注意 子供は帰って寝てろ!





























 昼なお薄暗い紅魔館の中でも、昼夜を問わず薄暗い図書館。

 パチュリーは閲覧用の机で、『非錬金魔術の発展と分化 第二巻』と書かれた分厚い本のページをめくっていた。
 人間には少し光量が不足気味だが、パチュリーには問題無い。

 パチュリーの、読書時の集中力は半端ではない。
 図書館に誰か入ってきても気付かないぐらいだ。
 足音を立てて歩かれても気付かない時すらある。
 極端な場合は、背後にまでやって来られても気が付かなかったりする。














『その一言が』














「パ~チュ~リ~♪」
「ひっ!?」

 結局、背後から抱き付かれるまで、パチュリーは魔理沙の存在には気付かなかった。
 心臓が飛びあがりそうになる。

「ま、ま、魔理沙!?」
「ひどいぜ~、全然気付いてくれないんだもんな~」
「えっ、あっ、ご、ごめんなさい…」

 ふっ…と、良い香りが魔理沙の鼻をくすぐる。
 パチュリーの髪の匂いだ。
 埃臭い図書館の中にあって、それは痺れるような甘い芳香を放っていた。
 その香りに引かれ、豊かな髪に顔を埋める。

「魔理沙?」
「パチュリーの髪…いい匂いだな…」

 収まりかけていた、パチュリーの鼓動がまた大きくなるのを、魔理沙は肌越しに感じた。
 すんすんと犬の様に鼻を鳴らし、甘い香りを胸いっぱいに吸い込む。
 その度に、頭がじぃんと痺れるような気がした。

 首筋をくすぐる魔理沙の吐息に、パチュリーは身体を震わせる。
 実は、洗髪用の石鹸を、新しい物に変えたのだ。
 魔理沙がそれに気付き、気に入ってくれた事が嬉しかった。

「パチュリー…すごい…ドキドキしてる…」
 背中越しに、お互いの鼓動が聞こえる。
「可愛い…」
 魔理沙の手が、顎のラインをそっとなぞっていく。
「ふぁっ」
 心地良いくすぐったさに、思わず吐息が漏れる。

「パチュリーはHだな」

 びくん! と震えた後で、パチュリーが反論する。
「ち、違う…」
「違わないだろ?」


 何度も肌を合わせているうちに、魔理沙はある秘密に気がついていた。
 『パチュリーは、言葉責めに極端に弱い』
 勿論、それにはパチュリー自身も気付いていた。


 お腹から喉元までを、つーっと撫で上げられる。
「は…ぁぁ…ぁ…」
 それに絞り出されるように、細い声が漏れる。
「ほぉら、こんなに可愛い声出しちゃって」
「んーっ!」
 魔理沙の囁きに、身をよじらせるパチュリー。どうやら本格的に感じ始めたらしい。

「後ろに立っても気付かないなんて、変だと思ったんだよな」
(こ、これ以上耳元で喋らないで…)
「本当は、こうして欲しかったんだろ?」
「っ!」
 当然、本当はそんな事を思ってはいない。
 再び、びくんと跳ねるパチュリー。
 この反応が見たいが為だ。

(頭の中…真っ白になっちゃう…)
 そのくせ、魔理沙の声だけははっきりと聞こえるのだ。
「いやらしいなぁ、パチュリーは」
「違う…違うの…」
 頭を横に振って否定するパチュリー。しかし感じている事は明らかだった。

 熱く火照った耳たぶを、いくらかの髪の毛ごと甘噛みする。
「はぅ…」
 耳全体をぺろぺろと舐める。
「あぁ…ぁ…」
「へろふりぷらめれろ?」
「ひぃっ!!」
 舐めながら喋る。
 既に言葉の形を成していないが、こんな声でも、パチュリーは忠実に反応してしまう。


 魔理沙は耳から口を離すと、パチュリーの長い髪を留めているリボンに手を掛けた。
 これを解くのは、世界で唯一、魔理沙だけに許された行為。




 彼女のリボンは髪留めだけでなく、魔力増幅という機能も持っている。
 リボンを解くと、当然力が抜けたような感じになる。
 当の本人はその時の感覚を
 『すぅっと寒くなって』
 『裸にされたみたい』
 と表現する。


 

 しゅるり。
 ごく軽い音と共に、長い髪がさらりと舞う。
「くぅ…」
 魔力が抜けて行く感覚に、人差し指を噛み、その肩を震わせるパチュリー。
 魔理沙はもう一度、パチュリーの肩に手を回した。
「パチュリー…」
「ん…」

「愛してる」
 同時に、力いっぱいパチュリーを抱きしめる。
 それが止めだった。
「~~~っ!!」
 パチュリーは人差し指をぎりっと噛み、声が出ないように、その体を痙攣させる。
 その指をそっと外し、更に畳みかける魔理沙。
「なぁ、どうして黙ってるのさ…」
「ふぇ…?」
「声、聞かせてよ…」
 胸の突起の辺りを、服の上からさする。
 パチュリーのそれは既に固く尖っていて、すぐにその場所を特定できた。
「だ、駄目…」
「何が駄目なんだ?」
「そんなにされたら…」
「されたら?」

 一言囁かれる度に、残った理性が少しずつ消し飛んで行く。

「ま、またイっちゃう…」
「イっちゃう?」
「も、もう駄目ぇ!」
「いいぜ、イっちゃえ!」
「い…っあぁぁぁぁ!!」


 静かな図書館に、少女の絶叫が響いた。






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「…?」
 パチュリーは目を覚ました。少しの間、気絶していたらしい。
 と同時に、下半身に違和感を覚える。
(…え?)
 生暖かい液体の感触と、奇妙な開放感。
(お、おしっこ漏れてる!?)
 気付けば、既にお尻までぐっしょりと濡れていた。
 いくらかは椅子の脚を伝って床へ流れている。
(いやぁ…こんな…)
 必死で止めるが、既に出てしまった分はどうにもならない。


「パチュリー、部屋へ行こっか」
 起きたのを確認した魔理沙が、パチュリーの手を引く。
「だ、駄目っ!」
 パチュリーは慌ててその手を払いのけた。

「何が駄目なんだ?」
「え…あの…」
 返答に困るパチュリー。まさか『お漏らししました』とは言えない。
「ふ…服、濡れてるから…」
「…何で服が濡れてるんだ?」

 墓穴を掘った…

 魔理沙の方を見ると、何やらニヤニヤと笑っている。
 パチュリーは確信した。
 絶対に知ってて言っている。
 こういう時の魔理沙は、いつも意地悪なのだ。

「お…し…っ…こ…」
 蚊の鳴くような声で、パチュリーが応える。
「ん~? 聞こえないぜ」
 パチュリーは一層俯いて答えた。

「お…おしっこ漏らしちゃったの…」
「…ふ~ん」
 再び耳元へやって来る魔理沙。
「こんな所でお漏らししちゃったんだ」
 そう、ここはトイレでも、ベッドの上でもない。図書館の椅子の上なのだ。
「いやぁ…」
 改めてその事実に気付かされ、パチュリーは羞恥に悶える。

「パチュリーは悪い子だから、お仕置きが必要だな」
 魔理沙は、さっき解いたリボンを使って、パチュリーに目隠しをした。
 やや時間を置いて、両足を持ち上げられる。
 脚を開いた状態で、机の上に足を乗せる格好になった。
 裾をまくられたかと思うと、口に布地が押し当てられる。
「咥えて」
 自分の服だという事はすぐに分かった。
 言われた通り、布を口に含む。
 温かく湿った空気が立ち上り、つんとパチュリーの鼻をついた。

「パチュリーの匂い…こんなにいっぱい」
 魔理沙はわざと聞こえるように、くんかくんかと鼻を鳴らした。
(い…嫌…嗅がないで…)
 ドロワーズを履いているとは言え、恥ずかしい臭気を立てるそこを目の前に晒していると思うと、
 それだけでパチュリーは身悶えしてしまう。
「凄いな…もう腰までびしょびしょだぜ」
「んっ! ふ…ぅん」
 そして、それをなじられればなじられる程、そこはますます濡れてくるのだった。

 ぐちゅっ、ぐぢゅっ…

 魔理沙が下着越しに秘所を弄ぶと、布から染み出た液体が水音を立てる。
「いくら絞っても溢れてくるぜ」
(それ以上言わないで…おかしくなっちゃう…)

 ちゅぱっ。

「へへ…しょっぱいな」
「!!」
 パチュリーは思わず口を離してしまった。
「ま、魔理沙っ!! そんなの汚…ふむぅ!!」

 言おうとした口を口で塞がれた。

「…パチュリーに汚い所なんて無いぜ」
「ぁ…」
 じゅん。
 魔理沙の囁きに、パチュリーは自分がこれまでになく濡れてくるのを自覚した。
 目が見えないからだろうか、魔理沙の声が普段より大きく、強く、頭の中で響き、脳髄を痺れさせる。

 下着の中に、魔理沙の手が進入した。
「うわ…」
「あん…」
「パチュリーのここ、凄く熱くて…」
「ふぁぁっ!」
「ぬるぬるで、ぐちょぐちょで」
「あ、あ、あぁ…」
 魔理沙が素直な感想を囁くと、パチュリーの体がそれに反応してびくびくと跳ねる。
「凄いぜ、どんどん濡れてくる…」
「ひぁっ!」
 魔理沙の指が、パチュリーの敏感な突起を探り当てた。

「可愛いぜ、パチュリー」
 くりゅん!
「はっあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 淫核責めと囁き責めの二重攻撃にあっては堪らず、パチュリーはあっさりと達してしまった。

 ちょろ…
「…お?」
 魔理沙は指先に、温かい水流を感じた。
 しょろしょろしょろ…
「…パチュリー、またお漏らしか?」
「えっ…あっ! い、いやぁ…」
 イったはずみに、さっき我慢した分が漏れてしまったらしい。
「あったかい…」
 水流の源を、指でくりくりと弄ぶ。
「くぁぁん、お、お願い許して…」

「だ・め」

 意地悪に囁くと、これを機会とばかりに、知りうる限りのパチュリーの弱点を攻めまくる。
「ここも弱いんだよな」
 こちょこちょ。
「あっ、やあっ! いはぁっ!!」
「それから、ここも」
 くにゅくにゅ。
「あーっ! あーっ!!」
 漏れる小水を止める事もできず、イかされ続けるパチュリー。
 髪を振り乱し暴れるパチュリーを、魔理沙はぐっと抱き寄せた。

「パチュリー、大好き」

「っ!!!!!」


(『大好き』
 『大好き』
 『大好き』…)


 愛しい人の言葉が脳内で反響するのを聞きながら、パチュリーは意識を手放した。

 


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 時は少し動き、紅魔館のティータイム。


「んー、いい香りだな」
「茶葉も稀少品なら入ってるのも稀少品よ。あんたには勿体無いけどね」
「稀少品って…何が入ってるんだ?」
「AB型Rh-」
「遠慮しとくぜ」
「冗談よ」

 魔理沙と咲夜の会話を聞きながら、レミリアとパチュリーは紅茶を楽しんでいた。
 ちなみに、レミリアの紅茶は本当にAB型Rh-入りである。


「あらパチェ、髪の毛に糸屑が…」
「え? あっ…」

 ぱしゃ。

「あ…ごめんなさい」
 レミリアが声を掛けた拍子に、パチュリーは手に持っていた紅茶を少し零してしまった。
「何だか、お漏らししたみたいだな」
 途端、パチュリーが耳まで真っ赤になる。
 同時に、咲夜の鉄拳が魔理沙の脳天を直撃した。

「お下品」











 おしまい

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 あとがき

 最後まで読んでくれた人、暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜーっ!
 本文読まずにあとがきだけ読んでる人、冷たいチルノ汁プリーズ!

 聴覚と嗅覚と味覚と触覚でエロくなるように書きました。

 結果:小宇宙が足りません。

 こんな私は駄目ですか。駄目ですね。


 書いた人:達磨源氏


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2273d)