ダブルベッドにはレミリアと霊夢。
二人とも生まれたままの姿で、恥ずかしがる事なく抱き合っている。
今まで何度も繰り返してきた『行為』を終えた直後だった。

好きだから、レミリアは霊夢を求める。
霊夢は泰然とレミリアを受け止める。
男女がするような事はできなくても、好きだという想いをこれでもかとぶつけ合う。
そんな甘い甘い日々が続いていたが、同じ事をずっと続けていると流石にマンネリ化してくる。
というか、既にレミリアは霊夢との『普通の行為』に飽きを感じ始めていた。


「ねえ、霊夢。ちょっと言いにくい事なんだけど・・・いいかな?」
「何よ、いまさら恥ずかしがるような間柄じゃないでしょ・・・言ってごらんなさいよ」
「あのね・・・・・」

霊夢に抱きつき、その二の腕を舐めたりしている。いつもの事、と霊夢は気にしない。

「一度でいいから霊夢の血を吸ってみたいな、って」
「却下」


喰らいボムの受付時間よりも短い。文字通りの即答だ。

「ダメなの・・・?」
「上目遣いで甘えても猫撫で声で訴えてもダメなものはダメ」
「フランは魔理沙から吸ってるのに、私はどうして?」
「なんか痛そうだから。魔理沙は我慢してるみたいだけどね・・・」

「・・・・私をフランと一緒にしないで」

レミリアの瞳が紅く輝く。男も女も等しく魅了するその笑顔で、霊夢に迫る。

「あの子は人から直接血を吸った事がないけど、その点私は慣れてる。相手に痛みを感じさせない牙の立て方も知ってるし、
 むしろ気持ちいいと感じさせる事もできる」
「眉唾ものね、信用できないわ」
「血を吸う時、相手に抵抗されるようじゃまともに血なんか吸えない・・・痛みを感じさせない事は
 吸血鬼にとって基本的なスキルなのよ」

腕を舐め続けながらの上目遣い攻撃。幼い少女が発するにはあまりに不釣合いな色香に晒され、
それでも霊夢は正気を保とうと歯を食いしばる。
舐められている腕がむず痒い。腕への執拗な愛撫は、まるで注射を打つ前の消毒にも見えてくる。

「レミリア、どれだけ甘えてもダメよ。そんなに吸いたかったらあのメイド長の血を好きなだけ吸えばいいじゃない・・・・・・」
「咲夜の血ならいつも吸ってる・・・私は霊夢の血が欲しいの」


不意に、レミリアが霊夢の腕をつねった。舌を這わせた所をつまんで思い切り捻る。

「痛ッ・・・・・くない?あれ・・・・?」
「これでも信じてもらえない?」

得意げな顔でさらに強く腕をつねる。
霊夢の腕をつまんだ指はもう90度近く回っているのに、霊夢の表情は歪まない。

「これが私たち吸血鬼・・・唾液には強力な消毒作用と麻酔作用があるの。だから牙を突き立てても相手は痛みを感じない」
「蚊か。あんたらは」
「そしてそれが体の中に入ると・・・・・」
「入ると?」

「・・・・・ここから先は秘密。血を吸わせてくれたら教えてあげる」
「・・・まあ、何となく予想はつくけど・・・・しょうがないから信じてあげるわよ」
「ホント!?」

(私がイエスと言うまで甘え続けるつもりでしょうが・・・)
「本当に痛くないって言うなら、一度だけ吸わせてあげる」
「・・・・霊夢大好きっ!」

ひしっと抱きつくレミリアを見て霊夢は思う。
『ある意味、この子には敵わないな・・・』と。





「じゃあ霊夢、始めるね」
「うん・・・」

さっき以上に執拗に腕を舐め、唾液をまぶすレミリア。
その念の入れように霊夢も心穏やかではないが、首を縦に振った以上覚悟を決めなければならない。
それに、『レミリアの唾液が体内に入ったら』という事を考えると自然と期待が高まる。
とりあえず今の霊夢はレミリアの言葉を信じるしかなかった。

「いくよ・・・・」

いきなり首に牙を突き立てないのはレミリアの優しさか、それとも楽しみを後に残しておこうという考えなのか。
霊夢の二の腕に唇を添え、その牙で皮膚を貫いた。



ズッ

小さな音がしたようなしなかったような。
紅い血が滴り落ち、牙の突き立った腕がビクビクと震える。レミリアはその腕を押さえて離さない。
傷口から垂れる血も全て舐め取り、天使のような笑顔を浮かべる『鬼』の姿があった。

「んっ・・・!!」

「ん・・・・おいしい♪」
「うっ・・・あぁぁ・・・・・」
「霊夢の血・・・暖かいよ。暖かくて、紅くて、おいしい・・・・・」


麻酔をされるとその部分はまるで血が通っていないような感覚になる。
そこを切られたり刺されたりしても、むず痒さのような物しか伝わってこない。
ちょうど、今の霊夢の腕がそうだ。
レミリアの牙に皮膚を突き破られ、少なくない血が流れているのに痛みを感じない。
激痛で転げ回るよりはマシかも知れないが、全く痛くないというのも逆に不気味ではある。

「ねぇ、レミリア・・・そんなに吸わないでっ・・・・・」
「霊夢の血、おいしいんだもん・・・私でもお腹いっぱい飲めそう」
「いやあんたがお腹いっぱい飲むと私絶対死ヌからやめて」
「それにしても・・・・血、いっぱい出ちゃったね。消毒してあげる」

舌に唾液をたくさん乗せて、薬を塗るように傷口に唾液をまぶす。
幼いレミリアの小さな舌は可愛らしく、その下を一生懸命腕に這わせる様子はいやらしく、
時折紅い瞳を光らせて微笑みかける表情は少女とは思えない妖しさだった。

レミリアが一度の『食事』でどれほどの血を飲むのか、霊夢は知らない。
小食であるという事を考えれば大した量ではないはずだが、それでも脱力感を感じる。
これが『血を失う』という事なのかも知れないし、レミリアがいつも以上に血を吸っているからかも知れない。
しかし、今の霊夢はもうそんな事はどうでもよくなっていた。


『消毒、麻酔』の唾液が傷口に染み込んでいく。
既に麻酔が効いている状態だから痛くも痒くもないが、胸の鼓動が少しずつ速くなっていくのを感じる。
裸でいるのに身体の内側から熱くなり、身体の内側からも形容しがたいむず痒さを感じる。

「・・・・予想、してたんでしょ?」
「う・・・・・」
「『こうなる』と予想しておきながら血を吸わせるなんて・・・やっぱり霊夢は」

「やめて・・・その先言わないで・・・・・自分でも分かってるんだから・・・・・」

言われなくても分かっている。『自分は快楽を求めていた』と。
自覚しているからこそ今更言われたくなかったし、実際どうしようもない切なさと疼きを感じている自分がここにいる。
それを鎮められるのは自分ではない、レミリアだという事も分かっている。
だから、自分より幼いレミリアにすがるしかなかった。

「レミリア・・・1回だけなんてもう言わないから・・・・だから・・・首の方・・・・・・・お願い・・・・・・・・」


「 吸 っ て も 、 い い の ね ? 」
「・・・・・うん・・・・・・・・」

そこにいるのはいつも霊夢に甘えている少女ではない。
血を求め、月夜に跋扈する闇の王。目を光らせ、獲物を追うヒトの形をした獣。
紛れもない、一匹の吸血鬼がそこにいた。





「んっ・・・・」

今度は吸血鬼らしく、首筋に狙いを定めて牙を突き立てる。
唾液もたっぷり塗りつけてあるから痛みはない。垂れ落ちる血も腕より少し増えた程度だ。
だが、血を失う感覚や吸われる感覚は腕の時よりダイレクトに伝わる。
レミリアの息遣いを肌で感じ、身体の中を蹂躙される感覚を身体で味わう。

「首・・・ほら、霊夢の鼓動。トクン、トクン、って聞こえてる」
「うっ・・・・うぐ!」
「血も・・・こんなに紅くてきれい・・・・」

「うぐっ・・・・ふ・・ぁぅ・・・・・」

紅い血を、口から口へ。
霊夢の口元も血の赤で染まり、一筋垂れた血が顎から胸へとラインを描く。


「うふふ・・・・こぼしちゃ駄目じゃない。ちゃんときれいにしてあげる」

鳩尾の辺りまで垂れてきた血もレミリアは見逃さない。
霊夢の身体にも舌を這わせ、ゆっくりゆっくり上へ登っていく。

「ふあぅ・・・・!」

舌がふくらみかけの胸を撫で、霊夢の口から声が小さく漏れる。
口の中に残っていた血がまた少し漏れ、口から顎までを真っ赤に染める。
レミリアは、その血も全て舐め取っていった。



もう体に力が入らない。
死ぬほどではないだろうが結構な血を失い、傷口から入ったレミリアの唾液がもう全身に回っている。
体を動かすのは辛く気だるく、身体を蹂躙されるのは心地よい。
もはや、霊夢は完全にレミリアの虜になっていた。

ズッ

また、首筋に鈍い感覚が走る。今日3回目の吸血。
吸血鬼にとって自分の血はどんな味がするのだろう、レミリアはどんな表情で血を吸っているのだろう。
霊夢の脳裏にどうでもいいような事が浮かんでは消えるが、そんな事もすぐにどうでもよくなってきた。
失われた血が、レミリアの唾液が、どんどん思考力を奪っていく。
顔を赤らめ、肩で息をし、ただレミリアの成すがままになっていた。

「もっと・・・もっとちょうだい・・・・霊夢・・・・・・・」
「ぅぁ・・・・あ・・・ぃぁ・・・・・・・・」

既に呂律は回っていない。
レミリアの手は霊夢の上と下、それぞれ敏感な部分に回っていて二重三重に霊夢の思考力を奪う。
これ以上血を失うのは危険かも知れない。だがそれを伝えられない。考えが言葉に結びつかない。
波のように次々快感が迫り来る。それが霊夢の集中力をも削っていたのだ。

霊夢が悶えている間にも血はゆっくり吸われていく。血と共に体力が、命さえ吸い取られていくような錯覚。
目も霞み、全身から感覚が抜け落ちていく。

「ぁ・・・・・レミ・・・・もう・・・・やめ・・・」
「んっ・・・・待って、もう少し・・・・・」
「ぃや・・・・・だめ、死んじゃ・・ぅ・・・・」

「大丈夫よ。 死 に は し な い 」


痺れるような感覚がもう一度あった。
また牙が突き立ったのではない。今よりさらに深く、深い所まで牙が食い込んできたのだ。
首の肉を食いちぎってしまうのではというほど牙を埋め込み、力の限り血を吸い上げる。
彼女は果たしてその内どれくらいの血をちゃんと飲み、どれくらいの血をこぼしているのだろう・・・
それほどまでに、レミリアは深々と牙を突き立て一心不乱に血を啜っていた。

口の動きに合わせて手の動きも激しくなる。
血を啜る音、秘部を弄る音、吐息。全てが二人きりの部屋で妖しく響く。
消耗した霊夢が限界に達するのはわけのない事だった。

「んっ・・・んぐっ・・・ふぅっ・・・・・!!」

「あ・・ああああぁぁああぁあぁあああああぁああぁあぁぁぁぁぁぁっ!!!」



青白い顔で、しかし首と腕は真っ赤に染め、霊夢は断末魔にも似た悲鳴を上げ力なく後ろに倒れた。
これでもレミリアは慌てず騒がず、霊夢の頭を抱き起こす。

「大丈夫、霊夢?」
「・・・・・うー」
「血を吸われた・・・じゃなくて、こんなにたくさん血を失ったのは初めてでしょ?」
「クラクラするわ・・・・いつも小食だって言ってたのはどこの誰よ」
「あ・・・それはぁ・・・・・・」
「とりあえず貧血程度で済んだけど、どこかの誰かさんが加減を間違えて失血死しちゃったらどうするつもりだったのよ」

「・・・・・・・・・いやまぁその」
「誤魔化すな」
「だけど、これくらいじゃ死なないっていう自信はあったわ。咲夜からもあれくらいしか吸ってないし」
「吸われ慣れてる人と慣れてない人を一緒にしないでよ・・・」

「・・・・それにしても、霊夢の血。とても美味しかったわ」
「そりゃ光栄だわね」
「ねえ、もう一回・・・・・」
「却下」
「ダメ・・・?」
「一回だけって言ったでしょ。駄目な物はだ・め」



貧血の身で、まともにレミリアの相手をするのも面倒だ。
レミリアが膝枕をしてくれている。その膝に頭を預け、ジト目で彼女の顔を見上げながら、
それでも霊夢は本気でレミリアに呆れたりはしていない。

『やっぱりこの子には敵わないな・・・』

無邪気な一面と500年を生きた末の貫禄を持ち合わせているレミリアを見ると、溜息と共に表情を緩ませるしかない。

『また甘えられたら断りきれないかも・・・』

まだボーッとする頭で考えながら、とりあえず今は遠慮なく膝枕に甘える霊夢だった。

(end)
























あとがき。

エロくないですよー _| ̄|○
確か人間の血液量は体重の1/13程度で、その内約1/3がなくなると生命に関わるはず。
霊夢の体重がどの程度か細かい詮索はしないとしても、1リットルくらい血がなくなったら死にそうだ、と意味不明な事を考えてみるテスト。
小食なレミリアが、しかも啜って1リットル!無理だろうねぇ(´ー`)

『最終鬼畜兵器彼女』の吸血プレイに脳髄を刺激されて書いてみたわけですが、文章にするのは難しい・・・
あれは表情が非常にエロくてGJだったからエロっぽい物として成り立ってたのかなぁと思ってみたり。
全体的にいっぱいいっぱいな感じが漂いまくってますが、激しいツッコミは勘弁してくだちい _| ̄|○

書いた人:0005


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (1733d)