立ち昇る光が唯一の灯りだった。
 石で作られたような、冷たく、窓が一つもない部屋。そこに詰まっているのはよく分か
らない道具や書物で、その床には巨大な魔法陣が敷かれている。それが、ぼんやりと光を
放っているのだ。
 その奇妙な部屋の中心で、パチュリーは立っていた。その手には魔導書があり、足元に
は奇妙な、油のような物体が転がっている。
「あとは、私と霊的接続するだけね」
 確認するように呟いて、パチュリーが人差し指を軽く噛み切る。紅色の珠が浮かぶのを
確かめて、それを足元の奇妙な物体へと垂らす。
 とたん、それが変化を見せた。
 何かの生き物のようにぐにゃぐにゃと形を変え、激しく脈動を繰り返し、そして最後に
は元通りの、まるで葉にたまった露のような姿に戻った。
「……うん、これなら大丈夫ね」
 その結果を見て、パチュリーは満足そうに微笑んだ。
「それじゃ、来なさい。さっそく一仕事よ」
 つい、と指先を動かすと、その液状の物体はゆっくりと後をついてくる。その動作はま
るでスライムのようで、どこかおかしさを感じさせる。むしろ、実際にスライムなのかも
知れない。
 それを伴って、パチュリーは外に出るとばたんと部屋の扉を閉めた。
 普段は使うことのない、彼女の魔術実験用の部屋である。




 日の光が差さない、かすかな魔法の光だけが頼りになる闇の中。
 そこに納められているのは呆れるほどに大量の書物で、それらのためにこの場所はしつ
らえているのだということを、誰が見ても理解することが出来た。
 ヴワル魔法図書館。
 幻想郷の一角、広大な湖の上に立つ赤い館、紅魔館にある叡智の集積所である。
 そこに納められている書は膨大で、創世から現在に至るまでに編まれたものを全て網羅
しているとさえ言われているほどで、さらには、本それ自体が力を持った魔導書すらもす
べてが存在しているとされている。
 当然その知識や納められた魔導書を狙って、こっそりと入ってくる不届き者もいるが、
大体は門番や有能なネコイラズ(ときどき役に立たなくなるが)、またはこの図書館の主
本人に阻まれてすごすごと帰るか、紅魔館の主の夕飯となる運命となる。
 ただ、それでも例外はあって——
「お邪魔するぜー」
 その例外である魔理沙は、図書館へ足を踏み入れて、爽やかに声を上げた。
 すると、大体は数秒後にパチュリーの不機嫌そうな——実際は不明な——声が返ってく
るはずだったのだが。
「ありゃ、留守か? 珍しいな、あの引きこもりが」
 さり気なく酷いことをいいつつ、魔理沙が一歩踏み出す。
 ぐにゃり。
 なんだか形容しがたい、こう、風化しすぎて埃になった動物の死体のような、はたまた
得体の知れない液体の入った袋を踏んだような感触。
「……お?」
 思わず足元を見ると、


 なんか、へんなのがいた。


「うわー!?」
 悲鳴を上げて飛び退る魔理沙。思わず警戒するが、踏まれた液状物体は特に意に介さな
いようにふるふると揺れながら床を這って進んでいる。
「あら、来てたの」
「うわ!? ……なんだパチュリーか。ありゃなんだ?」
 ようやく見知った顔を見つけて安堵した魔理沙は、のんびりと進んでいるスライムらし
きものを指差して聞いた。
 よく見ると魔理沙の背丈あたりまであって、今は平べったく広がって床に張り付いてい
るものの、立ち上がると相当な大きさになるだろう。
「ああ、あれね。見ての通りスライムの一種だけど」
「いやそうじゃなくて。なんであんなのがいるんだよ」
「それは私の使い魔だからよ」
「……は?」
 あまりにもさっくりとした返答に、魔理沙の目は点になった。
「あら、魔女が使い魔を使ってはいけないのかしら?」
「いやいや、そういうわけじゃなくてな。えーと、小悪魔の方はどうした?」
「ちゃんといますよー」
 魔理沙の声を聞いたのか、本棚の影からぴょっこりと小悪魔が顔を出した。
「……だよな。しかし、どう言う吹き回しだ? 使い魔増やすなんて」
「掃除係が欲しくてね。小悪魔は本の管理で手一杯だし。……誰かさんのせいで」
 魔理沙が視線を斜め上辺りにそらした。パチュリーが半眼で見つめてきたからだ。
「しかし、なんであんな不定形ゼリーに?」
「まあ、モップと同じよ。狭い所まで入り込んでチリやホコリを取れるようにね」
「洗う必要はないのか?」
「吸収して分解するから問題ないわよ。わざわざ賢者の石を作った甲斐があったわ。本当
に良く働いてくれるのよ」
「賢者の石まで使ったのかよ……。まあ喘息持ちには切実な問題だからなあ。特にここは
窓がないし」
 ほんの少しだけ自慢げに話すパチュリーに、魔理沙は呆れた顔をした。
 まあ、錬金術の到達点とまで言われる物質をわざわざ使って自律型モップを作ったのだ
から当然かも知れないが。
「ええ、おかげで前より発作の回数が減ったわ。あの子にかける負担も減らせたし」
「本当は魔理沙さんが来てるときに発作で寝込んでるのが嫌だったんですよね?」
「え? ちょっとあなたどうしてそれ……ちょ、待ちなさいっ!!」
 慌てて横槍を入れようとした小悪魔を捕まえようとするが、ひらりとすんでのところで
かわされ、
「それじゃあもうちょっと奥のほうまで整理してきますねー」
 と、笑顔を隠さずに去っていった。
「……そうなのか?」
「……あんまり本気にしないでよ」
 そういいつつも、思わず目をそむけてしまうパチュリーだった。
「まあ、いいか。とりあえず本借りてくぜ。えーと、これとこれと……」
「……ちょっと、何冊持っていく気よ」
 了承の声も聞かずに本棚からひょいひょい抜き出している——小悪魔の整理は台無しだ
——魔理沙に、パチュリーが抗議する。
「いいだろ、減るもんじゃないし」
「減ってるわよ、あんたに貸した分が。早く返しなさい」
「うん、まあそのうち」
 すっかり本を探すのに夢中なせいか、生返事しか返ってこない。
「しょうがないわね……」
 こりゃしばらく戻ってこないわね、と諦めたように溜息をつく。
 と、そこで足元に例の液状モップ(名前募集中)が戻ってきた。この辺りの掃除は大体
終ったらしい。
「……そうね」
 そこで何か思いついたのか、パチュリーは未だ本を怒涛のように漁っている魔理沙へ指
を向けて。


「ちょっとお仕置きしてやりなさい」


 そんなことを命令してみた。
 もちろん彼(性別不明だが)はパチュリーの忠実な使い魔であるので、実行した。
「うわわわわわわっ!?」
 魔理沙の隙だらけだった背中から飛びついて、拘束するように絡みつく。
 器用に身体を変形させて触手やら何やらまで展開し、いかにもお仕置きモードといった
風情になっている。
「お、おいちょっとパチュリー!!」
「たまにはいい薬よね」
「いや確かにこいつの原材料は薬だけど……うわ服の中に入ってくるな!!」
 くすくす笑うパチュリーに全力で文句をつける魔理沙だったが、じわじわと服の袖や襟
元から触手が侵入してくるのに戦慄を覚えた。
「人は食べないようにしてあるから大丈夫よ。まあそのかわりいい感じに玩ぶように命令
したけど」
「触手は勘弁だぜおい!? ……やっ、変なところ触るな……っ!!」
 服の中に入り込んだ触手が胸やお尻の辺りに到達した。魔理沙はそのひんやりとした感
触に思わず背筋が伸び、悲鳴をもらした。
 剥ぎ取ろうとしてもすでに腕は縛り上げられたようになっていて、まったく身動きが取
れない状態だ。
「うわ、駄目っ、止めろよぉ……うあぁ、ぬるぬる苦手ぇぇ……」
 あくまでゆっくりと這い回ってはお尻の谷間を擦り上げたり、まだふくらみかけの胸を
優しく撫でるように弄りまわす触手。
 それが嫌悪感よりむしろ気持ちよさを煽るのが怖く、魔理沙は声を震わせて抵抗する。
けれど、せいぜい身をよじることしか出来ず、触手のなすがままになるしかない。
「ぱ、パチュリぃぃぃぃ」
 必死で背筋や秘部を走る感覚をこらえながら涙目になって睨むが、パチュリーはどこか
楽しげに、もしくは興味深そうに見つめているだけである。その頬はほんのちょっとだけ
上気しているが。
「お、覚えてろ……きゃうんっ!?」
 恨みがましく声を上げるが、ずりゅ、とドロワーズの上から股下を擦りあげられ、途中
から驚きの嬌声に変わる。
「魔理沙もそんな声出すのね。ちょっと可愛いわ」
「しゅ、趣味悪いぞ……ふ、うんっ、くぅ……あ」
 執拗に何度も何度も弄られている胸は先端がちりちりと熱く、また太ももの内側とその
先にある部分もぞわぞわとした痺れのような感覚を魔理沙に訴えている。触手が優しく愛
撫するたびにか細い声を漏らし、吐く息は熱を増し続ける。
 ふと気づくと、触手が動くのに合わせて、かすかに湿った音が魔理沙の下腹部から聞こ
えていた。
「……あら、何の音かしらね?」
 わざとらしくパチュリーが言い、つい、と軽く指を動かした。
「うわっ!?」
 それを命令と判断して、触手が魔理沙の足を捉え、転ばせた。その位置はちょうど仰向
けになってパチュリーに向かい合う形だ。
「だ、駄目、見るなぁ……」
 何をしようとしているのか察したのか、必死でスカートを押さえようともがく魔理沙だ
が、強く引っ張られ、その試みも徒労に終った。
 絡み付いた触手が、大きく足を広げさせて、スカートをまくり上げる。
 熱気と、どこか扇情的な匂いが舞い上がる。
 そこに隠されていたドロワーズは、ちょうど太ももの付け根の部分がしっとりと濡れて、
とろりとした色濃い染みを作っていた。
「……ふぅん。なかなか感じてるのね。意外と淫乱なのかしら?」
 それを見ながら、パチュリーは心底楽しそうに笑う。その表情は普段どおりだったが、
今回はなぜか悪魔のようにも見えた。
「だ、誰が、淫乱……だ……」
 魔理沙が弱々しい抗議の声を上げるが、その顔はいよいよ赤く、今にも泣き出しそうな
表情をしていた。恥ずかしさと、未だ続いている胸への責めがその身体を震わせていた。
「そうね、今度はもっとじっくり見てみようかしら」
「や、駄目、駄目だっ、もう止め……」
 悲鳴に近い声を無視して、さらに命じた。
 それを受け、彼女の忠実なる下僕は迅速にその命令を達成する。
 ドロワーズに触手を差込み、一気に足首まで下ろした。
「駄目ぇ、見るな見るなぁっ……」
 ひんやりとした空気が秘部を撫でる。その感覚に、心臓が止まりそうになる。
「ああ、こんなに濡れてたのね。……ふふ、やっぱりえっちね」
 それとは対照的に、パチュリーは嬉しそうに微笑んでいる。
 その視線の先には、とろとろに濡れた薄い桃色の花弁。
 その入り口はふるふると愛液をとめどなくこぼして、それは陰唇を伝い、弾力のありそ
うなお尻まで伝わって透明な糸を床まで繋げていて、ぴん、と大きく膨らんだ陰核が自ら
包皮を脱ぎ捨てて切なそうに脈動していた。
「やだ、見ちゃやだぁ……う、うあ……」
 はしたなく濡れそぼっている一番大切なところをじっくりと観察されている恥ずかしさ。
それに耐え切れず、魔理沙はうつむいて泣き始めた。
(あ……ちょっとやりすぎたかしら)
 その様子に、ほんの少しだけ罪悪感を感じた。お仕置きとはいえ、彼女に苦痛を与える
つもりはなかったのだ。
 けど、
(まあここまできたら止まれないわよね)
 自分の内側でとくんとくんと息づく熱い感覚。
 それは、魔理沙が感じているものと同じだった。
「……綺麗な色ね。可愛いわ」
 耳元で囁くと、ゆっくりと顔を下ろしていく。
「や、な、何するんだよ……」
「痛いことはしないわ……ちょっとお手伝いしようかしらと思ってね」
 そう言うと、剥き出しになっている魔理沙の秘部に口をつけた。
「うあうっ!? や、止め、そんなところ……!!」
「大丈夫よ、ちゃんと綺麗にしてるんでしょ? ……ん、いい匂い」
 舌先でこぼれ落ちてくる愛液をなめとって、鼻先を入れるように舌を差し込む。
 魔理沙の味、匂い、感触に恍惚としながら、さらに舌を中でこそぐように動かすと、魔
理沙が身体を小さく跳ねさせる。
「うあっ、ん、んあっ、は、や、駄目っ……ああああっ!!」
 快感を求めてちりちりと騒ぐ粘膜に与えられる強烈な刺激は、魔理沙を軽く達させるに
は充分すぎた。その瞬間押し出されるように液が溢れ出し、パチュリーの舌をきゅうきゅ
うと締めつけ、達したことを伝える。
「ん……気持ちよかったのね。嬉しいわ」
「ん、あ……」
 とろとろに濡れた顎をあげて、先ほどとは違う笑みを浮かべるパチュリー。それに、魔
理沙はかすかに震えながら息を吐くことしか出来なかった。
「じゃあ、もっと気持ちよくしてあげようかしらね」
 いいながら、触手の動きを再開させた。
「ん、くあっ、はうっ……や、止めてぇ……」
 触手は服をたくし上げて、乳首を執拗に攻めたて、股間もまた陰核や尿道を中心に嬲る
ように弄りまわす。
「ひぅ、あっ、くうぅ、んっ……!!」
 その抵抗する力を奪い取る切なく甘い痺れ——段違いの快感に、魔理沙はもう抵抗でき
ずにいた。ただ攻め立てられ、その性感を直に受け止めさせられて、耐えることしか出来
ない。その目じりには違う意味での涙がたまり、吐く息には快感の色が混じっている。
「あっ!! ……ん、くぅ……」
 きゅう、と一際強く陰核を絞り上げて、いきなり緩めては撫でるように触れる。
「は、あ、駄目、んっ……うぁっ!!」
 尿道を舐めるように愛撫しながら、突然に極細の触手を押し込む。
 その、えんえんと繰り返される巧妙な攻めに、魔理沙の膣口の周りは失禁したように濡
れていた。床にこぼれ落ちた愛液が、すっかり水溜りを作っている。
(そろそろかしらね)
 そう思ったところで、自分の下腹部が濡れているのを自覚した。とろりとした熱を持っ
ている液が内腿をなぞっている。
(……もう、魔理沙がえっちなのが悪いのよ)
 そのことに顔を赤らめながら、触手に最後の命令を下した。
 それに合わせて、触手の動きが変わる。その形すらも変化を始めている。
 大量の細い触手が魔理沙の身体を絡めとって、服を器用にも全部脱がせた。
「あ、やぁ……」
 か細い声で魔理沙が抵抗するが、ほとんど無防備に等しい状態、あまり意味はなく、あ
っという間に裸身が現れる。
 続いて何本か触手が集まって、魔理沙の秘部を大きく開いた。ついで、別の触手が陰核
や尿道を優しく愛撫し始める。
 最後に、ひときわ大きめの触手が膣口に軽く押し付けられた。
「……あ」
「最初は細くするから大丈夫よ。痛いことはしないって言ったでしょ」
 その感触で息を飲む魔理沙にパチュリーは優しく囁いて、
「んんんっ!!」
 一気に挿入された。
 指ほどの太さに変形した異物は、ほとんど抵抗を受けることなく最奥まで到達していた。
「あ、はぁっ……」
 まったく痛みがないことに、魔理沙は強張らせていた身体から力を抜いた。
「あ、やっ……!!」
 その隙を突いて、触手が抽挿を始めた。くちゅくちゅと粘ついた水音を立てながら、膣
壁を擦り上げる。
「んっ、んっ、うっ、はぁっ……!!」
 魔理沙はほとんど身動きの取れない身体をよじって、異物感と快感から逃れようとする
が、そんなことはお構いなく触手は自らの太さを少しずつ増しながら彼女の膣内で暴れ続
けている。一往復終えるたびに雫が彼女の大腿や恥丘、臀部へと飛び散って光った。
「あ、駄目、ぱ、ちゅりぃっ……!!」
 思わずパチュリーの名前を呼ぶ。
 それに、パチュリーの体が反応した。
(あ、駄目……私のほうも我慢できなくなる……)
 もう昂ぶって久しい下腹部の感覚を太ももを擦り合わせて堪えながら、必死で自分も乱
れたくなる衝動を押さえる。
 ……実を言うと、彼女はかなり欲求不満なのだ。
(もう、少し、もう少しだけ……だから)
 そう念じて理性を操り、必死で性欲を押さえる。
 彼女の思い通り、魔理沙の方は佳境に入っていた。
「……っ、……っ、……っ!!」
 激しく動かされる触手が立てる水音は大きくなり、魔理沙も敏感な部分全部を攻め立て
られ、声を上げられないほどに昇りつめている。

 すでにかなりの太さになった触手が引き抜かれるたびに花弁がめくれ上がり、差し込ま~

れるたびに巻き込まれる。潤滑液はすっかり泡だって白く濁って、精液のようにも見えた。
 そして、
「あっ、あああっ、あっ……ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 図書館全部に響くような声を上げて、魔理沙は達した。
 頭の中が真っ白に染まり、全身に焼け付くような快感が流し込まれるような錯覚。
 体がぴくんぴくんと跳ねるたびに膣口から愛液が溢れ、なおも動き続けていた触手を締
め付けて、その活動を一時的にやめさせた。
「は……ん…………」
 やがて、ゆっくりと息を吐いて、魔理沙からかくりと力が抜けた。



「…………ふう」
 その様子を見て、パチュリーも息をついた。
(危なかったわね……)
 お仕置きなのに自分も混ざっては意味がない。そんな風に思い、必死に我慢してきた。
 ただ、やっぱり火のついたやけぼっくりはなかなか消えないわけで。
「……あとは、あの子に相手してもらおうかしら」
 ふと、今も何処かで本を整理している小悪魔の淫蕩な表情を思い出しつつ、魔理沙に近
づく。
「……失神しちゃったのかしら」
 少しだけ心配そうな表情で、眠っているような魔理沙の顔を覗き込んだ。
 すると、突然魔理沙の目が開いた。
「隙ありぃっ!!」
「きゃ、な、何っ!?」
 何が起こっているのか把握する暇もなく、いきなり腰の辺りを捕まえられて、引き倒さ
れた。あわてて振り払おうとするが、思ったよりも強い力で、なかなか外れない。
「……さっきはよくもやってくれたなぁ」
「……えぇと」
 ものすごく怖い笑顔で朗らかに語る魔理沙。それをパチュリーは直視できない。したら
間違いなく取って食われるという確信からだ。
「まったく、死ぬかと思ったぜ」
「……い、一応加減はしてたわよ?」
 冷や汗を流しつつ弁解してみるが、途中からノッてしまったのは確かで、今の魔理沙に
意味は無さそうだった。
「……と、いうわけでお前も味わえ!!」
「え、きゃ!?」
 魔理沙の声とともに、触手がパチュリーの制御を離れて動き出した。
 一気に腕と足と腰を絡め取って、魔理沙に押し付けられるような形となる。
「……時間が足りなかったから細かい操作はできないが、自律命令くらいは出せるぜ」
「い、いつの間に……」
「と、いうわけで道連れだ……んっ、こらあんまり激しく動くな……!!」
 魔理沙を責めていた触手が活動を再開すると同時に、パチュリーにも襲い掛かった。
「きゃ、この、いうことを……あっ、やあっ……!!」
 パチュリーがすでに感じていることを知っているのか、いきなり激しく動き出した。素
早く下着を脱がすと、いきなり秘部を責め始める。
 十分に濡れててらてらと光り、かすかに開いている秘唇へ触手が殺到する。
「嫌、駄目ぇっ……んぐっ!!」
 悲鳴を上げるパチュリーの唇を魔理沙が塞ぐ。耳元で騒がれるのが辛いというのもあっ
たが、自分から仕返しをしないと気がすまない、という魂胆の上での行動だった。
「んん、ん、ふ、ん……ん……!!」
 唇をふさがれ、舌を絡めとられて、執拗に攻められる口内の感触にパチュリーは目を閉
じて耐えるが、やはり秘部へ加えられている責めと相まって耐え切れず、
「んん、む、ふ、うんっ、んーっ!! んーっ!!」
 すぐに絶頂を迎えた。背中が大きく仰け反って、秘部が艶かしく震える。
「ん……ぷは。なんだ、もうイッたのか。淫乱だなんて人のこと言えないぜ」
「そ、それは……」
 さすがにずっと我慢していたからとはいえなかった。抵抗にと、涙の浮かんだ瞳で魔理
沙を見つめるが、逆にまっすぐに見返されて目をそらすことになった。
「さて、じゃもう一回だ」
 触手が動き回り、魔理沙とパチュリーを重ね合わせる。すでに剥き出しの秘部が、ちょ
うど陰核を支点に対称の配置となる。そこに、触手が巻きついてしっかりと固定される。
「……な、何するつもりよ」
「同じことだ」
 言いながら、魔理沙はほどかせて自由になった手を伸ばして、パチュリーのお尻を掴む
と、思い切り押し広げた。
「あ、やだちょっと……!!」
 どう言う意図かを理解して抵抗しようとしたがすでに遅く、
 ずぶり、と触手の一本が膣に押し込まれた。
「ああああっ!?」
 突然の感覚にパチュリーは悲鳴を上げた。
「まだまだ……もう一本」
 だが魔理沙はまだ足りないといわんばかりに、今度は少し上の方を広げた。
 つまりは、お尻の穴。
「あ、駄目、そこは違……んあああああっ!?」
 そんなことはお構いなく、そっちにも触手が入り込んだ。
 二本の触手はずぶずぶとパチュリーの両方の穴の奥まで入り込み、一心地ついたと思う
と抽挿作業を始めた。
「はああっ、やぁっ、駄目ぇ……!!」
 菊座と花弁、同時に攻め立てられる感覚に息を詰まらせる。
「……さて、次は私だぜ……ん、っく……!!」
 そこに、魔理沙が腰を動かして、互いに押し付けあっている陰核を擦り合わせる。
「あ、ひあっ、ん、あ、お願い、許してぇ……」
 肛門が激しく擦られて火傷しそうなくらい熱い痺れを送り、膣内で暴れている触手がさ
らに快感を上乗せし、そこへ陰核の刺激が一気に流し込まれる。
 信じられないほどの快感の奔流に、パチュリーは思わず魔理沙を抱きしめていた。
「駄目。ちゃんと、最後まで、気持ちよく、ならなくちゃ……だぜ」
 ぺちぺちとお尻を軽く叩いて玩びながら、自身も快感を味わいながら、魔理沙が腰の動
きを早める。彼女もまた菊座にもう一本追加され、そこから溢れるじんじんとした感覚を
堪えるので精一杯だったが、それでも精神的にはパチュリーより上にいるためか、余裕は
それなりにあった。
「あっ、やぁっ、だ、めぇっ……あっ、あっ……!!」
「んっ、くぅ、は、あっ……!!」
 触手が捻りを入れながら両方の秘部を責め始めた。さらに互いの隙間を埋めるように触
手が入り込み、それまで手を休めていた胸への愛撫も再開する。
「あ、や、びりびりする……くぅぅぅっ!!」
「ん、あ、は、んっ……!!」
 触手に突かれるたび、陰核が擦れあって背筋を走る快楽に拍車をかける。互いの潤滑液
は混ざり合い、その部位をもはや洪水のようにしている。
 それを受けて、触手の動きが激しさを増していく。

 目に見えて往復する速度が早くなり、ぐちゅぐちゅと泡立てるように膣と直腸をかき回~

し始める。
「ふあっ、んん……っ、……ま、りさぁっ……」
「はぁっ、あっ……くぅ、ぱちぇぇ……」
 まるで一つになったかのように、互いに腕を背中に絡ませて、抱きつく。
 頭の先から背筋の終わりまではすっかり痺れきって、一突きされるたびに意識が真っ白
になっていく。
「あ、もう、いく、いっちゃう……!!」
「んっ、私も、いっ、しょ、に……!!」
 息も絶え絶えに声を上げ、次第に景色が遠ざかっていくような錯覚を覚えた。
 そして、自分の胎内を攻め立てる触手の挿入感と、互いの感触だけが残って、
『…………あああああああああああああああああああああっ!!』
 一番強い絶頂を互いに経験した。




「…………あー、腰痛い。慣れないことはするもんじゃないぜ」
「…………魔理沙のばか」
 苦く笑いながらベッドに腰掛ける魔理沙に、パチュリーは顔を真っ赤にしてそんなこと
を言った。
 あの後、二人はべとべとになった全身をお風呂で洗い、魔理沙が『疲れたから泊まる』
と言って、無理矢理パチュリーの寝室へ入り込んでいた。
 ちなみにあのスライムは部屋の隅で四角くなってじっとしている。それの主人が言うに
は反省している、ということらしい。
「……まあ、あれはあれで結構癖になりそうだな」
「……私はごめんよ? 体がもたないし」
「……じゃあ、普通に二人きりの方がいいか?」
「ば、ばか」
 にやにや笑いながら、魔理沙。それがからかっているのだと分かっていても、パチュリ
ーにはそんな風にしか言えなかった。
「つわけだ。……そろそろ寝るか」
「……そうね、お休み」
「ああ、お休みだぜ」
 パチュリーがシーツを被り、魔理沙がそこへと入り込んだ。
 ほんの少しの沈黙。
「……こっちで寝る気?」
「駄目か?」
「……別に、いいわ」
 ぽそり、と呟くパチュリー。
 その様子に魔理沙は笑うと、横へと滑り込んだ。



























あとがき


ぬふぅ(開眼の挨拶

お久しぶりです、595です。
しばらく別の方で頑張っていましたがこのたび帰って来ました。
そしてちょうどスレでいい感じのネタがあったんで織り交ぜてみたり。
純愛触手。矛盾する二要素なわけですが、実質矛盾という言葉は存在しないです。
本来対立概念というのはキリスト教圏世界による善悪二元論からの派生で(ry
まあ要するに人間不可能はないです(何

さて、とりあえず夢中で描いてたらエロ度三倍くらいになったような気がします。
つーか書きすぎですよ俺。
赤い玉が出るまで満足していただければ幸いです。ではでは。


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2273d)