幻想郷のとある人間の里。
比較的大きなそこは、人家が立ち並び、里の中心には大小様々な店が軒を連ねていた。
人の往来も多く、日中は人々の声で活気づいて賑やかである。
これだけの規模でありながら、妖怪に襲われないのは、この里を守護する者の存在があるからだった。

守護者の名は上白沢慧音。
知識と歴史の半獣という二つ名を持つ妖怪である。
彼女は妖怪でありながら、人間が大好きで、常に人間のことを気にかけていた。
里の人間もそんな慧音のことを信頼しており、様々な相談を持ちかけてはその知恵を借りていた。
慧音自身もたまに里に顔を出しては、人との交流を楽しんでいた。



ある日の昼下がり。
慧音はいつものように里に下りてみると、人の往来に紛れて見知った顔を発見した。

「む、あれは…」

それは、博麗神社の巫女である霊夢の姿だった。




少し前、幻想郷の月が月の民の手によって奪われるという騒動があった。
不吉な夜から人間を守ろうと、里を幻想郷の歴史から隠したのだが、その折に出くわしたのがこの霊夢だった。
あの時は見えないはずの里に近づかれ、里を襲おうとしていると勘違いをし、戦いを挑んだ。
霊夢と一緒にいた妖怪には里の存在を看破され、いざ弾幕を張れば霊夢たちの圧倒的勝利だった。

次に出会った時は満月の夜だった。
ある者を守るために立ちはだかったのだが、満月の夜で、完全に妖怪になっていたにもかかわらず負けた。
要するに、出会ってろくな目に遭ったためしがなかった。





訝しげな顔をしていると、霊夢もこちらの存在に気づいたようだ。

「あら、あなたは…えっと…」
「慧音だ。ここに何のようだ?」
「何って…買い物だけど?」
「買い物?」
「そうよ、調味料とか買い置きが無くなったし、買いに来たんだけど」

なるほど、見ると確かに買い物袋をさげている。
霊夢は人間、人里に買い物をしに来ない道理は無い。
一度手合わせした間柄とはいえ、慧音は一方的に敵愾心を出していたことを恥じた。

「そ、そうか…いや、すまなかった」
「へ?何で謝るのよ?」
「いや、その…前に戦ったこともあったし、お前のことをそういう風に見てしまった。すまない…」

慧音は深々と頭を下げる。
すると、周りからは驚きの声が上がる。
里の守護者が、一人の人間に頭を下げているのが信じられなかったのだ。

「ちょ、ちょっと!頭を上げなさいって!」

霊夢も、さすがにこれは居心地が悪かった。
慧音はそれを察すると、あわてて頭をあげる。

「重ねて、悪いことをしたな…」
「まったくよ」

霊夢は眉間を寄せて抗議したが、やがてくすっと笑った。
つられて慧音も笑う。

「慧音は、ここの里を守ってるのよね?」
「そうだが…それがどうした?」
「じゃあ、さっきのことも含めて、案内してもらえる?」
「…お安い御用だ」












その日以来、霊夢は何度か里に足を運んで来るようになった。
慧音とも何度か話し込んでいるうちに、すっかりうちとけていた。
もともと人間が好きということもあり、今ではすっかり話友達である。

里の外れにある慧音の家の縁側で、今日も二人は話し込んでいた。

「あぁ、こうやってお前と話すようになるとは思わなかったな」
「そうね~。まぁ慧音は聞き上手だし、私が一方的に喋ってるような気もするけどね」
「はは、お前の話は聞いてて楽しいからな」
「なにそれ、失礼しちゃうわ」

霊夢はぷ~と頬を膨らませる。

「そういえば、慧音は里の人たちと話したりしないの?」
「ん?あぁ、もちろん話す…………が、よく考えたら頼み事ばかりだな…」

ふっ、と寂しそうな表情になる。

「そうなんだ…何かそれ寂しいわね」
「まぁ、人間の役に立てるんだったら本望さ」
「ほんっと、人間が好きなのねぇ…」

苦笑しながら霊夢が言った。
慧音は何か考えているのだろうか、寂しそうな顔しながら雲の切れ目を眺めている。
いたたまれなくなった霊夢は、すっ、と慧音の手を握って同じく空を見上げた。

どのくらい時間がたったろうか。
空はいつの間にか茜色に染まっている。

「…あ、すっかり時間が経ってしまったな」
「ねぇ、慧音」
「ん?どうした?」
「今夜はここに泊まってもいい?」

唐突に霊夢が切り出す。

「それは構わないが…どうしたんだ?急に」
「だめ?」
「まぁ、私に断る理由もないしな、狭い所だがゆっくりしてくれ」







その日の夕食は慧音が腕をふるった。
魚の煮付けに、ほうれん草のおひたし、ご飯は山菜を炊き込んだもので、醤油のいい香りを漂わせていた。

「へぇ~、慧音って料理上手なのね」

食卓に並べられた料理を見て、霊夢は感動している。
料理の腕を褒められて、慧音もまんざらではなさそうだ。
食卓を囲むと、早速霊夢が料理に舌鼓を打つ。

「うん!おいしい!」
「そうか、それはよかった」

慧音が微笑む。
それを見ながら、霊夢も嬉しそうにぱくぱくと箸を進める。

「そんなに慌てなくてもまだあるぞ、ほら、ご飯粒がついてる」

言うなり、慧音は霊夢のほうに身を乗り出し、ぺろっとご飯粒を舐め取った。

「ひゃん!…慧音?」
「あ……」

慧音はハッ、とした表情になったが、それは自分の行動に対してではなかった。

「…そういえば」
「?」
「以前、里の子どもを2、3日預かることがあってな、その時のことを思い出したよ」

感慨に耽ってるのだろうか、微笑みながら続ける。

「あの時も今みたいにご飯粒を取ったんだ。食べ方が汚くて、結局私が食べさせてあげたんだけどな…」

霊夢は箸を止めて慧音を見る。
慧音は俯いて肩を震わせている。
スカートにはポタポタと涙が落ちていた。

「慧音…」

霊夢は慧音の心中を察した。






慧音は人間が大好きだ。
里の人間を守るために手を尽くし、頼み事も快く引き受けた。
里の人間が自分を敬い、頼りにしてくれるのが嬉しかった。
でも、霊夢と話すようになって、こんな風に対等な付き合いをしてくれる人間がいないのに気づいた。
それが とても かなしかった






「ねぇ、慧音。私にも食べさせてよ」
「?」

突然、霊夢が変なことを頼んできた。

「慧音に食べさせて欲しいんだ。ね、お願い、慧音」
「へ、変なやつだな…お前は」

慧音はご飯を箸で挟むと、霊夢の口に持っていく。

「ほら、口を開けろ」
「子どもに食べさせるみたいにやってよ」
「…は、はぁ?…むぅ…。ほ、ほら、あ~んして」
「あ~ん」

ぱくっと霊夢が食べる。
ひとしきりそんなやり取りが続き、夕飯が終わった。


慧音は、霊夢に風呂を勧めると、食器の片付けにかかった。
程なく片付けも終わり、居間でひとりごちていると、霊夢が風呂からあがってきた。
すると、夕食の事を引きずっているのか、じゃれついてくる。

「ね、慧音。膝枕してくれない?」
「な、なんでそんなこと…」
「いいからいいから」

強引に霊夢は慧音の膝の上に頭を乗せる。

「うわぁ…柔らかい」
「………っ」

慧音は恥ずかしくて真っ赤になった。

「そのまま耳掃除してくれる?」
「……嫌だといったら?」
「膝からどかない。ね、お願い、慧音」
「はぁ…子供か、お前は」

しぶしぶと、机の上の小物入れから耳かきをとりだし、耳掃除をはじめた。

「うぁ~、人にやってもらうのってこんなに気持ちいいんだ~」
「そんなもんなのか?」
「うん、何かこれって親子みたいだよね」
「年は取っているが、老けた覚えは無いぞ…」 

ぶつぶつと文句を言いながらも、丁寧に耳掃除をする慧音。
しばらく耳掃除をしていると、呟くように霊夢が話し出す。

「慧音はさ、面倒見がいいのよ、きっと」
「ん?」
「だからさ、それだけのことなのよ、たぶんね」
「霊夢…」
「ふふ、初めて名前で呼んでくれたわね」

しばらくの間沈黙が続いたが、嫌な沈黙ではなかった。
やがて、両の耳掃除が終わった時に、霊夢のスースーという寝息が聞こえた。
慧音はくすっと笑うと、頭を一撫でし、寝床に抱えていくと布団に寝かせた。









「ありがとう、霊夢」













翌朝、慧音は朝早く朝食をこしらえると、寝床へと霊夢を起こしに行った。
すーっと障子を引き、寝床へ入る。
霊夢は、まだすやすやと眠っていた。

(可愛い寝顔だな…)

慧音はすぐに起こすのが勿体無くなり、しばし霊夢をながめる。
すると、布団の一部分が異常に隆起しているのに気づいた。

(ん?なんでここだけ盛り上がってるんだ?)

手を伸ばして触ってみると、しっかりとした手触りがあり、布団の皺ではないのが確認できた。
もう少し触ってみると、布団の下から、棒状のものが突き上げているようだ。
布団の位置から察するに、ちょうど股間の部分…

(ん?股間……?)

まさかと思い、そっと布団をめくってみると、寝巻きのズボンの股間部が山のようになっていた。
慧音は幻想郷の歴史で、女性でも男根を持つ者を何人か知っていた。
しかし、こうして実際に見るのは初めてだった。

(すこしだけ…すこしだけ…)

そんなことを思いながら、寝巻きのズボンをずらす。
すると、ボロンという音と共に、巨大な剛直が姿を現した。

「ひゃっ!」

思わず声が上がる。
それもそのはず、それは棒なんて生易しいものではなく、さしずめ山だった。
そこには勢いよく天を仰ぐ山が雄雄しくそびえ立っていた。
慧音は小さな子どものモノしか見たことが無かったが、
成熟した男子でもこんなに大きくは無いと容易に想像できた。

(すごい…びくびくしてる…それに…熱い…)

上気した表情の慧音。
おずおずと手を伸ばすと少し擦ってみる。
ピクッと反応した。

(気持ちいいのだろうか?)

顔を近づけて、思い切って頬を当ててみた。

(脈打ってる……)

すりすりとそのまま頬擦りをしていると、何やら視線を感じた。
顔を上げると、そこには呆然と見つめる霊夢の顔があった。

「あ……」
「け、慧音…何してるの?」
「…いやこれは…その…」

ばつが悪そうに俯きながら、視線を泳がせていると、目の前に霊夢の肉棒が現れた。

「慧音に触られてたら……こんなになっちゃった」
「………」
「その……鎮めてくれない?ね、慧音、お願い」
「な……」

何をいってるのだ霊夢は、起きぬけで寝ぼけているのだろうか、そんなことを考えながらわたわたとしている慧音。
そうこうしているうちに、頭に霊夢の手がかかったのに気づき、霊夢を見上げる。
すると、半開きになった慧音の口に霊夢の肉棒が差し込まれた。

「んんっ!むー!」
「あぁ…気持ちいい…」

霊夢は好き勝手に腰を動かし始める。
何度か喉までつき込まれ、苦しそうに涙を流す慧音。

「んぶっ!ふぇいむ!ふぁまひて!」

何とか声をだして抗議する。
するとあっさりと口から肉棒が抜かれた。

「はぁ…はぁ…霊夢、その…ちゃんと鎮めるから…乱暴には…」
「ごめん…慧音…私…我慢できなくなって…」
「いや…私のほうこそ…興味本位で弄ってしまった…すまない」

息も絶え絶えで、答える。

「改めて、お願い、慧音」

慧音はゆっくりと霊夢の肉棒に舌をのばす。
ちろちろと舐めながら、少しずつ先端まで舌を這わせる。
先端までたどり着くと、ゆっくりと、肉棒を慧音の小さな口が包んでいった。

「ふぁぁぁぁぁぁん!」

霊夢はぞくぞくと震えた。
慧音はそのまま口内で舌を使い、懸命にしゃぶっている。

「ちゅぷ……ちゅっ……ぁむ……」

霊夢はぎこちない舌の動きに耐え切れず、限界が近くなっていた。

「慧音、もう出そう…」
「……ちゅぱっ……ちゅっ……ふぇ?」
「あぁぁぁぁっ!」
「ふむっ!んんーーーーっ!」

びくびくびくっ!
慧音の反応もまたずに口内に勢い良く噴出される精液。
ずるっ!という音と共に慧音の口から糸を引いて剛直が抜かれた。

「……んくっ…ふ…ぁぁぁ……」
「慧音、ごめんね……ちゅっ……」

霊夢は、自分の精液を飲むのもかまわず、精液の滴る慧音の唇に口付ける。
舌を差し出すと、慧音も舌を預けてきた。

「ちゅっ……くちゅっ……んふぅ……」
「……ちゅっ……んぐっ……ごくっ…」

唾液と精液を嚥下しながら、慧音はぽーっと上気した表情だった。
十分にキスを堪能した霊夢はそっと唇を離す…。

「ごめんね、慧音……その……キスしてたらまた勃ってきちゃった……」
「……ふぁ……私も……何だか……体が熱くなってきた……」

霊夢は頭に手を回して、そっと布団に慧音を横たえると、スカートをめくった。
黒ストッキング越しのショーツはきれいな縦筋に濡れていた。

「あそこが……熱い……霊夢……」
「今度は私が……弄ってあげるね……」

ドレススカートを更にたくし上げると、豊かな乳房が顔を出した。

「ちゅっ……ちゅっ……」

躊躇無く乳首に吸い付き、手を秘所に這わせる。

「くあっ!……ぅん……くぅん……!」

普段からは想像もつかないような可愛らしい喘ぎ声が漏れる。
しばらく秘所を弄っていた霊夢の手が止まり、両手で乳房をもみ始める。
そして、がちがちに硬くなった肉棒を太腿から秘所へと何度もこすり合わせた。

「……ふぁっ!……あんっ!……はぅん……」

こすり合わせるたびに、黒ストッキングにナメクジが這ったような跡がつく。
生地越しの感触に耐え切れなくなり、霊夢は再び限界へと誘われる。

「ごめんっ!はぁ…はぁ…また…私だけイっちゃう!」

言うなり、凄まじい勢いで射精した。
びゅっ!びゅうっ!びゅぅぅっ!
何も無い空間へ放出する独特の音がする。
ぱたっ……ぼたぼたぼたっ
黒ストッキング越しのショーツに向かって精液が降りかかる。
粘度の高い精液は、半分は布地に吸収され油染みのようになり、もう半分はぷるぷると吸収されずに漂っていた。
霊夢の男根は射精後だというのに、その様を見て再び力を取り戻す。

「あ……あぁっ……霊夢……お願い……」
「け、慧音……?」
「お願い……もう……いれてっ……!」

悶えながら慧音が、懇願する。

「慧音っ…!」

霊夢は慧音を抱きしめると、ストッキングの上から秘所に肉棒を宛がう。
顔を近づけ、慧音の口を塞ぐ。
片手でショーツを少しずらすと、ストッキングを突き破って、肉棒が差し込まれた。
パツン!めりめりめりっ!

「ちゅむっ!ん、ふぅぅうぅうぅっ!」

ストッキングが破れるそれとは別に、慧音の中で何かが破かれる。
視線を移すと、肉棒を伝って一筋の赤いものが見えた。

「慧音……あなた……」
「はぁ……そのまま……動いて……」

精一杯微笑みながら慧音が霊夢を促す。
霊夢は慧音を気遣いながらゆっくりと腰を動かす。

「ふぁぁぁぁ……ぁん……」

慧音は引き抜かれるたびに快楽の波に飲まれる。

「んっ…うんっ…んうっ…」

徐々に速度を早めていくと、あわせるように喘ぎ声が漏れる。

「……っ!そろそろ……出そう」
「はぁ……れ、霊夢っ……一緒にっ!」
「あっ…あっ…もう……いくっ!」
「私も……もうっ……!」

どくどくどくどくっ!ぶしゅっ!

『あぁぁぁぁぁぁぁっ!』

山のような肉棒から噴火と形容されるような凄まじい射精が起こる。
慧音の小さな膣ではおさまりきれなかった精液が、飛沫をあげて吹き出してきた。
二人は繋がったまま脱力し、その余韻に浸っていた。







「そういえば…どうしてあんなに乱れたのだろう…」

そう口にして、慧音は思い出したように真っ赤になった。

「うちの家系は、代々こんな感じで、陰の気を陽のものに蓄えるのよ。たぶん、開放された陰の気にあてられたのね…」
「そ、そうだったのか…」

未だに頬を赤く染めながら慧音は言う。
思わぬ初体験となったことも衝撃だったが、霊夢と交わったという事実がより衝撃的だった。

「その、慧音…ごめんね。謝って済むようなことじゃないけど…」
「気にしないでくれ、無用心な自分が招いた結果だ…」
「でも…」

本当に申し訳なさそうに霊夢が俯く。

「じゃ、じゃあ…私のお願いを、聞いてもらえるか…?」
「え?」

意外な言葉に戸惑う霊夢だが、すぐに頷く。

「私の願いは…これからも、ずっと友達でいてほしい」

霊夢の瞳が潤む。

「えぇ、飽きられるまで通いつめるわ」









「ありがとう、霊夢」







おしまい







<あとがき>



絵板の偽狼氏の「おねがいハクタク」シリーズが大好きで、書いてみました。
黒ストッキングつけてるのはそのためです。
むしろもう自分の中で慧音は黒ストッキングです。



改めて読み直すと、設定がもう滅茶苦茶ですね…。
そもそも、対等な話し相手は妹紅がいますし。
話としてもかなり内容が薄くなってしまいました。反省。


ネチョに関してですが、練習もかねて長めにしました。
描写も今までよりは頑張ったつもりです……(´・ω・`)
ただ、当初考えていた流れと変わってしまい、前半と後半(非ネチョとネチョ)がまったく繋がりませんでした(ノ-`)
力不足ですみません。




霊夢に関してですが、今気づけば、妹紅と入れ替えても全然ダイジョブでしたね…
霊夢のキャラが一番中庸で使いやすいので甘えてました。反省。



次回は霊夢以外のキャラで、ネチョくも深いお話を………書けたらいいなぁ……




書いた人:ライブ


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Last-modified: 2018-01-07 (日) 04:56:13 (2299d)