 その日の夜の事。そろそろ眠ろうとした霊夢を、魔理沙が引き止めた。―――布団の上に。~
「んっ………」~
 そして、半ば強引に、キス。~
「んんっ………っはあ……魔理沙…どうしたの…?」~
「…何が?」~
「急に…こんな事して……体の方は、大丈夫なの…?」~
「大丈夫だ。しばらくご無沙汰だったからな…覚悟しな」~
「何か違う気が…きゃっ」~
 服を脱がされる霊夢。白い肌が、外気に晒される。~
「やっぱり綺麗だな、霊夢は…」~
「…魔理沙…」~
 もう一度、口付け。今度は、ゆっくりと。~


「ん…はあ……ああん……」~
 漏れる吐息。甘い声。霊夢の胸を、魔理沙が揉みしだく。~
「霊夢……ん……」~
 その胸に、舌を這わせる。~
「んあっ! ふああ………」~
「んふ……ん……」~
「ああっ! ひあっ!」~
 魔理沙の舌の動きに合わせる様に、くねる霊夢の体。~
 そして、魔理沙の手が、霊夢の秘所に到達した。~
 くちゅ……くちゅ……~
「はああああああっっっ!!」~
 既に濡れている秘所を弄る。襞が指に絡み付いてくる。~
「霊夢……随分、濡れてないか……?」~
「はあ……はあ……だって…久しぶりなんだもん…それに、魔理沙が触ってくれてるって思うだけで…濡れちゃう………んうっっ!!」~
 魔理沙の手が、雌蕊に触れる。~
「エッチだな…霊夢は……」~
「やはあっ! こんな気持ちになるの…魔理沙だけだよ……」~
 そう言って、微笑む霊夢。その笑顔に、胸が高鳴る。~
「なあ…霊夢…。ちょっと見て欲しいのがあるんだが……」~
「え…なあに…?」~
「………これ」~
 意を決した様に、下着を脱ぐ魔理沙。そこには―――~
「え………ええ!?」~
 驚く霊夢。無理もない。何故なら魔理沙の股間に、本来女性には有り得ぬ、男性器官が備わっていたのだから。~
「な、何で…!? 魔理沙…!」~
「…驚いた?」~
「あ、当たり前でしょ…」~
「『これ』はな、ウチら霧雨一族の特異体質なんだ……。霧雨家に生まれた女子は処女である間、月に一度、『こう』なる」~
 自らに生えたモノを指差しながら、魔理沙が説明する。そのモノは、見れば見るほど男性のそれと変わりなかった。
「そう、だったの……。でも魔理沙、どうしてそんな日に、私と……」
「そんなの、決まってるじゃないか……霊夢」
 霊夢の目を、しっかりと、見据える。
「私は、この姿で、霊夢を抱きたかったんだ………」
「―――!!」
 魔理沙の意図を汲み取り、赤面する霊夢。
「そ、それって……」
「……ああ、そうだ。……嫌か?」
「そんな…そんなの……」
「………やっぱり………」
「嫌な訳、無いじゃない……!」
 ぎゅっ……!
 魔理沙を、抱きしめる。
「あ……」
「私、思ってもみなかったよ……! 魔理沙と、こんな事が出来るなんて…! 嬉しい……!」
「霊夢……!」
 そして、口付け。
「私の初めて…魔理沙にあげる………!」

「んん……んぐっ……ちゅぷっ……」
「うあ……霊夢………ふあっ……」
 霊夢が魔理沙のモノを咥え、上下に動かす。拙い動きが逆に快感となり、魔理沙の体を駆ける。
「ん…どう……? 気持ちいい…?」
「ああ…いいよ、霊夢……」
「ん……ふ………ぷはっ……」
 一度口から離す。霊夢の唾液に濡れたそれが、天を仰ぐ。
「すごい……固い……」
「まあ……な」
 魔理沙のモノをまじまじと見る霊夢。
「そ、そんなに不思議そう目で見ないでくれ」
「だって……何か変なんだもん……」
「変言うな」
「あ、ごめん」
「全く……」
 確かに、こういうモノをほとんど見た事がないであろう人には、珍しく見えるのかもしれない。魔理沙は昔から見ていたので、慣れているのだが。
「それじゃあ………」
 霊夢の肩を掴み、ゆっくりと布団に寝かせる。
「あ………」
「いいんだな……?」
「……うん……」
 魔理沙の背中に手を回す。霊夢の心は、決まっていた。

「じゃあ…いくぜ……」
 霊夢の入り口に、先っぽを添える。
「ん……」
 思わず、回した手に力が入る。
「あまり力を入れない方がいいぜ…」
「あ…うん……」
「……やれやれ……んっ…」
 突然、魔理沙が霊夢にキスをする。
「んふっ!? ………んんっ………」
 口腔を激しく愛撫する魔理沙の舌に、霊夢も応える。その時―――
「んんっ――――――!!?」
 異物が、ずぶずぶと入り込んでいく感覚。その痛みに、交わしていた口付けを解き、息を吐く。
「はああっ……! くあっ……!」
「れ、霊夢!? ごっ、ごめん、大丈夫か!?」
「あ……魔理、沙……?」
 その異物が魔理沙のモノだと気付くのに、数秒かかった。
「少し入れただけなんだが…。痛いなら、無理しなくてもいいんだぜ……?」
「う、ううん…ちょっと痛かったけど…いいよ。最後まで、して…」
「…いいんだな?」
「…うん」
 霊夢が、頷く。それを合図に、魔理沙が、腰を進める。
「くっ………!」
 ず…ずずっ……
「ああああああああっっっ………!!!」
 霊夢の体の奥で、何かがぷつ、と切れる様な感触。そして間もなく、霊夢の花弁から血が流れ出た。
「くあっ……入っ、た………」
「ああ……ああ……」
 霊夢の瞳から、一筋の涙が零れる。
「…霊夢…痛かったよな……? ごめんな………」
「ああ……魔理沙……」
 手のひらで、魔理沙の頬を撫でる。
「霊夢……?」
「…謝らなくて、いいのよ……。だって、私がいいって言ったんだもん……」
「霊夢……」
「私達………一つになったんだね………」
「ああ………!」
 霊夢を抱きしめる。気付けば、魔理沙も涙を流していた。

「くっ……はっ……」
「ふあ…ああ……ああんっ……」
 破瓜の痛みが残る霊夢の膣内を、慎重に動く。霊夢の中は、初めてという事もあって狭く、魔理沙のモノを強く締め付ける。
「うあ……霊夢……すごい………キツい……」
「くああ……魔理沙の……熱いよ……」
 互いの敏感な部分を擦り合う行為。神経が、全てその部分に集中している様な、感覚―――
「霊夢……大丈夫か………?」
「うん、結構、慣れてきたみたい……」
 霊夢の中は、少しづつだが確実に濡れてきている。段々と、挿入がスムーズになってきた。
「ああっ…霊夢、すごい……!」
「はあっ……あうっ………ひあああ………!」
「霊夢の中、熱くて、ヌルヌルして、締め付けてくる……!」
「やっ…言わなっ……きゃふうっ!」
 魔理沙のモノが霊夢の中のある一点を挿した時、霊夢の反応が変わった。
「ん……? 霊夢……ここか?」
「ひゃああっ!?」
 なおも、挿してみる。
「ひぃんっっ!!」
「そうか……ここが、いいんだな………?」
 魔理沙が、霊夢の一番敏感な部分を探り当てた。
「あ……魔理沙、止めて……私、おかしくなっちゃ……ううんっっ!!」
「そう言われても……霊夢、可愛すぎる…。駄目だ、止まらない…」
 ずっ……ずっ……ずっ………!
「んあああっっ!! ひゃうんっ!! まり、さ…! らめぇっ……らめだよおおおっっっ……!!」
 深く、霊夢の体を貫く。先程まで処女だったとは思えない乱れ方に、魔理沙の興奮は一段と高まる。
「そんなに気持ちよさそうな顔して……! 駄目とは言わせないぜ…!」
 同時に、胸も弄る。その責めに、霊夢の体が跳ねる。
「あああっっ………!! 魔理沙っっ……!! なにか、くる、きちゃうよおおおおお………!!」
 魔理沙も、そろそろ限界だった。
「くっ……私もっ……霊夢……! 中に、出したい……!」
「ああっ……魔理沙……! いいよ、出して、私の、中に―――!!」
「うあっ………霊夢……!」
「はあっ………魔理沙……!」
 そして、魔理沙が霊夢の一番深い所に到達する―――

「くあああああっっっ………………!!」
「あああああああああああっっっっ―――――――――!!!!」

 どくっ…どくっ…どくっ…
 霊夢の中に、白濁した液体が流し込まれる。大量に吐き出されたそれは、結合部分からも溢れ出た。かすかに赤い色が混じっている。
「あああ…魔理沙の……熱い………」
「うああ……霊夢……すごい……締め付けてる……」
 二人は、崩れる様に布団に倒れこんだ。


「なあ…霊夢…」
「ん…? 何……?」
 息を整えた二人は、互いに向き合う。
「ホントに…良かったのか? 中に出して…」
「今更何よ……いいのよ。大好きな魔理沙だもん。それに……」
「それに?」
「もし、赤ちゃん出来たら……嬉しいな」
「ぶっ……!」
 思わず吹き出す。
「何よ、魔理沙」
「い、いや……吃驚しただけだ」
「……嫌なの?」
「そ、そんな事無い!!」
 そう、そんな事無い。
「ホント?」
「ああ、ホント、だ」
「―――魔理沙」
 ぎゅっ、と抱きついてくる霊夢。少し驚いたが、抱き返し、髪を撫でる。
(…そうだ。もし子供が出来れば、私も―――)
 魔理沙の心の呟きは、霊夢には聞こえなかった。



「………いい月だぜ」
 夜もだいぶ更けた頃。魔理沙は一人家の縁側から月を眺めていた。霊夢は、布団で安らかな寝息を立てている。
「空気が澄んでる……もう冬も、近いんだな……」
 感慨に耽っていた、その時。
「――――――!!! ゴホッ、ゴホッッ………!!」
 体中を駆け巡る悪寒に、激しく咳き込んだ。そして、口にあてていた手を見ると……
「くっ……」
 赤黒い、血。
「今日は……無理したからな……」
 そう言って、空を見上げる。
「もう……そろそろ………か………」


 寂しげな瞳の魔理沙。それを見ていたのは、冷たく光る、月だけだった。


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2300d)