その日は満月の前夜、十五夜の前だから待宵と言っただろうか。時刻で言えばまだまだ宵の口だ。
目を凝らさないと分からないほどだが、僅かに欠けた月がランプのように庭を照らしている。
これほどの月であれば、前夜祭だとでも言って肴と月見酒の酌を要求する幽々子様や
飛び回る幽霊や騒霊の演奏で騒がしいのが常なのだが、今夜に限ってはそうではなかった。

宴会も好きだけど、たまには落ち着いて飲みたいときもあるわね。

そう言って幽々子様は庭をうろついてる幽霊を追い出し、今は縁側で静かに杯を傾けている。
二百由旬を誇ると言われる白玉楼の敷地に、死者はお嬢様と従者の私の半分だけであった。

「さて、そろそろ夜も冷えてくる頃合よね。お布団が冷たくって嫌になるわ」
「そうですね。でも、湯たんぽを出すにはまだ少し早いのでは?」
でもまだ床の用意をするような時間でもないなと思った。お嬢様は夜更かしも得意なのだ。
何があったろう何処にあったろうと他の防寒具の場所を思い出していたが、別に用意は
しなくていいわと言われた。ただ、寝る前に寝間に来るようにとだけ告げられ、空になった
肴の器を片付けるよう言われた。今宵の晩酌はみょんに手短であった。

「うふふ、体が冷えるといけないからコレは持っていくわね。うふふふ」
開けたばかりの一升瓶を持って寝間へ向かう主君。要は寝酒がしたいための軽い晩酌か。
普段ならたしなめたいところだが、何も言わないことにする。今夜はいつものような宴の準備や
後片付けが無いため、私も少しばかり機嫌が良かったのだ。

朝の準備も終え戸締りも確認し、一通り寝る支度が整ったので言われたとおり主の寝間へ。

「幽々子様、お言い付けどおり参りましたよ。何か御用ですか?」
「遅かったじゃない妖夢」
行灯の薄明かりの中、お嬢様は左前の純白の襦袢という、普段どおりの寝巻き姿。
妖しい口元には先の杯を付け、布団から半身を起こして待っていた。
私は刀は左に置き、正座で主の言を待つ。
「うふ。やっぱりお布団が少し冷たいのよ。それに……一人寝が寂しくて、ね?」

はて。一人寝が寂しいとは如何に。

「と言うと……もしかして子守唄を所望ですか?」

「違うわよ」

「それでは……あっ、まさか添い寝とか」

「惜しいけど違うわ。でも惜しいわ、違うけど」

はてさて。お嬢様の用件がとんと分からない。眠れるまで話し相手にとか、寝酒の酌の相手とか、
そういう用で呼びつけたわけでもなさそうだ。

「むぅ、降参。どんな用件なのか教えてください」
「鈍い子ねぇ……」
呟いてまた杯を口へ。珍しく酔っているのか、白い肌に生気のこもった紅が差している。

「じゃあ言うわ、私は貴女に"夜伽"を申し付けたいの」

ヨトギ……?


よとぎ 0 3 【夜▼伽】

(名)スル
(1)病人の看護、主君の警備などのために夜通し寝ずに側に付き添うこと。
(2)女が男と共に寝て相手をすること。
(3)お通夜(つや)などで夜通し起きていること。また、通夜。
※三省堂提供「大辞林 第二版」より


ふむ。

 ピッ
にア (1)病人の看護、主君の警備などのために夜通し寝ずに側に付き添うこと。

「あぁ、寝ずの番ですね。心得ました、この妖夢、幽々子お嬢様の警護役としてのお勤めを……」
「ちょっとちょっと、なんでそうなるのよ。わざとかしら? わざとなのね?」
「え、なんでって」
またも的を外れた事を言ったらしく、幽々子様がふくれっ面で抗議の視線を飛ばす。

あ。
事ここに至って、今さらながら嫌な予感がしてきた。
さっきからお嬢様は何と言った? 布団が冷たいのが嫌と言った。一人寝が寂しいとも言った。
私にヨトギを申し付け、では寝ずの警護をと言ったら叱られた。するとそれはもしかしてまさか……

 ピッ
にア (2)女が男と共に寝て相手をすること。

「ふふふふふ、そういうことよ妖夢」

主従の以心伝心というのは皮肉なもので、こちらの動揺を読み取った主が含んで笑う。
片やこちらは自分が青ざめたのか真っ赤になったのかも分からない有様だと言うのに。

「さっ、さてはひどく酔ってらっしゃいますね幽々子様! やはり寝酒はお止めするべきでした!」
「あら、私がこの程度で酔った事なんてあったかしら」
「ないですけど、今は酔ってますよ! そうでもなければそんな事を言い出すなんて……」
「そんな事だなんて、酷いわ妖夢」
「しばしお待ちください、ただ今酔い覚ましの冷水を持ってまいりますから……!」
「妖夢っ!」

急に張り上げられた声に、思わず固まってしまった。
立ち上がって台所へ向かおうとした私の手を、幽々子様の手が捕まえている。

「言ったでしょ、私は酔ってなどいないわ。素面(しらふ)よ。それに……」
「そんな事だなんて、酷いことを言うのね妖夢は」

さっきと同じことをもう一度。しかし今度のそれは、私の胸に深く鋭く突き刺さる感じがした。
そんな言い方をされては振り払って水を取りにいけるはずもなく、私は動揺も鎮まらぬままに
再び向き直って座る他なかった。

「いつもの冗談では、ないのですか?」
「まだ言ってるの。私は本気よ。妖夢、あなたに夜伽として一夜を共にすることを命ずるわ」
私は顔を下に向けたまま、今の言葉の意味をもう一度反芻する。
「でも、私たちは女同士ですよ……」
「そんな事こそそんな事よ。障害足りえるとは思わないわ」
「しかしお嬢様……」
「聞いて、妖夢」
ぐい、と顔を手で上に向けさせられた。すぐ前には幽々子様の顔。長年仕えてきたけれど、
今まで見たことがないぐらい、真剣な、顔。

「私はね、妖夢が私の従者で良かったと思ってるし、従者が妖夢で良かったとも思ってる」
「幽々子お嬢様……」
「私が主で貴方が従者。それだけで、その気になればいつだってこうして一緒にいられる」

「でも、駄目なの。妖夢にはもっと側にいて欲しいの。私が西行寺でなくても、貴方が魂魄でなくても、
 それでもずっと側にいて欲しいのよ」

「貴方をここに呼ぶのにも凄く勇気が要ったわ。それに不安もある。妖夢が西行寺に仕える者として、
 それだけの理由で私の命を受けてしまわないかって」

「だから、だからね……? 本当は、命ずるとか、申し付けるとか、そんな風には言いたくなかったの」

「妖夢と、一緒にいたいって、願わくば叶って欲しいって、ほんの小さな、でも私にはとても大切な……」

「だから……お願いだから、"そんな事"だなんて……言わないでよぉ…………」


お嬢様の声は最初こそ静かだったが、途中から涙声だったものが泣き声に変わり、終わりには感極まって
声を上げて泣き出してしまった。力いっぱい私の服の肩の辺りを掴みむせび泣くような、そんな嗚咽。

こんなにも。こんなにも幽々子様は私を求めていたのに。心の底から私を求めてくれていたのに。
私はそれを、酔っているとか、冗談とか、万が一にもありえないと決めて掛かって、あぁ、そして今、
お嬢様は私のすぐ前で泣いているのだ。許すものか、私は私を許すものか。

「お嬢様、幽々子お嬢様ぁ、もう、泣き止んでください」
感情の濁流に流されていた主が、再び私の顔を見た。声を出して気付いたが、私もとっくに涙声だった。
「だってぇ、妖夢ぅ、ふえええぇ」
一度決壊した感情の堰を修復することなどできず、ぐひりぐひりと泣きじゃくり続ける幽々子様。
だがそれは私も似たようなもので、もはやかろうじて決壊してない程度の感情の渦の中で言葉を紡ぐ。
「お願いがございます。明日は半日ほどお暇をいただきたいのです」
「何よぉ、何で急に暇を取るなんていうのよぉ!」
ぼろぼろと大粒の涙をこぼし私を掴んで揺さぶる手。
「それと、先に、無礼をお詫びしておきます。失礼っ!」
再び泣き出した幽々子様の目の前で、私は置いてあった酒瓶を手に取り、

ぐいっ、ぐびりぐびりぐびりぐびりぐびりぐびり、ぶはぁっ

息を止めてから息の限界が来るまで、まさに一息に飲めるだけ飲んだ。瓶はかなり軽くなった。
「んあ? よー、む?」
何が起こったのかという感じで幽々子様が呆気に取られている。それはそうだろう、
私は今まで幽々子様に酌をすることはあっても自分が飲むことはなかった。それは、私が生来
酒に強いほうではなかったからで、現にこれだけの量の酒を嚥下したのは生まれて始めての事だ。
酒の流れた喉が熱く流れ込んだ胃袋が熱く、だが胸が熱いのは酒のせいだけではなく。

「私は、魂魄妖夢は、お嬢様の側にいられて、本当に、本当に果報者でふ」
それで終わりだった。堰は決壊した。後は私も幽々子様も、抱き合ったまま延々と、延々と泣いた。


しばらく泣いて、泣き疲れて、感情の鉄砲水も些か勢いが和らいで、それでようやく二人とも静かになった。
それでも、抱き合ったまましばらくは微動だにせず。死人と半死人の身体は汗ばむ程度に温かく。

「……妖夢」
「何でしょう」
「ちり紙、取って」
「はい」

私が手を伸ばしてちり紙を取り、幽々子様に渡す。もう一枚取り、そのまま二人で同時に鼻をかんだ。
お互いに耳元で鼻をかむ形になったが、そんなことはこの際どうでも良かった。
ややあって、幽々子様が私から身を離し、泣き腫らした目でしっかりとこっちを見る。
「聞いていいかしら、妖夢。何であんな事したの?」
「申し訳ありません。私は、私の気持ちを伝えるのに酒の力を借りました」
「半日は暇が欲しいと言ったわね」
「あの量を飲んで、朝早くのお勤めに起きられる気がしませんでしたので」
「それだけ?」
「それと……さすがに、素面のままでは恥ずかしいと……でも」
再び強く抱きしめて。
「今なら言えます。私は、幽々子様を」
「こらこら妖夢。それを"酔った勢い"で言うつもりなの?」
「とと、そうでした。では後日、お互いに素面のときに」
「言えるかしら」
「言いますとも」
「ふふ。さて、これからどうしましょう。もう大人しく寝ていられる気分じゃないわ」
「それは私もです。……それで、その、幽々子様」
「え?」
「もう恥ずかしくはないですから」

主の動きが止まった瞬間、さっきそうされたように、その顔を両手でこちらに向け、逡巡した後、口付けた。
やり方なんて知らないから、できる限り丁寧に優しく、ゆっくり。

……ぷは。

「妖夢、これも"酔った勢い"なのかしら」
「さあ。お望みと有れば、後日お互いに素面のときに」
「馬鹿ねぇ。ふふふふ。ああもう、ますます眠れないわ。妖夢、相手をなさい」
「へ?」
「もう恥ずかしくはないのでしょう?」
不意に腕を掴まれて持ち上げるように振り回された。酒が回って前後不覚になっていたため、
天地がはっきりしたのは布団の上に押し倒されてからだった。
「もう我慢できないわ、いいえしないわ。こんなに幸せな夜だもの」
「えっと、幽々子様? まさか」
「そのまさかよ」
そのまま覆い被さるように、今度はお嬢様のほうから口付けてきた。私の知らないやり方で。
唇の感触を楽しんだのも束の間、ぬらりと舌が歯の間に潜り込んでくる。

舌に舌が触れ、口の中を蠢き、私も真似をするように舌で舌を舐めた。んはぁ。
私を組み敷いていたお嬢様は膝立ちになり、素早く寝巻きの襦袢をはだける。
綺麗な乳房がさらけ出されたのを見て、私も何と言うか、腹を決めた。

「……はい、幽々子様。でも、私、こういう事は初めてで、よく分からないのですが」
「あら、庭木の剪定や料理は妖忌に教わったんでしょ?」
「なっ!? まさか、お師様ともこんな事……!」
「冗談よ冗談。こんな事をするのは妖夢が最初」
「もう、幽々子様ぁ……驚かさないでくださいよ」
「知らないというのなら、これからもっと驚くことがいっぱいなんじゃない?」
再び覆い被さって、でも今度は口付けではなかった。幽々子様の右の手のひらが私の身体を撫ぜる。
胸を、腹を、わき腹を、ブラウスの上からするすると。不思議なことに、三度撫でられただけなのに
もうブラウスのボタンが一つもはまっていない。今度は、開いた隙間から直に胸を撫でられた。
「っん!」
触れた指はまるで生きているかのように熱く感じた。
「まだ揉むってほどでもないわね、分かってたけど」
そんな事をいいながら胸をまさぐってくる。そりゃあ、幽々子様に比べれば見劣りはするけど……そうか。
私も幽々子様の胸に手を添えてみた。こっちは揉めるほどあるし、片手で上体を支える必要もないから
私は両手が使えるのだ。
「んぁ、妖夢ぅ」
やわやわやわやわ。柔らかい。揉んでるという実感もある。ただ手触りは私の半身に似てるかもしれない。
しばらく揉んだり掴んだりしてるうちに、やっぱり興味はその一部に移る。つまり、先っぽ。
恐る恐る、でも思い切った動きでその先っぽを指で掠める。その動きが、偶然にも私とお嬢様で同期した。
「うひぃっ!」
「はうっ!」
電流のようなものに身体が反応して、思わず身をよじる。さらに二度掠られてからきゅっと摘まれた辺りで、
それを快感だと認識できた。
「可愛いわ、妖夢の」
ちゅぴ、と小さな音を立てて幽々子様がそれに吸い付いてきた。恥ずかしい凄く恥ずかしいし痺れてそれは。
お酒とは別の理由で頭に血が上っている。冷静でいようなんて土台無理な話でたまらず息が漏れる。
それに幽々子お嬢様は私に吸い付いたまま器用に私の服を脱がしていくのだ。
上着を取るために背中を少し浮かし、スカートを外すために少し腰を浮かせたら、もうドロワーズだけ。
それに対応するかのように幽々子様も襦袢をはだけ、もうただ羽織っているだけのような状態、否、
下着を着けていないのでほとんど裸同然だ。言葉もなかった。その姿を見てこの上なく素敵だと思った。

私の片足をまたぐ感じで四つんばいになっていたお嬢様が、不意に腰を降ろす。膝の辺りに熱く濡れた感触。
「あぁん、妖夢ぅ」
そして熱のこもった吐息。何が当たっているのかは一目瞭然で、お嬢様はそのまま腰を前後させる。
「ゆ、幽々子お嬢様っ!」
「いい、いいのぉ」
私の右手を捕まえてそのまま口へ運ぶ。ちゅるり。指をしゃぶられている。爪の隙間や指紋の一本一本に至るまで
舌でふき取られる感じがした。その右手は開放されないまま、私のドロワーズのあの部分に触れさせられた。
「……っ!」
初めての感覚。お嬢様の口付けからそこに何となく違和感があったので、たぶん見た事もないことになってるだろうと
思っていた。指はお嬢様の唾液で濡れていたけど、それとは別の理由で、そこは予め湿っていた。
「んっ、妖夢も濡れてるのね」
私の右手に添え重ねるようにして、お嬢様の左手がそこを弄ぶ。たまらず声が出るし、お嬢様の腰は加速する。
「んっ、ふっ、はっ、はんっ」
「あっ、んぁっ、うぅっ、ふっ」
そういう類のヒトリアソビすら殆どした事がなかった私にとって、お嬢様の行為は一つ一つが未知の領域だった。
先ほど言っていたのはこのことかと、確かに驚きながらも私は受け入れていく。
「直にいくわよ」
重ねていた手が離れ、ついにドロワーズの中に滑り込む。幽々子様の指の熱が直接届く気がして。
そして、それが突端に触れた。
「ひあぁぁっ!」
びくり、と全身の筋が跳ねて身体が突っ張った。お嬢様の優しい愛撫が始まる。左手で私のそこをこね回し、
右手で私の胸を苛み、もう一方の胸を舐る。もう止まらない。止めてくれないし。
「んーーっ! ゆゆっ、さまっ! ひぁっ! そっ!」
「もっともっと、まだまだよ」
もう自分でも何を言おうとしてるのか分からず、今まで出したことのないような声で啼くしかできない。
やり返そうなんて思いもよらず、ただ力いっぱいに布団を握り締めて身体を躍らせ耐えるのみ。
そんな私を見て楽しんでいるのか、絶妙な加減で魂魄妖夢を奏でる指を止めようとしない主。
左手の指がぎゅっと食い込まされ、摘み上げて擦り、
「んーーっ! あーーあーーあーーーーーっ!! あぁーーーーっ!!」
眉間よりちょっと内側で、何かが破裂した。


あまりの衝撃に息切れを起こしている私に、幽々子様は再び口付けてくる。半分人間の私はそれなりに
呼吸を必要とするのに、口を塞がれてはそれもままならない。とにかく荒い鼻息が幽々子様の顔に掛かる度、
恥ずかしいような申し訳ないような気持ちになった。

随分長い間そのままだった。吸気が間に合わずに意識も遠のきかけたが、結局落ち着くまでそのまま
口付けられたままで、絶頂の余韻も治まるまで待ってようやく離された。

「ふぅ、どうだった? 妖夢」
「どうもこうも無いですよお嬢様。苦しかったんですよ?」
「ふふ、ご免なさいね」
悪びれた風でもなく、ただ笑っている。まだ少し目が紅いが、先までの泣き顔はもう何処にも無い。
「それに、夜伽だなんて言っても、私が好きほーだいやられただけみたいですし」
「それでいいのよ。最初からそのつもりだったし」
「少し、眠くなりました……」
床に入ったのがそもそも日が変わる前とやたらに早かったのだが、今は丑の刻ぐらいだろうか。
泣き疲れたのと、啼き疲れたのと、酒が回ったのが一緒になって、私は既に半分まどろんでいた。
「そうね、私も少しくたびれたわ。ご苦労様、妖夢」
「そんな事……私、いま幸せですよ。とても」
「ありがと。それじゃ、もう寝ましょう。明日は暇をあげるから、ゆっくりお休みなさい」
「はい。では、失礼して、お先に、休ませて、頂きます……」
「ええ。お休み妖夢」

そのまま、ほぼ二人同時に眠りに着いたと思う。
幽々子様に寄り添っていたから、布団は冷たくなかった。





――――日々の習慣とは恐ろしいもので、そんなつもりはなかったのにいつも通りに目が覚めてしまった。
朝食の支度の時間だ、用意をせねばと身を起こしかけて思い出す。それに気だるい。頭が重い。
二日酔いで起き上がるのも億劫なのでは、寝ていたままのほうが良かったと思った。早起きの習慣が恨めしい。
横を見ればお嬢様が可愛らしい寝息を立てている。布団で見えこそしないがお互い裸のままだ。

「……まぁ、お暇は頂いたんだし、用意ができてなくても文句は言われないか」

庭仕事は後でまとめて頑張ればいいし、急を要する仕事もとりあえず思いつかない。
寝ている幽々子様をそっと抱き寄せるようにして、私は再び目を閉じた。
今度目が覚めたら、その時こそは素面で言うことがある――そう誓いながら。


白玉楼の朝は、もう暫くは訪れないままで。


―End―




※あとがき

寝ずのルナティックハイで勢いよく書き上げた幽々×妖ネタです。てーかオレを寝かせて。
アスパルテームも真っ青の甘々です。俺の中の甘露を全て吐き出した感じです。もう二度とこんなの書けない気がします。
純愛スキーなのでその辺が前面に出てると思います。だからネチョは控えめ。ざまーみろ。マジごめんなさい。
ただ俺が書きたいことを書いただけなので無駄に長げーですよ。ゴメン俺が読む側だったら読みたくないかも。
でも書いたので晒します。せいぜい笑ってやってください。

書いた猫――→二足歩行猫


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (1796d)