※当然ながら問答無用で十八禁です。そういうのが苦手な方はご注意。
  またふたなり要素も含んでいますのでそこもご注意。


月の夢 †

 今日も、何もない一日だった。

 明日も、何もない一日だろう。

 時折、変わったことも起きる。

 しかし、それも日常と変わる。

 それ故に、ここは永遠の楽園。

「けど、妖怪や腐れ縁の人は毎日来るのよね」
 そんな、どこかふざけたことを考えながら、博麗神社の巫女――霊夢は縁側で月を眺め
つつお茶などをしていた。
 今日は十五夜……いわゆる最も美しい満月が見られる日だ。
 これを楽しまないのは損だろう、ということで普段は滅多に出さない茶菓子と、普段は
滅多に飲まない、というか取り出すことも稀なとっておきの茶を用意して、こうしてこれ
以上ない最高の状態で月を眺めている、というわけである。
「――あら?」
 ふと、月が一瞬だけ翳った気がする。
 いや、一瞬ではない。
 その黒点のような影は、少しずつ近づいて……一つの姿を結んだ。
「よー、霊夢。月見とお茶と茶菓子を貰いに来たぜ」
「…………この前とっておきの酒全部飲んでいったくせに、まだたかるの?」
 顔をしかめ、しかし苦笑を含ませて、霊夢はその言い草に抗議した。
 なじみの友人(多分)、霧雨魔理沙である。
「いやいや、一応今回はその礼も持ってきてあったりするぜ」
 言いながら、魔理沙はスカートをたくし上げて手を突っ込む。
「……それ、どうにかならない?」
「なんのことだ?」
「……いや、いいわ、別に」
「おかしな奴だな。……っと、これだ」
 そう言って魔理沙が取り出したものは――
「……お酒? あら、気が利くじゃない」
 いわゆる一升瓶だった。ラベルなどは貼っていないが、中の液体が月の光を飲み込んだ
ように反射し、誘うかのように艶めいている。
「でも、これ何のお酒? 安酒だったらちょっと怒るわよ」
「いや、それが私にも解からないんだ。魔法薬の実験中に偶然出来たやつだからな」
「……そんなの、飲んで平気なの?」
 霊夢は眉をひそめた。なんだか中の液体がひどく怪しく思えてきた。
「一応毒見はさせたから大丈夫だぜ」
「誰に?」
「ちょっと来る時にチルノで」
 ひどいものである。
「まあ、それなら」
 どこか不安そうな表情をしながらも、徳利と御猪口を持ってきて、一口含む。
「あら……美味しいじゃない」
「どれどれ……おお。チルノには勿体無かったな」
 くつくつと心底面白そうに魔理沙は笑うと、更にもう一口呑んだ。
 とたん、口の中に官能的とさえ思えるような濃厚な香りが広がる。
 ふと、月を見上げた。相変わらず静かに鎮座している。今夜はいい夜になりそうだ――

「――あ、れ?」
 唐突に、魔理沙の視界の端で霊夢がぐらりと傾いた。
「おいおい、酔うにはまだ早すぎないか?」
 あわてて抱きとめる。が、魔理沙も倒れそうになり、あわてて手をつく。
「あれ、おかしいぜ――」
 ひどく、体が熱い。頭の中が白く浮いている。
 霊夢も魔理沙もそこそこ飲める口なので、この程度で酔うことはほとんどない。
「……まいったぜ、思ったより強い酒だったか?」
「でも、これって酔うのとはまた違……って!?」
 突然その声が驚愕に裏返った。
「お、おい霊夢どうし――なっ!?」
 そして、魔理沙は霊夢の『それ』を見て絶句してしまった。
 
 
   ◇ ◇ ◇
 
 
「……なによ、先にいるんじゃないの、魔理沙」
 不機嫌そうに呟く。だが、その感情は基本的に対抗心から来ているので、はっきりした
敵意というわけではない。
 アリス=マーガトロイドは境内へと降り立っていた。
 勿論、主要な目的は月見を楽しむことである。霊夢の家で。
 ……実を言うと、月見はついでの目的であるのだが。
「霊夢ー、勝手に上がらせて貰うわよー」
 勝手知ったる他人の家とばかりに玄関を開け、主人の応対を待たずして上がる。
「……返事ないわね。どうかしたのかしら」
 瞬間、
「――――――――――――――――――――ッ!?」
「……い霊……うし――なっ!?」
 そこで、明らかに普通ではない声を聞いた。
「……霊夢、魔理沙っ!?」
 頭の中にありとあらゆる悪い可能性がよぎり、気づいた時には体が動いていた。
 廊下を走りぬけ、襖を突き破り(危険です)、居間のちゃぶ台を鮮やかに跳び越し(よ
い子は真似しないで下さい)、
「二人ともどうし――え?」
 障子を開けて、硬直した。
「……………………」
「……………………」
「……………………」
 時間がパーフェクトフリーズのように凍り付いている。錯覚だが。

 ――えーと。

 アリスは、なぜこうなっているのかを考えた。確か、開けた時に何かを見て……その部
分の記憶が欠落している。おそらく見たものを認識できず、記憶を拒否したのだろう。
 視線を霊夢と魔理沙に再び合わせる。
 うん、まごうことなく霊夢と魔理沙だ。
 その近くに転がっている、底の方ばかりになった酒瓶を見る。
 おそらくは酒宴を始めていたのだろう。……少し妬ける。
 そして、さらに下の方へ視線を写し……

 ――そこに、なんだか謎めいたモノがあった。

 見た目は傘の開いていないキノコに近い。よく近くの森で獲ってくるようなやつだ。
 だけど、それはいつも見ているものと比べると非常に有機的で、浮かび上がった筋は血
管のようにも見受けられる。
 しかもてっぺんの方には小さな切れ込みがあって――それが、霊夢の下半身から伸びて
いる。
 そこで、判別がついた。現物を見たことはないが、おそらく当たっているだろう。
 とどのつまり、
 
 いわゆる男性器が霊夢から生えている。
 
「……………はうっ」
 そこで状況認識の現界を超えた脳がハザード。
 どさっ、っとアリスは容赦無く気絶した。
 
 
   ◇ ◇ ◇
 
 
「――――で、つまりは魔理沙が持ってきたお酒のようなもので、そんな風になったの」
 今ひとつ信じられないといったような顔で、アリスは霊夢のそれをじっと見つめた。一
度見慣れてしまえばあまり衝撃はないらしい。
「やだ、あんまりじろじろ見ないでよ」
 霊夢が袴の裾で慌てて隠すが、その部分だけいかにも元気ですといわんばかりにテント
を張っている。それがどことなく恥ずかしく、霊夢は顔を赤らめた。
「はっはっは。まさかこんな副作用があるとは思いもしなかったぜ」
 そこで容赦無く玉櫛が後頭部にフルスイングされ、魔理沙は畳に顔を突っ込ませた。
「おいおい、いきなり何するんだよ馬鹿」
「元凶はあんたでしょうがっ!!」
「しかし、私も飲んだんだぞ? しかもお前よりも多く」
「……じゃあなんであんたには生えないのよ」
「日頃の行い……痛っ!! じょ、冗談だから針投げるのはやめろっ!!」
 どうやらこんなことになってもこの面々はあまり変わらないようだ。
 それをアリスは横目に見ながら、月を見上げる。
 鮮やかな満月だ。
「――月?」
 そこで思い当たる。今日は十五夜の満月。一年で最も魔力の高まる日。なら、あの魔法
薬の失敗作だという酒の効能が拡大されて、霊夢に影響を与えたのかも知れない。
 魔理沙の場合は魔術師である故に、魔力に対する耐性があったのだろう。
「あー、そういやそうだな。て事は、私ももう少し浴びてたら生えてくるのかもな」
 珍しく魔理沙も同意してくる。……後頭部に何本か針が刺さっているのは気にしないこ
とにした。
「月が狂気を運んでくるのは知ってたけど、こんなものまで持ってくるなんてね」
 溜息をついて、霊夢は自分の下半身を見る。変わらず鎮座している男性器。
「……どうやったら消えるのかしら、これ」
「魔理沙、解毒薬は?」
 アリスが、困った表情のままで魔理沙に聞いた。
「私がそんなもの作ってると思うか?」
「一片たりとも思わないわね」
「……じゃあ、どうするのよ」
 霊夢が睨むように魔理沙を見る。さすがにちょっと涙目だ。
「あ、そうだ。いっそのこと射精してみたらどうだ?」
 魔理沙が思いついたように手を打った。
 ――きまずい沈黙。
「…………って、射精ってどうやるか知らないわよ、私」
「あー? 簡単だぜ。霊夢がいつも一人でしてるのと似たような――」
「ってなんであんたがそれを知ってるのよ!!」
「いや、この前遊びに来た時にな。あんまりびっくりしたもんで中に入れなかったぜ」
「あああああああああああああ」
 もはや赤信号状態の霊夢の顔を見て楽しそうに笑う魔理沙。
「ていうか、あんたたちが見てる前で出来るわけないでしょ、そんなこと!!」
「お、じゃあ誰かにやってもらうか?」
「だ、誰かにって……それは……」
 そこで、顔を更に赤くして押し黙ってしまう。
「………………」
 それを、アリスはじっと眺めていた。
 ただし、その目には怪しい気配が映り始めている。
(――なんだろう、これ)

 胸の奥のわだかまりが、明確な形に組み上がっていく。
 霊夢と魔理沙との交流が始まってから、少しずつ汲み上げられていった想念。
 一人だった。ずっと、ずっと一人だった。
 それを、彼女たちが救ってくれたのだろう。
 百年を超える孤独を癒されていく中、その形のない感情も蓄積されていって、
(――あ、そっか)
 かすかに胸が高鳴った。
 ――私は、二人が好きなのだ。友人としての枠を超えて。
 ただ、その願いはかなえられないと知っていた。異性ではない故に。だからこそ、形を
持たせずに沈めることができたのだ。
 けれど、今宵でその堰は崩れ去ってしまった。
 霊夢が、異性の象徴である『それ』を手に入れてしまったから。
(――今なら)
 それで、決意と覚悟と欲望がぴたりと決まってくれた。
 ――霊夢を、抱きたい。

「霊夢」
「な、なによ」
「私がして、いい?」
「えぇっ!?」
 突然の告白に霊夢はすっとんきょうな声を上げた。
「………………アリス?」
「なによ、魔理沙はやる気ないんでしょ?」
 面食らったような魔理沙に、不機嫌そうな声で言う。
「それに、私なら大丈夫。だって…………」
 そこで、わずかに言葉を詰まらせる。
 ――大丈夫。
 心の中で、しっかりと念じる。それで、残りを言う勇気が補充できた。
 アリスはゆっくりと息を吸い、
「私は、霊夢のことが好きだから」
 霊夢の目を見て、一字一句はっきりと伝えた。

「……アリ、ス?」
 霊夢が、呆然とアリスを見つめる。
 魔理沙も硬直して視線を離さない。
 しかし、アリスの表情には冗談のかけらも見当たらない。むしろ泣きそうなほどに決意
を漂わせている。
「……その、ずっと、耐えてたのよ。女の子同士だから、私や霊夢のどちらかが男の子じ
ゃないから、この恋心は叶わないんだって」
 ……でも、と小さく付け加える。
「今なら、今しかないから……だから……」
「……アリス」
 目を閉じて、涙をぽろぽろと零していたアリスの耳に、霊夢の声がひどく近く聞こえて、
 ちゅっ……
 唇に、柔らかな感触。
「霊、夢……?」
 目を開けると、霊夢の顔が映っていた。
 どこか困ったように、それでいて安堵したように。
「なによもう…………私のほうも悩まなくて良かったんじゃない」
「……え?」
「……実は、私もちょっと悩んでたのよ。その……好きになっちゃったから、どうしたも
んかなって」
「じゃあ…………」
 霊夢は、受け入れるように頷いた。
「うん……お願いするわ……私も、アリスが」
「あー、ちょっと待った」
 そこで、事態を傍観していた魔理沙が慌てて口を挟んだ。
「……なによ、文句ある?」
「いや、ない。ないんだが……」
 そういって、アリスに顔を近づける。解放された感情がどきりと胸を高鳴らせてしまう。
「このままじゃ私が置いてかれると思ってな。機会があれば言おうと思ってたことが」
「な、何よ」
「好きだ」
 ……。
「なっ―――――――――!?」
 突然のカミングアウト。アリスの顔色が最紅潮に達した。
「いや、ほら、その……なんだ。アリスが私と霊夢の両方を気にしてたのは知ってたし、
私もおまえにはあまり悪い感情がなかったわけだし」
「い、いや、その……うれしいんだけど……」
 ぼそぼそと呟く。さすがにここまでの事態は予想してなかった。
「……ちょっと待ってよ。じゃあ私はどうなるのよ」
 霊夢が不満そうに呟く。
「ああ、いや、問題ないんだ。実は、私の場合は更に深刻で」
「……なによ」
 魔理沙に見つめられ、霊夢は少し気圧されたように言った。
「……霊夢も好きなんだ」
 ――大波乱。単純だったことが凄まじく複雑になってしまった。
「え、じゃあ、ちょっと待ってよ。私はアリスが好きで、アリスは私と魔理沙が好きで、
魔理沙は私とアリスが好き……ってことになるの!?」
 とんでもない三角関係である。
「……霊夢は、私のこと嫌いか?」
「い、いや別に嫌いじゃないけど……」
「じゃあ問題ないな」
「そういえばそうね」
「ええっ!?」
 アリスまで賛同してしまった。
「まあ、私とアリスは問題ないわけだし、あとは霊夢か」
「…………」
 心配そうに、二人が見つめる。
 霊夢は、
「……まあ、別に縛るわけじゃないもの。単に、二人が私を好きでいてくれたらいいわけ
だし、それ以外にまで口を出すのは……」
「それは、いいってことか?」
「まあ、うん。なんか変な感じもするけど……ね」
 苦笑しながら、頷いた。
「……良かったぁ」
 安堵に、二人が息をついた。
「やだ、また涙が……」
 ちょっとした緊張の意図が切れたせいか、アリスはまた涙を零し始めた。
「お、おいおい泣くなよ」
「だって、嬉しくて……」
「まあ、夢みたいな状況だものね」
 霊夢が優しげに微笑んだ。
 
「さて、じゃあ最後の問題を片付けないとな」
「え……やっぱり?」
 霊夢がちょっと照れているような困ったような、微妙な顔をした。
「やっぱりそのままじゃまずいだろうし、それに、な」
「こんな機会、そうそうないものね」
「うう、やっぱり……痛くしないでよ?」
「「もちろん」」
 魔理沙とアリスが声を揃えた。
 
 
   ◇ ◇ ◇
 
 
「んっ……」
 敷かれた二枚の布団の上で、霊夢が二人に挟まれるようにして抱かれていた。
 服を少しはだけさせ、下着をずらし、胸と秘部を露わにしている。
「……えっと……こうでいいの、魔理沙?」
「ああ、そうやって、優しく触って……上下に動かすんだ」
 魔理沙は後ろから組み付いて、上半身を丁寧に愛撫している。
「ま、魔理沙……あんたどうしてそんな詳しいの……んんっ」
「まあ、その、な。図書館で偶然」
 いいながら、霊夢の胸を掌で包むように揉む。
「あ、駄目……そこぉっ」
「あ、やっぱりここが一番感じるのか」
「うう、どこまで見てたのよ……あのこと」
「そりゃ、最後まで」
「や、やだ、そんな……ひゃっ!!」
 言い終わる間も無く、アリスが霊夢の下腹部に顔を埋め、いきなり亀頭を口にくわえ込
んだ。
「……あー、アリス、そんなこと教えた覚えはないんだが」
「ん……ふ、ん、く……ちゅ……ちゅるっ……ん、これは、私も、前に本で見て」
 根元を手でしごき、口に含んだ亀頭を舌でなぞり、時折こぼれそうになった露を啜る。
「や、ちょ……あ、んんっ……」
 霊夢がアリスを押しのけようとするが、全く未知の快感が体に広がり、うまく力が入ら
ない。
「いやー、いきなりは刺激が強すぎないか?」
「らいひょうふれひょ……んん、んぐっ、……ちゅ」
 それ幸いにと、アリスはもう少し深くくわえ込んだ。さらに、空いた片手で陰茎の付け
根あたりから更に下――霊夢本来の秘部を撫でるように愛撫する。
「んんっ、は、あ……だ、だめ……!!」
「……ちゅ、んん、ふ……ちゅく」
 アリスが裏筋の辺り、尿道の辺りに舌を這わせるたびに、霊夢が震える。
(……あ、ここが気持ちいいんだ……)
 何となく悟ると、アリスはそこの部分を集中して攻めた。
「あ、や、だめ……なにか出ちゃう……んああっ!!」
 どくんっ……どくんっ……びゅ……っ!!
「んんんっ!? ……ぷはっ、けほっけほっ……」
 突然の快感の爆発に、不意を疲れたアリスは咳き込んでしまった。飲みきれなかった白
濁がこぼれ落ちて霊夢自身を彩った。
「はぁっ……はぁっ……ん……ご、ごめん……アリス、平気?」
「う、うん。ちょっとびっくりしただけ……ちょっと苦いのね、これ」
 いいながら、霊夢の男根を見る。
 ……まだ元気そうにいきり立っている。
「……一回だけじゃ駄目みたいね」
「お、嬉しそうだな」
「ば、ばか」
 魔理沙がからかうように言うと、霊夢は顔を赤くして俯いた。
「さて、じゃあ次は私の番だな……」
 良いながら、魔理沙がアリスと位置を入れ替える。
「って、魔理沙……?」
「なに、痛くしないぜ。もうちょっと足を開いて……」
 くいっと膝の辺りを優しく持って開き、体を割りいれる。
 そして、臍の辺りから小さく出した舌を当て、ゆっくりと下に滑らせていった。
「ん、ふぅぅ……」
 ぴくん、と体がわずかに跳ねる。
「お、ここも感じるのか、霊夢は」
「や、やぁ、そんなこといわないでよ……」
「……ふぅっ」
「あんっ!? ちょ、ちょっとアリスぅ……!!」
「……耳とうなじも弱いのか」
「ふふ、霊夢、すごく可愛い」
 後ろに回ったアリスが、耳たぶ、うなじ、背中に吐息と舌を慈しむように這わせていく。
「や……あっ、はあ……んんんっ……」
「ん、ちゅ……ちゅぷ、ちゅぅ……」
 魔理沙が男性器の愛撫に取り掛かる。精液とアリスの唾液でてらてらと濡れるそれを、
舌で舐め取るように攻める。
 その舌がじわじわと根元まで辿り、
「ふぁっ!? や、駄目……そこぉ……!!」
 花弁に辿り着いた。
「うわ、こんなに濡れてるんだな……可愛いぜ、霊夢」
 囁いて、魔理沙は舌をゆっくり上下に動かす。割れ目をなぞり、その下にあるものを誘
い出す。
「ひぁ、ふあ……あ、んっ…………ま、まりさぁ」
「ああもう、そんな可愛い声出すなよ、私まで感じちゃうぜ……ちゅ」
「んあぁぁぁぁぁっ!? や、そこぉっ……駄目ぇ……」
 唇を当てて、最も敏感な芯を包むように軽く吸い上げる。
「んん、だめ、わたし、またぁ……っ!!」
「おっと」
 そこで、愛撫を止めた。
「……え、魔、理沙……?」
「いや、もうちょっと気持ちよくなってもらおうと思ってな。アリス、下のほう頼めるか
?」
「ん? ……あ、そういうことね」
 いいながら、アリスも前に移動する。
「な、なにする気よ」
「こーするんだぜ」
 ぐりっと、一気に押し倒して足を思い切り開かせた。

「や、やだ、ちょっと……!!」
 霊夢の秘部が二人の視線にさらされる。
 愛液で濡れそぼる、かすかに開いたそこには、薄い桜色をした花弁が震え、その奥には
霊夢の息づかいに合わせて動く入り口が見えていた。
「霊夢の……すごく、綺麗……」
「あ、今気付いたけどちょっと生えてるんだな」
「ば、ばかぁ……!! あとでひどいんだからっ……!!」
 顔を真っ赤にして霊夢が暴れる。しかし二人がしっかり足を押さえていたりするので思
うように逃れられない。
「それじゃ、アリスはそっち頼む」
「うん、任せて」
 普段喧嘩してるのとはまったく違う息の合い方を見せて、魔理沙は霊夢の男性の部分、
アリスは女性の部分に優しく口付けた。
「ふあっ!?」
 全く異なる、しかし同じ、痺れるような感覚に、霊夢は大きく震えた。
「ちゅ……ちゅく……」
「ん……さっきより、大きくなってるぜ……ちゅ」
「やぁ……そんなこと言わないでよ、んくぅ……」
 霊夢は体をよじって、二つ同時に襲ってくる快楽に耐えようとするが、元々の性感が昂
ぶっていただけあって、あまり意味が無い。
「まったく、もうちょい素直になれって……ちゅ、ぴちゃっ」
 魔理沙が苦笑しながら、ぐりぐりと亀頭を指で押さえ、いとおしそうに裏筋の辺りを舐
める。
「んんぁ、や、やだ……おかしくなっちゃう……ひぁっ?」
 つぷっ、とアリスの指が霊夢の中へと侵入した。指の第一関節くらいまでだ。
「うわぁ……霊夢の、すっごくあったかい……」
 感想を漏らしながら、ゆっくりと前後させて、少しずつ奥まで攻め込んでいく。
「や、やだ、そんなに…………あ、だめ、いっちゃう……!!」
「あ、ちょっと待った……ん、ちゅ」
 びくんと、性器が一回り大きくなったのを感じると、魔理沙は先端から半ばまでを口に
含んだ。
「あ、ああっ……だめ、でちゃっ、くぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
 どく、どくん、びゅくっ……
 全く変わらない勢いのままで射精。勢いよく噴火するそれを、魔理沙は舌で受け止め、
飲み込んでいく。
「ん……んんっ……ぷは、ごちそうさま、っと」
 全部飲み込んで、口を離して拭うと、魔理沙は嬉しそうに笑った。
「霊夢、あの、気持ちよかった……?」
 霊夢の中から指をゆっくりと抜いて、アリスが少し不安そうに聞く。
「……そんなの聞かなくてもわかるでしょ、もう」
 顔を真っ赤にして、霊夢が少し気だるそうに身を起こした。
「って、やだ、まだ消えないの、これ」
 それで、まだ自分に生えているモノを見て溜息をついた。
「むう、結構しぶといぜ」
 魔理沙はそんなことを言いながらも、どこか嬉しそうに見えた。まだできるな、と言っ
た風情だ。
「……ね、霊夢」
「ん……なに、アリス?」
 どこかしっとりとしたアリスの声に少し驚きながら、霊夢は応えた。
「私……最後までしたい」
「……いいの?」
「……けっこう痛いって聞いてるぜ?」
「いいの。……霊夢になら、初めて、あげてもいいから」
 それに、とアリスは付け加え、
「あの……もう、こんな風になってるから、我慢できないのよ」
 そういって、スカートを恥ずかしそうにたくし上げた。
 下着が、ぐっしょりと濡れて、内股にまで染み出して、銀の筋を作っている。
「おいおい、自分で弄ってたのか、それ?」
「だって、霊夢があんな声だすから……」
「……確かに。出させたのは私たちだけどな」
 まあ、これだけ濡れているなら大丈夫だろう。
 霊夢は頷いて、
「……それじゃあ、アリスの初めて、貰うわね」
 そういって、半裸状態になっていた衣服を脱ぎ始めた。
 

   ◇ ◇ ◇

 
 しゅるりと、布の擦れる音が異様に静かな部屋に響く。
 アリスも一緒に脱いでいるが、ときおり霊夢の姿に見惚れ、動きを止めてしまう。
 障子からかすかに差し込む銀色の月明かりが、彼女の裸身へと走り、輝いて散る。
 最後の肌着が、布団の上に落ちた。
「…………」
 魔理沙はそれから目を離せないでいた。
 ――まさか、こんなに綺麗だなんてな。
 心の底から、この姿を見ることが出来て本当に良かった、と魔理沙は思った。
 先ほどの乱れよう(原因は自分たちだが)は見る影もなく、神々しさすら感じられる。
 派手さはないものの、均整の取れた肢体と、神妙だが、どこか穏やかで優しげな表情。
 少し頭を揺らすたびに、長い髪が艶めいた。
「…………どうしたのよ、二人とも」
 じっと見つめられているのに気付いて、霊夢は恥ずかしそうに体を隠した。もっとも、
あまり隠れてはいないので、余計扇情的に見える。
「いや……その、な。眼福」
「うん。ちょっと、見惚れちゃっただけ」
「お世辞言ったって何もでないわよ?」
「本心だぜ」
 いいながら、魔理沙が少し退く。自分の出番はもう少し後。今は――
「じゃ、アリス……こっちきて」
「うん……」
 おずおずと、アリスは霊夢のそばに寄った。ちょうど向かい合う形だ。
「それじゃあ。……ふつつかものですが、よろしくお願いします」
「え、あ……お願いします」
 霊夢が正座してぺこりと頭を下げたので、アリスもそれに習った。
「やっぱり、大切なものを貰うんだから、失礼のないようにしなくちゃね」
 そういって笑うと、霊夢はアリスをやさしく抱き寄せて、唇を奪った。

「ん……ふ……ふぁ、んっ……」
「んうっ……ん、んん……」
 唇の先から、口の中、歯、舌、頬の内に至るまでを愛撫していく。
 呼吸する為にいったん離れると、今度はアリスから唇を求めた。
「ん…………っ。ちょっと遅くなっちゃったわね」
 唇を離し、繋がっている銀色の糸をすくいながら、霊夢が微笑して、アリスも恥ずかし
そうに笑った。
「それじゃ……いくね」
 アリスが少し腰を上げて、霊夢の首に手を回す。ちょうど対面座位のかたちだ。
 屹立したモノに、アリスの秘部が押し当てられる。
「ん……」
 その感触に、アリスの体が少し震えた。
「怖い?」
「大丈夫……」
 その言葉を信じるように頷いて、霊夢はアリスを抱き寄せるようにして、自らの分身を
花弁に押し込む。
「……っ!!」
「……くぅ」
 ず……ずず……ちゅ
 膣に、熱いモノが侵入してくる未知の感覚。
 それに耐えながら、アリスも体重をかけるようにして腰を沈めていく。
 十分に潤っていたので、抵抗や痛みは少なく、ゆっくりと、しかし確実に奥へと進み、
やがて、薄い何かへと突き当たる。
「………………」
 霊夢がアリスを見つめる。
 アリスは、目をつぶって、霊夢を強く抱きしめて、
 ずぶっ!!
 一気に、最奥まで到達させた。

「――――――――――――――――っ!!」

 痛みが走る。アリスは霊夢をさらに強く抱きしめて、歯を食いしばって、それに耐えた。
「…………っ、はぁっ……くぅぅ……」
 波を乗り切ったのか、アリスが大きく息を吐いた。まだ痛みが残っているが、最初ほど
ではない。
「……ごめん、痛かった?」
「ううん、大丈夫……大丈夫だから」
 そう笑顔で答えるアリスの目じりに涙が浮かんでいる。
 ――平気になんか見えないわよ、もう。
 胸のうちに罪悪感が湧く。
「しばらく、紛らわせておかないと、かな」
 小さく呟いて、結合部を見る。
 こぼれ落ちる、細い赤の筋。彼女の純潔。そこに手を伸ばし、
 ちゅくっ
「あっ?」
 突起に指を触れさせる。
「ちょ……霊夢?」
「痛みなんかわかんないくらいに気持ちよくしてあげる。……じっとしてて」
 そういって笑うと、さらに指を動かしていく。
「あっ……やっ……」
 指の腹で軽く撫で、爪の先で優しく擦り、二本の指で挟むように揉んで、ときどき強く
弾いてみる。
「んんっ、ちょ、ちょっと強いよぉ……あっ」
 アリスは、その芽を弄られるたびに痺れるような快感が体の奥に響くのを、身をよじっ
て逃れようとする。
「ほら、動かないの。まだ痛いんでしょ?」
 それをしっかり抱いて押さえつけて、まだ攻め立てる。
「んんっ、うあっ、はぅ…………」
 繋がった部位の赤が、少しずつその色を薄れさせる。透明な液体が少しずつ溢れ出して
いるのだ。
「どう、アリス……大丈夫そう?」
「んあ……うん、ちょっとちくちくするけど、動いても大丈夫よ……」
「それじゃ……」
 ゆっくりと抽送を開始する。引き抜く時に赤いものがこぼれ落ちていったのを霊夢は不
安に思ったが、アリス自身あまり痛がっていないのに気付いて安堵する。
「……うぅ、んっ、霊夢の、中でいっぱい動いて……ふぁっ」
「アリス、気持ちいい……すぐ出ちゃいそうよ……」
 ずっ、ちゅ、くちゅっ……
 引き抜き、再び貫く。剛直とも言うべきソレが膣壁を割り開き、その媚肉が愛液を流し
ながら吸い付いてくる。
「も、もっと速く動いていいよ……もうあんまり痛くないから……っ」
「う、うん……」
 ペースを速める。抉るように膣内を刺激し、そのたびに剛直も激しく責められる。
 膣壁をこすりあげられる、熱く痺れるような鈍い快感にアリスの腰が勝手に動き始めた。
「や、ちょっと……そんな風にされたらすぐにでちゃう……ってば……!!」
「だって、こんな、気持ちいいなんて……ふぁ、んんっ……!!」
 霊夢のモノが咥え込まれるたびに、溢れ出した潤滑液が泡だって音を立てる。
 それに応えるように、自らの受けた快感を分けるかのように、アリスの膣はそれを攻め
立てる。
「ふぁぁぁっ、んん、くぅ……もっと、もっとぉ……!!」
「うん……もっとしてあげるわね……!!」
 ずっずちゅっぐちゅっずぷっちゅぐっ…………
 霊夢は応えて、アリスを強く掻き抱いて、限界まで抽送を速めた。
「うあぁぁっ……すごっ……おくまで、届いてっ……!!」
「ん、くぅっ、アリス……っ!!」
「あっ、だめ、きちゃう、いっちゃう、だめぇ……っ!! いっちゃうよぉっ!!」
「私ももうだめ……そろそろ……イク……んんんっ!!」
 限界を突破。一層激しく突きたてて、最後に一際強く突き上げた。
 

「あっ、ああっ、あああああああああああああああーーーーーーーーーっっっ……!!」
「んっ、くぅぅっ…………は……ぁ……!!」
 どくっ……どくんっ……!!
「あ、あああっ……あっ……」
 びゅくっ……どぷっ……
「は、ぁ……んん……」
 ず、ちゅっ……どろっ……
「ふあぁ…………」
 アリスの意識が白く洗浄されていくのと、霊夢が熱い白濁を流し込むのはほぼ同じだっ
た。

「う……ああ……ふぅ……ん」
「はぁ……アリス、大丈夫?」
「うん、ちょっと怖かったけど、気持ちよかった……」
 全身に残る余韻に浸りながら、言葉を交わす。
「アリス……可愛い」
 軽く頬にキスして、自らのを引き抜こうとして――
「…………あれ?」
 まだソレが力を失っていないことに気付いた。
 こんなんじゃ足りねえ、と言っているようにも思える。
 アリスもそれに気付いたらしく、もじもじと体をよじりながら上目遣いで霊夢を見る。
「……もう一回、する?」
「……うん、私もっひゃ!?」
 そこで、いきなり魔理沙に抱きすくめられる。
「ちょっと、魔理沙?」
「ああ、いや、その、な。私も我慢できなくなって」
 言いながら、自分の下腹を指差す。そこには――
「……ほら、とうとう出てきちゃってさ」
 霊夢と同じ、剛直が鎮座していた。
「……でも、まだ私だってしたいのに」
「……じゃ、三人一緒にってのはどうだ?」
「出来るの?」
「出来るぜ。ああ、アリス、少しお尻を上げてくれ」
「こ……こう?」
 アリスはのろのろと――まだ秘部を中心に全身へ甘い痺れが残っている――腰を少し浮
かせると、魔理沙は霊夢と繋がっている部分よりもさらに後ろ――菊座に指を這わせた。
愛液を十分に吸っていたのか、つぷ、と簡単に指が入った。
「んあっ!? や、ちょっと魔理沙、そこは汚いって…………んんっ!!」
「何いってるんだ? こんなに綺麗なのに……ほら」
 軽くほぐすようにして動かした後、今度は舌を這わせていく。菊座から蟻の戸を渡って
霊夢との結合部までを舐めて、ゆっくりと戻る。
「や、やだぁ……へんになっちゃう……!!」
「ほら、もうちょっと力抜けよ。ちゃんと慣らしとかないと痛いんだぜ?」
 いいながら、再び指を一本差し込んで、ゆっくりと広げるように動かしていく。
「ふ、うんっ……お、おしり、熱いよっ……」
「なんだ、結構感じてるな。これなら……すぐだぜ」
 指をさらに一本滑り込ませる。唾液と愛液が空気と混ざり合って、にちゃにちゃと音を
立てた。
「あ、あ、あ、あっ…………やぁ、ちょっとぉ……」
「……うん、これくらい柔らかくなれば大丈夫かな。霊夢、膝立ちになってくれ」
「もう……これでいい?」
 結合部が少し上に来る。そこに、魔理沙がアリスを背後から抱くように位置した。ちょ
うど霊夢と二人でアリスを挟み込んでいる状態だ。
「あ、ちょ、ちょっと待ってよ」
「何だよアリス。…………嫌、か?」
「いや、そういうわけじゃないけど……痛くしないでよ?」
「なんだ。それなら大丈夫だぜ」
 微笑んで、魔理沙は自分のモノに手を添えて、後ろに押し当てた。
「あっ……」
「力、抜いて。……いくぜ?」
「うん……くぅぅっ!!」
 ずずっ!
 窄まりを押し広げて、先端が入った。そのまま、ゆっくりと残りを奥まで進めていく。
 ず、ずずずっ……
「っ……へ、平気か?」
「う、うん……熱いのか気持ちいいのかわかんないけど……」
 はぁっ、と嬌声に近いような息を漏らす。
「よかった、痛くはないみたいだな。……じゃ、動かすぜ」
「え、ちょっと、もう?」
「痛くないんだろ?」
「そりゃそうだけど……ひゃ、あっ」
 一番奥まで挿し込んだモノを、ゆっくりと引き抜いていく。肛門に、本来与えられる刺
激と快感が走る。
「や、やだ……おかしくなりそう……んあぁっ」
「ん、ふ…………くぅ、これじゃすぐ出ちゃう、ぜ……」
 ず、ずちゅ、ずっ……
 不用意に傷つけないように、ゆっくりと前後させる。
 その快感がじれったくて、魔理沙は何度も射精したくなる衝動に襲われるが、そのたび
に痛がるアリスを想像して堪える。
「んん、くぅ……はぁっ……あ……じんじんするよぉ……」
「は、ぐ……くぅ……気持ち、いいか……アリス?」
「うん……もうちょっと強くしてぇ……霊夢も、お願い……」
「うん、一緒に気持ちよく、なろ」
 その言葉に応えて、霊夢もゆっくりと抽送を始めた。

 ずっ、ずっ、ちゅっ、ずぷっ、ちゅ、ぐちゅ……
「ん……んん、はぁっ……あ、あっあっ……!!」
 膣と腸を擦り上げられる快感がアリスを真っ白な意識の果てに押し上げる。ぴったりと
息の合ったタイミングで交互に突き上げられて、その衝撃がさらに快感をもたらす。
「くぅ、あ、だめ、そんなに締められたら……っ……!!」
「くぅ、私もそろそろやばいっ……」
「ふあ、ああっ、おしりが、アソコが、熱くて、体が爆発しちゃいそうっ…………!!」
 霊夢が根元まで突き上げ、愛液と精液を掻き出しながら引き抜き、魔理沙が亀頭のエラ
ぎりぎりまで引き抜き、根元までつらぬき、アリスの体が猛烈な快楽に痙攣する。
「ひぃんっ…! ふぁ、あん……!! あ、だめ、あ、あっ!! や、こわれ、おかしく、
なっちゃ、ああぁぁ……!!」
「ア、リスっ、いくの? いっちゃうの……!? 私も、私もいっしょにっ……!!」
「ああっ……くぅ、もう駄目だ、これ以上は堪えられないっ……!!」
 耐えていた何かが壊れて、快感の奔流が三人を襲い、
 
「あ、ああっ、ふぁぁぁあぁあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁあぁーーーーーっ!!」
 びくん、びくびくっ!!
「ん、んーーーーーーーっ……!!」
 どくっ、どぴゅっ、びゅるっ……!!
「くぅ、ああぁっ――――!!」
 どくん、どくっ、びゅ、どくっ……!!
 三人同時に果てて、空白に意識を沈めた。
 
 
   ◇ ◇ ◇
 
 
「ん、んあ……って、あれ?」
 まぶたを通り抜けて差し込む光。それがとても眩しくて、アリスは目を覚ました。
 寝惚けた目と頭で周囲の状況を見、昨日のことを思い出す。
 たしか、昨日は十五夜で――
「あ」
 昨日の告白とその後の乱れようを思い出し、顔を赤くして慌てて自分の姿を見る。当然、
裸のままだった。シーツがかけられているのがせめてもの救いか。
 どうしたものかと周囲を見回していると、台所のほうから音がする。それに、いい香り
も。
 それに誘われるように、襖を開けた。
 
「あら、おはよう。もう起きていいの?」
 そういって出迎えてくれたのは、縁側でお茶を飲んでいる霊夢だ。目を合わせた瞬間に
少し頬を染めたが、それ以外はいつも通りに接してきた。
 今はそれがありがたいと、アリスは心の奥で思った。
 なにしろ、下手に違った反応をされても、お互い照れたり恥ずかしがったりでぎくしゃ
くしてしまうのだ。
「うん、まあ。何だか少しお尻が痛い気もするけれど」
「おいおい、あのときは痛くないっていったろ」
 横槍を入れたのは、台所にいる魔理沙だ。なんと料理をしている。
「え、あ……だってあのときは……その、気持ちよかったから気がつかなくて……」
「うわいてっ!! い、いきなり変な事いうなよ」
 どうやら膝をどこかにぶつけたらしく、魔理沙が飛び上がった。動揺したらしい。
「もう、だらしないわね魔理沙ったら……昨日、あんなことしたくせに」
「う、ひょっとして根に持ってるか?」
「当たり前じゃない……すっごく恥ずかしかったんだから。そのうちお返しさせて貰うわ
よ?」
「……藪もつついてないのに蛇が出てきたぜ」
「自業自得よ」
「そうそう」
「って、お前も一緒にやったろ」
「ああ、そういえばそうだったわね。じゃ、アリスにも後でお返しを」
「ちょっと魔理沙、人の藪を勝手に突付くんじゃないわよ」
「不可抗力だぜ」
 そこで、霊夢が思い出したように手を打ち、
「あ、アリスはお返ししなくても良いわね。……昨日、一番大切なもの、貰ったわけだし
ね」
 そう言って微笑み、アリスはとたんに赤面した。
「ちょ、ちょっと霊夢」
「だって本当のことでしょ? ふふ、本当に可愛かったわ、アリス」
「…………」
 昨日のことがフラッシュバックして、アリスは顔を更に赤くして俯いた。


   ◇ ◇ ◇


 魔理沙の作った朝食を食べてから、アリスは境内に出て、空を見上げていた。
「ふぅ……」
 大きく息をついて、眼を閉じる。
 
 誰かと一緒になること。誰かを愛すること。愛し合うこと。
 かつて、百年以上の歳月を独りで過ごしていた時の願いが甦る。
 それは、叶うはずもなく、叶えるつもりもなく、それ故に夢だった。
 だが、その夢は昨日、図らずも叶ってしまった。
 叶うはずの無い夢。なら、あれは本当に夢だったのか。
 
 ――いや、そんなことはないのだ。
 後ろを振り向く。そこには同じように散歩にでてきたのか、霊夢と魔理沙の姿がある。
 ――だって、この夢は。
 駆け寄るようにして、二人に近づき、二人とも抱きしめた。
 ――先に続いているから。


To be continued...




割とあとがき

 いろいろとダラダラ長引かせてすいません。初めまして。595です。とりあえずハンド
ルは次のときに回しときます。
 
 
 まず、ネチョいシチュを頂いた東方ネチョスレの皆様、
 挫けそうな時に春度を脳髄に叩き込んでくれたネチョ絵板の偉大なる絵師様方、
 そして先駆けてエロス(ネチョス?)を表現し、
 私にネチョ文を書く勇気をくれたSS職人の皆様方に、満願の感謝を。
 特に21スレ633氏。最高にエロいですサー。
 
 実を言えば、当初はやや強姦気味にアリスをネチョる予定だったんです。
 ところがさあ書き始めようとした瞬間に脳内のエロジーザスが
「照れ怒る霊夢、恥ずかしがる霊夢萌え。すなわち今すぐ書け」
「サー、イエス、サー!!」
 と、神託(というか電波)を与えてくださったのでえらい回り道になってしまいました。
 それにネチョシーン自体書くのが初めてでそこそこ苦戦。えろくなったかなあ。
 特に待たせてしまった方々には申し訳ないです。
 
 さて、これ以上書いても言い訳と反省しか浮かばなくなってきたので、この辺で一旦筆
を置こうと思います。
 
 では、またの機会に。幻想郷に幸あれ。
 
 執筆人:21スレ595


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2272d)