「なあ、パチュリー」
「何?」

もう何度も聞いた、魔理沙の『なあ、パチュリー』。
私の中では彼女の代名詞となりつつある。それくらい、魔理沙は私によく質問してくる。
『知識と日陰の少女』の二つ名を持つ私としては嬉しくない事もないけど。

「前から疑問に思ってたんだが・・・お前の名前って本名なのか?」
「・・・これをペンネームか何かだと思ったの?」
「思ったぜ」
「そう・・・・・・」
「だって、『パチュリー』に『ノーレッジ』だぜ。これを本名と思う方がどうかと思うんだが」
「人間の常識で物を考えないでよ・・・ノーレッジ家はその名の通り、『知識』を司る由緒ある幻想郷の魔法使いの家系。
 パチュリーだって感情を落ち着かせたり現実を冷静に見つめ直させてくれる効果があるんだから」

ここでいう『パチュリー』とは、ハーブの品種名。
年と共に香りが熟成される特性や今言った効能など、なぜか私と共通しているような所が多い。
パチュリーの名を持ったから私もそうなっていったのか、
元々私にそういう気質があったからこの名前を付けられたのか、
またはまったく関係ないのか、それは分からないけど。

「・・・じゃあ知ってるか?パチュリーにはまだ他の効能があるんだぜ。催淫作用とか」
「ちょっ・・・・・変な事言わないでよ!?」
「いや本当なんだって」

催淫作用。そんな物があるとは知らなかった。
だけどそれは私とは関係ないはず。私にパチュリーという名が付いているだけであって、
それは私が淫らである事の証明にはならない。そもそも私は淫らじゃないし。

「どうせなら『ローズマリー』なんて名前でも良かったかもな。効能は頭脳明晰、記憶力アップ、疲労回復など」
「『ローズマリー・ノーレッジ』・・・・・・遠慮しておくわ」
「そうか、残念」
「ごめん、魔理沙・・・・・今日は調べ物がいっぱいあるから帰ってくれる?」

この日、私は初めて魔理沙に図書館を出て行ってもらった。







今、私の目の前には例の『パチュリー』がある。使い魔に探させて手に入れた。
私は自分と同じ名前の・・・いや、自分の名前の由来となったハーブを今まで見たことがない。何か変な話だ。
魔理沙と話していた時に語った効能など、本を読んで得た知識でしかない。

あれから、ハーブに関する文献を読み漁った。確かに『パチュリー』の項目で『催淫効果あり』の記述をいくつか見つけた。
信じがたいような信じたくないような・・・

「催淫作用か・・・こんなのでいい気持ちになれたら一部の人は苦労しないわ」

半ば馬鹿らしいと思いつつも、恐る恐る香りを嗅いでみる。
臭い。土臭いというかカビ臭いというか、いつまでも嗅いでいたい香りではない。
こんな物で感情が落ち着くとはとてもじゃないが思えない。そういう事を書いた人と私と、
どちらかの嗅覚がおかしくなっているんじゃないだろうか。私の嗅覚が異常だとは思ってないけど。

「馬鹿らしい・・・無駄な時間だったわ」

使い魔に探させた手間と私が浪費した時間、どちらも確かに無駄だった。







その夜。私はなぜか眠れない。いや、確かに眠れないのだ。
鼻の奥には、昼間嗅いだあの香りがまだしっかりと残っている。
このしつこさ、ニンニクよりも強烈じゃないだろうか。

(ああもう、鬱陶しい)

思えば、魔理沙があんな事を言うからこんな事になってしまったわけで。
今度来たら文句の一つでも言ってやろう。
魔理沙に文句を言ってやろう。
魔理沙に、言ってやろう。
魔理沙に。

魔理沙・・・



おかしい。頭の中から魔理沙の顔が離れない。忘れようと、かたく目を閉じても消えそうにない。
頭の中で魔理沙が微笑んでいる。私の手を引く。私を抱き寄せる。そのまま唇と唇を・・・・・・・・・


「・・・はっ!?」

慌ててベッドから跳ね起き、そのお陰で頭の中の世界はどこかに消し飛んでくれた。
落ち着いて深呼吸をし、もう一度ベッドに入る。

(い・・今のは何だったのよ・・・そんな事するほどの仲でもないのに)


また、魔理沙の顔が浮かぶ。
頭の中の魔理沙が、一枚ずつ服を脱いでいく。
一糸纏わぬ姿になった魔理沙。見た事ないはずなのに、その肌は透き通るように白く滑らか。
そんな魔理沙が私を誘っている。おいでおいでと、両腕を広げて抱擁の体勢をとる。

(やだ・・やめて・・・そんな事考えたくないっ!)

だが、私の意思に反して頭は次々と虚像を創り出していく。
身体が熱い。頭の中の私じゃなくて、実際ここにいる私の身体が熱い。火照っている。
熱と共に妙な切なさを感じる。『あの部分』にどうしても触りたい衝動とそれを引き止める理性のせめぎ合い。

勝負は、一瞬で決した。
衝動が勝り、下着越しで『あの部分』に触れてしまう。


(やだ、何で・・・・・?)


認めたくなかったが、僅かながら私は『濡れていた』。
それと同時に、昼間読んだ文献の言葉が脳裏に浮かぶ。『催淫作用あり』という言葉が。

これではもう認めるしかない。身体の火照りと切なさを相手にしながら、私は眠れぬ夜を過ごすしかなかった。



・・・・・・・・・・・・・・・



眠れるものか。
この火照りと切なさをどうにかして鎮めなければ、とても眠れそうにない。
もう一度、恐る恐る『あの部分』に触れてみる。今度は下着越しではなく直に。

「ん・・・・」

かすかな、だが弾けるような刺激が走る。
もう一度触れてみる。今度はさっきよりも強く、より深く・・・

「んっ・・くぅっ・・・」

脳天まで刺激が走る。刺激は脳天で弾け、まるで芳香のように全身に広がっていく。
そう、これは快感――
間違いない、私は感じている――


ここから先は簡単だった。
次の快感を、次の次の快感を味わう為に指で触る。撫でる。擦る。
僅かに濡れていた程度の私の女の部分から、どんどん蜜がにじみ出る。

「うっ・・はぁ・・・あぁぁ・・・・・いい・・・・よぉっ・・・!」

不思議な事に、やめようという気が全く起きない。
頭ではいけない事、やってはいけない事と分かっているはずなのに指が止まらない。
むしろ、指で愛撫しながら頭で魔理沙の事を思い浮かべてしまう自分がいる。

これこそが『パチュリー』の催淫効果なのか・・・

あの唇が欲しい。あのエプロンドレスを脱がせたい。肌と肌を擦り合わせたい。


魔理沙の、全てが欲しい。

「あぁぁ、魔理沙・・・・・魔理沙、魔理沙、まりさ・・・ま、りさぁ・・・・・・」


私の頭の中は、魔理沙だけでいっぱいになった。
痺れるような感覚に全身を支配され、真夜中だという事を忘れて叫んでしまった。

「まり、さっ・・・・あ・・・ふああぁぁぁぁぁっ!!・・・・・・・・あ・・・うぁ・・・・・」



私ともあろう者が、たかがハーブに心奪われてしまうなんて。
・・・と言いたい所が、この『パチュリー』の効果は本物だ。なんといっても私が魅了されたから。
快楽の絶頂を味わい、その反動で呆然となり、息が切れるほど夢中になってしまったのだ。

世の中には私の知識の外にある物がまだたくさんある。幻想郷は広い。
それが分かったのだから、これは無駄な時間ではなかった。
一人勝手に納得し、ようやく身も心も落ち着いた私は今度こそ眠る事ができた。







「ねえ、魔理沙」
「何だ?」

今日は、私が魔理沙の代名詞を使ってみた。
自分から話を切り出す事は今まであまりなかったが、やってみると意外に新鮮なものだ。

「ハーブの方のパチュリーについて、色々調べてみたの」
「催淫効果、ちゃんと載ってただろ?」
「うん、でもそれだけじゃない・・・パチュリーの香りは一度付いたらなかなか取れないんだって」
「それも聞いた事あるな、取り扱い注意らしいぜ」

「・・・・それでね、今日は図書館にもパチュリーの香りを流してるの。気づかれない程度にね」
「ん?」

魔理沙が訝しげな顔をする。
彼女はこのハーブの効能を知っているから、それくらいの反応は当然するだろう。

「おい、変な事考えるなよ。催淫効果ってどういう物か分かって・・・」
「分かってるわ。実際に試してみたし、それがどれだけ素晴らしいかも身を以って知った」
「素晴らしいって・・・・」
「十分素晴らしいものよ。魔理沙はそれを知らないのね」

こんな事を言っているが、実は心臓が出てきそうなほどドキドキしている。
今すぐにでも魔理沙に飛びつきたい衝動を抑え、これから起こるであろう事を想像して。
だが緊張しているはずなのに不思議なほど口はよく動き、余裕の笑みすら浮かべている自分がいる。

そう、ここで緊張している場合ではない。まずは魔理沙を無力にしなければ。
後ろ手に組んだ私の手には、あるスペルカードが握られている。スペルカード発動に印も密かに結んである。
あとは、名前を呼んでこれを発動させれば魔理沙を無力にできるはず。不意討ちになってしまうが致し方ない。
魔理沙と正面からぶつかって勝てるのかと聞かれれば疑問符がたくさん付く。


「魔理沙・・・『パチュリー』の香り、その心と身体に刻んであげる・・・・・・」

私が一歩近づくと、『何か』を察知したか魔理沙がとっさに符を出して構える。なかなか勘がいい。
まあ、実際私には魔理沙を無力化させる『何か』があるわけだけど。

「それ以上近づくなよ・・・今日のお前、何か変だぜ」
「前も言ったでしょ、人間の常識で物を考えないでって。魔理沙にとっての狂気は私にとっての正気かも知れないんだし。
 それに、魔理沙ももうすぐ私と同じようになる・・・・・割とあっけないものよ」
「来るな!例えパチュリーでも・・・撃つ時は撃つぜ」
「魔理沙・・・・あなたほどの魔法使いでも、印を結ばずに符だけでスペルカードを発動できるのかしら」
「何・・・・・?」
「できないわよね。なら、いくら強い符を出そうと無駄な事・・・・・諦めて」


「・・・火符『アグニシャイン』」

ボソリと呟くと手の中の符が弾け、無数の火球が渦巻く。
火球はゆっくりと広がり、前後左右から魔理沙に襲い掛かる。
普通に出せば魔理沙には難なく避けられてしまうだろうが、不意討ちならその限りじゃない。

「くっ・・うおああっ!」

火球はかなり小さくして撃った。直撃を受けても絶対に致命傷にはならない程度にだ。
だが、それでも魔理沙の服を燃やすには十分。最初の一撃が魔理沙の帽子を掠めたのを皮切りに、
動揺した魔理沙の服も、符も、あっという間に焼き尽くしてしまった。
後に残ったのは身体一つになって荒い息をしている魔理沙のみ。


「くそっ・・・な、何考えてるんだよパチュリー・・・・・」
「『脱いで』って言っても素直に脱いでくれるとは思えなかったから」
「当たり前だ・・・・・・・・」
「まあ、これで邪魔な服も符もなくなったわけで」

もはや魔理沙に己の身を守る物など何もない。身を覆い隠すのが関の山、という程度だ。
それ以前に魔理沙は(恐らく恐怖かショックで)震えている。非力な私でも何とかなりそうだ。
胸を必死で隠そうとしている腕を掴むと、やはり抵抗はなかった。

「・・・・・大人しい魔理沙もそれはそれで可愛いわね」
「ひっ・・や・・・やめろ・・・」
「女同士で恥ずかしがる事もないでしょ。でもまあ一応、念の為・・・」

小指の先に乗るくらいの黒い粒を一つ、魔理沙の口へ。
どうせこれを飲んでくれるとは期待していない。だがこれは口の中でサッと溶け、すぐに効果を発揮してくれる。
ほんの一瞬でも口に入ってしまえばそれでお終いだ。


「あっ・・がは・・・・パチュリ・・・何飲ませっ・・・・・」
「特製の痺れ薬よ。薬にはあまり頼りたくないんだけど、やっぱり腕力じゃ敵いそうにないから」
「く・・・・・カラダが・・・重・・・・」
「そんなに強い薬じゃないわ。少しは抵抗できる程度に体を動かせるはず・・・・
 やっぱり無抵抗の相手を組み伏せるのはこっちにも抵抗があるのよ。それに・・・・・」

「抵抗する相手を無理矢理、って何だか興奮しない?・・・って、魔理沙は無理矢理される方だけどね」




こんな事を言う自分はちょっと普通じゃないかも知れない。いや、十分普通じゃないはずだ。
世間一般で見ても、普段の私と比べてもやっぱり普通の状態じゃない。
まあ、そう自覚している内はまだマトモなのかも知れないが。

『あの夜』以来、私の中で何かが目覚めた。
それは『もう一人の私』とでも言えばいいだろうか、まるでずっと昔からそこにいたかのように私の心の一角を占め、夜な夜な私に囁く。

魔理沙を抱いてしまえ、と。

とんでもない事だと最初は思った。確かに私と魔理沙は仲がいいし、正直言って私は魔理沙が好きだ。
だが、『好き』の意味合いが違う。上手く説明できないが、男と女の間の『好き』とは違う。恋愛感情と言うよりは友情に近いだろうか。
だからどんなに仲がよくても女同士である以上一線は越えない・・・そう思っていた。
なのに私は頭の中で魔理沙を抱いた。魔理沙に抱かれた。自らの妄想の中で魔理沙を穢した。
それが直接的な理由なのかは分からない。だが、その夜以降私の中で魔理沙の存在が変わっていったのは間違いない。

すなわち、ただの親友から恋愛感情を超えて、身体を欲しくなるほどの相手に。




そして今。目の前には魔理沙がいる。
自らの身を隠すモノも護るモノもなく、満足に動く事すらできず、その目には涙を浮かべている。
自分が置かれている状況に対する恐怖か、それとも変わり果てた私への恐怖か悲しみか・・・あるいは全部かも知れない。

私が今まで見た事のない魔理沙がここにいる。


「そんなに怖がらないで・・・・・痛い事はしないから」

魔理沙だけいつまでも裸というのは不公平だし、服を着たままだと何かと不便になる。
だから、私も服を脱いだ。







裸になってみると、お互いの体つきというものがよく分かる。
魔理沙の方が私より少し胸が大きい。
私は魔理沙と比べて病的に肌が白い。
魔理沙にはほんの少しだけ『あの毛』が生えている(私はまだ)。

ただ、どれだけ比べても自信を持って言える事が一つだけある。


「・・・魔理沙って、お肌すごくきれいなのね。何か使ってる?」
「く・・・・・・」
「・・・・・まあいいけど。それにしても、もち肌ってこういうのを言うのかしらね」

二の腕に舌を這わす。魔理沙も当然抵抗するが、今の彼女の腕力では私にすら太刀打ちできない。
あっけなく私に圧し負け、腕と方を押さえられ無防備な腕を晒す。
舌は肘の辺りからゆっくりと、腋に向かって少しずつ至る。筋肉のゴツさを感じさせない、柔らかい感触だ。

「あっ・・・・!」
「くすぐったい?それとも・・・」
「ひ・・やっ・・・・・」

「くすぐったくて感じた?」
「ばっ、馬鹿、そんなんじゃ・・・」
「そうね・・・もっと感じる所の方がいいわよね」


今度は魔理沙の『腕と肩』ではなく『肩と肩』を押さえつけて完全に押し倒す。
怯えきった表情の魔理沙、そして彼女の身体。
自分が歪んでいるのは百も承知、だがそれでも『魔理沙を支配している、思い通りにできる』という考えが
自分自身をさらに歪め加速度的に興奮させている。
誤解されそうだが他に適当な言葉がない、今の私は『とにかく気分がいい』のだ。

私はふくらみかけの胸の突起に狙いを定めた。

「ひっ!」
「魔理沙って敏感なのね・・・まだ舌で触れた程度なのに」
「やめて・・・頼む・・・・」
「・・・・本当にやめていいの?こんなに硬くしてるのに」

舌が触れただけで硬くなった乳首を、今度は口に含んでやる。

「ひぃっ・・・・!」
「んっ・・・もっと・・・・自分に・・・・正直になった方がいいわよ」
「あぁっ!や、やめろ・・・吸うな・・・・・噛むなぁ・・・・」
「ふふふっ、そんな切なそうな顔で『やめろ』だなんて・・・・本当に素直じゃないわね。それなら・・・」

「素直になるまでやめないから」
「あっ、ぅぁ・・・・・・あはぁ!!」


舌を胸から首の方へ這わせ、今度は頬へ。魔理沙の息遣いを感じる。
何を見たくないのか、何を耐えているのか、魔理沙は目をかたく閉じて歯を食いしばっている。
だがそんな事は関係ない。震える唇を強引に塞いでやった。

「んむっ・・・・・!!」
「んふ・・・そろそろ、素直になる頃でしょ。『アレ』が効いてくるはずだから」
「アレ・・・?・・・・まさか・・・・・・・」
「やっぱり勘がいいわね、魔理沙。そのまさか、『パチュリー』の催淫効果がそろそろ出るんじゃないかしら」

「馬鹿な・・・何言って・・・・」
「『パチュリー』を甘く見ない方がいいわ・・・それは静かに心と身体を蝕み、本人は蝕まれている事にすら気がつかない。
 それは魔理沙だって同じ事。だから・・・・・」
「んっ・・・・んはっ・・・!」

「・・・キスされただけでも興奮しちゃう。まあ、私もだいぶ前から興奮しっ放しだけど」


口元から力が抜けていくのが分かる。言葉でさんざん否定していても、身体というものは正直なものだ。
食いしばっていた歯も緩み、口がだらしなく半開きになってきた。
そこを責めない手はない。私は迷わず舌を挿し込んだ。

「んふぅっ!?」
「ん・・ふふ・・・・・ほら、素直になってきた」
「んぐっ・・・・ち・・・違う・・・違うッ・・・・・!」
「違う?何が違うの?もう抵抗すらしてないくせに」
「そっそれはっ!お前が変な薬を飲ませるからカラダが重く・・・・・」
「・・・・私の薬を飲んだから手も足も投げ出して私に身を委ねるようになった。そうでしょ?」
「違・・・・・・」

「違わないわよ。あの薬ね、ほんの少しだけ『パチュリー』から抽出したオイルを混ぜてあるの。
 鼻から催淫効果のある香りを嗅ぎ、薬でその効果を体内にも持っていく・・・拒み切れるわけないわ。
 その証拠にもうあなたは抵抗していない。できないんじゃなくて、抵抗しようとも思っていない。
 私としてはもう少し抵抗して欲しかったんだけど・・・まあいいわ」


もう一度、舌を唇の奥に挿し込み蹂躙を始める。
胸の突起に触れてみるとまだ硬さを保っている。むしろ硬さを増しているくらいだ。
それを指でいじりながら、口の蹂躙を止める事はない。

「うん・・・・ぁふ・・・」
「くふっ・・・・・・ふぅっ・・・・」

「・・・もう得意の啖呵も切れなくなってきたみたいね。舌が絡み付いてきたわ」
「ぁ・・・・は・・・・・」
「うふふ、ボーっとしてる暇なんてないわよ。まだ一番大切な所が残ってるんだから」


舌を口から抜き、首から胸へ、胸から腹へ、腹から腰へ、そして腰から脚へ。
白くて柔らかい太ももを舌でなぞる。だがそこは一番大切な所じゃない、大切なのはその付け根・・・
わずかな毛で覆われた桃色の部分。ここを舌先で突付いてやった。

「ああっ・・・・!!」

面白いように身体が跳ね上がった。
もう一度、今度は閉ざされた肉を広げてその中まで突付いてみる。

「やぁぁぁっ!」
「やっぱり敏感ね、魔理沙。まるでこないだまでの私みたい・・・・もうやめようと思ってもやめられなくなるわ」
「お願い・・・もう、やめて・・・・・」
「何言ってるの?むしろここからが本番じゃない」
「もう・・・だめ・・・・私・・変になるっ・・・・・・」
「 変 に し て や る の よ 。 私と一緒に堕ちるの・・・」

魔理沙の股間に顔をうずめ、丸ごとしゃぶる。
きれいな肉ひだを丹念に舐めあげる。豆粒のような『核』を舌で転がす。
一つ一つの愛撫に魔理沙は敏感に反応してくれる。甘い声を出し、蜜液を染み出させ、身体を小刻みに震わせる。
その全てが私をさらに興奮させてくれる。魔理沙も多分興奮してきているはず。


「ひっ・・・やぁ・・・・あっ、あ・・・ん・・・・・いや・・・・い、や・・・・・・・!」
「・・・まだ強がる?でも、そろそろ限界でしょ」

「ぅあっ・・・・・あ・・・いやぁ・・・・い・・・・・・や・・・はぁ・・・・・・んっ・・・・いっ・・・いいっ・・・・・!」
「いい・・・?何がいいの?」
「・・・私の・・・・・・アソ・・・・コが、気持ち・・いぃ・・・・・・・・ぃあぁっ!」



ずっと待ちわびていた言葉がとうとう聞けた。あれだけ私の愛撫を拒み続けてきた魔理沙が、やっとその身を快感に委ね始めたのだ。
こうなってしまえば後は楽だ。私の気の向くままに魔理沙を弄ってやればいい。

「もっと・・・・もっと、パチュリー・・・もっと舐めて・・・・・・」

(今までずっと我慢してきた反動かしら、変わりっぷりが激しいわね・・・まぁ願ったり叶ったりだけど)
「・・・・ここが気持ちよかった?」
「あくぅっ・・・!!」
「それとも、こっち?」
「くぅぁあああっ!そぅっ、そこっ!そこが・・・・・いいのッ・・・!」
「・・・そうか、魔理沙はここがいいんだ・・・・」

魔理沙が示したのは、女性の最も敏感な『核』の部分だった。
確かにここを弄れば弾けるような刺激が突き抜ける。私も経験済みだ。
だから、私はそこを舐めるのをやめた。

「・・・・・え?パチュリー、何でやめるんだよ・・・・?」
「・・・舐めるよりもっと気持ちいい事思いついちゃったから。私と一緒に気持ちよくなろ・・・・」
「・・ん・・・・・・」


お互いの腰を密着させ、お互いのアソコが触れ合い擦れ合うように抱き合う。
体格が極端に違わなくてよかったと心からそう思う。身長差がありすぎたらかなり難しくなるだろう。

ゆっくり腰を動かしてみる。魔理沙の方がだいぶ濡れている為、スムーズに動かせる。
クチュ、クチュと音がする。何ともいえない、いやらしい音だ。
お互いのアソコが擦れ合う。一人でやった愛撫の時とは比べ物にならない程の刺激が全身を駆け抜けた。

「ふあああっ!す、すごい・・・・」
「あぅぅ・・・・パ・・パチュ・・・しびれ・・・るぅっ!すご、いっ・・・・・・!」
「私も・・・痺れるくらいっ・・・・・気持ちいいッ・・・・いいのぉっ!」

今は確か昼間。昼間から二人でこんな悲鳴を上げて、誰か来ないか心配だ(真夜中でも誰か来るだろうけど)。
だが・・・いや、だからこそ。『誰か来るかも知れない』という不安感・緊張感がたまらない興奮となって跳ね返ってくる。体の芯が熱くなってくるような感覚だ。


「んっ・・・あっ・・・・あぁっ!魔理沙、私イッちゃう!魔理沙でイッちゃう!だから・・・魔理沙も、魔理沙もぉ・・・・・・・
 私でイッて!!私のアソコで気持ちよくなってぇっ・・・・!!」
「わ・・私も・・・私もイク・・・・・・・パチュ・・・イクなら一緒にイコっ・・・・一緒だよっ・・・」
「うん・・・・・一緒・・・一緒にぃ・・・・イクぅぅぅぅっ・・・!!」

『ぅあああああぁぁああぁああああぁぁぁあぁぁっ!!!』


この一瞬。二人の動きも、声も、吐息さえも、全てがシンクロした。







「・・・・・どうだった?」
「どうって、何が?」
「『パチュリー』の催淫効果。すごかったでしょ?」
「・・・音速が遅いぜ」
「何よ」
「あれだけやられれば普通その気にさせられると思うんだが」

「・・・・じゃあ、効いてないって事?」
「効き目の強さとか時間とか、色々個人差があるんじゃないか?仮に私に効かなかったからといって
 誰にも効かないわけじゃないんだし」
「まあ、そうよね」

確かにそうだ。私には割と早い時間で効いたのに、魔理沙にはそういう感じがない。
この効果の程度を正しく知るには、さらに実験・観察を重ねなければならないのだろうか。
だが、そんな気の長い事をするつもりはない。私に効いて魔理沙に効かないと分かればとりあえず良し。


「そういえば、服燃やしちゃったわね、ごめん・・・・・私のでよければ貸すわ。サイズも合うだろうし」
「・・・ああ、服の前に言いたい事があるんだが」
「何?」

いきなり魔理沙が近づいてきたかと思ったら、私の頭をしっかり抱えて唇を押し当ててきた。
唇どうしが触れる感触が先行して、何が起こったのか理解できない。それ以前に、魔理沙の意図も見えてこない。

「んむっ・・・・・・何、何なの魔理沙!」
「どうも勘違いっていうか早とちりしてるみたいだからな」
「だから何・・・言いたい事が分からないわ・・・」

「『私にパチュリーが効いてない』なんて誰が言った?私は『仮に』で話をしたんだぜ」
「え・・・・・・?」
「それにもう一つ言ったよな、『効き目の強さとか時間とか個人差がある』って。この意味分かってるか・・・?」

「あ・・・・・・!?」


ようやく理解した。
魔理沙にようやくパチュリーの効果が出てきたのだ。
効き目に個人差があるなら、こんなに時間が経ってから効果が表れてもありえない話じゃないのかも知れない。

魔理沙の目は焦点が定まっていない。私と同じように、心の中に『何か』が生まれたのかも知れない。



「『パチュリー』の香り、お前の心と身体にも刻んでやるぜ・・・・・・」



あの夜、私が見た光景が。あの夜、私を誘惑した魔理沙が。
目の前に在る。目の前にいる。


私もあの夜を再現するかのように。彼女と二人でもう一度甘美な世界に堕ちる為に。

魔理沙に抱かれていた。

(end)

























あとがき。

まずこのSSは、最萌トーナメントのパチュリーvs中国の時にパチュリー支援のつもりで書いた物のエロVer.です。
最萌支援の方が通常版でこれがEX版なのか、最萌の方が縮小版でこれが完全版なのか。
まあどっちでもいい事ですがw

アロマテラピーとかハーブの知識など皆無に等しい自分がこういう話を思いついてしまったことは罪でしょうか?
もし罪なら0005を殴るなりすき間に放り込むなり好きにしてください。
ていうかそういう事をしてしまったからなのか、現在蓄膿症気味で鼻が全く使い物になってないんですよコンチクショウ。
因果応報って奴ですか?

さて、絶頂直前の魔理沙の口調は意外と難しい。
男言葉を貫くべきなのか、女言葉にシフトさせるべきなのか。
自分としては、特殊な状況でのみ男言葉が出なくなってしまうというのがツボなんですがいかがでしょう?
この辺りの意見とか頂けたら幸いです。

書いた人:0005


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2300d)